【2026年夏トレードまとめ④】 ジェイレン・ブラウンの76ers移籍を語る

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ビッグトレードが連発した2026年の夏。

これまでヤニス、ラメロ、モラントのトレードについて語ってきましたが、第4弾はボストン・セルティックスの一時代を築いたジェイレン・ブラウンと、フィラデルフィア・76ersで復活をとげたポール・ジョージのビッグトレードです。

昨シーズンエースのジェイソン・テイタムがアキレス腱断裂で長期離脱する中、セルティックスをイースト2位に牽引する活躍をみせ、オールNBA2ndチーム入りしたブラウン。

圧倒的な存在感をみせつけ評価をあげたブラウンですが、シーズン終了後にはヤニス・アデトクンボの交換相手としてニュースに大きくとりあげられてしまいます。

ヤニスはセルティックスではなく、マイアミ・ヒートへの移籍が決まりましたが、セルティックスのフロントとブラウンの間の亀裂は決定的と報じられ、トレードは確実とみられていました。

ただトレードの相手が、昨シーズンプレーオフ1stラウンドで対戦したフィラデルフィア・76ersだとは・・・。

今回は28歳と今まさにピークをむかえているオールスター、ジェイレン・ブラウンと、かつてリーグを席巻した36歳の元オールスター、ポール・ジョージ(+ドラフト指名権)のトレードについて、評価していきたいと思います。

それでは、レッツラゴー!

目次

76ers セルティックス トレード内容

ジェイソン・テイタムのアキレス腱断裂による長期離脱のため、昨シーズンはタンクに走るとも噂されていたセルティックスをイースタンカンファレンス2位に押し上げたのは、ジェイレン・ブラウンの超人的なパフォーマンスでした。

テイタムが復帰したプレーオフでも、76ers相手にチームトップのシリーズ平均25.7得点を記録するなど大活躍。

残念ながら第7戦で敗れシーズンを終えてしまいましたが、テイタム&ブラウンコンビが復活する来シーズンへの期待はふくれあがっていました。

しかしシーズン終了後に話題となったのは、セルティックスがヤニス・アデトクンボ獲得の駒として、ブラウン+指名権を準備しているというニュース。

残念ながらヤニスはヒートにとられてしまい、残ったのはジェイレン・ブラウンとセルティックスフロントの確執でした。

そりゃあブラウンもいい気はしませんよね。

ただトレードの相手が同じイースタンカンファレンス・アトランティックディビジョンの76ers、しかもあのポール・ジョージだとは・・・。

フィラデルフィア・76ers獲得
ジェイレン・ブラウン

ボストン・セルティックス獲得
ポール・ジョージ
ドラフト1巡目指名権×2(2028 31)
ドラフト2巡目指名権×2(2028 30)

ラメロ・ボールのブレイザーズ移籍にはメチャクチャ驚かされましたが、ブラウンの76ers行きにも同じくらいビックリさせられました。

トレード相手が、昨シーズン「NBAの歴史上最悪の契約のひとつ」と話題になったポール・ジョージですから。

9度のオールスター出場、6度のオールNBAチーム入り、4度のオールディフェンシブチーム入りなど、輝かしいキャリアを歩んできたポール・ジョージですが、すでに36歳であり衰えは隠せません。

2024年のファイナルMVP受賞者で、昨シーズンMVP候補にもあがったブラウンの対価としては、あまりに弱いというのが、正直な感想です。

ドラフト指名権も、1巡目が2つだけですからねえ・・・。

ただセルティックスのGM、百戦錬磨のブラッド・スティーブンスがまとめたトレードですから、きっと深い意味があるに違いありません。

ということで、ここからは76ers、セルティックス、両チームの視点にたってトレードの評価を行っていきましょう。

76ers側 トレード評価「A+」

昨シーズンのフィラデルフィア・76ersは、45勝37敗を記録。

第7シードで進んだプレーオフでは1stラウンドで第2シードのボストン・セルティックスを倒すアップセットを起こし、衝撃を与えました。

2024-25シーズン開幕前にポール・ジョージを獲得し、センターのジョエル・エンビード、ポイントガードのタイリース・マキシーとのビッグ3を形成したものの、このシーズンはジョージとエンビードの故障が重なり、3人がそろって出場したのは15試合のみ。

わずか24勝に終わっていたことを考えると、2025-26シーズンは光が見えるシーズンになったといえるのではないでしょうか?

