2024-25シーズンのNBAもいよいよクライマックス。
NBAファイナルが始まります。
レギュラーシーズン、リーグ1位の68勝14敗を記録した最強オクラホマシティ・サンダーと、プレーオフに入り奇跡的な逆転勝利をくり返し、勢いにのった〝ミラクル″インディアナ・ペイサーズ。
今シーズンのMVPを受賞したシェイ・ギルジャス・アレキサンダー(SGA)と、今年のプレーオフの主役タイリース・ハリバートン。
魅力的な両チームの戦いに、期待が高まりますね。
今回はサンダーとペイサーズ、両チームの戦力を分析し、NBAファイナル2025の展開を予想していきます。
NBAファイナルを10倍楽しめるよう、ぜひご一読ください。
レッツラゴー!
サンダーvsペイサーズ レギュラーシーズンスタッツ比較
まずはサンダーとペイサーズのシーズンスタッツを比較してみましょう。
ちなみにサンダーとペイサーズ間で、リードしている項目は赤字で記載しています。
オクラホマシティ・サンダー
68勝14敗(ウエスト第1シード)
120.5得点(リーグ4位)
107.6失点(リーグ3位)
44.8リバウンド(リーグ11位)
26.9アシスト(リーグ12位)
10.3スティール(リーグ1位)
5.7ブロック(リーグ2位)
11.7ターンオーバー(リーグ1位)※
NRtg +12.8(リーグ1位)
※ターンオーバーはリーグで最も少ないチームが1位
インディアナ・ペイサーズ
50勝32敗(イースト第4シード)
117.4得点(リーグ7位)
115.1失点(リーグ17位)
41.8リバウンド(リーグ27位)
29.2アシスト(リーグ3位)
8.5スティール(リーグ8位)
5.5ブロック(リーグ4位)
13.2ターンオーバー(リーグ4位)
NRtg +2.2(リーグ12位)
スタッツを比較すると、サンダーがペイサーズを圧倒しているのがおわかりいただけるでしょう。
さすがにリーグ最高の68勝をあげたチームですね。
アシスト以外の項目は、すべてサンダーの方が上回っています。
「ぜったいにターンオーバーしないハリバートンvsぜったいにターンオーバーさせるサンダー」と書いている記事をみましたが、チームでみると、ターンオーバーしないのはサンダーの方です。
ちなみに、相手のターンオーバーをもっとも誘発しているのも、ぶっちぎりでサンダーが1位。
みずからは1試合11.7ターンオーバーしかせず、相手からは17.0ターンオーバーを誘発し、常に優位に試合をすすめるのがサンダーの強みです。
特筆すべきは一番下の項目、ネットレーティング(NRtg)。
ネットレーティングは100ポゼッションあたりの得点と失点の差を表す指標で、チームの強さを表すために最近よく使われているのですが、サンダーの+12.8という数字は驚異的です。
NBAの歴史の中で、レギュラーシーズンもっとっも高いネットレーティングを記録したのは、1995-96シーズンのシカゴ・ブルズ。
マイケル・ジョーダン、スコッティ・ピッペン、デニス・ロッドマンのビッグ3を中心に72勝10敗を記録した、説明不要の最強チームです。
1995-96シーズン、シカゴ・ブルズのネットレーティングは+13.4。
今シーズンサンダーが記録したネットレーティング+12.8という記録は、史上最強といわれる1995-96シーズンのシカゴ・ブルズに次ぐ、歴代2位の記録なのです。
ちなみにブルズの記録を超える73勝9敗を記録した2015-16シーズンのゴールデンステイト・ウォリアーズのネットレーティングは、+10.7です。
いかに今シーズンのサンダーが圧倒的な強さを誇ったかがおわかりいただけるでしょう。
スタッツでみると、ペイサーズに勝ち目はないのではと思ってしまいます。
サンダーvsペイサーズ ポジション別対決
ここからはサンダーとペイサーズの、スターターのマッチアップをみていきましょう。
選手の能力的にはどちらが有利なのでしょうか?
