連日熱戦が繰り広げられているNBAプレーオフも、ついに1stラウンドを終えました。
全8シリーズのうち、デンバー・ナゲッツvsロサンゼルス・クリッパーズ、ヒューストン・ロケッツvsゴールデンステイト・ウォリアーズの2つのシリーズが第7戦までもつれています。
内容的にもすばらしい試合が多く、おもしろかったですねえ。
おかげで幸せな日々を送れています(笑)。
今回はプレーオフ1stラウンド、ウエスタンカンファレンスの感想を、NBAを36年間観つづけてきたわたくしリトルが語っていきたいと思います。
レッツラゴー!
2025プレーオフ サンダーvsグリズリーズ
ウエスタンカンファレンス第1シードのオクラホマシティ・サンダーと、第8シードのメンフィス・グリズリーズの戦いは、4勝0敗でサンダーが勝利しました。
サンダーが圧勝したようには見えますが、実際にはそこまでの差はなかったと思います。
なんといっても、グリズリーズのエース、ジャ・モラントのケガが大きかったですね。
モラントは0勝2敗でむかえた第3戦の第2クオーター残り3分15秒、グリズリーズ27点リードの場面で速攻からダンクに行った際、ルーゲンツ・ドートと接触し激しくフロアに叩きつけられます。
モラントはなんとかフリースロー2本を放ったものの決めることはできず、そのままコートを去ってしまいました。
この第3戦で、グリズリーズは前半を終えて26点の大量リードを奪っていたものの、後半ウソのようにボコボコにされ、108-114で敗戦。
モラントは左股関節損傷の診断で、負けたら終わる第4戦に出場することはできませんでした。
モラントが欠場した第4戦でも試合終盤まで接戦を演じたグリズリーズでしたが、115-117で敗れ、シーズンを終えています。
シリーズ終了後のインタビューで、モラントが「第3戦でのケガでプレーできなくなったのが本当に悔しい。勝てていた試合だったし、あの試合に勝っていたら状況は全然違うものになっていたと思う。そうしたら今ごろは2勝2敗でオクラホマシティでの試合に向かっていたはずだ」と語っていましたが、気持ちはよくわかりますねえ・・・。
ただ、たとえモラントがケガをしていなくても、サンダーから4勝するのは不可能だったでしょう。
サンダーはまだまだ余力を残していましたから。
エースのシェイ・ギルジャス・アレキサンダーが1stラウンドの4試合で、平均27.8得点 FG40.2% 3P25.0%とシュートが不調だったにもかかわらず、サンダーはグリズリーズをスウィープしています。
選手層の厚さと総合力では、圧倒的な差があったように思います。
レギュラーシーズンで68勝14敗、リーグ1位となったオクラホマシティ・サンダーの強さは、本物ですね。
サンダーの強みと問題点
サンダーの強みはなんといってもペリメーターディフェンスの強さ。
特にアレックス・カルーソのディフェンスには寒気を覚えるほどの迫力がありましたね。
いざというところで、チーム全体で攻撃的なディフェンスができるところは、サンダーの恐ろしいところだと思います。
カンファレンスセミファイナルで戦うデンバー・ナゲッツでは、ラッセル・ウエストブルックが狩られる姿を想像してしまって、胸がキュッと締め付けられるようです(笑)。
第4クオーターの勝負所で、ディフェンス力をあげるサンダーですが、グリズリーズとの第3戦で一時29点差をつけられたように、集中力を切らしてしまう時間帯もあるのは、不安要素です。
若さゆえですかね。
そう、サンダーの一番の問題点は若さ、そして経験値の低さです。
圧倒的な戦力を誇るサンダーですが、カンファレンスセミファイナルに進む8チームの中では、もっとも若く経験値が低いことは間違いありません。
主力で最高齢が30歳のアレックス・カルーソ。
スターター5人はシェイ・ギルジャス・アレキサンダー(SGA)と、アイザイア・ハーテンスタインが26歳、ル―ゲンツ・ドートが25歳、ジェイレン・ウイリアムズが23歳、チェット・ホルムグレンが22歳と、若さ爆発です。
