NBAオールスター2026の出場選手紹介もラストとなりました。
前回の「ウエスタン・カンファレンス リザーブ編」では、アブディヤの初選出や、レブロンの22回目の出場という異次元の記録に触れましたが、ご覧いただけたでしょうか?
さて、今日はいよいよ完結編「NBAオールスター2026④イースタン・カンファレンス リザーブ選手紹介」をお届けします!
今年のイーストは、これまでの常連組に加えて、新時代の幕開けを感じさせる「初選出」のフレッシュな顔ぶれが並びました。
もう、今のイーストは戦国時代。
どの選手が選ばれてもおかしくない激戦を勝ち抜いた、選ばれし7人のスターたちをじっくり解説していきます!
ちなみに「チームWORLD vs チームUSA(2チーム)の3チーム総当たり+決勝」となった新しい大会フォーマットについては、「NBAオールスター2026①ウエスタンカンファレンス先発選手紹介」の記事で詳しく説明しています。
ぜひご覧ください。
ドノバン・ミッチェル(キャバリアーズ / 7年連続7回目)
まず一人目はクリーブランド・キャバリアーズの絶対的エース、ドノバン・ミッチェルです!
ミッチェルにとっては、これで7年連続、7回目のオールスター選出。
もはや「常連」の域に達していますが、今年の選出はこれまでのそれとは少し意味合いが違うような気がしています。
チームが苦しい時期だからこそ、彼の「凄み」がより際立っている…。
今日は、そんなスパイダー(ミッチェルの愛称)の現在地について、熱く語っていきたいと思います!
チームの苦境を一人で背負う「孤高のエース」の輝き
昨シーズンのキャブスは64勝18敗と、イースタンカンファレンスで圧倒的な強さをみせていました。
誰もがサンダーに次ぐ優勝候補と考えていた今シーズン、キャブスは苦戦しています。
怪我人の続出もあり「あれ、去年の勢いはどこへ…?」と不安になっているファンの方も多いはず。
でも、そんな沈みがちなチームの雰囲気を、ただ一人で変えてしまうのがミッチェルなんです。
- キャリアハイの得点力: 今シーズン、彼は平均28.8得点を記録。これは自身のキャリアでも最高水準です。
- 驚異のクラッチ力: 試合の後半、特に第4クォーターにギアを上げるあの集中力。後半の平均得点はリーグトップクラスで、まさに「勝負どころの神」状態。
- 効率性の向上: FG成功率48.3%、3P成功率38.2%。この数字は、自己ベストレベルです。
チームが勝てない時こそ、スタッツを落とさず、むしろ数字を伸ばしてくる。この責任感とタフさこそが、全チームのヘッドコーチたちが彼に票を投じた最大の理由だと思います。
7連続選出の重み!キャブスの歴史に刻まれる男
今回の選出で、ミッチェルはキャバリアーズの選手として4回目のオールスター出場となります。
キャブスの歴史で4回以上選ばれたのは、レブロン・ジェームズやマーク・プライス、カイリー・アービングといった、永久欠番級のレジェンドばかり。
ミッチェルはすでに、クリーブランドという街にとって「特別な存在」になっています。
今年の舞台はLAクリッパーズの新アリーナインテュイット・ドーム。
新しい時代を象徴するアリーナで、東の精鋭たちと肩を並べるミッチェル。
スターター投票では惜しくも次点でしたが、実力で見れば「東のベストガード」の一人であることに異論を唱える人はいないでしょう。
オールスターをきっかけに「逆襲のキャブス」が見たい!
さて、お祭り騒ぎのオールスターですが、ミッチェルにとってはこれがシーズン後半戦への「起爆剤」になるはずです。
「自分がスターターじゃなかったのは、チームが勝てていないからだ」――。 負けず嫌いの彼のことですから、心のどこかでそう思っているに違いありません。この悔しさをLAのコートで爆発させ、そのままシーズン終盤のプレーオフ争いに持ち込んでほしい!
今のキャブスに必要なのは、戦術やスタッツ以上にエナジーが必要です。
その中心にミッチェルがいる限り、私はキャブスの逆襲を信じています。
サクラメント・キングスとのトレードでディアンドレ・ハンターがチームを去ったものの、デニス・シュルーダーとキーオン・エリスを加えたキャブス。
さらなる補強も噂されていますが、後半の復調はエースのミッチェルにかかっていると言っていいでしょう。
世界中のスターが集まるオールスターの舞台で、ミッチェルがどんなド派手なダンクやディープ3を沈めてくれるのか。
今から本当に楽しみですね!
