ダラス・マーベリックスの負の連鎖が止まりません。
マブスファン歴25年のわたくしリトルにとっては、絶望のシーズンとなっています。
世界を震撼させたルカ・ドンチッチの放出。
そのトレードで獲得したアンソニー・デイビスの1試合だけの大活躍とケガによる離脱。
その他の主力選手のケガも連鎖的に起こり、ついには大車輪の活躍を続けていたカイリー・アービングまでも「左膝前十字靭帯断裂」の大ケガでシーズン絶望となってしまいました。
とにかく、ニコ・ハリソンが憎い・・・。
今回はダラス・マーベリックスファン目線で、呪いのような現在の状況を語ります。
マブスの現状(2025年3月8日現在)
昨シーズン、ルカ・ドンチッチとカイリー・アービングを中心に、マブスはウエスタンカンファレンス第5シードから、NBAファイナルに進出する大躍進をみせました。
ファイナルでは圧倒的な強さをみせたボストン・セルティックスに敗れたものの、ルカ・ドンチッチとマブスの未来は明るいと誰もが確信したシーズンとなりました。
むかえた2024-25シーズン、マブスは優勝を目指し、ウォリアーズからクレイ・トンプソンを獲得。
マブスは順調なスタートを切り、12月23日時点で19勝10敗と大きく勝ちこしていました。
しかし12月25日に行われたミネソタ・ティンバーウルブズとのクリスマスゲームでドンチッチが負傷し離脱すると、その後当然のようにチームは失速。
そして現地時間2月2日、世界を驚愕させるトレードが、「ESPN」のシャムズ・シャラニア記者のXで報じられたのです。
絶対的エース、ルカ・ドンチッチを放出し、ディフェンスに定評のあるアンソニー・デイビス(AD)とマックス・クリスティーをレイカーズから獲得したマブスでしたが、ADは1試合目で負傷離脱。
主力のケガによる離脱もつづき、3月14日現在33勝34敗と負け越しています。
昨シーズンNBAファイナルに進み、今シーズンは〝絶対的エース″ルカ・ドンチッチを中心に優勝を目指していたチームは、完全に崩壊しています。
どうして崩壊してしまったのか。
そしてマブスの未来はどうなっていくのか。
情報をまとめていきましょう。
マブスの崩壊① ドンチッチ放出
マブスファンにとって、いや、世界中のバスケットボールファンにとって特別な選手であるドンチッチ。
マブスのGMニコ・ハリソンは「私たちはディフェンスがチャンピオンシップを勝ちとると考えている」と語り、そのドンチッチを放出、リーグ最強のディフェンダーの1人であるアンソニー・デイビス獲得に踏みきったのです。
マーベリックス獲得
アンソニー・デイビス
マックス・クリスティー
1巡目指名権(⇦レイカーズ 2029年)
レイカーズ獲得
ルカ・ドンチッチ
マキシ・クリバー
マーキーフ・モリス
ジャズ獲得
ジェイレン・フッド・シェフィーノ
2巡目指名権×2
マブスは25歳(2月28日で26歳)の若きスーパースターを放出し、31歳のADと21歳のクリスティ、そして2029年のドラフト1巡目指名権を獲得することを選びました。
このトレードについては、以前の記事をごらんください。
今考えてみても納得できないですね。
NBAを36年間観つづけてきたわたくしリトルでも、ドンチッチほどの才能をもったプレイヤーは、ほとんど思い浮かびません。
25歳にしてすでに個人の能力では、ラリー・バードやマジック・ジョンソンなどNBA史に残るスーパースターに肩を並べているといってよいでしょう。
ドンチッチに足りないのは、チャンピオンの称号だけという状況だったのですが・・・。
ニコ・ハリソンGMが語った「我々はディフェンスがリーグを制すると考え、リーグ屈指の万能ディフェンダーであるデイビスを獲得した」という言葉が、今の状況をみると、むなしく響きます。
マブスの崩壊② ケガ人続出
3月12日時点のマブスの故障者リストをみてみると、あきれるほど豪華なメンバーがそろっています。
マブス 故障者リスト 長期離脱者
ガード
カイリー・アービング
ジェイデン・ハーディー
フォワード
PJ・ワシントン
カイ・ジョーンズ
