いよいよパリオリンピックに出場するバスケ男子日本代表の12名の選手が決まりました。
正直サプライズもあった選出でしたね。
決まったからには全力で応援していきたいと思います。
昨年のバスケワールドカップで見事にアジア最上位となり、たった12チームにしか与えられないパリオリンピックの出場権をつかみとった日本代表。
当然敵は格上の強豪チームばかりです。
日本がグループステージで戦うのは、ドイツ、フランス、そしてラトビアでの最終予選を勝ち抜いたチームです。
ドイツは昨年のワールドカップ優勝チーム。
フランスは開催国であり、昨シーズンNBAを席巻した大型ルーキー、ビクター・ウェンバンヤマや最優秀守備選手賞を獲得したルディ・ゴベアらNBAのスター選手がそろう優勝候補。
そしてラトビアでの最終予選を戦うチームもラトビア、ブラジルと強豪チームがそろっています。
正直、日本よりも数段格上のチームと戦うことになるのです。
それでもやはり日本人としては、奇跡の勝利を期待してしまいます。
今回は、奇跡を実現すべく戦うバスケ男子日本代表のメンバーについて語ります。
パリオリンピック 日本代表候補メンバー
まずは今回パリオリンピック日本代表、12名の選手をまとめましょう。
ちなみに所属は昨シーズンの所属チームとしています。
現在渡邊雄太選手、馬場雄大選手、富永啓生選手、渡邉飛勇選手らが所属チームが決まっていません。
パリオリンピック バスケ男子日本代表メンバー
2 富樫勇樹 PG 167cm(千葉ジェッツ)
4 ジェイコブス晶 SF 203㎝(ハワイ大学)
5 河村勇輝 PG 172cm(横浜ビー・コルセアーズ)
6 比江島慎 SG 191cm(宇都宮ブレックス)
7 テーブス海 PG 188㎝(アルバルク東京)
8 八村塁 PF 203cm(ロサンゼルス・レイカーズ)
12 渡邊雄太 SF 203cm(メンフィス・グリズリーズ)
18 馬場雄大 SF 196cm(長崎ヴェルカ)
24 ジョシュ・ホーキンソン C 208cm(サンロッカーズ渋谷)
30 富永啓生 SG 188cm(ネブラスカ大学)
34 渡邉飛勇 C 207cm(琉球ゴールデンキングス)
91 吉井裕鷹 SF 196cm(アルバルク東京)
昨年のバスケワールドカップで戦った選手たちに、若手のジェイコブス晶選手、悲願の代表入りをはたしたテーブス海選手と渡邉飛勇選手を加えた12名の戦士たちがパリオリンピックに挑むことになりました。
最終選考に残っていた選手の中から、佐々木隆成選手(ポイントガード)、金近廉選手(スモールフォワード)、井上宗一郎選手、川真田紘也選手が外れています。
ワールドカップ戦士の中からは井上宗一郎選手と川真田紘也選手が残念ながら選出されませんでしたね。
特に川真田選手は「リアル桜木花道」とよばれ、ベンチからおおいにチームを盛り上げていたので、はずれたのは残念です・・・。
まあトム・ホーバス監督が熟考のうえ決定した12名ですから、私たちファンは信じてひたすらに応援しましょう。
今回はパリオリンピックに挑む、バスケ男子日本代表の選手たちについて語っていきたいと思います。
レッツラゴー!
