ジェイソン・テイタムがもどってきました。
昨年ニューヨーク・ニックスとのプレーオフカンファレンスセミファイナル第4戦でアキレス腱を断裂し、わずか10か月でNBAの舞台にもどってきたテイタム。
復帰戦で15得点 12リバウンド 7アシストといきなり大活躍し、チームを勝利に導いています。
いやもう言葉がありません。
ボストン・セルティックスは現在イースタンカンファレンス2位。
NBAを37年間観続けてきたわたくしリトルは、今シーズンの順位予想でセルティックスを東の11位としていました。
誰がテイタム抜きのセルティックスを、開幕前に主力を大量放出したセルティックスを、優勝候補に挙げれるでしょうか?(BE:FIRSTのMANATO君がセルティックスのNBAファイナル進出を予想していたそうですが・・・)。
今回はある意味今シーズンのナンバー1サプライズチーム、ボストン・セルティックスについて語っていきたいと思います。
それではレッツラゴー!
セルティクスの現状
2026年3月11日時点で、セルティックスはイースタンカンファレンス2位の43勝22敗を記録しています。
カンファレンス1位のデトロイト・ピストンズは46勝18敗でセルティックスとは3.5ゲーム差。
カンファレンス3位のニューヨーク・ニックスは41勝25敗でセルティックスとは2.5ゲーム差です。
正直今までテイタム抜きだったセルティックスが、ニックスよりも上にいるのが信じられません。
3月11日現在、セルティックスは平均114.5得点でリーグ21位。
平均以下の得点力ですが、エース抜きで戦ってきたセルティックスの1番の武器はなんといってもディフェンス力。
平均失点107.2は、2位のオクラホマシティ・サンダーをおさえて、堂々リーグ1位の数字です。
スター選手に頼ることなく、勝てる選手たちでチームを構築していく、ブラッド・スティーブンスGMらしいチーム作りの成果がでていますね。
今シーズンのNBAでなんだかんだサプライズチームNo.1だといえるでしょう。
昨シーズンのカンファレンスセミファイナル第4戦でテイタムがアキレス腱を断裂した瞬間から「セルティックスは来シーズンはタンクやな」と思っていましたから。
実際セルティックスの動きも、タンクモードだったと思います。
シーズン終盤でイースタンカンファレンス2位にいるのが、本当に信じられないのです。
セルティックスのタンクを予想した理由
今シーズン開幕前の順位予想で、わたくしリトルはセルティックスを東の11位としていました。
プレーイントーナメント入りも難しいと予想していたのです。
今考えると大はずれですが、当時は決しておかしな予想ではなく、ほとんどのNBAファンも同様に考えていたのではないでしょうか?
ここではわたくしリトルがセルティックスがタンク(わざと負けて来シーズンのドラフトで上位指名権をねらう)に走ると予想した主な理由をあげていきましょう。
理由① ジェイソン・テイタムの離脱
テイタムがアキレスけんを断裂した、昨シーズンのカンファレンスセミファイナル第4戦は、現地時間の2025年5月12日に行われています。
テイタムは試合後2時間泣き続けたそうですね。
「チームは自分をトレードするんじゃないだろうか?」
「自分を応援してくれているすべてのスポンサーが手を引いてしまうんじゃないだろうか?」
全盛期の自分が、すべてを失う怖さを感じたそうです。
そんな失意の中、驚くべきことにテイタムはケガをした後24時間以内に手術を行いました。
基本的にはアキレス腱の再建手術を行った場合、復帰までは1年を擁すると言われていますが、テイタムはわずか10か月で復帰。
これはアキレス腱断裂後すぐに手術に踏み切った判断が大きく影響しているといえるでしょう。
テイタムはボストン・セルティックスの1stオプション。
昨シーズン(2024-25シーズン)のテイタムのスタッツは・・・
ジェイソン・テイタム2024-25スタッツ
72試合 36.4分出場
26.8得点 8.7リバウンド 6.0アシスト 1.0スティール
FG45.2% 3P34.3% FT81.4%
強豪チームのエースにふさわしいスタッツを残し、4年連続のオールNBA1stチームに選ばれています。
リーグ最強クラスのスコアラーであり、ディフェンス力も高いテイタムは、ボストンの絶対的エースとして君臨していました。
そのテイタムがアキレス腱を断裂のため、2025-26シーズンは全休と思われていたのですから、わたくしリトルがプレーインすら逃すと予想していたのも、仕方ないんじゃないでしょうか?
