2023年プレーオフを最も盛り上げたチームはどこでしょうか?
ジミー・バトラー擁するマイアミ・ヒートです。
まるで、映画の主人公のような活躍を続けるジミー・バトラーを中心に、ヒートはNBAファンを虜にしています。
今回は、現在NBAに旋風を巻き起こし続けている、マイアミ・ヒートの、2022-23プレーオフでの快進撃を、振り返ります。
マイアミ・ヒート 2023プレーオフでの大進撃
2022-23レギュラー・シーズン、マイアミ・ヒートは44勝38敗イースタンカンファレンス7位で終えると、プレーイントーナメントに進出。
初戦で、トレイ・ヤング擁するアトランタ・ホークスに敗れ、後がない状態でのプレーイン最終戦、シカゴ・ブルズ戦に勝利し、なんとか第8シードでプレーオフに進みます。
ただし、プレーオフ出場全16チームの中でも、ヒートは最も優勝から遠いと思われているチームの一つでした。
ファーストラウンドの対戦相手が、リーグ最強のミルウォーキー・バックスだったことも、ヒートが期待されなかった理由でした。
プレーオフ1stラウンド 対バックス
誰もが、第1シード、ヤニス・アデトクンボ擁するミルウォーキー・バックスに一蹴されるだろうと考えていました。
2022-23シーズンのミルウォーキー・バックスは、58勝24敗、NBA全体1位と、万全な状態でプレーオフに進みます。
オールNBAファーストチームに満票で選出されたヤニス・アデトクンボを中心に、ポイントガードのドリュー・ホリデー、スモール・フォワードのクリス・ミドルトン、センターのブルック・ロペスなど、オールスター出場歴のある豪華な戦力をもつバックスは、今年の優勝候補ナンバー1でした。
ファーストラウンドは、誰もがバックスの勝利を予想していましたね。
マイアミ・ヒートのファンでさえ、勝利することは難しいと考えていたはずです。
しかし、ジミー・バトラーが鬼神のごとき活躍をみせます。
ミルウォーキーでの第1戦、敵地で大方の予想に反しヒートが勝利すると、第2戦を落とし、マイアミでの第3戦で再び勝利。
2勝1敗で迎えたマイアミでの第4戦。
初戦に腰を打撲し、欠場を続けていたバックスの大黒柱ヤニス・アデトクンボが復帰したバックスは、序盤から有利に試合を進め、第3クオーターを終えて11点のリードを奪いました。
しかし、そこから〝プレーオフジミー″が本領を発揮。
次々とタフショットを決め、バックスを追い詰めていきます。
結局ジミーは、プレーオフキャリアハイであり、マイアミ・ヒートの球団記録でもある、1試合56得点の大活躍をみせ、チームを勝利に導きました。
最終戦となった第5戦でも、ジミーは42得点 8リバウンド 4アシスト 2スティールと大活躍。
第4クオーター終了間際、2点ビハインドで残り2.1秒と、絶体絶命のシーンでは、スローインされたボールを超タフショットでねじ込み、奇跡のオーバータイムへ。
オーバータイムでも、ジミーは落ち着き払ったプレーでチームを鼓舞し、ヒートを128-126の勝利に導きました。
まさか、マイアミ・ヒートがリーグ最強のミルウォーキー・バックスを4勝1敗で下すとは!
ヒートで2番目の得点源であるタイラー・ヒーローと、オールスター経験もあるビクター・オラディポの二人をケガで欠いているのに!