バスケ男子日本代表 ポイントガード
背番号2 富樫 勇樹
富樫勇樹(千葉ジェッツ)
ポイントガード
167㎝ 65㎏
1993年7月30日生(30歳)
2023-24 Bリーグスタッツ
60試合出場(先発57)
18.0得点 1.8リバウンド 5.4アシスト FG36.5% 3P31.2%
Bリーグ初の日本人1億円プレイヤー富樫勇樹。
167㎝と超小柄ながら、3ポイントシュートを武器に得点を重ねるBリーグを代表する司令塔です。
身長の低さをスピードとシュート力、そしてリーダーシップでカバーしています。
Bリーグでは平均17.9得点を記録する、得点力の高い富樫選手ですが、3ポイントシュート成功率が31.2%と低いのが気になります。
ただ富樫選手の強さは、ここぞという場面で決めきる勝負強さ。
Bリーグや日本代表で、何度も試合を決めるシュートを沈めてきました。
30歳(7月30日で31歳)となった富樫選手は、自らの豊富な経験を活かし、日本代表のキャプテンとしてチームを牽引しています。
同じポイントガードのポジションに河村勇輝選手が現れてからは、バックアップポイントガードとしてチームに安定感をもたらしている富樫選手。
昨年のワールドカップではややおとなしかった印象がありますが、パリオリンピックで奇跡の勝利をつかむためには、富樫選手の活躍がカギとなるでしょう。
2023-24シーズンはBリーグベスト5と「ココロ、たぎる。賞」を受賞。
東アジアスーパーリーグでも、ファイナルMVPに輝いています。
背番号5 河村 勇輝
河村 勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)
ポイントガード
172㎝ 72㎏
2001年5月2日生(23歳)
2023-24 Bリーグスタッツ
60試合出場(先発57)
20.9得点 3.0リバウンド 8.1アシスト FG41.6% 3P31.8%
いまやBリーグの顔になった河村選手。
2003-04シーズンは、得点ランキング3位(日本人1位)、アシストランキング1位と、個人では圧倒的な活躍をみせたものの、チームは24勝36敗、中地区で8チーム中6位と苦しんだシーズンでした。
昨年のバスケワールドカップは、河村選手が日本の新しいエースと認められた大会でしたね。
ユタ・ジャズのエース、ラウリ・マルカネンを翻弄したフィンランド戦での神がかったプレーは、衝撃的でした。
次々と相手ディフェンダーの間を切り裂き、日本の劇的な勝利に大きく貢献した河村選手。
213㎝のマルカネン越しの3ポイントシュートを決めきった時には、思わず声をあげてしまいました。
波にのった時の爆発力は、日本代表の中でもナンバー1です。
先日行われたオーストラリア代表との親善試合、1試合目は河村自身が「自分が出場したのは19分ですけど、その中で自分ができたことはほとんどなかったと思います」と語ったように、流れにのれていませんでした。
しかし2試合目は積極性が増し、28得点を記録。
3点ビハインドの残り18秒で同点に追いつくプルアップ3を決めるなど、圧巻の活躍をみせています。
試合によって調子の波はおおきいものの、爆発したら止まらないのが、河村選手の魅力です。
パリオリンピックでも世界を驚かせてほしいですね。
今シーズンはBリーグベスト5に選出され、2年連続でアシスト王にも輝いています。
背番号7 テーブス 海
テーブス 海(アルバルク東京)
ポイントガード
188㎝ 85㎏
1998年9月17日生(25歳)
2023-24 Bリーグスタッツ
60試合出場(先発60)
10.7得点 2.1リバウンド 4.8アシスト FG40.5% 3P33.6%
これまでなんども日本代表の最終選考で落選してきたテーブス海選手。
今回は悲願のオリンピックメンバー入りを果たしました。
テーブス選手の武器はゲームコントロール力と、サイズ。
188㎝のポイントガードは、日本ではかなり大きい部類にはいると思います。
日本のポイントガードといえば、河村勇輝選手(172㎝)と富樫勇樹選手(167㎝)。
2人ともスピードと得点力を武器に活躍を続けるスター選手ですが、どうしても問題になるのがサイズの小ささ。
世界のポイントガードは185㎝くらいある選手が一般的です。
河村選手、富樫選手ともに平面でプレッシャーをかけるディフェンスに定評はありますが、高さの部分はどうしても弱点になります。