※記事を作成中に、バックコートコンビを組むダリアス・ガーランドが、トレードでクリッパーズに移籍してしまいました。
代わりにキャブスにやって来たのが、ジェームズ・ハーデン!
生え抜きオールスターのガーランドが去ったのは寂しいですが、今シーズンのキャブスは面白くなりそうです。
ノーマン・パウエル(クリッパーズ)
マイアミ・ヒートのノーマン・パウエルがキャリア11年目にして、ついに初選出を果たしました。
派手なパフォーマンスで注目を集めるタイプではありませんが、地道に積み重ねてきた彼の実力が、ようやく最高のアピールとなった形です。
今回は、そんな「苦労人」パウエルの選出に至るまでの道のりと、今シーズンの戦いぶりを振り返ってみたいと思います。
昨シーズンの「静かなる怒り」とクリッパーズでの輝き
思い返せば昨シーズン、パウエルはロサンゼルス・クリッパーズで驚異的なシーズンを過ごしていました。
カワイ・レナードが不在がちなチームにおいて、パウエルはエース級の得点効率を叩き出していたのです。
昨シーズンの成績を振り返ると、平均21.8得点に加え、スリーポイント成功率は41.8%!
多くの専門家やファンが「今年こそパウエルはオールスターに相応しい」と口を揃えていました。
しかし、結果は非情にも選外。
実力は誰もが認めるところでしたが、層の厚いウェスタン・カンファレンスという壁に阻まれ、10シーズン目でのオールスター初出場はなりませんでした。
あの時、パウエルは過度にメディアへ不満を漏らすことはありませんでした。
ただ、「自分はもっとできる」という静かな自信を胸に秘めているように見えました。
その「報われなかった評価」が、今シーズンの爆発へのガソリンになったのは間違いありません。
マイアミへの移籍と、ヒーロー不在で見せた真価
昨オフ、パウエルは3チーム間のトレードでマイアミ・ヒートへと移籍しました。
パット・ライリーがパウエルを求めた理由は明白です。
勝負どころで確実にシュートを沈め、ハードな守備もこなす、まさに「ヒート・カルチャー」を体現できる選手だからです。
しかし、今シーズンのヒートは開幕から試練の連続でした。
エースであるタイラー・ヒーローが足の手術や怪我で長期離脱を余儀なくされ、オフェンスの停滞が危惧されていたのです。
そんな絶望的な状況で、誰よりもチームを支えたのがパウエルでした。
ヒーローが不在の間、彼は単なるスポットアップシューターではなく、自らドライブで切り込み、ファウルを誘い、苦しい時間帯に得点することができるスコアラーへと進化しました。
今シーズンのスタッツは11シーズン目にしてキャリアハイの平均23.0得点。
特筆すべきは、マークが厳しくなっても崩れないその効率性です。
彼がいなければ、今のヒートの順位は全く別のものになっていたでしょう。
11年目の結実、インテュイット・ドームへの帰還
今回のオールスター開催地は、ロサンゼルスの新アリーナ「インテュイット・ドーム」です。昨シーズンまでプレーしていた古巣の地で、彼は初めて「オールスター」としてコートに立つことになります。
選出が発表された際、ヒートのエリック・スポールストラHCは「彼はあらゆる役割を全うしてきた。これこそが最上級の賛辞だ」と語りました。
シックスマンとして、控えの起爆剤として、そして今は不在のエースの代わりとして。どんな環境でも文句ひとつ言わず、自分の仕事を高いレベルで遂行し続けた結果が、この11年目の初選出に繋がったのだと思います。
派手なダンクや華やかなアシストで会場を沸かせるタイプではないかもしれません。けれど、彼のような選手が正当に評価されることは、リーグにとっても非常に価値のあることではないでしょうか。
今回のオールスターに、クリッパーズからは誰も出場しません。
地元ファンからもっとも大きな声援を浴びるのは、パウエルかもしれませんね。
静かに、しかし確実に牙を研ぎ続けてきたノーマン・パウエル。ロサンゼルスの地で、彼がどのような「仕事人」っぷりを見せてくれるのか、今からとても楽しみです。
スコッティ・バーンズ(ラプターズ)
トロント・ラプターズの大黒柱、スコッティ・バーンズ。
ラプターズが今シーズンのサプライズチームのひとつとなった最大の要因は、攻守におけるバーンズの進化にあるといってよいでしょう。