オリビエ・マクセンス・プロスパー
アンソニー・デイビス
センター
ダニエル・ギャフォード
デレック・ライブリー2世
この8人が健康でシーズンを戦えば、マブスは優勝争いをしていたかもしれません。
こんな豪華なインジャリーリストは、あまり見たことないですね。
デレック・ライブリー2世は1月に右足首の疲労骨折で離脱していましたが、ドンチッチを放出したあと、呪いのようにケガ人が続出しています。
〝リーグ屈指の万能ディフェンダー″ADは、マブスデビュー戦となった、現地時間2月8日のヒューストン・ロケッツ戦で大活躍。
31分間で26得点 16リバウンド 7アシスト 3ブロックと鬼神のごとき活躍をみせましたが、第3クオーター残り1分37秒で左内転筋を痛め、戦線離脱しました。
ライブリー2世、ADが離脱し、インサイドの要として期待されたダニエル・ギャフォードも、ロケッツ戦の2日後、サクラメント・キングス戦で右膝を捻挫し離脱。
ギャフォード離脱後にインサイドで奮闘していた2年目のオリビエ・マクセンス・プロスパーも先日右手首のじん帯損傷で今季残り試合全休となってしまいました。
今シーズン1試合平均14.0得点 8.0リバウンドと攻守で奮闘していたPJ・ワシントンも、現地時間3月1日のミルウォーキー・バックス戦で、以前から痛めていた右足首を捻挫し離脱しています。
カイリー・アービングの前十字靭帯断裂
とどめとなったのが、現地3月4日に行われたサクラメント・キングス戦。
ドンチッチが去り、ADが離脱したあと、鬼神のごとき活躍を続けていたカイリー・アービングが第1クオーター残り2分35秒、ドライブを仕掛けた際にファウルを受け、左膝を押さえ倒れこみます。
明らかに重症であることは、誰の目にも明らかでした。
それでもカイリーは、ADらに支えられながらフリースローラインに向かうと、きっちり2本のフリースローを決めきり、そしてコートを後にしました。
ショックでしたね。
歴代トップクラスのボールハンドリング能力とテクニック、シュート力をあわせもつ、歴代トップクラスの問題児カイリーが、マブスでは本当に真摯にバスケットボールに向き合っていましたから。
スピードとクイックネスが武器のカイリーにとって、「左ひざ前十字靭帯断裂」は、あまりにも酷です。
ちなみに、カイリーがコートを去った時に「マブスどうすんだ、ジェイデン・ハーディーの成長に期待するしかないのか」と思ったのですが、同じ試合の第3クオーターに、ハーディーは右足首の捻挫でコートを去ってしまいました。
本当にお祓いをしたほうがいいのかもしれませんよ、ニコ・ハリソン。
カイリーはもどって来れるのか?
前十字靭帯断裂について2021年に発表された論文では、前十字靭帯再建術を受けたNBA選手の復帰率は84%だそうです。
約1年は治療にかかり、復帰後もパフォーマンスは落ちるが、2年後には元のレベルにもどるとされています。
ただ、カイリーの年齢(現在32歳 3月23日で33歳)を考えると、故障明け35歳~36歳で今のレベルに戻るのは難しいのではないでしょうか。
前十字靭帯断裂といえば、クレイ・トンプソンやジャマール・マレーがいます。
クレイは復帰後、明らかにディフェンス面の強度が落ちましたね。
ここ最近の衰えは年齢的なものなのか、靭帯断裂の影響があるのかはわかりませんが・・・。
マレーは断裂後も、以前と変わらぬプレーで活躍を続けています。
カナダ代表では不調になったりもしましたが、これは相性の問題でしょう。
マレーが前十字靭帯断裂を断裂したのは、24歳の時。
やはり若い時に前十字靭帯再建術を行った場合は、元のレベルに戻る確率も高いのかもしれません。
はたして、カイリーの未来は、どうなっていくのでしょうか。
マブスの崩壊③ ドラフト指名権の少なさ
これまでダラス・マーベリックスは、ルカ・ドンチッチを中心としたチームづくりを続けてきました。
NBAの歴史の中でもトップクラスのバスケIQをもつスーパースター、ルカ・ドンチッチ。
これほどまでのスーパースターを獲得出来たら、周りに相性のよい選手を集めて、チーム力を強化するのは当然です。