その点、188㎝のテーブス選手はミスマッチをつくることなく、対応できますからね。
Bリーグでは2ケタ得点(10.7得点)、4.7アシストを記録しているように攻撃力も高いポイントガードです。
2023-24シーズンは各チームのヘッドコーチ、選手、メディアが投票するBリーグベスト5のセカンドチームに選出されています。
強豪国のポイントガードのスピードに戸惑うかもしれませんが、日本の弱点を補う役割を期待しています。
バスケ男子日本代表 シューティングガード
背番号6 比江島 慎
比江島 慎(宇都宮ブレックス)
シューティングガード
191㎝ 88㎏
1990年8月11日生(33歳)
2023-24 Bリーグスタッツ
58試合出場(先発57)
12.6得点 2.5リバウンド 3.7アシスト FG46.9% 3P44.0%
バスケ男子日本代表最年長にして、いじられ役の比江島選手。
今シーズンBリーグでは、見事3ポイントシュートの成功率でリーグ1位に輝き、宇都宮ブレックスがリーグ全体1位の51勝9敗を記録する原動力となりました。
わたくしリトルは高校生の頃から比江島選手の活躍を観てきましたから、33歳となっても活躍を続ける比江島選手には特別な思いがあります。
特に青山学院大学のエースとしてインカレを2連覇した時の無双ぶりは、すさまじかったです。
変幻自在の比江島ステップは、スパーズで活躍したジノビリのようでした。
BリーグではMVPを受賞(2017-18シーズン)するなど、日本のエースとして活躍を続けた比江島選手でしたが、苦しい時期もありました。
オーストラリアリーグ(NBL)に挑戦したものの、なかなか試合に出れず苦しい日々を過ごしたこともありましたが、すべてが今の比江島選手の力になっていると思います。
比江島選手と言えば、昨年のバスケワールドカップ日本対ベネズエラ戦での爆発が印象に残っていますね。
第4クオーター残り8分11秒で日本代表は15点ビハインドと絶体絶命の状態に追いつめられていました。
ここから眠れる獅子、比江島慎が爆発します。
3ポイント、ミドル、レイアップと立て続けにシュートを決め、日本の大逆転勝利の立役者となりました。
残り47.1秒で勝利を決定づけたステップバック3は、会場を熱狂の渦に巻き込みましたね。
3本指を出し、首を横にふるセレブレーションは、会場のファン、そしてテレビを観ている日本中のファンをしびれさせました。
わたくしリトルは「いや、ミケル(・ブリッジス)のやろ!」とツッコんでいましたが(笑)。
チームのある意味ムードメーカーでもある比江島選手。
やや消極的になって年下の渡邊選手や富樫選手から喝を入れられることもありますが(笑)、世界の強豪相手に思い切りぶちあたってほしいと思います。
今シーズンは富樫選手、河村選手とともにBリーグベスト5に選出される活躍をみせた比江島選手。
3ポイントシュート成功率でリーグトップに立っています。
背番号30 富永 啓生
富永 啓生(ネブラスカ大学)
シューティングガード
188㎝ 80㎏
2001年2月1日生(23歳)
2023-24 NCAAスタッツ
32試合出場
15.1得点 2.3リバウンド 1.4アシスト FG46.6% 3P37.6%
和製カリーと呼ばれる天才3ポイントシューター富永啓生選手。
ツボにはまれば、コートのどこからでもゴールを射抜く特殊能力をもっています。
富永選手のディープ3は、まるで超常現象をみせられているかのように呆然とさせられますね。
所属したネブラスカ大学では、平均15.1得点を記録し、チームをマーチマッドネス(NCAAトーナメント)に導く活躍をみせています。
NCAAディビジョン1のチームでエースをつとめる日本人が出てくるなんて、夢にも思っていませんでした。
私たちの常識を次々とくつがえす活躍を続ける富永選手。
相手チームが全力で3ポイントシュートを警戒している中、カウンターのように繰り出すドライブからのレイアップやフローターも大きな武器です。
今年ネブラスカ大学を卒業し、NBAを目指している富永選手ですが、残念ながら現地時間6月26日~27日に行われたNBAドラフトで指名されることはありませんでした。
各チーム2名づつしか指名されない、狭き門ですからねえ。
