2024-25シーズンもいよいよプレーオフに突入。
特に強豪ひしめくウエスタンカンファレンスは、どこが勝ち抜くのか予想が難しい状況です。
レギュラーシーズンで圧倒的な強さをみせたのはオクラホマシティ・サンダーでしたが、主力に若い選手が多く、プレーオフでの実績はあまりないため、足元をすくわれる可能性も十分あると思います。
そんな中もっとも注目されているチームが、レブロン・ジェームズとルカ・ドンチッチの2大スーパースターを擁するロサンゼルス・レイカーズ。
日本人としては、八村塁選手の活躍にも期待しちゃいますね。
今回はレイカーズが2025年のプレーオフを勝ち抜くことができるのかを考察していきたいと思います。
それではレッツラゴー!
2024-25 レイカーズチームスタッツ
まずは2024-25レギュラーシーズンの、レイカーズのチームスタッツを見てみましょう。
レイカーズチームスタッツ(2024-25)
50勝32敗(ウエスト3位)
得点 113.4(リーグ19位)
失点 112.2(リーグ10位)
リバウンド 42.4(リーグ26位)
アシスト 26.0(リーグ18位)
FG47.9%(リーグ9位)
FG試投数(リーグ30位)
3P36.6%(リーグ14位)
3P試投数35.9(リーグ20位)
フリースロー 78.5%(リーグ13位)
フリースロー試投数 23.2(リーグ3位)
今シーズンのレイカーズは、平均得点でリーグ19位、平均失点でリーグ10位と、強力な武器があるチームではありませんでした。
特筆すべきスタッツはなく、あるのはスターパワー。
40歳になった〝キング″レブロン・ジェームズと、シーズン途中の電撃トレードで加入したルカ・ドンチッチのコンビは、勝負を決める第4クオーターで、相手の脅威となっています。
レブロン&ルカ以外にも、今シーズン平均20得点越えをはたしたオースティン・リーブスや、ケガは多かったものの攻守に存在感を発揮した八村塁選手など、着実に成長している選手も多く、昨シーズンより確実に強くなったと言えるでしょう。
フリースローの試投数でリーグ3位なのは、スターパワーによるところが大きいと思います。
といっても個人のフリースロー試投数のランキングをみると、ドンチッチが395本でリーグ14位、レブロンは331本で28位と、思ったより多くはないんですが。
守備の要だったアンソニー・デイビスとマックス・クリスティがマブスに去り、代わりにドンチッチが加入した時には「レイカーズのディフェンスが終わった」「レイカーズ今シーズンはあきらめて来シーズンからにかけるのか」など言われていましたが、予想に反してチームディフェンスが機能し、守備力はアップ!
八村塁選手の献身的なディフェンスも、大きく貢献したと思います。
AD&クリスティー⇔ドンチッチのトレード前は24勝18敗、勝率57.1%でしたが、トレード後26勝14敗、勝率65.0%とわずかな差ですが結果もあらわれました。
バスケはわかりませんね。
結果レイカーズは50勝32敗と大きく勝ちこし、激戦のウエスタンカンファレンスで第3シードを勝ちとっています。
レイカーズ 主要選手のシーズンスタッツ
チームスタッツのあとは、プレーオフで予想されるスターティングファイブのシーズンスタッツをふり返っていきましょう。
レブロン・ジェームズ 2024-25スタッツ
レブロン・ジェームズ2024-25スタッツ
70試合 34.9分出場
24.4得点 7.8リバウンド 8.2アシスト 1.0スティール
FG51.3% 3P37.6% FT78.2%
NBA22年目となった2024-25シーズン、ついに40歳となったレブロン・ジェームズ。
かつて40歳でこれほど支配的な活躍をみせた選手がいたでしょうか?