バトラーの活躍にはもちろん驚かされましたが、チームメイトであるバム・アデバヨ、カイル・ラウリー、ケビン・ラブ、そしてドラフト外から這い上がってきたケイレブ・マーティン、マックス・ストゥルース、ゲイブ・ヴィンセントなど、一人ひとりの選手が、勝利のために全力で戦っている姿が印象的でした。
プレーオフ2ndラウンド 対ニューヨーク・ニックス
ヒートはイースタンカンファレンスセミファイナルで、第5シード(47勝35敗)のニューヨーク・ニックスと激突。
プレーオフファーストラウンド、ドノバン・ミッチェルが加入し、躍進が期待されたクリーブランド・キャバリアーズを、ニックスは4勝1敗で圧倒し、勢いに乗っていました。
チームのエースは、今年のオールスターにも出場し、オールNBAサードチームにも選出されたジュリアス・ランドル。
ランドルは、レギュラーシーズン終盤、3月29日に行われたマイアミ・ヒート戦で左足首を捻挫。
レギュラーシーズン残り5試合を欠場し、プレーオフ初戦から復帰したものの、本来の働きはできず。
レギュラーシーズンと、プレーオフ(対キャバリアーズ戦)でのスタッツを比較すると・・・
ジュリアス・ランドル スタッツ
2022-23 レギュラーシーズン
25.1得点 10.0リバウンド 4.1アシスト FG45.9% 3P34.3%
2022-23 プレーオフ(対キャブス)
14.4得点 6.4リバウンド 3.0アシスト FG33.8% 3P23.5%
プレーオフファーストラウンドの5試合で、大きく数字を落としていることがわかります。
左足首の状態は、かなり深刻な状態だったのでしょう。
マイアミ・ヒートとのプレーオフカンファレンスセミファイナル第1戦、ランドルが出場することはありませんでした。
しかし、それでもヒートとの第2戦から復帰し、チームを引っ張る姿は、エースの気概を感じさせてくれました。
そしてもう一人のエースが、シーズン開幕前にダラス・マーベリックスから獲得したジェイレン・ブランソン。
ブランソンは185㎝と小柄ながら、圧倒的なスピードとテクニック、そして精度の高いシュート力を武器に、2022-23シーズン、最もブレークした選手の一人となりました。
昨シーズンとのスタッツと今シーズンを比較すると・・・
ジェイレン・ブランソン スタッツ
2021-22(ダラス・マーベリックス)
16.3得点 3.9リバウンド 4.8アシスト FG50.2% 3P37.3%
2022-23(ニューヨーク・ニックス)
24.0得点 3.5リバウンド 6.2アシスト FG49.1% 3P41.6%
1試合平均得点が、8点近く増えています。
アシスト数も増え、ニックスの攻撃の中心となっていることがわかりますね。
マイアミ・ヒートvsニューヨーク・ニックスのカンファレンス・セミファイナルでも、ブランソンの攻撃力は、マイアミのディフェンスを翻弄します。
ニューヨークのマジソンスクエアガーデンで行われた第1戦。
左足首の状態が思わしくなく、ジュリアス・ランドルが欠場する中、ジェイレン・ブランソンとRJ・バレットが攻撃を牽引し、第1クオーターで11点のリードを奪うニックス。
しかし、第2クオーターで徐々に点差を縮め、第3クオーターで31-21と大きくリードを奪うと、そのままマイアミ・ヒートがアウェイで勝利します。
この試合、第4クオーター残り5分、ヒートが3点リードしている場面で、ジミー・バトラーが、ニックスのジョシュ・ハートと接触し、右足首を捻挫。
リプレイ映像をみると、はっきりと捻っており、バトラーもかなり痛そうにしていました。
すかさずタイムアウトをとるスポールストラHC。
そして、タイムアウト明け、足を引きずりながらもコートに出てくるジミー・バトラー。
そのままフリースロー2本をきっちり決めると、残りの5分間、ほぼ(ラスト23秒まで)コートに残り続けました。
ほとんど走ることはできず、足をひきずるように動き、オフェンスではコーナーに移動し待機するのみ。
ディフェンスでは大きく手を広げて立つことしかできず。
試合終了後、ヒートのヘッドコーチ、エリック・スポールストラは、「ジミーは下がろうとしなかった。だから残すことにしたんだ。」と語っています。
ジミーが穴となり、ニックス優位になるかと思われた最後の5分間、一気に試合を決めたのは、マイアミ・ヒートの方でした。
ゲイブ・ヴィンセントが思い切りよく3ポイントを決めると、ベテランの控えポイントガード、カイル・ラウリーがディフェンスの強度を高め、スティールやブロックショットを連発。
ピンチを迎えると、すかさずニックスで最もフリースローの確率の悪いミッチェル・ロビンソンにファールをするクレバーなプレー。