NBA入りを目指す選手が自分を売り込むために参加するサマーリーグには参加せず、この夏は日本代表でのプレーに専念する決意をかためた富永選手。
パリオリンピックで世界を驚かせる活躍をみせ、NBAへの道が開けることを祈ります。
そういえば、先日かねてから交際していたハンナ・フィッツパトリックさんとの婚約を発表しましたね。
SNSでは度々二人でイチャイチャする姿をアップしていましたが、そんなところも日本人離れした強心臓の富永選手らしくて、なんだかほほえましいなと思います。
心強い味方をつけた富永選手は、よりパワーアップした姿を見せてくれるでしょう。
バスケ男子日本代表 スモールフォワード
背番号12 渡邊 雄太
渡邊 雄太(メンフィス・グリズリーズ)
スモールフォワード
203㎝ 98㎏
1994年10月13日生(29歳)
2023-24 NBAスタッツ
34試合出場(先発0)
3.4得点 1.6リバウンド 0.4アシスト FG35.3% 3P29.4%
NBAを観つづけて35年のわたくしリトルが、高校生のころから思い描いていた「日本人がNBAの世界で活躍する」という夢を叶えてくれた渡邊雄太選手。
2023-24シーズンは、思うように出場時間を得ることができず、2年契約を結んでいたフェニックス・サンズからNBAデビューをかざったメンフィス・グリズリーズに移籍。
エースのジャ・モラントをはじめ、ケガ人が続出しているグリズリーズの中で、ベテラン渡邊選手の活躍を期待しましたが、チームは若手選手の育成に力を入れていたため、なかなか出番はおとずれず。
渡邊選手自身もメンタル面の問題でシーズン最後は休養を選択するなど、厳しいシーズンとなりました。
シーズン終了後の渡邊選手のインスタライブを観ると、NBAの世界がどれだけ過酷で厳しい世界なのかヒシヒシと伝わってきましたね。
渡邊選手がNBAでの6年間の戦いを終えることは淋しいですが、来シーズンから日本のBリーグで戦ってくれることは、心の底から嬉しく思います。
NBAの世界で苦しみ悩むことはあったものの、バスケットボールのことは本当に好きなんだなあと、なんだかホッとしました。
NBAでの経験を日本代表のメンバーに伝え、戦う気持ちを植え付けるリーダーとしての役割も、渡邊選手にしかできないものでしょう。
渡邊選手に言いたいのは、パリオリンピックでまずは好きなだけ暴れてほしいということです。
昨シーズンのうっぷんを、オリンピックの舞台で思いっきり晴らしてほしいと思います。
大好きなバスケを思いっきり楽しんでほしいです。
遠慮はいりません。
正直、1stラウンドで戦うチームはすべて格上のチームばかりです。
普通に戦うだけではとうてい勝てないと思います。
全員がバスケ大好き少年になって、思い切りよくシュートを打ち、全力でディフェンスをし、相手が引くほどプレッシャーをかけ、誰かがゾーンに入って3ポイントシュートを決めまくる・・・というような奇跡的な展開を期待しちゃいます。
そのためには、まずは渡邊選手がチームを牽引し、雰囲気作りを行うことが重要です。
渡邊選手がバスケを楽しんでいる姿は、日本代表のメンバーにも伝染していくでしょう。
ぜひ心の底からバスケを楽しみ、大暴れしてください。
そんな渡邊選手を全力で応援します。
NBAでの6シーズン、すべてのシュートを上の動画で観ることができます(ブログ書いている途中なのに、つい57分44秒すべて観てしまいました)。
日本人では到底たどりつけないと勝手に思っていたNBAの世界で、確かな足跡をきざみ続けて来た渡邊選手。
パリオリンピック、そして日本のBリーグでの第二章を楽しみにしましょう。
と記事を書いたところで、渡邊選手が6月初旬に左ふくらはぎの肉離れを起こしていたという衝撃のニュースが入ってきました。
渡邊選手は「とにかく治療に専念し、五輪までに死ぬ気で治す」と語っています。
心配ですが、渡邊選手を信じて待ちましょう。
気になるのは、ネットの反応。
ヤフコメには、渡邊選手へのヘイトともいえる批判があふれています。
試合に出ていなくても、自分を高めるためには自分の身体をいじめ抜く必要があります。
練習でも身体を痛めるのは、普通のことです。
それだけ真剣だからです。
有名人だからって、好き勝手に批判していいわけではありません。
今は全力で渡邊選手の回復を祈り、応援していきましょう。
渡邊選手の代わりになる人はいませんから。
がんばれ!渡邊雄太!!