昨シーズン途中にペリカンズから獲得したスコアラーのブランドン・イングラムとともにチームを牽引するバーンズについて、語っていきましょう。
チームの心臓として、そしてイングラムとの共鳴
今シーズンのラプターズは、開幕前の予想を良い意味で裏切る快進撃を続けています。
昨シーズンの再建モードから一転、プレーオフ争いの主役へと躍り出た最大の要因は、間違いなくスコッティ・バーンズが「真のエース」として覚醒したことにあります。
しかし、今年のバーンズを語る上で欠かせないのが、新しく相棒となったブランドン・イングラムの存在です。
一見すると、プレイスタイルもキャラクターも異なる二人ですが、コート上での相性は抜群でした。
イングラムがその圧倒的なスコアリング能力で相手ディフェンスを引き付け、スペースを生み出すことで、バーンズの万能性がより発揮されています。
かつては「自分がやらなければ」という気負いが見える場面もありましたが、今のバーンズは非常にリラックスしてプレーしているように見えます。
イングラムへの信頼が、バーンズから余計な力みを消し、より効率的で、より賢明な判断を可能にしている。二人の間に流れる静かな信頼関係こそが、今のラプターズの強さの根幹にあるのです。
「最強」の称号に相応しい、異次元のディフェンス能力
今シーズンのバーンズを評価する際、最も強調すべきは、彼が「リーグ最強クラスのディフェンダー」としての地位を確立した点でしょう。
バーンズのディフェンスは、単にサイズや身体能力に頼ったものではありません。
相手のセットプレーを読み切り、パスコースを消し、リムプロテクターとしても機能する。
1番から5番まで全てのポジションをガードできる多才さは以前から知られていましたが、今シーズンはその「質」が一段階上がりました。
スタッツ以上に驚かされるのは、バーンズがマッチアップしたエース級の選手たちが、次第に攻めあぐね、フラストレーションを溜めていく様子です。
バーンズのディフェンスは静かに、しかし確実に相手の選択肢を奪っていきます。
派手なブロックショット(平均1.6本)も魅力ですが、本当に素晴らしいのは、相手がシュートを打つことさえ諦めてしまうような、あの「圧」です。
バーンズがいるエリアは、相手チームにとって文字通りのデッドゾーン。
オールスターに選ばれた最大の理由は、この圧倒的なディフェンスの影響力にあると言っても過言ではありません。
2度目の祭典で見せる、リーダーとしての佇まい
スコッティにとって2度目となる今回のオールスター選出。
2024年に代替選出された際とは、その意味合いが大きく異なります。
今回は「誰かの代わり」ではなく、東のヘッドコーチたちがその実力を認め、勝利への貢献度を評価して勝ち取った、正真正銘のリザーブ選出です。
今のバーンズには若手特有の勢いだけでなく、チームを背負うリーダーとしての落ち着きが備わっています。
ラプターズの「顔」としてその肩にかかる期待は計り知れません。
オールスターという華やかな舞台でも、彼はきっと自分を見失うことなく、素晴らしいディフェンスと、仲間を活かすパスを見せてくれるはずです。
2026年のオールスター、ロサンゼルスの地で躍動するスコッティ・バーンズの姿を、見届けたいと思います。
ジェイレン・ジョンソン(ホークス)
オールスターのリザーブにジェイレン・ジョンソンが選ばれたニュースをみて、アトランタ・ホークスのファンは喜びと、どこか複雑な思いを感じたのかもしれませんね。
今回は、自身初となるオールスター選出を果たした、ジェイレン・ジョンソンについて少しお話ししようと思います。
新たなエースの台頭と、下された大きな決断
今シーズンのアトランタ・ホークスを語る上で、避けては通れないニュースがあります。
それは、長年チームの顔として君臨したトレイ・ヤングの放出という、フロントによる極めて大きな決断です。
トレイがワシントン・ウィザーズへと去った背景には、単なる成績不振やチームの再編という言葉だけでは片付けられない「理由」がありました。
それが、今季まさに覚醒の時を迎えたジェイレン・ジョンソンの存在です。
これまでのホークスは、どうしてもトレイのプレイスタイルに依存せざるを得ない構造にありました。
しかし、トレイが欠場している間のチームの戦いぶり、そして何よりジョンソンが見せた「チームを勝たせる能力」は、フロントに「この青年こそが未来だ」と確信させるに十分なものだったのでしょう。