昨シーズンレギュラーシーズン1位で、4年ぶりにプレーオフに進んだサンダーでしたが、ルカ・ドンチッチ&カイリー・アービング擁するダラス・マーベリックスにカンファレンスセミファイナルで完敗し、シーズンを終えました。
現在の主力選手たちのプレーオフでの経験は、昨年の10試合がすべてなのです。
カンファレンスセミファイナルで戦うデンバー・ナゲッツは2023年のNBAチャンピオン。
優勝チームの主力だった二コラ・ヨキッチ、ジャマール・マレー、アーロン・ゴードンらに加え、大ベテランの35歳ラッセル・ウエストブルックもいるナゲッツは、経験値でサンダーを大きく上回っています。
確かに戦力的にはサンダーが大きくリードしているものの、勝負がかかったところでの経験値の低さは、不安要素ですね。
ただサンダーには絶対的エース、シェイ・ギルジャス・アレキサンダー(SGA)がいます。
今シーズン1試合平均32.7得点で得点王に輝いたSGAが、プレーオフでも本来の勝負強さを発揮できれば、ナゲッツを圧倒してしまうかもしれません。
サンダーの若さあふれるバスケが、ベテランぞろいのプレーオフで、どこまで通用するのか。
ワクワクさせられるチームであることは間違いありません。
サンダーが若さと勢いでチャンピオンに駆け上がる姿をみてみたいNBAファンは、多いのではないでしょうか。
2025プレーオフ ナゲッツvsクリッパーズ
ウエスタンカンファレンス第4シードのデンバー・ナゲッツと、第5シードのロサンゼルス・クリッパーズの戦いは、4勝3敗でナゲッツが勝利しました。
いやあ面白いシリーズでしたね。
レギュラーシーズン50勝32敗でならんだ両チームの戦いは、第3戦を終えた時点で2勝1敗とクリッパーズがリード。
クリッパーズのホームでむかえた第4戦、試合終了のブザーと同時にアーロン・ゴードンがたたきこんだブザービータープットバックダンクは、NBAの歴史に残るビッグプレーでした。
第5戦、第6戦はそれぞれホームチームが勝利し、むかえた第7戦。
第1クオーターこそクリッパーズがリードしたものの、第2クオーター、第3クオーターでナゲッツが一気に点差を広げ、早々に勝負を決めてしまいました。
この試合、大エースの二コラ・ヨキッチは16得点 10リバウンド 8アシストと、ヨキッチとしてはおとなしい活躍でしたが、6人が15得点以上を記録するバランスのいい攻撃で、クリッパーズを翻弄しています。
特筆すべきはナゲッツに流れを引き寄せた、ラッセル・ウエストブルック(ラス)の活躍。
チームを鼓舞するハッスルプレーの数々は、会場全体のボルテージを一気にブチ上げました。
第4クオーター残り6分53秒で決めたスティールからのダンクは、ラスの大あおりもあって、クリッパーズの心を折った一撃になりましたね。
レイカーズやクリッパーズ在籍時に批判されてきた姿をみてきたファンには、涙が出るほど興奮したシーンだったと思います。
今回のクリッパーズとのシリーズでも、大事な場面でダンクやレイアップをミスして批判されてきたラスですが、終わりよければすべてよし。
気持ち新たに、カンファレンスセミファイナルではオクラホマシティ・サンダーの若者たちに、暴れんぼうおっさんのパワーをみせつけてほしいと思います。
クリッパーズはカワイ・レナードが健康体であれば、まだまだリーグでもトップクラスの実力をもっていることを確認できました。
ジェームズ・ハーデンも波はあるものの、まだまだやれるところを見せてくれましたね。
あとはなんといってもセンターのイビツァ・ズバッツの成長。
現在のNBAでズバッツ以上にヨキッチをおさえこめる選手はいないかもしれません。
決して前評判が高くはなかったクリッパーズでしたが、試合を観ているとつい応援したくなるよいチームでした。
クリッパーズのオーナー、スティーブ・バルマーが大はしゃぎする姿をみていると、こっちもうれしくなってしまいます。
究極の「金持ちの道楽」ですよね。
新アリーナ2年目となる来シーズン、クリッパーズがどんな補強をしてくるのか、楽しみです。