背番号18 馬場 雄大
馬場 雄大(長崎ヴェルカ)
スモールフォワード
196㎝ 91㎏
1995年11月7日生(28歳)
2023-24 Bリーグスタッツ
55試合出場(先発48)
14.2得点 4.2リバウンド 3.6アシスト FG46.6% 3P32.2%
圧倒的な身体能力を武器に、日本のダンク王として活躍を続ける馬場雄大選手。
2017年にアルバルク東京でプロデビューし、2017-18シーズンのリーグ優勝に貢献すると、2年目の2018-19シーズンにはチャンピオンシップMVPを獲得する大活躍をみせ、アルバルク東京のリーグ2連覇の立役者となります。
その後は日本を離れ、NBAを目標にアメリカやオーストラリアで己を磨いてきました。
昨年のバスケワールドカップでは、海外修行で成長した姿をみせてくれましたね。
跳躍力を生かしたダンクだけでなく、3ポイントシュートやディフェンス力でも相手国の脅威となっていました。
ワールドカップ終了後に奥様で女優の森カンナさんが、SNSで「さて、馬場よ就職活動が待っているぞ、、笑」とコメントしてニュースになります。
日本代表でただ一人、所属チームがない状態で戦っていましたから。
就職活動の結果(?)長崎ヴェルカと契約し、Bリーグに帰ってきました。
パリオリンピックに万全で挑めるように、日本でプレーに集中できる環境を整えたのだと思います。
Bリーグでは攻守で躍動。
華麗なダンクシュートや強度の増したディフェンスで、B1昇格1年目の長崎をおおいに盛り上げました。
シーズン終了後には、2023-24シーズンのBリーグベストディフェンダー賞も受賞しています。
ちなみにわたくしリトルは、筑波大学時代の馬場選手の試合を、一度生観戦しています。
自宅近くの体育館でバスケの大会があると聞いて、何も知らずに観にいったら、いきなりドライブしてダブルクラッチからスラムダンクを叩きこむ大学生がいて、「ウヒョー!」と声をあげてしまいました。
会場中の人が声をあげていましたね。
東京都代表のチームで出ていたのですが、あわててパンフレットで名前を確認すると「馬場雄大 筑波大学」と書いてあり、「これが噂の馬場雄大か・・・」と呆然としたのを覚えています。
そこから勝手に親近感を覚えて応援しています。
パリでも思いっきり暴れてほしいですね!
背番号91 吉井 裕鷹
吉井 裕鷹(アルバルク東京)
スモールフォワード
196㎝ 94㎏
1998年6月4日生(26歳)
2023-24 Bリーグスタッツ
55試合出場(先発2)
1.6得点 1.5リバウンド 0.2アシスト FG33.3% 3P29.4%
昨年のバスケワールドカップ、闘志あふれるディフェンスとリバウンドで一気に人気者となった吉井選手。
先日行われたオーストラリアとの強化試合ではスターターを務め、ディフェンスだけでなく、オフェンスでもドライブからのキックアウトや3ポイントシュートで貢献し、日本代表の中での成長を感じました。
ホーバスジャパンには欠かせない存在となった吉井選手ですが、アルバルク東京では厳しい戦いが続いています。
2023-24シーズンのBリーグで、1試合の平均出場時間は10分50秒。
スタッツも、とても日本代表に選出される選手のものとは思えません。
それでも、今のバスケ日本代表には絶対にかかせない選手と断言できます。
吉井選手の魂のこもったプレーは、チームの士気をおおいに高めますし、オフェンスでは得点力の高い選手たちへパスを供給するポイントフォワード的な働きもみせるようになりました。
チームの潤滑油として、今の日本代表になくてはならない存在です。
1試合平均1.6得点 1.5リバウンドの選手の能力を見抜いて、日本代表に抜擢したトム・ホーバス監督は本当にすごいですね。
来シーズンは3年間在籍したアルバルク東京から、三遠ネオフェニックスに移籍することが決定しました。
縁の下の力持ち、吉井選手のしぶい活躍を期待します。
背番号4 ジェイコブス 晶
ジェイコブス晶(ハワイ大学)
スモールフォワード
203㎝ 83㎏
2004年4月13日生(20歳)