長く76ersをエースとして支えてきたエンビードもすでに32歳。

若きスピードスター、タイリース・マキシーと昨年のルーキー、VJ・エッジコムが台頭してきた今、エンビード体制で優勝できるのか、判断をしなければいけない時期になっています。

しかし今の戦力では優勝するにはパンチが足りない・・・と誰もが思っていました。

そこで今回のトレードです。

ポール・ジョージがジェイレン・ブラウンに代わったことで、76ersは大きなアップグレードを行うことに成功しました。

素晴らしいキャリアを歩んできたポール・ジョージですが、36歳であり、ピークは過ぎています。

2人の昨シーズンのスタッツを比べてみましょう。

P・ジョージ2025-26スタッツ
37試合 30.7分出場
17.3P 5.3R 3.6A 1.7S
FG43.9% 3P39.2% FT82.0%


J・ブラウン2025-26スタッツ
71試合 34.4分出場
28.7P 6.9R 5.1A 1.0S
FG47.7% 3P34.7% FT79.5%

2人のスタッツを比べると、その影響力の違いは一目瞭然です。

まず出場試合数から全く違います。

近年ケガで欠場が増えているポール・ジョージですが、昨シーズンはNBAの違法薬物規定に違反したとして25試合の出場停止処分を科されました。

本人は「メンタルヘルス治療の過程で不適切な薬を服用してしまった」と語っていますが、その前年もケガで41試合の出場にとどまっていることを考えると、36歳にこれ以上の活躍を期待するのは無理があるのかもしれません。

スタッツをみると、得点力に圧倒的な差がみられますし、リバウンドやアシストもブラウンがリードしています。

戦力でみると、76ersの大幅なアップグレードであることは明白ですね。

タイリース・マキシー、VJ・エッジコム、ジェイレン・ブラウン、ジョエル・エンビードが並ぶスターターは、NBAトップクラスといってもいいでしょう。

今回76ersが獲得したジェイレン・ブラウンは5年最大3億400万ドル(約456億円)の契約があと3年残っています。

2023年夏に契約を締結したときには、NBA最高額だった超巨額の契約です。

大きな経済的負担がのしかかる76ersですが、ブラウンが期待通りの活躍をみせることができれば、なにも問題はないでしょう。

なんといっても、ポール・ジョージにも超巨額のサラリーを支払っていましたから。

ポール・ジョージと76ersは2024年の夏に、4年2億1200万ドル(約318億円)の契約を結んでいます。

エンビード体制でなんとしても優勝したかった76ersのフロントは、ロサンゼルス・クリッパーズでプレーしていたジョージを引き抜くために、巨額のサラリーを提示したのです。

その後の2シーズンでジョージは78試合にしか出場しておらず、今となっては「NBA最悪の契約のひとつ」と言われています。

2人の契約を単純に契約年数で割ると、ジェイレン・ブラウンは1年6080万ドル(約91億2000万円)、ポール・ジョージは1年5300万ドル(約79億5000万円)です。

現在の2人の実力差からいくと、ジョージの金額が不当に高いことがおわかりいただけるでしょう(まあブラウンも高すぎますが)。

サラリー面でみても、この莫大な契約をセルティックスに押し付けることができたのは、よかったのではないでしょうか?

ドラフト1巡目指名権を2つ、2巡目指名権2つを失ったのも、ポール・ジョージの契約をセルティックスに押し付け、優勝を目指す軸となる選手を獲得できたと思えば安いものだと思います。

当初セルティックス側はポール・ジョージに加え、VJ・エッジコムの獲得も希望していたそうですが、76ersのフロントがきっぱり断り指名権ですませたのは大正解でしたね。

76ersにとっては、エンビード体制で優勝することが、最大の目標なのですから。

今回のトレード、76ersの評価は「A+」とします。

未来を犠牲にしてでも今勝つこと「win-now」を目指す76ersにとって、今回のトレードはいいものになったのではないでしょうか?

超不良債権だった36歳ポール・ジョージの契約をセルティックスに押し付け、超強力なスコアラーで年齢も若いジェイレン・ブラウンを獲得できたのは、素晴らしい成果だといえます。

高い得点力に加えディフェンスでも違いを生み出せるブラウンは、76ersのラストピースとなる可能性をもっています。

ただ頭脳明晰ではあるものの、SNSなどでたびたび問題を起こすブラウンが、新しいチームメイトたちとうまくやっていけるのかは、やや心配なところもあります。

それでも76ersが優勝を目指すためには、劇薬ともいえるジェイレン・ブラウンの獲得はすばらしい動きだったといえるでしょう。

2026-27シーズン、76ersが台風の目となるかもしれません。

セルティックス側 トレード評価「D+」

昨シーズンのボストン・セルティックスは、テイタムのアキレス腱断裂による長期離脱もあり、タンクも予想される状態でした。

しかし終わってみれば56勝26敗でイースタンカンファレンス第2シードを獲得。

セルティックス快進撃の原動力は第2のエース、ジェイレン・ブラウンでした。

前述したように、ブラウンはレギュラーシーズンで1試合平均28.7得点を記録。

ディフェンスでも相手を圧倒し、オールNBA2ndチームに選出されるなど、大きく評価をあげたシーズンとなりました。

残念ながらプレーオフでは1stラウンドでフィラデルフィア・76ersに敗れ去りましたが、テイタムとブラウンが開幕からそろう来シーズンにファンは期待をふくらませていたと思います。