ロビンソンはフリースローを決めることができず、一気に点差は開き、マイアミ・ヒートは絶体絶命の状態におちいりながら、108-101で第1戦を制しました。
ジミー・バトラーは試合後のインタビューで、ラスト5分間について聞かれ、「エアボールの3ポイント以外は何もしてないよ。」と、さらっと語っています。
かっこいいですね。
この第1戦で勢いをつけたヒートは、第2戦でジミー・バトラーを温存し、105-111で敗れたものの、第3戦にはジミーが復帰し、105-86で圧勝。
結局危なげなく4勝2敗でカンファレンスファイナルに進みました。
プレーオフカンファレンスファイナル 対ボストン・セルティックス
イースタンカンファレンス第8シードから勝ち上がったマイアミ・ヒートは、ついにカンファレンスファイナルへ。
敵は、昨年イースタンカンファレンスを制したボストン・セルティックス。
セルティックスは今シーズン57勝25敗で、イースタンカンファレンス2位。
2022-23シーズンのオールNBAファーストチームに選出されたジェイソン・テイタム、セカンドチームに選出されたジェイレン・ブラウン、6thマン・オブ・ザ・イヤーに選出されたマルコム・ブログドンなど、多くのタレントが揃ったセルティックスには、いくらプレーオフ・ジミーがいるヒートでも、歯が立たないだろうという予想が、ネット上ではあふれていました。
ネットでは、セルティックスのスウィープ予想も多かったですね。
マイアミ・ヒートの進撃
迎えた第1戦、第3クオーターだけで、マイアミ・ヒートはなんと46得点を記録。
このクオーター、セルティックスを25点に抑え、貴重な敵地での初戦に勝利します。
再びボストンで行われた第2戦は、第3クオーターを終えて、セルティックスが8点のリード。
第4クオーターに入っても、なかなか点差は縮まらない状態。
そして、試合時間残り6分22秒で事件が起こります。
直前のセルティックスの攻撃で、筋骨隆々の控えフォワード、グラント・ウイリアムズが3ポイントをヒットすると、マッチアップしていたジミー・バトラーを挑発。
すかさず今度はジミーがペイントエリアにアタックし、グラント・ウイリアムズのごっつい身体と接触しながらも、タフショットを決め切りエンドワンを獲得。
すると、2人は額を突き合わせて、激しく言い合いを始めます。
この、残り時間6分22秒の時点で、96-89とセルティックスが7点のリード。
ここから、ジミーとウイリアムズの激しいスコアリング合戦が始まりましたが、やはり役者が違いました。
当然のようにジミーは、次々とショットを成功。
ヒートの他のプレーヤーも、攻守にハッスルし、試合時間残り2分33秒、ついにジミーのショットで逆転。
ここで、セルティックスのジョー・マズーラHCは、グラント・ウイリアムズをベンチに下げています。
ベンチで力なくうつむくウイリアムズ。
ジミーを怒らせて、本気にしてしまったとグラント・ウイリアムズが批判されていますが、自身も闘志むき出しで向かっていった姿は、立派だったと思います。
問題は、第4クオーターにへたれてしまうテイタム、ブラウンの2大エース。
特にテイタムは、第1戦、第2戦ともに第4クオーターのフィールドゴール成功が0。
76ersとのカンファレンスセミファイナル第7戦で、51得点したテイタムはどこに行ってしまったのでしょうか?
闘志あふれるプレーで、実力以上の結果を残したグラント・ウイリアムズを「ジミーを怒らせて本気にしてしまった」という理由で戦犯にしてしまうところが、セルティックスの弱さだったのではないでしょうか?
ジェイレン・ブラウンが試合後のインタビューで、グラント・ウイリアムズの挑発について質問された際、ノーコメントだったという記事を読んだ時に、「このままヒートが一気にいくかもな・・・」と感じました。
マイアミ・ヒートは、敵地ボストンで、まさかの2連勝と、絶好のスタートを切りました。
第3戦はマイアミ・ヒートのホームコート、FTXアリーナに舞台を移します。
ヒートファンの大歓声に迎えられると、チームはこの日も躍動。
特にポイントガードのゲイブ・ヴィンセントが大爆発。
29得点 2リバウンド 3アシスト FG78.6%(11/14) 3P66.7%(6/9)
オールスター選手並みの活躍をみせたヴィンセントは、何度も言いますが、ドラフト外から這い上がってきた選手です。
もう一人、この試合で大きな注目を集めたのが、まさかのダンカン・ロビンソン。
ヴィンセントと同じくドラフト外から這い上がったロビンソンは、正確な3ポイントシュートを武器に2019-20シーズン、マイアミ・ヒートでブレーク。
ヒートのファイナル進出に大きく貢献しました。