2023-24 NCAAスタッツ
27試合出場(先発0)
2.2得点 0.9リバウンド -アシスト FG-% 3P-%
ホーバスジャパンの最終選考となった韓国代表との2試合で活躍をみせ、日本代表にすべりこんだのが、ジェイコブス晶選手です。
おそらくトム・ホーバス監督の中で、当初ジェイコブス選手は12名の構想にはふくまれていなかったのではないでしょうか。
まだ20歳の若者は、土壇場で成長した姿をみせつけ、日本代表の座をつかみとりました。
現在ハワイ大学で成長を続けるジェイコブス選手。
神奈川県横浜市で生まれ、生後間もなく渡米し、母の影響でバスケットボールをはじめます。
ユースや高校のバスケチームでプレーしていましたが、新型コロナウイルスの影響でアメリカでバスケを続けることが難しくなり、プレー環境を求めて2020年12月に帰国し、通信制高校に通いながらBリーグの横浜ビー・コルセアーズのトライアウトを受験し、合格しました。
その後は日本代表のU-18チームでも活躍をするなど、注目されています。
昨年ハワイ大学進学を選んだのも、よい判断だったと思います。
バスケだけでなく多くを学ぶことは、今後きっと力になりますし。
大学1年生だった2023-24シーズン、出場は少なかったものの、レベルの高いアメリカのリーグでおおいに刺激を受けたすばらしいシーズンだったと思います。
203㎝のサイズと、しなやかで美しい3ポイントシュートは、これまでの日本人選手にはなかった武器です。
今回のオリンピックで世界のトップクラスの選手たちと対戦し、より大きく羽ばたいていってほしいと思います。
間違いなくこれからの日本代表の中心となっていく選手ですから。
バスケ男子日本代表 パワーフォワード
背番号8 八村 塁
八村 塁(ロサンゼルス・レイカーズ)
パワーフォワード
203㎝ 104㎏
1998年2月8日生(26歳)
2023-24 NBAスタッツ
68試合出場(先発39)
13.6得点 4.3リバウンド 1.2アシスト FG53.7% 3P42.2%
ついに八村塁選手が日本代表に帰ってきました。
これほど心強い選手はいませんね。
名門ロサンゼルス・レイカーズでスターターを務める日本人が現れるなんて・・・本当に感慨深いものがあります。
日本人で初めてNBAドラフト1巡目(9位)でワシントン・ウィザーズに指名され、夢の舞台NBAデビューを果たすと、ルーキーシーズンから全試合に先発出場し、平均13.5得点を記録。
オールルーキー2ndチーム入りするなど、1年目から大きなインパクトを残しました。
その後ケガやメンタル面の不調もあり、欠場が増えた時期もありましたが、2023年1月にロサンゼルス・レイカーズに移籍し、昨シーズンはキャリアハイの1試合36得点を記録するなど活躍を続けています。
八村選手の武器は、当たり負けしない肉体と得点スキルの高さ。
レイカーズにはレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビス、2人のスーパースターがいるため、平均得点は13.6点にとどまっていますが、その気になれば楽に20点以上は楽にあげられるスキルとシュート力を持っています。
2023-24シーズンは、3ポイントシュートが突如覚醒。
42.2%の超高確率で決め続けました。
ドライブからのダンクやターンアラウンドジャンパーなど、多彩な得点パターンをもつ八村選手。
日本代表にとっては、本当に心強い存在です。
前回の東京オリンピックでは、予選リーグの3試合で平均22.3得点 6.7リバウンド 2アシストを記録する大活躍をみせましたが、チームは全敗。
八村選手はSNSで心無い人たちからの批判を浴び、メンタルの問題で2021-22シーズンの開幕から長期で欠場を続ける事態となりました。
日本を代表して戦っている選手たちを、顔の見えないSNSで攻撃した人たちは、心から反省してもらいたいと思います。
日本代表がアジアを勝ち抜き、世界の舞台に進出しているだけで、奇跡なんです。