シーズンを通してみると、ホームコートアドバンテージの大切さを再認識したシーズンでした。
ナゲッツの強みと問題点
ナゲッツの強みは絶対的エースの存在と、経験値でしょう。
二コラ・ヨキッチが現在NBAで最強プレイヤーであることは間違いありません。
過去3シーズンのうち2回シーズンMVPを受賞。
昨シーズンはジョエル・エンビード(76ers)にMVPを譲りましたが、3年連続受賞していても誰も文句はなかったと思います。
今シーズンは得点(29.6 リーグ3位) リバウンド(12.7 リーグ3位) アシスト(10.2 リーグ2位) スティール(1.8 リーグ2位)でリーグ3位以内に入るとてつもない偉業をなしとげました。
シーズントリプルダブルを達成するセンタープレイヤーがあらわれるなんて、センター全盛期の1990年代でも考えられなかったですね。
シュートタッチが悪くても、あらゆる方法でチームを勝利に導けるヨキッチがいることは、ナゲッツにとってとんでもないアドバンテージです。
ナゲッツにはプレーオフになると別人のように恐ろしいプレイヤーに豹変する、ジャマール・マレーという、もう一人のエースがいますから、ディフェンス力の高いオクラホマシティ・サンダーでも、苦労するでしょう。
ヨキッチ&マレーに、アーロン・ゴードンとマイケル・ポーターJr.を加えたスターターの4人は、2023年にナゲッツが初優勝を果たした時から変わりありません。
優勝をかちとった経験は、若手がそろうサンダーにとって脅威となるでしょう。
今年のナゲッツには、優勝経験者4人に加え大ベテランのラッセル・ウエストブルックまでいますからね。
まあラスの場合は、チームに勢いを与えることも、大チョンボでチームで被害を与えることもある劇薬ですが(笑)。
ナゲッツの問題点は選手層のうすさ。
ヨキッチをはじめ強力なスターターがそろうナゲッツですが、ベンチから流れを変えられるプレイヤーは、ラッセル・ウエストブルックのみというのが現状です。
1stラウンドの7試合で、ラスは平均13.8得点をあげましたが、フォワードのペイトン・ワトソンが4.4得点を記録したくらいで、他に平均1得点以上した選手はいません。
1stラウンド4試合で、9選手が平均4得点以上しているサンダーに比べると、あまりにも層がうすいナゲッツ。
最長7試合ある長丁場のシリーズでは、選手層のうすさが大きくひびいてくるかもしれませんね。
マレーも決してケガの少ない選手ではありませんし・・・。
2025プレーオフ レイカーズvsティンバーウルブズ
ウエスタンカンファレンス第3シードのロサンゼルス・レイカーズと、第6シードのミネソタ・ティンバーウルブズの戦いは、4勝1敗でウルブズがアップセットをはたしました。
いやあレイカーズ、あっけなかったですねえ。
レブロン・ジェームズ&ルカ・ドンチッチのスーパースターコンビが、プレーオフで奇跡を起こしてくれることを期待していたんですが、チームバランスの悪さはどうしようもありませんでした。
われらが八村塁選手は、素晴らしいプレーをみせていただけに、もうちょっとみていたいチームだったんですが・・・。
まあとにかくウルブズが素晴らしかったですね。
高さのないレイカーズ相手に、大事な場面でリバウンドを奪いまくり、相手に主導権を与えませんでした。
ドンチッチが体調不良になったり、レブロンが試合終盤スタミナ切れになるなど、相手に助けられた部分もありますが、昨年カンファレンスファイナルまで進んだ自信が、ウルブズを戦う集団に変えたのだと思います。
レイカーズがドンチッチ、レブロン、オースティン・リーブスらの1on1に頼っていたのに対し、ウルブズはそれぞれの選手がやるべきことをしっかり認識し、チーム全体でプレーを組み立てていました。
特にディフェンス面では、両チームに大きな差がありましたね。
名将クリス・フィンチHCのもと、チーム一丸となって勝利に向かっていった結果が、1stラウンド突破につながっています。