2021年に5年9000万ドルの大型契約をヒートと結びますが、2021-22シーズンに深刻なシュートスランプに陥ると、プレーオフでは平均12.2分の出場時間しか与えられず。
2022-23のレギュラーシーズンでも、1試合平均16.5分のみしか出場時間を与えられず、6.4得点 1.6リバウンド 1.1アシスト FG37.1% 3P32.8%。
とても大型契約を勝ちとった選手とは思えない成績で、多くの人がヒートの不良債権だと考えていました。
しかし、カンファレンスファイナル第3戦で、ダンカン・ロビンソンは3ポイントシュートを7本中5本ヒット。
的確なドライブや、オフボールムーブからゴール下に飛びこむ、教科書に載せたいような美しいプレーを連発し、ヒートに流れを呼び込みました。
結局ダンカン・ロビンソンは22分48秒の出場で、22得点 2リバウンド 4アシスト FG63.6%(7/11) 3P71.4%(5/7)を記録。
第8シードでセルティックスに挑んだマイアミ・ヒートは、128-102で優勝候補筆頭のセルティックスに圧勝し、3連勝でNBAファイナルに王手をかけてしまったのです。
ボストン・セルティックスの反撃
王手をかけた状態で挑んだ第4戦。
マイアミの本拠地FTXアリーナは、ヒートのファイナル進出を確信するファンの大歓声が響いていました。
前日に、ウエスタンカンファレンスファイナルで、デンバー・ナゲッツがロサンゼルス・レイカーズをスウィープで下したことも、マイアミファンのテンションをあげていたのでしょう。
しかし、この日のセルティックスは、エースのジェイソン・テイタムが本来の姿を取り戻し、33得点の活躍をみせ、99-116でヒートを圧倒。
セルティックスは屈辱のスウィープ(4連敗)をまぬがれました。
ボストンで行われた第5戦も、セルティックスは97-110で危なげなく勝利し、2勝4敗と反撃に移ります。
歴史に残るブザービーター 第6戦
マイアミ・ヒートが3勝2敗と王手をかけて迎えた、運命の第6戦。
最終第7戦まで進んでしまうと、ボストン・セルティックスのホームコート「TDガーデン」で行われるため、絶対に落とせないこの試合。
マイアミのホームコートFTXアリーナは、ファンの熱気と大歓声であふれていました。
常にセルティックスが先行し、ヒートが追いかける展開となったこの試合。
第3クオーターを終えて72-79と、セルティックスが7点をリードします。
第4クオーターに入ると、ヒートがディフェンスの強度を上げ、ダンカン・ロビンソンの活躍もあり、セルティックスを一時逆転。
しかし、エースのテイタムを中心に盛り返し、残り4分の時点で、セルティックスが10点のリードを奪っていました。
この追い詰められた場面で、力を発揮するのがプレーオフ・ジミーです。
この日、ショットが不調のジミーは、積極的にアタックを繰り返し、ファウルをもらい、フリースローで得点を重ねていきます。
そして、試合終了間際にジミー・バトラーが、右コーナーの3ポイントラインのわずかに外側で、セルティックスのロバート・ウイリアムズ三世のファールを受け、3本のフリースローを獲得。
試合時間は残り3秒、100-102でセルティックスの2点リード。
しびれる場面で、プレーオフ・ジミーは、当然のように3本のフリースローを沈め、ヒートはついに逆転。
セルティックスのマズーラHCがタイムアウトをコールすると、ヒートのホームコート、FTXアリーナは、お祭り騒ぎでした。
残り3秒。
スローインするのは、デリック・ホワイト。
本来ホワイトをマークするはずのケイレブ・マーティンは、セルティックスのエース、ジェイソン・テイタムへパスが渡らないように、Wチームをしかけます。
Wチームは成功し、テイタムへのパスが入らないため、ホワイトはマーカス・スマートへのパスを選択。
無理な体制で3ポイントを放つスマート。
無常にもリングにはじかれ、試合終了かと思われた瞬間、ゴール下にかけこんだホワイトがボールをティップ。
ボールはブザーと同時にリングに吸い込まれます。
わたくしリトルは、ヒートの勝利を確信し、両手を挙げた瞬間、固まってしまいました。
何が起こったかわからずに。
スロー再生で、ホワイトのシュートがカウントとなったのを確認して、鳥肌が立ってしまいました。
こんなに興奮したブザービーターは、マイケル・ジョーダンのザ・ショット(1989年 ファーストラウンド 対クリーブランド・キャバリアーズ)、カワイ・レナードのザ・ショット(2019年 カンファレンスセミファイナル 対フィラデルフィア・76ers)くらいしか今思いつきません。
劇的な幕切れに、誰もが「史上初の3連敗からの4連勝」を確信したのではないでしょうか?