40年以上前から日本代表を応援していたわたくしリトルとしては・・・。
両親がバスケットボールプレイヤーだったわたくしリトルは、子供のころから日本代表の試合を家族で観て、そのたびに落胆してきました。
「日本にこんなにすばらしい選手たちがいても、世界には、いやアジアでも歯が立たないのか」と。
現在の日本代表は、私の知る限り最強のチームです。
ワールドカップでアジア最上位となり、見事に12チームしか出場できないオリンピックの切符を勝ちとりました。
日本にもプロリーグが誕生し、多くのスター選手が誕生しています。
アメリカの大学に進む選手も増えていて、富永選手のようにエースとしてチームを全米トーナメントに導く選手まで出てきました。
そして夢の舞台NBAで戦う渡邊選手や八村選手。
正直、グループステージで戦うチームは、すべて日本より格上のチームばかりです。
日本が勝利をあげるためには、選手たちが120%の力を出し、奇跡を起こすしかありません。
そして過去最強の日本代表の選手たちは、奇跡を起こすために全力を尽くしています。
我々にできることは、全力で応援し、選手たちに思いを送ることだけです。
わたしたち一人ひとりの思いが選手に届いたとき、選手たちは大きな力を得て戦えるような気がするのです。
ドラゴンボールの元気玉のように。
もしも結果的に勝利がかなわなかったときは、私たちを代表してくれた選手たちにねぎらいの声をかけましょう。
もしも勝利をあげた際は、全力で喜び、感動を分かち合いましょう。
SNSで選手を攻撃するなんて、あってはならないことです。
バスケ男子日本代表 センター
背番号24 ジョシュ・ホーキンソン
ジョシュ・ホーキンソン(サンロッカーズ渋谷)
センター
208㎝ 106㎏
1995年6月23日生(29歳)
2023-24 Bリーグスタッツ
54試合出場(先発54)
17.0得点 8.1リバウンド 2.4アシスト FG54.2% 3P41.2%
昨年のバスケワールドカップで日本の大躍進に貢献し、時の人となったジョシュ・ホーキンソン。
ソフトバンクのCMに出演するなど、国民的スターになりましたね。
本人はヌートバーに間違われると言っていましたが(笑)。
ワシントン州シアトルで生まれ育ったホーキンソンは、地元シアトル・マリナーズの大ファン。
元プロバスケ選手の両親のもとに生まれ、高校時代はバスケと野球で大活躍したホーキンソン少年は、イチローに憧れていたそうです。
ワシントン大学ではバスケに専念し、通算1000得点、1000リバウンドを記録するなど活躍しました。
しかし2017年のNBAドラフトでは指名されず。
失意のホーキンソンは、憧れのイチローの母国、日本に渡りBリーグでプレーする道を選んだのです。
もう「イチローありがとう!」と言うしかありませんね。
2017年夏に当時B2だったファイティングイーグルス名古屋でプロバスケ選手として歩み出したホーキンソン選手は、1年目ホームシックに悩みながらも、2年目から圧倒的な活躍をみせ、来日4シーズン目の2020-21シーズンからはB1の信州ブレイブウォリアーズへ移籍。
B1屈指のビッグマンとして、評価されていきます。
そして2023年、ホーキンソン選手は大きな決断を下しました。
日本国籍の取得です。
「僕をここまで成長させてくれた人たちに恩返しをしたかった。ここまで成長できた自分を、彼らにも誇らしく思ってほしい」
と語るホーキンソン選手。
いかにホーキンソン選手が周囲の人たちに恵まれ、バスケに打ち込むことができているのかがわかるエピソードです。
日本国籍を取得して2週間後にFIBAバスケットボールワールドカップアジア地区予選に招集されたホーキンソン選手はイラン戦、バーレーン戦の連勝に大きく貢献し、日本代表にとってかかせない選手となりました。
昨年のバスケワールドカップでは、平均21.0得点 10.8リバウンド 2.0アシスト 1.4ブロック FG58.8% 3P29.4%と、圧巻のスタッツを残し、日本がパリオリンピックの出場権を獲得する原動力となりました。
最終戦となったカーボベルデ戦では、40分フル出場。