【PG】SGA vs ハリバートン
シェイ・ギルジャス・アレキサンダー
RS 76試合 34.2分出場
32.7得点 5.0リバウンド 6.4アシスト 1.7 スティール
FG51.9% 3P37.5% FT89.8%
PO 16試合 36.5分出場
29.8得点 5.7リバウンド 6.9アシスト 1.6スティール
FG47.1% 3P30.0% FT85.7%
タイリース・ハリバートン
RS 73試合 35.1分出場
18.6得点 3.5リバウンド 9.2アシスト 1.4 スティール
FG47.3% 3P38.8% FT85.1%
PO 16試合 35.0分出場
18.8得点 5.7リバウンド 9.8アシスト 1.4スティール
FG46.6% 3P33.3% FT80.4%
オクラホマシティ・サンダーとインディアナ・ペイサーズの共通点は、チームの不動のエースがポイントガードであること。
ただしプレースタイルは大きく違います。
サンダーのエース、シェイ・ギルジャス・アレキサンダー(SGA)は、圧倒的なスキルを武器に、個の力で得点を奪う攻撃型ポイントガード。
対してペイサーズのエース、ハリバートンは個の力で勝負するよりも、周りの選手を生かして勝利をつかむ司令塔タイプのポイントガードです。
スタッツをみると、レギュラーシーズンMVP&得点王に輝いたSGAが圧勝していますが、スタッツでは計れないのがハリバートンの恐ろしさ。
今年のプレーオフ、クラッチタイムでのハリバートンの神がかり的な活躍をみると、何が起こってもおかしくない気もしますね。
常に安定して活躍するSGAに比べると、ハリバートンはまったくインパクトを残せず、空気になってしまう日もありますが、乗っている時はチーム全体を活性化させ、とんでもないパワーを発揮します。
SGAはディフェンスでもNBAトップクラスの評価を得ていますが、ニックスとのカンファレンスセミファイナルでの戦いをみると、ハリバートンのディフェンス力もあなどれません。
それでも、ポイントガードのポジションを比べると、サンダーが優勢なのは間違いないでしょう。
ただ今年のプレーオフでは何度も奇跡を起こしているハリバートン。
ドラゴンボールのように、戦うたびに強くなる主人公的な活躍で、強大なラスボス「OKCサンダー」まで倒してしまっても、不思議ではありません。
SGA、ハリバートン、両エースの出来が、NBAファイナルの行方を大きく左右するでしょう。
ポイントガード優勢: シェイ・ギルジャス・アレキサンダー(サンダー)
【SG】ドート vs ネムハード
ルーゲンツ・ドート
RS 71試合 29.2分出場
10.1得点 4.1リバウンド 1.6アシスト 1.1スティール
FG43.5% 3P41.2% FT71.7%
PO 16試合 27.9分出場
7.8得点 3.6リバウンド 0.9アシスト 1.1スティール
FG34.5% 3P30.4% FT66.7%
アンドリュー・ネムハード
RS 65試合 28.9分出場
10.0得点 3.3リバウンド 5.0アシスト 1.2スティール
FG45.8% 3P29.1% FT79.4%
PO 16試合 33.2分出場
12.8得点 3.3リバウンド 5.1アシスト 1.6スティール
FG47.3% 3P48.3% FT83.3%
シューティングガードは、縁の下の力持ち的な二人です。
ルーゲンツ・ドートは、ディフェンスのスペシャリスト。
強靭な肉体とスピードを誇る、リーグ最高のペリメーターディフェンダーの一人です。
今シーズンはオールディフェンシブチームの1stチームに選出されるなど、名実ともにトップディフェンダーとして評価されています。
ドートの武器はディフェンスだけではなく、今シーズンは3ポイントシュート成功率41.2%を記録するなど、オフェンス面でも力を発揮しています。