ダニエル・ギャフォードやPJ・ワシントンなど、トレードで獲得した選手がチームに馴染み、昨シーズンのNBAドラフトで獲得したデレック・ライブリー2世の活躍もあり、2024年のNBAファイナルに進出したマブス。
もちろんカイリー・アービングの活躍も素晴らしかったものの、チームのフランチャイズプレイヤーは、まちがいなくルカ・ドンチッチでした。
ドンチッチの周りに相性のよい選手を集めるため、トレードをくりかえしたマブスは、ドラフト指名権の放出も繰り返してきました。
ドンチッチがスーパーマックス契約になる前に優勝するために、未来のドラフト指名権を捨てて、今活躍できる選手を獲得してきたのです。
2025年、2026年のドラフト1巡目指名権はあるものの、2027年~30年の間のドラフト指名権はほぼトレードで使ってしまっています。
カイリー、ADを中心としたチームがうまくいかず、チームをつくりなおそうとしても、指名権がなければ再建は難しいでしょう。
まるで今のフェニックス・サンズのような状態になってしまうかもしれません。
今マブスに揃っている選手は、ルカ・ドンチッチを中心とするために集めた選手です。
ドンチッチのパスを受けて良さを出してきた選手たちが、守備力が高いビッグマン、アンソニー・デイビスが入ったからといって、同じように輝けるかはわかりません。
中心としていたルカ・ドンチッチがチームが急にいなくなってしまったわけですから。
クーパー・フラッグ並みのスーパースタールーキーでも獲得できなければ、来シーズン以降、マブスはドアマットに沈んでしまうのかも・・・。
ニコ・ハリソンの罪(詰み)
ここまで、ダラス・マーベリックスの現在の状況をまとめてみましたが、マブスファンのわたくしリトルに言わせれば「ニコ・ハリソンやってくれたな!」ですね。
ハリソンがドンチッチを放出したもっとも大きな理由は、サラリーの問題でしょう。
ドンチッチがマブスでプレーを続けていた場合、今年の夏に、マブスとドンチッチの間でむすばれたであろうスーパーマックス契約の総額は、5年3億4500万ドル(約517億5000万円 1㌦=150円)というNBA史上最高金額でした。
1年に100億円以上をドンチッチに支払うと考えた時に、ハリソンはそれにみあう活躍をドンチッチがしてくれるのか、不安に感じたのでしょう。
体重増加がはげしいこと、ビールや水たばこを好むことなど、ドンチッチのプロ意識の低さに、ニコ・ハリソンはじめダラスのフロントは懸念をいただいていたそうですが「そんだけプロ意識低くてこの結果はすげえじゃん!」「周りによいメンターつけて、意識改革するべきだと」と思っちゃいますねえ。
皮肉にも、移籍したレイカーズには、プロ意識のかたまりレブロン・ジェームズがいますから、ドンチッチのプロ意識も高まっていくのではないでしょうか?
何度も言いますが、今の体重ではケガのリスクも大きいと、ドンチッチを放出して、代わりに入ってきたのがアンソニー・デイビスですからね。
どっちがケガのリスク高いんだよ・・・と思っていたら、案の定ADは1試合で離脱してしまいました。
その1試合が素晴らしかっただけに、むなしさも倍増していますが。
とにかく、ニコ・ハリソンの短絡的な思考は、理解できません。
ただのオールスターではない、これからNBAを背負っていく〝スーパースター″ルカ・ドンチッチを、1人のベテランオールスタービッグマン、若手のロールプレイヤー、ドラフト1巡目指名権たった一つで手放してしまったのですから。
これまで数々のトレードを成功させ、ドンチッチの周りに優秀なサポートキャストを集めてきたニコ・ハリソンが、最後にうった大博打で爆死してしまったのです。
といっても、まだ2~3年後をみてみないと、本当のトレードの成否は分からないのかもしれませんが。
マブズファン目線で見ると、ニコ・ハリソンによる納得できないトレードで、マブスの未来をつぶされてしまったとしか思えません。
まあニコ・ハリソンは批判が高まれば、ぷいっとマブスを辞任して、他のチームでGMでもやるんでしょうね。
にくたらしいわあ!