ですよねえ?
理由② 主力の大量放出
テイタムの離脱によって、2025-26シーズンが厳しくなると予想したのは、わたくしリトルだけではありませんでした。
セルティックスのフロントでさえ、優勝を狙うことは難しいと考えたのでしょう。
策士ブラッド・スティーブンスGMは大きく動きました。
2025にNBA優勝の原動力となった高額サラリーの主力を一気に放出し、若くてサラリーが安い選手に変えたのです。
この動きは、今シーズンタンクし、来シーズン以降に賭ける動きだと思っていました。
ちなみに開幕前に放出された主な選手は・・・
主な放出選手
ドリュー・ホリデー ⇨ ブレイザーズ
アル・ホーフォード ⇨ ウォリアーズ
クリスタプス・ポルジンギス ⇨ ホークス
ルーク・コーネット ⇨ スパーズ
加入してきたのは、ブレイザーズでスコアラーとして活躍していたアンファニー・サイモンズ以外は、ルカ・ガルザ、ジョシュ・マイノットなどそれまで出場機会がほとんどなかった選手たちばかり。
チームの弱体化は避けられないと誰もが思っていましたよね。
おそらくセルティックスのフロントでさえも。
ただこのピンチをチャンスに変えたのは、セルティックス既存の選手たちでした。
主力選手たちの昨シーズンと今シーズンのスタッツを比較すると・・・
主力選手スタッツ比較(赤字はアップしているスタッツ)
ジェイレン・ブラウン(SF)
22.2P 5.8R 4.5A ⇨ 28.3P 7.1R 5.1A
デリック・ホワイト(SG)
16.4P 4.5R 4.8A ⇨ 17.5P 4.4R 5.7A
ペイトン・プリチャード(PG)
14.3P 3.8R 3.5A ⇨ 16.9P 4.1R 5.4A
ニーミアス・ケイタ(C)
5.0P 3.8R 0.7A ⇨ 9.9P 8.3R 1.4A
サム・ハウザー(SF/PF)
8.5P 3.2R 0.9A ⇨ 9.3P 3.9R 1.5A
ほとんどの項目で昨シーズンより大幅アップしているのがおわかりいただけるでしょう。
ブラウンはテイタムが離脱したことでエースの自覚が芽生えたのか、リーグ最強クラスのスコアラーにステップアップ。
ホワイトも落ち着きのあるプレーで違いを生み出しています。
昨シーズン6thマン・オブ・ザ・イヤーに輝いたプリチャードは、今シーズンはスターターとしての出場も多くなり、輝きを増しています。
ニーミアス・ケイタは出場時間が昨シーズンの平均13.9分から今シーズンは24.9分に爆増し、スタッツもほぼ倍増。
サム・ハウザーも活躍の幅を広げています。
確かな実力と経験をもつ高額サラリーのベテランたちを放出し、それまで出場時間が限られていた若手のステップアップで若返りに成功したセルティックス。
心配されていた主力の大量放出による弱体化は、選手たちの意地で回避されているのです。
理由③ 2026年ドラフトが豊作
セルティックスがタンクに走ると考えた大きな理由の一つが、2026年ドラフトが史上屈指の豊作と予想されているためでした。
昨年のドラフトもクーパー・フラッグ、ディラン・ハーパー、VJ・エッジコム、そしてコン・カニップルと、すばらしい選手がそろう大豊作でしたが、今年はさらに能力の高いスーパースター候補がそろっているのです。
カンザス大学のコンボガード、ダリン・ピーターソン、ブリガムヤング大学でのスモールフォワード、AJ・ディバンツァ、そしてデューク大学のパワーフォワード、キャメロン・ブーザー。
特別な才能を持っているこの1年生3人の争奪戦が繰り広げられるでしょう。
今シーズンエースの離脱が決定し、主力を大量に放出したセルティックスは、今シーズンタンクに走ってドラフトで上位指名を狙ってくると思っていたのですが・・・。
さすがに強豪チームのセルティックスのメンバーは、勝者のメンタリティを持っていましたね。
ジェイレン・ブラウンをはじめ、常に勝者として戦ってきたボストンのプライドは、たとえエースが離脱していても、少しも揺るぎませんでした。
まあそれでもセルティックスがここまで勝つとは、夢にも思っていませんでしたが。
テイタム復帰で優勝できる?