第4クオーター、日本は7分以上にわたって得点が入らない緊急事態となり、カーボベルデの猛烈な追い上げをくらいます。
しかし残り48秒9、ゴール下で相手のファールを受けながらねじ込んだホーキンソン選手のバスケットボールカウントがギリギリで日本を救いました。
続くフリースローもきっちりと決めたホーキンソン選手は、試合時間残り19秒9、ドライブした吉井選手からのキックアウトパスを受け、コーナー3をきっちりと沈め、日本の勝利を決定づけたのです。
この試合、日本の第4クオーターの得点はわずか7点。
そのうち6点を、ジョシュ・ホーキンソン選手が残り1分を切った中、決めたのです。
これほど頼りになる選手はいませんね。
多くの選手が活躍をみせた2023年のバスケワールドカップでしたが、日本のMVPを選ぶとすれば、間違いなくホーキンソン選手だったと思います。
ホーキンソン選手は、ワールドカップ終了後、サンロッカーズ渋谷に移籍。
2023-24シーズンも圧巻の活躍をみせています。
新しい環境に入ったことでスタッツをやや落としたものの、3ポイントシュートの成功率は自己最高の41.2%を記録するなど、好調なシーズンを過ごしました。
万全な状態でパリオリンピックに挑んでほしいですね。
日本代表が奇跡の勝利をあげるためには、ホーキンソン選手の活躍は必須です。
パリオリンピックで大暴れし、ヌートバーと間違う人がいなくなることを願っています。
背番号34 渡邉 飛勇
渡邉飛勇(琉球ゴールデンキングス)
センター
207㎝ 106㎏
1998年12月23日生(25歳)
2023-24 Bリーグスタッツ
22試合出場(先発0)
1.2得点 1.1リバウンド 0.2アシスト FG47.4% 3P0.0%
川真田選手とのサバイバルに勝利し、バックアップセンターの座を勝ちとった渡邉飛勇選手。
207cm 106㎏の肉体を武器に、リバウンドとディフェンスで日本代表を支える選手です。
高いジャンプ力を生かしたブロックショットにも定評がありますね。
アメリカのハワイ州で育った飛勇選手は、高校時代バレーボールに打ちこみ、バレーがオフの期間にバスケットボールもプレーしていました。
メインはバレーだったものの、バスケでもハワイ州選手権で2回優勝し、ハワイ州最優秀選手賞も受賞しています。
運動神経がハンパじゃないんでしょうね。
現在武器としているブロックショットも、バレーの経験を生かしたものでしょう。
ポートランド大学に進んでからは、バスケットボールに本格的に打ちこんでいます。
2021年に母の母国日本に移り、琉球ゴールデンキングスと契約。
Bリーグではケガの影響もあり、期待された活躍ができているとはいえないかもしれません。
正直能力的にはこんなもんじゃないと思うんですよね。
今回のオリンピックは、各国センターが充実しています。
特にグループステージで戦うフランス代表は、224㎝のビクター・ウェンバンヤマと216㎝のルディ・ゴベア、超強力ツインタワーを擁しています。
日本にも八村塁選手やジョシュ・ホーキンソン選手がいますが、おそらくファールもかさんでくるでしょう。
東京オリンピックでは出番のなかった飛勇選手でしたが、今回のパリオリンピックでは必ず必要になる場面が出てくると思われます。
ぜひ己のすべてをぶつけてきてほしいですね。
まとめ
今回はパリオリンピック2024に挑む、バスケ男子日本代表の選手たちについてまとめてみました。
正直、グループステージで戦うドイツ代表やフランス代表に比べると、高さはもちろん、3ポイントシュートの精度などでも劣っています。
かなり厳しい戦いになるとは思いますが、昨年のワールドカップの時のように、日本中の応援で選手たちが覚醒し、奇跡を起こすことを期待しましょう。
2年連続で真夏に本気のバスケットボールが楽しめるなんて、本当に幸せなことです。
選手たちには悔いのないよう、全力を出し尽くしてほしいと思います。
ワクワクする夏がやってきますね。
ホーバスジャパンの集大成、パリオリンピックでの奇跡を期待しています。