世界最高峰のバスケリーグNBAの中でも、いまだに突出した活躍をみせています。
平均得点はルーキーシーズン(20.9得点)に次ぐ低さですが、それでもリーグ13位とトップスコアラーの一人であることに変わりありません。
NBAを36年間観つづけてきたわたくしリトルにとって、40歳超えの現役プレイヤーといえば、レイカーズの〝レジェンド″カリーム・アブドゥル・ジャバーや、セルティックスのビッグ3で最後はブルズでプレーしたロバート・パリッシュ、歴代最高のスラムダンカーから徐々にシューターに移行し、43歳までプレーしたビンス・カーターなどが思いだされます。
これまでの40歳を超える高齢プレイヤーは、スター選手から徐々にロールプレイヤー化し、チームに貢献していましたが、レブロンの場合はプレースタイルを変えることなく、バリバリ1stオプションとしてプレーしているところが異常ですね(笑)。
ほんとうに笑うしかありません。
一定期間の輝きという面でみれば、GOAT(グレート・オブ・オール・タイム=史上最高の選手)はマイケル・ジョーダンだと思いますが、活躍した年数も考慮すれば、GOATはレブロン・ジェームズ一択と言われても、納得できます。
たださすがに40歳にもなると、時々気の抜けたプレーや、集中力を欠いたプレーで批判されることもありますが、それでもチームを勝利に導く活躍ができるのが、レブロンの凄いところ。
昨年の夏に行われたパリオリンピックでも、支配的な活躍でアメリカの金メダル獲得に貢献していましたしね。
プレーオフでも、そのスターぶりをみせつけるのか、ドンチッチとのスーパースターコンビが楽しみです。
ルカ・ドンチッチ 2024-25スタッツ
ルカ・ドンチッチ2024-25スタッツ
50試合 35.4分出場
28.2得点 8.2リバウンド 7.7アシスト 1.8スティール
FG45.0% 3P36.8% FT78.2%
レイカーズにとって、棚からぼたもち的なトレードで奇跡の獲得ができたスーパースター、ルカ・ドンチッチ。
マブスのニコ・ハリソンGMが懸念をしめした体調管理が心配されていましたが、レイカーズ移籍後のドンチッチはしっかりプレーし、その能力の片りんをみせつけています。
ややぽっちゃり体型は変わらずですが、随所でクレバーなプレーをみせ、レイカーズの勝利に大きく貢献しています。
ディフェンス力の低さが心配されていましたが、ディフェンスの要アンソニー・デイビスが抜けたことで、逆にディフェンスローテがスムーズになり、ここまで大きな弱点とはなっていません。
いやあ、ニコ・ハリソンさまさまですね。
現在のNBAでもっとも才能あふれ、圧倒的な人気を誇る25歳のスーパースタールカ・ドンチッチを、ケガがちな31歳(3月11日で32歳)のアンソニー・デイビスと才能はあるもののロールプレイヤーのマックス・クリスティー、そしてドラフト1巡目指名権1つだけで譲ってくれたんですから。
ニックスがミケル・ブリッジズを獲得するために、ボーヤン・ボグダノビッチ+ドラフト1巡目指名権5つを差し出したことを考えると、ドンチッチのトレードはありえないと思います。
もしも今シーズン、ドンチッチがチームにフィットせず、コンディションも戻らず、プレーオフを逃していても、レイカーズにとって2024-25シーズンは勝利に値するシーズンだと思っていました。
NBAの歴史をみても、一握りしかいないクラスのスーパースターを、チームの軸として獲得できたのですから。
ところが、左足ふくらはぎを痛め、マブスで欠場をつづけていたドンチッチは、レイカーズでみごとに復活。
まだ完全にチームにフィットしているとはいえない状態ながら、徐々にプレーの精度を上げ、レイカーズの勝利に大きく貢献しています。
古巣に帰還した4月9日のダラス・マーベリックス戦では、敵地ながら大歓声を浴び、今シーズン最多タイとなる45得点をあげるスーパースターぶりを発揮しました。
プレーオフでは一段ギアをあげてくるであろうドンチッチ。
レイカーズが予想以上の快進撃をみせるには、若きスーパースター、ルカ・ドンチッチの爆発が必要です。
オースティン・リーブス 2024-25スタッツ
オースティン・リーブス2024-25スタッツ
73試合 34.9分出場
20.2得点 4.5リバウンド 5.8アシスト 1.1スティール
FG46.0% 3P37.7% FT87.7%
今シーズンのMIP(最も成長した選手)候補にもあげられているオースティン・リーブス。
ドラフト外でレイカーズに加入し、4年目の今シーズン初めて1試合平均20得点の壁をこえました。
2月8日のペイサーズ戦で1試合45得点をあげチームを勝利に導くなど、今シーズンは10試合で30得点以上を記録。
さまざまなテクニックを駆使し、相手の脅威となりました。
持ち前のハッスルプレーも健在で、チームに勢いをあたえる存在です。
今シーズンのリーブスの成長は、レイカーズにとって本当に大きかったですね。
得点、リバウンド、アシスト、スティールすべて自己最高のスタッツを記録。
選手として1ランクアップし、2023年の夏にむすんだ4年5600万ドル(当時約77億8400万円 1㌦=139円)という契約が、決して高くはなかったことを証明しました。
リーブスの勝負強さは、プレーオフでも発揮されるのか?