ここまでイースタンカンファレンス2位を走るセルティックスに、ついに復帰したジェイソン・テイタム。
健康であればリーグトップクラスのスコアラーであるテイタムが復帰したことで、セルティックスは一気に優勝候補にあげられるようになりました。
開幕時の評価からは考えられない躍進ぶりですね。
ちなみに雑誌『ダンクシュート』が毎年発行している2025-26シーズンのコンプリートガイドを見てみると、セルティックスのページには「伝統の強固なディフェンスでプレーイン争いには食い込めそうだが、上位シード獲得は至難の業だろう。今季は余計な出費を抑えて我慢に徹し、テイタムが復帰する来季以降に備えることになりそうだ」とあります。
この記事をみて、わたくしリトルは「こんなにチーム力落ちてテイタムもいないのに、プレーインも無理っしょ!」と寿司をつまみながら笑っていました。
それがリーグ2位の座をつかみ、まだ3月なのにテイタムが復帰してくるとは、あの頃の自分を説教したい気分です。
それはどうでもよいのですが、テイタムが復帰したセルティックスには、優勝の可能性は「ある」と考えます。
たしかに同じイースタンカンファレンスのデトロイト・ピストンズやニューヨーク・ニックス、ウエスタンカンファレンスで猛威をふるっているオクラホマシティ・サンダーやサンアントニオ・スパーズなど、強力なライバルはたくさんいますが、テイタムが健康であれば、セルティックスも十分に対抗できる力をもっているといえるでしょう。
スコアラーとして今シーズン一気にステップアップしたジェイレン・ブラウンとの共存が心配されるテイタムですが、もともとセルフィッシュなスコアラーではなく、オールラウンドな能力を武器に勝利を目指すタイプの選手です。
ディフェンスでも手を抜かず、しっかりリバウンドにも飛び、常に全力プレーでチームに貢献してきたテイタム。
勝負所での弱さが弱点とされてきたテイタムですが、今のセルティックスには、ブラウンやプリチャードなど、ラストショットをたくせる選手もいます。
テイタム抜きでも勝利してきた自信が、経験不足だったベンチプレイヤーたちをも強くしたのです。
現在37歳の若き名将ジョー・マズーラHCが、この勢いのあるチームをプレーオフでどう導くのか、本当に楽しみですね。
ボストンの優勝「あると思います」。
まとめ
今回はテイタムが復帰したボストン・セルティックスについて語ってきました。
わたくしリトルが今シーズン開幕前に予想した中で、もっとも大外ししたのが、このボストン・セルティックスでしたね。
デビッド・ロビンソンがケガで離脱した1996-97シーズン、最下位となったスパーズが、1997年のNBAドラフト全体1位でティム・ダンカンを指名して王朝をつくりあげたように、セルティックスもタンクに走るかと思っていたのですが、ボストンのプライドは負けることをよしとしませんでした。
古豪のプライドをみせつけられているシーズンとなっています。
今シーズンのセルティックスをみていると、応援したくなりますよね。
はたしてテイタムが復帰したセルティックスはこの勢いをたもったまま、プレーオフでも旋風を巻き起こすことができるのか?
とにかくテイタムには無理しないでほしいと思います。
いまのところ動きをみていると大丈夫ではありそうですが、つい無理をして再び・・・なんてことがないように、十分に気をつけてほしいものです。
テイタムは現在28歳と、まさに全盛期。
短い選手生命を少しでも無駄にしないように、元気にプレーをつづけてほしいと思います。
そしてもう一度、ラリー・オブライエントロフィーをボストンの地に掲げてほしいですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。