プレーオフでは3ポイントシュート成功率が30.4%とややスランプにおちいっているものの、攻守においてペイサーズの脅威となる選手ですね。
ペイサーズのネムハードは、スタッツをみるだけでは正直パッとしない印象ですが、実際のプレーをみるとものすごいエナジーを感じる、ハッスルプレイヤーです。
高いスキルと勝負所の度胸で、ビッグプレーを決めきる力をもっています。
昨シーズンのプレーオフで大活躍し〝プレーオフ男″と呼ばれるようになったネムハードは、今年のプレーオフでも大逆転につなぐビッグショットを何度も決めています。
実に金玉のでかい男ですね。
激しいプレッシャーをかけ続け、相手のミスを誘うしつこいデイフェンスでもチームに大きく貢献しているネムハード。
リーグでも過小評価されている一人かもしれません。
シューティングガード対決は、スタッツでは評価できない二人の対決となりましたが、圧倒的なディフェンス力をもつドートの方が、チームにおけるインパクトは大きいと思います。
ドートのシュートタッチがもどれば、ペイサーズにとって厄介な存在となることは間違いないでしょう。
それでも常に過小評価されながら、プレーオフのクラッチタイムでの活躍で評価をくつがえしてきたネムハードの底力も決して侮れませんが・・・。
シューティングガード優勢: ルーゲンツ・ドート(サンダー)
【SF】J-Dub vs ネスミス
ジェイレン・ウイリアムズ
RS 69試合 32.4分出場
21.6得点 5.3リバウンド 5.1アシスト 1.6スティール
FG48.4% 3P36.5% FT78.9%
PO 16試合 34.6分出場
20.4得点 5.8リバウンド 5.3アシスト 1.6スティール
FG45.7% 3P31.8% FT77.1%
アーロン・ネスミス
RS 45試合 25.0分出場
12.0得点 3.3リバウンド 5.0アシスト 1.2スティール
FG50.7% 3P43.1% FT91.3%
PO 16試合 28.8分出場
14.1得点 5.6リバウンド 1.2アシスト 0.9スティール
FG50.3% 3P50.0% FT89.7%
スモールフォワードは、明らかにサンダーが優勢ですね。
ジェイレン・ウイリアムズ(J-Dub)はNBA3年目の今シーズン、初めてオールスターに選出される大活躍。
オールNBA3rdチーム、オールディフェンシブ2ndチームにも選出され、サンダー躍進のキーマンとなっています。
SGAに次ぐセカンドスコアラーとして初の平均20得点超えをはたし、ディフェンスでもリーグ7位の1.6スティールを記録するなど、攻守両面でインパクトを与え続けているJ-Dub。
圧倒的な戦力を誇るサンダーの中で、SGAに次ぐスターであることは間違いありません。
「スモールフォワードは明らかにサンダーが優勢」とは言ったものの、カンファレンスセミファイナル第1戦の奇跡的な活躍をみると、ネスミスもあなどれません。
NBA史に残る大逆転をはたしたニックス戦で、ネスミスは9本中8本の3ポイントシュートを沈めるなど、30得点の大活躍。
第4クオーター残り5分を切ったところでニックスが15点をリードする絶対絶命の場面から、ネスミスが3ポイントを6本すべて成功させ、ハリバートンのラストショット⇨首絞めポーズにつなげました。
相手の強烈なプレッシャーの中、タフショットを6本すべて成功させたネスミスの集中力は、恐ろしいほどでした。
1本でも外していたら、ペイサーズの逆転勝利はなく、NBAファイナルに進むのはニューヨーク・ニックスだったかもしれません。
ディフェンスでもニックスのエース、ジェイレン・ブランソンを密着マークで苦しめたネスミス。
カンファレンスファイナル第3戦で捻挫した足首の状態が心配ですが、ペイサーズが勝利するためには、ネスミスの爆発が必要です。
攻守にエナジーをみせるネスミスですが、スモールフォワード対決はやはりサンダーのジェイレン・ウイリアムズ(J-Dub)が圧倒的に優勢です。