まだまだ成長しつづけているリーブスには、プレーオフでのさらなる覚醒が期待されます。
八村塁 2024-25スタッツ
八村塁2024-25スタッツ
59試合 31.7分出場
13.1得点 5.0リバウンド 1.4アシスト 0.8スティール
FG50.9% 3P41.3% FT77.0%
われらが八村塁選手は、NBA8年目の今シーズン、ケガに苦しみ59試合の出場にとどまりました。
しかし八村塁選手がレイカーズに不可欠な存在であることを強く認識させられたシーズンでもありました。
スタッツをみると、例年とあまり変わりはないのですが、3ポイントシュート成功率41.3%はチームトップで、八村選手にとって初めてシーズン100本を超える102本を沈めています。
レイカーズにはレブロン、ドンチッチ(前半戦はアンソニー・デイビス)、リーブスと得点力の高い選手がそろっているため、攻撃の機会がかぎられる八村選手ですが、要所での3ポイントシュートや、〝忍者カット″と呼ばれる「いつのまにゴール下に入ったの」といわれるバックカットからのダンクで、何度もチームを救いました。
そして今シーズンの八村選手がもっとも成長したのがディフェンスです。
屈強な身体と身体能力の高さを武器に、相手のエースをマーク。
ポイントガードのシェイ・ギルジャス・アレキサンダーからセンターの二コラ・ヨキッチまで、オールラウンドなディフェンス力で相手を苦しめ、チームの信頼を勝ちとりました。
ドリアン・フィニー・スミスやジャレッド・バンダービルトなど、同じポジションのディフェンス力が高い選手から、スターターの座を勝ちとったのは大きな自信になっているのではないでしょうか。
左膝の状態が心配されていますが、プレーオフでレイカーズが勝ち抜くために、攻守における八村選手の活躍が期待されます。
ジャクソン・ヘイズ 2024-25スタッツ
ジャクソン・ヘイズ2024-25スタッツ
56試合 19.5分出場
6.8得点 4.8リバウンド 1.0アシスト 0.9ブロック
FG72.2% 3P0% FT62.2%
現在レイカーズの最大の弱点であるセンター。
シーズン前半戦はアンソニー・デイビス(AD)がセンターとしてプレーしていたため、むしろレイカーズの強みとなっていたのですが・・・。
ドンチッチとのトレードでADがダラスに去ってからは、それまで控えセンターだったジャクソン・ヘイズしかセンターはいなくなってしまいました。
シャーロット・ホーネッツの若手ビッグマン、マーク・ウイリアムズを一度はトレードで獲得したものの、ウイリアムズがメディカルチェックで不合格となり破断となる珍事も発生。
ウイリアムズは強力なセンターではあるものの、NBAでの3シーズンで106試合にしか出場していませんから(出場率43%)、破断になってよかったかもしれませんが(ダルトン・コネクト「お帰り」)。
その後はヘイズをスターターとすることに決め、控えにNBA12シーズン目、31歳のアレックス・レンを獲得したものの、正直戦力になってはいない状況です。
「レイカーズはセンターなしで戦うしかない」「インサイドがこれでは今シーズンは無理だな」など、レイカーズファンの不安な声が聞こえていましたが、意外にもヘイズが奮起します。
天才パサー、ルカ・ドンチッチのアリウープパスターゲットとして、213cmでアスレティック能力の高いヘイズがはまったのです。
試合を支配する力はなく、ドンチッチがレイカーズでプレーした2月10日以降にかぎっても、ヘイズの出場時間は21.4分しかなく、スタッツは8.1得点 5.3リバウンドと、先発センターとしては物足りないものです。
ただ無理にシュートをしようとしないヘイズは、フィールドゴール成功率が72.2%と高く、攻撃力の高い選手がそろうレイカーズにはマッチしています。
ヘイズがベンチに下がった時は、八村選手やドリアン・フィニー・スミスらをセンターポジションで使うと思うのですが、ウエストの強力なビッグマンたちに立ち向かえるのかはレイカーズの不安要素ですね。
2019年のNBAドラフトで八村塁選手の一つ前、1巡目全体8位でアトランタ・ホークスに指名されたヘイズには、そのポテンシャルを発揮し、プレーオフの舞台で暴れてほしいと思います。
ある意味レイカーズ優勝のカギをにぎっているのは、ジャクソン・ヘイズかもしれません。
ベンチプレイヤー
レイカーズのベンチプレイヤーは、他のプレーオフチームに比べて決して強いとはいえません。
平均得点が最も高いのは、ルーキーのダルトン・コネクトで9.1得点。
ベンチから試合の流れをかえるほどのスコアラーは、レイカーズには残念ながらいませんね。
ただドリアン・フィニー・スミスやジャレッド・バンダービルト、ゲイブ・ビンセントなど、ディフェンス力が高く経験も豊富な選手はそろっています。
レブロン・ジェームズやルカ・ドンチッチら主力がベンチに下がっている間に、ゲームを壊さないことが、レイカーズのベンチ選手に求められているポイントです。
できればブロニー・ジェームズの覚醒もみたいのですが、欲張りすぎでしょうか(笑)。
レイカーズは優勝できるのか?