マーク・キューバンの後悔
トレードから1か月後、沈黙を守っていた現在ダラス・マーベリックスの小口株主となっているマーク・キューバンが地元テレビ局の独占インタービューをうけました。
2000年から2023年まで、長きにわたってマブスの名物オーナーとして数々のドラマを生みだしてきたマーク・キューバン。
心の底からバスケが好きで、NBAが好きで、マーベリックスの選手たちが大好きだったキューバンでしたが、2023年に経営権を売却し、以降チーム編成にはかかわっていません。
時には選手以上に熱くなり、レフェリーに激しく抗議し、退場する姿もよくみましたね(笑)。
ダーク・ノビツキーを心から信頼し、優勝を選手とともに喜び、ドンチッチをドラフト時のトレードで獲得したのも、マーク・キューバンでした。
キューバンが今も筆頭オーナーであれば、おそらくドンチッチのトレードはなかったのではないでしょうか。
ただ、現在もマブスの小口株主のキューバンは、インタビューではもちろんニコ・ハリソンを激しく非難するようなことはしませんでした。
45分間にわたるインタビューでキューバンが語ったのは「マブスがドンチッチを放出するのならもっと良い取引をするべきだった。アンソニー・デイビスに失礼なことを言うつもりはないが、もし我々がプロテクトされていない1巡目指名権4つとデイビス、マックス・クリスティを獲得していれば、まったく違う話になっていただろう」ということでした。
そりゃそう考えるでしょうね。
昨年ニックスがミケル・ブリッジズを獲得するためにネッツに出した対価は、ボーヤン・ボグダノビッチ+ドラフト1巡目指名権×5、2巡目指名権×1、指名権交換権×1です。
それをふまえると、NBAの歴史をかえるかもしれないスーパースター、ルカ・ドンチッチの対価としては少ないと考えるキューバンの気持ちがよくわかります。
また、「もし自分がまだ筆頭オーナーであったらドンチッチをトレードした?」と聞かれたキューバンは「その話はしない。関係のないことだ」と答えています。
現在も小口株主のため、明らかなニコ・ハリソン批判となるようなことは言いませんでしたが、キューバンなら絶対にドンチッチを中心としたチームで優勝を目指していたでしょう。
なんといっても、究極のマブスファンが、マーク・キューバンですから。
おそらくキューバンがダラス・マーベリックスのオーナー権を手放したことを、今もっとも後悔しているんじゃないでしょうか?
まとめ
今回は負の連鎖におちいっている、ダラス・マーベリックスの現状とこれからについて語ってきました。
20年以上応援してきたダラス・マーベリックスが崩壊していく現状は、ほんとうにつらいですね。
まあ、奇跡的にカイリーが今のレベルにまで復帰し、ADが鬼神のごとき活躍を続けるようになり、ケガ人が復帰して大活躍すれば、2026-27シーズンには強豪として復活するかもしれませんが、かなり希望的な観測といえるでしょう。
トレードが報道された時には「今年はレイカーズはあきらめたのか」「今年のマブスは強いんじゃない?」と言われていましたが、ドンチッチが加入したレイカーズは絶好調となり、マブスは崩壊しています。
まあ、レブロン離脱後はさすがにレイカーズも苦しんでいますが・・・。
「私たちはディフェンスがチャンピオンシップを勝ちとると考えている」と語っていたニコ・ハリソンは、レイカーズのディフェンス力アップをどんな思いでみているのでしょうか?
わたくしリトルは、1か月以上たった今でも、まだ納得できていません。
でも、やっぱりマブスを嫌いにはなれないんですよね。
なんとなく結果を気にしてしまいますし、クレイ・トンプソンを応援してしまいます。
それでもニコ・ハリソンは嫌いですが(笑)。
反対にわたくしリトルのレイカーズ嫌いは、解消されつつあります。
36年前に「レイカーズの試合、フロアも黄色で観にくい」「バスケ部がレイカーズファンばかり」というくだらない理由でアンチレイカーズとなったのですが・・・。
八村塁選手の加入でややアンチを克服し、今回のドンチッチ加入で心から応援できるような気がしてきました(笑)。
今後マブスには奇跡の復活をはたしてもらい、Win―Winのトレードだったと振り返られるようになればいいですね。