NBA歴わずか3年でオールNBA入りしたJ-Dubは、未来のスーパースター候補。
今回のNBAファイナルで、さらなる飛躍をはたすかもしれません。
おそらくJ-Dubは、イースタンカンファレンスMVPのパスカル・シアカムのディフェンスを任される時間も多くなると思われます。
攻守においてファイナルのキーになるのは、J-Dubなのかもしれません。
スモールフォワード優勢: ジェイレン・ウイリアムズ(サンダー)
【PF】ホルムグレン vs シアカム
チェット・ホルムグレン
RS 32試合 27.4分出場
15.0得点 8.0リバウンド 2.0アシスト 2.2ブロック
FG49.0% 3P37.9% FT75.4%
PO 16試合 29.6分出場
16.4得点 8.6リバウンド 1.1アシスト 2.0ブロック
FG48.9% 3P33.3% FT75.7%
パスカル・シアカム
RS 78試合 32.7分出場
20.2得点 6.9リバウンド 3.4アシスト 0.5ブロック
FG51.9% 3P38.9% FT73.4%
PO 16試合 33.6分出場
21.1得点 5.8リバウンド 3.3アシスト 0.4ブロック
FG53.7% 3P46.3% FT66.7%
パワーフォワードは、両チームのエースがそろうポイントガードに次いで、勝負の行方を左右する重要なポジションです。
サンダーのチェット・ホルムグレンは216㎝ 94㎏と激細長い体型ながら、意外と当たり負けせず、インサイドからアウトサイドまで、広いシュートレンジと多才なテクニックでどこからでも得点できる、次世代のスター選手です。
ディフェンスでは高さと長さ、スピードを武器にブロックショットで相手の脅威となっています。
2022年のNBAドラフト1巡目全体2位でサンダーに指名されたものの、開幕前のピックアップゲームでレブロン・ジェームズと接触し、リスフラン関節を損傷、1年目を全休したホルムグレンは、2年目の2023-24シーズンにデビューし大活躍。
ビクター・ウェンバンヤマ(スパーズ)と新人王争いをし、前年ウエスタンカンファレンス10位(40勝42敗)だったサンダーを、ウエスタンカンファレンス1位の57勝25敗へと、一気に引き上げました。
今シーズンはケガのため50試合を欠場し、不本意なシーズンとなりましたが、プレーオフでは全試合に出場し、攻守で違いをみせつけています。
ペイサーズのパスカル・シアカムは203㎝ 111㎏と身長は低いながらも、屈強な肉体とスピード、そして多彩なスキルをもつペイサーズのもう一人のエースプレイヤーです。
イースタンカンファレンスセミファイナルMVPを受賞したのは、ハリバートンではなく、このシアカムでした。
昨シーズン途中にラプターズからトレードで加入したシアカムは、すぐに攻撃重視のペイサーズのスタイルにフィットし、4年ぶりのプレーオフ進出に大きく貢献。
シアカム獲得がなければ、昨シーズンのカンファレンスファイナル進出、そして今シーズンのNBAファイナル進出はなかったでしょう。
決してセルフィッシュではなく、それでいて困った時には一人で得点をもぎとるスキルも持つ万能フォワードは、相手にとって脅威であり、チームメイトにとっては非常に心強い存在です。
シアカムの強みは、優勝を知る男だということ。
2019年に優勝をはたしたトロント・ラプターズでは、カワイ・レナードに次ぐセカンドスコアラーとして大活躍し、NBAファイナルでは平均19.8得点を記録。
優勝に大きく貢献しています。
主力として優勝に貢献した経験は、シアカムにとって、そしてペイサーズにとって、NBAファイナルで大きな武器になるでしょう。
パワーフォワードは、両チームとも強力なプレイヤーがそろっていますが、やはり優勝経験があり、攻守でペイサーズの要となっているパスカム・シアカムが優勢でしょう。
シアカムは一人で試合を決めてしまう得点力と、高いディフェンス力を兼ね備えています。