心配されていた「ルディ・ゴベアはルカ・ドンチッチにまたクッキングされるのか?」問題も、ドンチッチとの1on1からゴベアがスティールを決めるなど、みごとに昨年の屈辱を晴らしました。
ゴベアは第5戦で27得点 24リバウンドとゴール下を制圧し、レイカーズを絶望につき落とす活躍をみせています。
アンソニー・エドワーズ(アント)も第7戦で3ポイントシュート11本をすべて外す大不調がありましたが、それでも11リバウンド 8アシストを記録し勝利に貢献するなど、たしかな成長をみせています。
アントは1stラウンドの5試合で、平均26.8得点を記録。
第4クオーターの大事な場面で圧倒的な存在感を放ち、NBAの顔の一人であることを証明しました。
堂々としたプレーで、チームを勝利に導いているアントですが、まだ23歳とこれからの選手なんですよね。
もしかしたら今年のプレーオフで、手の付けられない怪物へと成長する可能性もあるのではないでしょうか。
終わってみれば、ウルブズに完敗したレイカーズでしたが、未来につながる良いシーズンだったといえるでしょう。
なんといってもドンチッチという通常では絶対に手に入れることのできないスーパースターを加えることができたのですから。
ドンチッチとアンソニー・デイビス&マックス・クリスティーのトレードが起こった時には、ビッグマンがいなくなったため「レイカーズは今シーズンは諦めたのか」と言われていたのに、ウエストの第3シードですからね。
賞賛すべきだと思います。
夏の間に、ビッグマンの補強ができれば、レイカーズは面白い存在になるでしょう。
ウルブズの強みと問題点
ウルブズの強みはサイズと選手層の厚さ、そして1on1に強いディフェンダーの存在です。
スターターのうちフロントコートの3人はルディ・ゴベアが216㎝、ジュリアス・ランドルが206㎝、ジェイデン・マクダニエルズも206㎝と、スモールボール全盛の現代NBAでは珍しいほどビッグマンがそろっています。
古典的なセンターであるゴベア以外の二人は、アウトサイドシュートもドライブもこなせるオールラウンドプレイヤーであるため、大きく機動力が落ちることもありません。
ベンチからは当たりだしたら止まらない3ポイントシューターのナズ・リード(206㎝)も出てきますから、高さではつねに有利に立てるでしょう。
カンファレンスセミファイナルで対戦するゴールデンステイト・ウォリアーズが、198㎝のドレイモンド・グリーンをセンターとするスモールボールを多用するチームであるため、ウルブズのサイズは大きな武器になるかもしれません。
選手層の厚さも、ウルブズの武器ですね。
先発ポイントガードをベテランのマイク・コンリーがつとめる場合、ベンチからはドンテ・ディビンチェンゾが出てきますし、ディフェンスに定評のあるニキール・アレキサンダー・ウォーカー、前述のナズ・リードと、スターターと変わらぬ力をもった選手がそろっています。
誰かが調子が悪くても、カバーできる選手がそろっているのは大きな強みだと思います。
1on1に強いディフェンダーは、ジェイデン・マクダニエルとニキール・アレキサンダー・ウォーカーですね。
この二人であれば、ステフィン・カリーとジミー・バトラーをを、ある程度1on1で守ることができるでしょう。
ウルブズは正直弱点の少ないチームだとは思いますが、あげるとすれば勝負どころでのスターパワーですね。
例年以上に1点差を争う接戦が多い今年のプレーオフですが、ウルブズが接戦に強いイメージはあまりありません。
アンソニー・エドワーズ(アント)は優れたスコアラーであるものの、勝負強さはカリーやバトラーのレベルにはまだ達していないと思います。
今年二人に並ぶ可能性もありますが。
まあアントに関しては、そこそこ信頼できるのですが、アントが抑えこまれた時が問題です。
本来セカンドスコアラーのジュリアス・ランドルが、これまでとにかくプレーオフで期待を裏切ってきましたから。
今年の1stラウンドではすばらしいプレーをみせたランドルですが、プレッシャーのかかる試合終盤で活躍できるのかは疑問ですね。