しかしオフシーズンに入り飛び込んできたニュースは「セルティックスのフロントはヤニス・アデトクンボ獲得のため、ジェイレン・ブラウンの放出を検討している」というものでした。

結局ヤニスはマイアミ・ヒート入りを選び、ブラウンはセルティックスに残ることになりましたが、そりゃあ居心地が悪くなるのは当然でしょう。

今回76ersに放出することになったのは、セルティクスのブラッド・スティーブンスGMの意向だったと言われています。

ブラウンのトレードに関して、様々な噂がとびかっていた中、スティーブンスGMはコメントを発表。

ブラウンの10年間にわたるセルティックスへの貢献に感謝の意を表したうえで「今のチーム状況とNBAの進む方向性、今シーズンの素晴らしい戦いぶりが今後数年でどう変化するかを総合的に考え、このままでは今後は困難だと結論づけた」「サラリーキャップの70%が2人の選手に集中するチームでNBAを勝ち抜くのは難しい」と語りました。

セルティックスにはテイタムとブラウン、2人のスーパーマックス契約の選手がいました。

NBAにおいて「マックス契約」はチームのサラリーキャップの最大30%までが年俸の上限と決まっていますが、いくつかの条件を満たした選手のみが、サラリーキャップの最大35%までを年俸上限とできる「スーパーマックス契約」を結ぶことができます。

さすがにチームのサラリーキャップのうち、70%のサラリーを2人の選手が占めてしまうのは、チーム編成上厳しいですよね。

ただしこれまでセルティックスは、テイタムとブラウンを中心に素晴らしいメンバーをそろえて、毎シーズン優勝争いにくいこんできていました。

テイタム&ブラウンがそろった2017-18シーズンからは9シーズン連続でプレーオフに進出。

そのうちカンファレンスファイナルに5回、NBAファイナルに2回出場し、2023-24シーズンには見事に優勝をはたしています。

しかもジェイレン・ブラウンはファイナルMVPを受賞したセルティックスの功労者です。

そのブラウンを放出するのですから、サラリー以外の要因もあったと考えるのが自然でしょう。

ジェイレン・ブラウンはNBAで最もハイIQと言われる頭のいい選手ですが、時折問題発言を繰り返しているお騒がせ男でもあります。

シーズン終了後には「Twitch」という配信プラットホームで「今年が一番楽しかった」と語り、「優勝したシーズンより自分が主人公になったシーズンの方が楽しかったのか?」と批判が集まりました。

昨シーズン大活躍したブラウンよりも、ケガ明けのテイタムを選んだのは、セルティックスのフロントがブラウンを信頼していないことを表しています。

ブラウンのトレード相手としては、クリーブランド・キャバリアーズのエバン・モーブリー、ヒューストン・ロケッツのアルペレン・シェングンなどが挙げられていましたが、ふたを開けてみると、その相手は76ersのポール・ジョージでした。

史上最悪の契約ともいわれる超高額契約が残るポール・ジョージとドラフト1巡目指名権2つ、2巡目指名権2つしかなかったのは、優秀なセルティックスフロントらしくはないですよね。

それだけブラウンとセルティックスフロントの間に、修復しきれない確執が生まれていたのかもしれません。

今回のトレード、セルティックスの評価は「D+」とします。

セルティックスはこれまで常にすばらしいチーム作りを続けてきたチームですが、リーグ屈指の実力者であるブラウンを適正な資産に変えることはできませんでした。

本当は「D-」評価にしようかとも思ったのですが、「D+」としたのは、昨シーズンブラウンはスタッツほどチームに貢献していなかったという見方もできるからです。

今年のプレーオフでセルティックスはブラウンが出場している時間のオフェンシブレーティングは107.6、ブラウン不在時は137.2でした。

チームメイトを生かすプレーができるテイタムを選ぶのも仕方ない一面もあります。

もしポール・ジョージが70試合以上出場できるのであれば、セルティックスは優勝争いできるのかもしれませんが、正直望みはうすいでしょう。

なにがなんでもブラウンを放出したかったとしても、もう少しいいトレードパッケージはあったのではないでしょうか?

まとめ

今回はこの夏のトレード評価第4弾として、ジェイレン・ブラウンとポール・ジョージのトレードを語ってきました。

ある意味一番衝撃的なトレードでしたね。

散々セルティックス側の批判をしてきましたが、ポール・ジョージが復活しシーズンを通してプレーを続け、優勝争いを繰り広げる可能性も(わずかですが)あります。

そうなった場合、わたくしリトルはセルティックスのブラッド・スティーブンスGMとポール・ジョージに五体投地で忠誠を誓います。

劇薬ジェイレン・ブラウンが加わった76ersは、エンビード体制で優勝を目指すことができるのか?

それともチーム崩壊につながるのか?

2026-27シーズンが楽しみでしかたありません。

さいごまでご覧いただきありがとうございました。

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