強靭な肉体とスピードもあわせもつシアカムは、ホルムグレンには荷が重すぎるのかもしれません。
おそらくサンダーはJ-Dubやカルーソなど、ディフェンス力の高い選手たちをマッチアップさせてくると思うのですが、小さくて守備力の高い選手たちがシアカムを抑えこむことができるのか、シアカムが躍動するのかで、ファイナルの行方は大きく変わってくるでしょう。
ホルムグレンには、ケガなくファイナルを戦いきってほしいですね。
パワーフォワード優勢: パスカル・シアカム(ペイサーズ)
【C】ハーテンスタイン vs ターナー
アイザイア・ハーテンスタイン
213㎝ 113㎏
RS 57試合 27.9分出場
11.2得点 10.7リバウンド 3.8アシスト 1.1ブロック
FG58.1% 3P0% FT67.5%
PO 16試合 23.9分出場
9.2得点 7.9リバウンド 2.2アシスト 0.6ブロック
FG62.2% 3Pー FT64.3%
マイルズ・ターナー
211㎝ 113㎏
RS 72試合 30.2分出場
15.6得点 6.5リバウンド 1.5アシスト 2.0ブロック
FG48.1% 3P39.6% FT77.3%
PO 16試合 30.3分出場
15.2得点 4.9リバウンド 1.4アシスト 2.3ブロック
FG52.5% 3P40.3% FT77.6%
センターはタイプが全く違う二人の戦いとなりました。
ペイント内で躍動するオールドセンタータイプのハーテンスタインと、3ポイントシュートを得意とする現代型センターのターナー。
今シーズンの開幕前にニューヨーク・ニックスからFAで加入したハーテンスタインと、ペイサーズ一筋10シーズン目のターナー。
プレースタイルは違えど、両者ともチームの勝利に大きく貢献しています。
ハーテンスタインは2017年のNBAドラフト2巡目全体43位で指名され、Gリーグで活躍し評価をあげ、チームを転々とし、昨シーズンニューヨーク・ニックスで評価を高め、サンダーとの3年8700万ドルの契約を勝ちとった苦労人。
地味ながらも、基本に忠実なボックスアウトや、味方へのスクリーン、ゴール周辺での確実なフローターなどで、チームの勝利に大きく貢献しています。
今シーズンは、初の平均ダブルダブル(11.2得点 10.7リバウンド)を記録。
〝縁の下の力持ち″という言葉がぴったりな、模範的なロールプレイヤーです。
ターナーはペイサーズの最古参選手。
過去2回ブロック王に輝くなど、ペイサーズのディフェンスの要として君臨しています。
オフェンスでは3ポイントシュートを武器としていて、プレーオフでは40%を超える成功率を記録。
チームのムードメイカーとしても、存在感を発揮しています。
ハンドリングに若干不安はあるのも事実ですが・・・。
ペイサーズが勝てない時代を知るターナー。
チームリーダーとして闘志を前面に押し出してプレーするターナーは、スタッツ以上の影響をチームに与えるでしょう。
センターは、ターナーの優勢としましょう。
チームプレイヤーとしてはハーテンスタインも優秀ですが、チームに与えるインパクトは、ターナーにはかなわないと思います。
ペイサーズ一筋10年目で初めてのNBAファイナルに挑むターナーの気合は人一倍でしょう。
実力以上のプレーをみせてくれるのか、気合が空回りしてしまうのか・・・。
ターナーが本来の力を発揮することができれば、ペイサーズが勢いにのることができると思うのですが、はたして・・・。
センター優勢: マイルズ・ターナー(ペイサーズ)
ベンチプレイヤー対決
NBAファイナルを戦うサンダーとペイサーズは、どちらもベンチの層があついチームです。
サンダーにはアレックス・カルーソ、アーロン・ウィギンズ、ケイソン・ウォーレスなど。
ペイサーズにはベネディクト・マサリン、オビ・トッピン、TJ・マッコネルなど。