2025プレーオフ ロケッツvsウォリアーズ
ウエスタンカンファレンス第2シードのヒューストン・ロケッツと、第7シードのゴールデンステイト・ウォリアーズの戦いは、4勝3敗でウォリアーズがアップセットをはたしました。
サイズとディフェンス力が武器のロケッツと、スターパワーと経験値を武器とするウォリアーズの戦いは、最終第7戦でウォリアーズに軍配があがりました。
レギュラーシーズン最終戦に敗れプレーインにまわったウォリアーズでしたが、第7シードになり経験値の低いロケッツとの対戦となったことは、結果的によかったですね。
第4戦を終えた時点で3勝1敗と王手をかけたウォリアーズでしたが、敵地で行われた第5戦で、ロケッツにいいところなく完敗。
勝負をかけたホームでの第6戦では、ロケッツの高さの暴力に屈し、3勝3敗とホームコートアドバンテージを失ってしまいました。
第6戦のカギとなったのは、ベンチから出てきた〝アクアマン″ことスティーブン・アダムズ。
211㎝のアダムズが、17得点 5リバウンド 3ブロックの数字以上にインパクト抜群のプレーで、ロケッツに勝利を呼び込みます。
ホームにもどった第7戦、アメン・トンプソンをカリーに密着マークさせたイメイ・ウドカHC。
作戦は成功し、カリーを前半3得点におさえこんだロケッツでしたが、予想外だったのが第5戦4得点、第6戦無得点だったバディ・ヒールドの爆発でした。
ヒールドは第7戦の前半だけで3ポイントを6本成功(試投7本)させ、22得点を記録。
試合を通じて9本の3ポイントを含む33得点を記録し、ウォリアーズ圧勝の要因となりました。
今年一番大事な試合で、ヒールドガチャが当たるとは・・・。
ヒールドの3ポイントでリードを広げたウォリアーズでしたが、最後に勝負を決めたのは、ステフィン・カリー&ジミー・バトラーのスーパースター二人でした。
前半沈黙していたカリーでしたが、第4クオーターだけで14得点を記録。
バトラーも攻守に違いをみせ、ウォリアーズに落ち着きを与えます。
スーパースター二人はディフェンスでも奮闘。
大ベテランとは思えない運動量で、勝利に必要なプレーを続け、チームメイトを鼓舞しつづけます。
チームディフェンスでも前半ロケッツをわずか39点、試合を通じて89点におさえこみ、アリーナのロケッツファンを沈黙させました。
敗れたロケッツは、Wエースの一人、ジェイレン・グリーンの不調が痛かったですね。
圧倒的な身体能力を武器に、レギュラーシーズンチームトップの平均21.0得点をあげていたグリーンでしたが、ウォリアーズとの7試合では平均13.3得点に終わっています。
第2戦で38得点と爆発したものの、4試合で1ケタ得点に終わり、ロケッツの失速の要因となってしまいました。
もう一人のエース、アルペレン・シェングンは平均20.9得点と活躍をみせたものの、シュート成功率が45.0%とドレイモンド・グリーンに大事なところでおさえこまれてしまいましたね。
まあ若いチームなので、来年以降も期待されるチームであることはまちがいありません。
ケビン・デュラント獲得の噂もありますが、はたして・・・。
ウォリアーズの強みと問題点
ウォリアーズの強みはスターパワーと経験です。
NBAの歴史上最強のシューター、ステフィン・カリー。
一瞬のスキがあれば、コート上のどこからでもリングを射抜くスナイパーは、試合を決める終盤で、驚くほどの能力を発揮します。
相手が必死で3ポイントをおさえようとすると、インサイドにスルスルと入ってきて超絶レイアップを決めてしまうのですから、止めようがありません。
カリーは「レイアップおじさん」と呼ばれるほど、ドライブからのフィニッシュが上手いのです。
1stラウンドでは、クラッチタイムの得点だけでなく、クラッチタイムの鬼気迫るディフェンスでも、大きく勝利に貢献していました。
オフェンスでもディフェンスでも、決して手を抜くことなく、勝利のためにコートを走りまわるカリー。