第3シードレイカーズの1stラウンドの相手は第6シードのミネソタ・ティンバーウルブズ。
レイカーズがホームコートアドバンテージをもっていますが、両チームのゲーム差はわずか1ゲーム。
戦力差はないといっていいでしょう。
エースのアンソニー・エドワーズ、昨シーズンの最優秀守備選手賞ルディ・ゴベア、新加入のスコアラージュリアス・ランドルのビッグ3は強力です。
そのほかにもマイク・コンリー、ジェイデン・マクダニエルズ、ドンテ・ディビンチェンゾ、ナズ・リードなど、強力なメンバーが揃っています。
昨年のプレーオフではカンファレンスファイナルまで進み、今シーズン開幕前には優勝候補にあげられていたチームですから、簡単にはいかないでしょう。
ただ勢いに乗っていたウルブズを、昨年のカンファレンスファイナルで打ち破ったのは、ルカ・ドンチッチ擁するダラス・マーベリックス。
特に第2戦でゴベアとの1on1から決めたドンチッチのステップバック3は、インパクト抜群でした。
アンソニー・エドワーズもスターへの階段をのぼっていますが、まだドンチッチとレブロンのスターパワーにはかなわないと思います。
総合力ではウルブズが上かと思いますが、短期決戦のプレーオフでは、圧倒的な個の力をもつレイカーズが勝ち上がるのではないでしょうか。
カンファレンスセミファイナルではヒューストン・ロケッツvsゴールデンステイト・ウォリアーズの勝者と戦うレイカーズ。
ロケッツは若く才能がある選手がそろった、今一番勢いのあるチームですね。
反対にウォリアーズはステフィン・カリー、ドレイモンド・グリーン、ジミー・バトラーと百戦錬磨のベテランがそろった元チャンピオン。
どちらがきても面白い試合になるとは思いますが、長年ウォリアーズファンのわたくしリトルとしては、最後になるかもしれないレブロンvsカリーの戦いが観たいですねえ。
ウォリアーズに比べるとレイカーズはサイズもあり、有利に試合をすすめられると思いますが、怖いのはカリーの爆発ですね。
それとなんといっても新加入したプレーオフジミー。
二人のスターをなんとかおさえることができれば、レイカーズ有利はゆるがないと思います。
カンファレンスファイナルの相手は今シーズンリーグトップの68勝をあげたオクラホマシティ・サンダー。
シェイ・ギルジャス・アレキサンダーを中心に、盤石の強さをみせた若手スターの宝庫です。
強大な戦力をもちながら、ドラフト指名権も大量に保有しているのがおそろしいところですが・・・。
正直、レイカーズが勝ち上がったとしても、サンダーを倒すのはかなり厳しいでしょう。
レイカーズが勝利するケースは、やはりレブロン&ドンチッチの爆発に頼るしかないでしょうね。
ただレブロンはご存じのとおり40歳、ドンチッチもスタミナにはやや不安があります。
1stラウンド、カンファレンスセミファイナルで体力を消耗してしまえば、若さ爆発のサンダーには対抗できないでしょう。
いかに余力を残してカンファレンスファイナルに挑むことができるかが、レイカーズの運命を決めるといってもいいでしょう。
もしもサンダーを倒し、ウエスタンカンファレンスを制することができたなら、十分優勝する可能性はあると思います。
優勝までたどりつく可能性はわずかだとは思いますが、レブロン&ドンチッチのコンビであれば不可能を可能にしてしまうかもしれませんね。
まとめ
今回はプレーオフに挑むロサンゼルス・レイカーズについて語ってきました。
奇跡のトレードでルカ・ドンチッチを獲得したレイカーズは、いま最も予想が難しいチームかもしれません。
プレーオフで数々の奇跡を起こしてきたレブロン・ジェームズとルカ・ドンチッチが、同じチームでプレーをしたらどんなミラクルをみせてくれるのか?
NBAを36年間観つづけてきたわたくしリトルは、長年アンチレイカーズだったのですが、八村塁選手の加入&ドンチッチの獲得で、今は思いっきり応援しています。
今シーズンのプレーオフ、特にウエスタンカンファレンスは、例年以上の盛りあがりが予想されていますね。
どこが勝つのかわからない、激戦必至のプレーオフだからこそ、スーパースターが奇跡を起こす展開に期待してしまいます。
2025年のNBAチャンピオンとなるのは、どのチームになるのか、思う存分たのしみましょう!