かつてのエースをトレードで放出するという苦渋の選択は、ジェイレン・ジョンソンという新しい太陽が昇ったことを意味しています。
コートのすべてを支配する、驚異的な万能性
ジェイレン・ジョンソンの最大の魅力は、そのサイズ(206cm)からは想像もつかないほどのオールラウンドなスキルセットにあります。
今シーズンのスタッツを見れば一目瞭然ですが、平均23得点、10リバウンド、そして驚くべきは8アシストという数字です。
フォワードでありながら、まるでガードのようにコートの端から端までボールを運び、針の穴を通すようなパスを供給する。
その姿はドンチッチやヨキッチなど、一握りのスター選手だけがもつ才能を感じさせます。
ディフェンスのリバウンドをもぎ取った瞬間に、彼はもう次の攻撃の起点となっています。
自らリムへアタックして豪快なダンクを叩き込むこともあれば、ディフェンスを引きつけてからコーナーの味方へ完璧なキックアウトを出す。
この「自分で決める」と「味方を生かす」の絶妙なバランスこそ、彼がオールスターへと登り詰めた最大の武器と言えるでしょう。
今シーズン47試合に出場した時点で9試合でトリプルダブルを達成しているジョンソン。
まだ24歳の若者は、これからどんな進化をとげていくのでしょうか。
静かに、力強く アトランタの未来を背負う覚悟
ドラフト20位という、決してエリート街道の入り口とは言えない順位からスタートしたジョンソンのキャリアですが、今や彼は「フランチャイズ・プレイヤー」という重い看板を背負うことになりました。
トレイが去った後、ジョンソンはインタビューで静かにこう語っています。
「トレイからは多くのことを学んだ。今は自分の時代だという自覚を持って、このチームを引っ張っていきたい」。
その言葉通り、今の彼のプレイには、単なる若手の勢いだけではない、落ち着いたリーダーシップが宿っています。
ホークスファンがトレイの超ロング3Pに熱狂した時代から、これからはジェイレンの変幻自在なプレイメイキングに酔いしれる時代へと移り変わっていく。
リザーブとして選出された今年のオールスターは、彼にとってゴールではなく、真のスーパースターへと駆け上がるための通過点に過ぎないのかもしれません。
インテュイット・ドームのコートに立つジョンソンの姿を、今はただ楽しみに待ちましょう。
パスカル・シアカム(ペイサーズ)
イースタン・カンファレンスのリザーブ枠で最も驚いたのが、パスカル・シアカムの選出です。
今回で4度目の選出。
キャリアを考えればその実力に疑いの余地はないはずなのですが、今年の選出については、SNSや現地メディアでも少しばかり騒がしい空気が漂っています。
今日は、そんなシアカムの選出と、現在のペイサーズが置かれた苦境について考えてみたいと思います。
チームの低迷と選出への「異議」
正直なところ、今年のシアカムの選出に対して、ファンから厳しい声が上がるのは無理もないことかもしれません。
現在のペイサーズは、昨シーズンの快進撃が嘘のように、東の最下位争いに沈んでいます。
その最大の要因は、間違いなくエースであるタイリース・ハリバートンの不在です。
昨年のファイナル第7戦、あの痛ましいアキレス腱断裂から始まった悪夢。
今シーズンを全休することになったハリバートンの穴は、あまりにも大きすぎました。
「最下位のチームからオールスターが出るのはどうなのか」「他にふさわしい勝っているチームの選手がいるのではないか」という意見。
これは、NBAにおけるオールスター選出で常について回る議論です。
特に今シーズンのペイサーズは13勝37敗(選出時)。
この成績でリザーブに選ばれるというのは、確かに多くの人にとって「納得しがたい」材料になってしまっているのでしょう。
ハリバートンという最高のパートナーを失い、孤立無援の中で戦わなければならなくなったシアカム。その状況が、皮肉にも彼の選出をより複雑なものにしてしまいました。
孤立無援の中で見せる「万能性」
しかし、チームの勝率というフィルターを一度外して、シアカム個人のプレーを凝視してみると、また違った景色が見えてきます。
今シーズンのシアカムは、平均23.8得点、6.8リバウンド、4.0アシストという数字を残しています。ハリバートンがいないことで、相手ディフェンスのマークはすべて彼に集中している中、これだけのスタッツを維持するのは並大抵のことではありません。