37歳のスーパースターは、勝利するために全身全霊でプレーしています。
シーズン前半はクラッチタイムでカリーしか頼れるスコアラーがいませんでしたが、シーズン途中にトレードで加入した「プレーオフジミー」ことジミー・バトラーも、予想以上のクラッチプレイヤーぶりを発揮。
マイアミ・ヒートで数々の伝説を作り上げてきた35歳のバトラーは、チームが困った時にこそシュートを決め、相手のエースを激しくマークし、チームに落ち着きを与えています。
本当にプレーオフになると、レギュラーシーズンとは別人のようになるんですよね。
ヒートカルチャーの中心が、ウォリアーズにやってきたのですから、頼りになることこの上なしです。
カリーとバトラー、2人に加え、ディフェンスの要でプレイメイカーのドレイモンド・グリーンがそろうウォリアーズは、プレーオフの舞台で真価を発揮します。
カンファレンスセミファイナルで戦うウルブズの戦力に比べると、ウォリアーズは正直総合力では劣っていると思います。
ただ、この経験値の高い3人がいれば、なにが起こっても不思議ではないのです。
反対にウォリアーズの弱点は、サイズとドレイモンド・グリーンの暴走ですね。
サイズがある選手としては、クエンティン・ポスト(213㎝)ケボン・ルーニー(206㎝)トレイス・ジャクソン・デイビス(206㎝)らがいますが、なかなかスティーブ・カーHCの信頼を勝ちとる活躍はできておらず、198cmのドレイモンド・グリーンをセンターとするスモールボールで勝負することが多いのが、ウォリアーズの現状です。
1stラウンドのロケッツ戦でも、高さのあるシェングン相手にドレイモンド・グリーンが身体をはってよく守っていましたが、もう一人のビッグマン、スティーブン・アダムスにいいようにやられていました。
ゴベア、ランドル、マクダニエルズと、ロケッツよりさらに運動能力の高いビッグマンがそろうウルブズ相手に、カーHCがどのような策で挑むのか、楽しみです。
もう一つ心配なのが、ドレイモンド・グリーンの暴走。
ロケッツとの第7戦、ウォリアーズが勝利した大きな要因が、「ドレイモンド・グリーンがバスケに集中していた」ことだと思います。
グリーンが数々の問題行動を繰り返してきた選手であることは周知の事実ですが、1stラウンドでの暴走ぶりは目にあまるものがありました。
一つひとつのプレーで審判に文句を言い、必要のない暴力的なプレーでフレグラントファウルやテクニカルファウルを受け、自らチームの首を絞めるような行為を繰り返すグリーンの姿に、ウォリアーズファンの私でもイライラしていました。
チームの雰囲気も悪くしますし、第6戦ではカリーなど他のプレイヤーも、イライラし平常心で戦えていないようでした。
スモールボールの要であるグリーンが、バスケに、そして勝利することに集中しなければ、ウォリアーズは崩壊してしまうでしょう。
ウルブズもグリーンをわざとイライラさせるよう挑発してくるかもしれません。
なんといってもウルブズにはルディ・ゴベアがいますからね。
かつてグリーンはゴベアにヘッドロックをかけ、5試合の出場停止をくらったこともありますから(笑)。
正直戦力的にはウルブズ優勢だと思いますが、35年間にわたってウォリアーズを応援してきたわたくしリトルは、全力でウォリアーズに声援を送りつづけます!
まとめ
今回はNBAプレーオフ2025 1stラウンドの感想を主に語ってきました。
ここ数年、いや歴代でも特別に面白い1stラウンドだったと思います。
今回はウエスタンカンファレンスを語りましたが、次回はイースタンカンファレンスの4シリーズの結果も語っていきます。
例年以上に熱戦が続く今年のプレーオフを、思う存分楽しみましょう。
ちなみに最後にカンファレンスセミファイナルの予想をすると・・・
カンファレンスセミファイナル予想
サンダーvsナゲッツ 4勝2敗 サンダー
ウルブズvsウォリアーズ 4勝2敗 ウルブズ
としておきましょう。
ただ、わたくしリトルは全力でウォリアーズを応援します。
ウォリアーズ、俺の予想を超えてくれ!