第8シードからファイナルへ
圧倒的にセルティックス有利と思われたカンファレンスファイナル第7戦。
ボストンのTDガーデンは、試合開始直後に悲鳴に包まれます。
ファーストプレーでエースのジェイソン・テイタムが左足首を捻挫。
足の痛みを抱えながら、41分36秒もコートに立ち続けたジェイソン・テイタムは、14得点しかあげられなかったものの、11リバウンドを記録し、最後まで戦う姿勢を見せてくれました。
もう一人のエース、ジェイレン・ブラウンは、19得点 8リバウンド 5アシストを記録するも、8ターンオーバーと、ミスが多く、チームに勢いを与えることができませんでした。
試合を終えてみると、最初の1プレーで、試合は決まってしまいましたね。
最終戦は、マイアミ・ヒートが一方的な展開に持ち込み、最終スコア103-84。
セルティックスの史上初の3連敗から4連勝という野望はついえてしまいました。
第7戦、ヒートのトップスコアラーは、ジミー・バトラーでしたが、最もチームに勢いを与えたのは、こちらもドラフト外選手の、ケイレブ・マーティンです。
二人のスタッツをまとめると・・・
カンファレンスファイナル第7戦 スタッツ
ジミー・バトラー
28得点 7リバウンド 6アシスト FG42.9%(12/28) 3P42.9%(3/7)
ケイレブ・マーティン
26得点 10リバウンド 3アシスト FG68.8%(11/16) 3P66.7%(4/6)
ジミー・バトラーは、元々シュート効率が特別よい選手ではありませんが、大事な場面では驚異的な決定率でシュートを沈めていることは、みなさんもうお判りかと思います。
この試合も、第4クオーターで、セルティックスにとどめを刺す活躍をみせました。
そして、この試合最もヒートの勝利に貢献した選手、ケイレブ・マーティン。
マーティンもまた、ドラフト外から這い上がってきた選手です。
シャーロット・ホーネッツでNBAプレーヤーとなったものの、2年で解雇。
2021-22シーズンにマイアミ・ヒートと2WAY契約を結ぶと、期待を超える活躍をみせ、2月に本契約を勝ちとりました。
決して派手さはないものの、正しいプレーを続け、ヒートの大きな戦力となっています。
マーティンのような、試合を決める活躍をする選手が、次々と日替わりで出てくることが、ヒートの強さだと思います。
激闘を終えて
イースタン・カンファレンスファイナルのMVPにはジミー・バトラーが輝き、ラリー・バードトロフィーを受け取りました。
投票者9人のうち5人がジミー・バトラーに、4人がケイレブ・マーティンに投票する接戦でした。
ジミーは、予想通りトロフィーにはあまり関心がない様子。
ジミーにとって、個人賞はどうでもよいのでしょう。
優勝だけを目指し、全力で戦うジミーの姿は、マイケル・ジョーダンやコービー・ブライアント、レブロン・ジェームズなどの、圧倒的な個の力でチームを引っ張るエース像とは、異なるように感じます。
勝つために、何をするべきか。
今はチームメイトの誰に任せるべきか。
自分のスタッツは伸びなくても、チームを勝たせることができれば問題ない。
究極のチームプレイヤーが、ジミー・バトラーだと思うのです。
2023年のプレーオフの主役となれるのか、それとも、最後に二コラ・ヨキッチに奪われてしまうのか?
チーム力の高い2チームの頂上決戦は、絶対に見逃せません!
まとめ
今回は、ついにファイナルまでたどり着いた、マイアミ・ヒートの激闘を振り返りました。
今年のヒートには、観るものを熱くさせるものがあるんですよね。
ジミー・バトラーの主人公感がすごいです。
強大な相手に仲間と共に立ち向かい、奇跡のような活躍で次々と打ち破っていく、漫画の主人公のような活躍を続けています。
ただ、最後の敵は、とんでもなく強いラスボスです。
35年間NBAを観つづけてきたわたくしリトルが、史上最高のセンターだと確信する二コラ・ヨキッチ。
そして、プレーオフジミーと同じく、勝負所で圧倒的な存在感を発揮するジャマール・マレー。
わたくしリトルにとっては、ヒート、ナゲッツ、どちらが勝ってもワクワクする、新鮮な組み合わせになりました。
もし、最近NBAから離れている方がいれば、ぜひNBA Rakutenで観てみてください。
どうしても、有料で契約するのは・・・という方は、YouTubeで、NBA Rakutenが、試合をプレミア公開することがあるので、チェックしてみてください。
戦力的には、完全にデンバー・ナゲッツ有利な中、ヒートの名将エリック・スポールストラHCが、どのような策で対抗するのか?
プレーオフ・ジミーは降臨するのか?
とにかく、最高のプレーオフを楽しみましょう!