シアカムの凄さは、その「万能性」にあります。
203cmのサイズがありながら、自らボールを運んでゲームを組み立て、ポストアップから得点を奪い、さらには外からのシュートでスペースを広げる。
今のペイサーズにおいて、彼は文字通り「エンジンのすべて」を担っています。
特に印象的なのが、接戦での勝負強さです。
今季、残り1分以内で3点差以内の場面において、リーグで最も多くフィールドゴールを成功させている一人がシアカムだというデータもあります。
チームが勝てていないからといって、彼の個としてのパフォーマンスが衰えているわけでは決してありません。
むしろ、これほど苦しい状況下で、プロフェッショナルとして質を落とさずにプレーし続けている点は、各チームのヘッドコーチたち(リザーブの投票者)から高く評価されたのではないでしょうか。
4度目の球宴が示すもの
華やかなオールスターの舞台に、最下位チームから参加すること。
それはシアカムにとっても、少しばかり複雑な心境かもしれません。
ですがシアカムがカメルーンから渡米し、Gリーグでの下積みからオールNBA、そして優勝メンバーへと駆け上がってきたこれまでの歩みを思い出せば、この4度目の選出もまた、彼が積み上げてきた「信頼」の証なのだと感じます。
「勝っていないチームのエース」というレッテルは、今の彼には少し残酷すぎます。
むしろ、ハリバートン不在という絶望的なシーズンにおいて、ペイサーズというチームをなんとか繋ぎ止めているのがシアカムであることは間違いありません。
華やかな祭典で、彼がどのようなプレーを見せてくれるのか。
批判を跳ね返すような、彼らしいオールラウンドな活躍を期待したいところです。
たとえ今のチーム状況がどん底であっても、シアカムがリーグ屈指の才能である事実は、変わることがないのですから。
カール・アンソニー・タウンズ(ニックス )
ニューヨーク・ニックスからジェイレン・ブランソン(先発)に続き、カール・アンソニー・タウンズが選出されました。
キャリア6度目のオールスター。
ですが、今シーズンのタウンズが辿ってきた道のりを思うと、今回の選出には例年とは違う重みを感じずにはいられません。
鳴り止まなかった批判とトレードの噂
今シーズンの開幕当初、タウンズはかつてないほどの苦境に立たされていました。
ニックスファンの期待を背負いながらもアウトサイドシュートがことごとくリングに嫌われ、スタッツも大きく低迷。
キャリアワーストのシュート成功率(FG46.7% 3P35.7%)を記録するタウンズに対し、厳しいニューヨークのメディアやファンからは「期待外れ」との声も上がっていました。
追い打ちをかけるように、1月にはハッスルプレーの欠如を指摘され、公の場で批判を浴びる場面もありましたね。
その時期、SNSやニュースサイトを開けば、タウンズの名前とともに「トレード」という二文字が並ばない日はなかったように思います。
リバウンドで見せたベテランの意地
しかし、シュートが入らなくても、タウンズは自分にできる戦い方を見つけ出しました。
それが今シーズンのタウンズを象徴する「リバウンドへの執着」です。
スコアリングでの貢献が難しい夜も、彼はペイントエリアで体を張り続けました。
1月末のポートランド戦で20リバウンド、続くトロント戦では22リバウンドと、ゴール下を完全に支配する圧巻のパフォーマンスを披露。
平均11.9リバウンドは現在リーグトップに君臨しています。
シュートスランプという目に見える不調に対し、リバウンドという泥臭い仕事で応えたその姿勢。
それがコーチ陣の目にも留まり、今回リザーブとしての選出に繋がったのでしょう。
かつての「シュートの打てるビッグマン」という枠を超え、チームを勝たせるためにスタイルを変貌させた彼の進化が見て取れます。
逆境を乗り越えて辿り着いたオールスターゲーム
苦しい時期を乗り越え、再び手にしたオールスターの舞台。
タウンズはニックスの誇りを胸にコートに立ちます。
トレードの噂を自らのプレーで沈め、6度目のオールスターに挑むタウンズ。
シーズン序盤のあの暗い影は、今はもうありません。
オールスターでの晴れ舞台をきっかけに、後半戦は本来のシュートタッチも完全に取り戻してくれるのではないかと期待しています。
今回の選出は、タウンズにとって単なる名誉ではなく、大きな「再生」の証になるはずです。
オールスターウィークエンドで、晴れやかな表情でプレーするタウンズの姿を見るのが今から楽しみですね。
ジェイレン・デューレン(ピストンズ)
豪華な顔ぶれが並ぶ中で、デトロイト・ピストンズからジェイレン・デューレンがリザーブとして初選出されました。
22歳という若さでオールスターの階段を登ったデューレン。
静かに、しかし力強く進化を続けてきた彼の選出は、今のピストンズを象徴する出来事のように感じます。
どん底から這い上がったデトロイトの盾
今のピストンズを見ていると、少し不思議な感覚になります。
現在イースタン・カンファレンスの首位を快走し、リーグでも屈指の強豪へと変貌を遂げた彼らですが、ほんの2シーズン前を思い出してみてください。
2023-24シーズン、ピストンズは14勝68敗という、フランチャイズ史上最悪の成績を記録しました。
シーズン中にはNBA記録となる28連敗も喫し、まさにリーグの「どん底」にいたチームです。
あの暗いトンネルの中にいた頃、デューレンもまた、出口の見えない戦いの中で身体を張り続けていました。
当時の彼はまだ10代から20歳になったばかり。
未熟なチームの中で、孤軍奮闘するようにリバウンドをもぎ取っていた姿が昨日のことのようです。
あの苦しい時期を耐え抜き、中心選手として今の躍進を支えている事実に、胸が熱くなるファンも多いのではないでしょうか。
現代に蘇ったクラシック・センターの進化
デューレンの魅力は、何と言ってもその圧倒的なフィジカルと、基本に忠実なプレースタイルにあります。
今シーズンは平均18.0得点、10.7リバウンドを記録し、フィールドゴール成功率は60%を大きく超える高水準を維持しています。
かつてのデューレンは、恵まれた体格を活かした力強いフィニッシュやリバウンドが持ち味の、いわゆる「古き良きセンター」という印象でした。
しかし、今シーズンのデューレンはディフェンス面でのポジショニングが劇的に改善され、ピストンズの堅守を支える最後の砦として君臨しています。
派手な3Pシュートを放つわけではありません。
しかし、ケイド・カニングハムとのピック&ロールから繰り出される豪快なアリウープや、相手の心を折るようなオフェンシブリバウンドは、今のピストンズにとって欠かせない武器となっています。
自分の役割を理解し、それを高い精度で遂行し続ける。その「実直さ」こそが、コーチ陣からの高い信頼、そして今回のリザーブ選出に繋がったのだと思います。
「想定内」と言い切る若き大黒柱の自信
オールスター選出を受けて、デューレンはこう語りました。
「かつての僕らはまだ若く、NBAを学ぶ段階にいた。でも、あの頃からこうなることは想定内だったんだ。僕たちは期待していた場所にたどり着いた」
どん底を経験したからこそ言える、重みのある言葉です。
今のピストンズの快進撃は、決して偶然の産物ではありません。
カニングハムという絶対的な司令塔がいて、その隣にはデューレンという盤石の柱が立っている。
この2人のラインが確立されたとき、デトロイトの再建は完了したと言えるでしょう。
2年前、誰からも見向きもされなかったチームが、今やリーグの主役へと躍り出ました。
ピストンズ躍進の原動力であるデューレンが、初めてのオールスターという華やかな舞台で、どんなプレーを見せてくれるのか。
デューレンらしい豪快なダンクと、泥臭いリバウンドが見られることを楽しみにしています。
まとめ
以上、イースタン・カンファレンスのリザーブ7名を紹介しました!
ベテランの意地を見せるパウエルから、未来を背負うデューレンやジョンソンまで。
今年のイーストのリザーブ陣は、なかなかフレッシュなメンバーとなりました。
ちなみにイースタンカンファレンスのリザーブ7名のうち、team WORLD入りするのは、パスカル・シアカム(ペイサーズ)とカール・アンソニー・タウンズ(ニックス)の2人ですね。
はたして今年のオールスターは盛り上がるのか?
それともやっぱりディフェンスレスなしまらないゲームになってしまうのか?
なんだかんだ言いながら、楽しんでいきましょう!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。