ヘッドコーチが選手の特徴を生かし、チーム力を高めてファイナルにたどりついた両チームです。
サンダーのベンチプレイヤーでは、なんといってもアレックス・カルーソの活躍が光っています。
昨年の夏にジョシュ・ギディーとのトレードでサンダーに加入したカルーソは、ディフェンス力の高い選手がそろうサンダーの中でも、別格の守備力をを見せつけています。
最強のペリメーターディフェンダーではおさまらず、カンファレンスセミファイナルのデンバー・ナゲッツ戦では、エースで史上最強のオフェンシブセンターと言われる二コラ・ヨキッチをマンマークでおさえこみました。
ポジションに関わらず、相手のキーとなるプレイヤーを無効化させる、まるで特殊能力をもつようなディフェンダーが、アレックス・カルーソなのです。
カルーソはロサンゼルス・レイカーズに所属していた2020年に優勝を経験しているのも大きいですね。
リーグ最強のディフェンス力を誇るサンダーの守備陣中でも、異質な万能ディフェンダーカルーソ。
司令塔ハリバートンにも、パワーフォワードのシアカムにもマッチできるカルーソは、ペイサーズにとって悪夢の存在となるのかもしれません。
ペイサーズでは、やはり爆発力という点で、ベネディクト・マサリンのプレーがカギとなるでしょう。
レギュラーシーズン72試合に出場し、うち49試合がベンチからの出場だったマサリン。
ベンチからの出場が多かったマサリンですが、チーム3位の平均16.1得点を記録し、貴重な得点源として貢献してきました。
プレーオフでは全15試合(1試合欠場)ベンチから出場し、平均16.1分の出場で1試合平均10.4得点と、やや印象がうすくなっています。
ただニックスとの関連すファイナル第4戦では20得点、第5戦では23得点を記録するなど、波にのった時の爆発力は健在です。
強気な性格で、たびたび相手チームとトラブルを引き起こす問題児でもありますが、ペイサーズが強豪サンダーから勝利するためには、マサリンの力が必要となるでしょう。
2022年のNBAドラフト1巡目全体6位でペイサーズに指名され、NBAデビューしたマサリン。
同じ2022年のドラフトで指名されたサンダーのチェット・ホルムグレン(全体2位)、ジェイレン・ウイリアムズ(全体12位)に負けない活躍で、意地をみせてほしいと思います。
ベンチ層のあつさは、ややサンダー有利のようにもみえますが、ここは引き分けとしましょう。
ディフェンス力が高い選手がそろうサンダーに対し、ポイントガードのマッコネル、得点力の高いマサリン、ビッグマンのトッピンとバランスよく選手がそろっているペイサーズ。
百戦錬磨のリック・カーライルHCが、適材適所で選手たちをうまく使っています。
奇跡の大逆転をはたしたカンファレンス第1戦では、第4クオーターはじめに相手のエース、ブランソンにそれまで出場機会のなかったベン・シェパードを密着マークさせ、勝負所のクラッチタイムでは、ターナーに代えトッピンをセンターに使うなど、大胆な選手起用で勝利をもぎとりました。
ベンチプレイヤーの能力だけでなく、そのコマを使うヘッドコーチの能力まで考えると、ペイサーズもサンダーに負けていないと思うのですが、いかがでしょうか?
ベンチプレイヤー優勢: 引き分け
サンダーの強み
サンダーの強みは選手層のあつさだけではなく、ほぼ全員がディフェンス力が高いということ。
特にペリメーターディフェンダーの層のあつさは、NBAの歴史上でも最強かもしれません。
SGA、ドート、J-Dub、カルーソ、ウォーレス・・・。
ペイサーズのエース、タイリース・ハリバートンを抑えこめる選手がこれほど揃っているチームは、ほかにないでしょう。
Wチームせずとも1on1でハリバートンを抑えこむことができれば、ペイサーズのゲームプランは崩壊してしまうかもしれません。
2つ目の強みは、最強のスコアリングマシーン、シェイ・ギルジャス・アレキサンダー(SGA)の存在。
シーズントリプルダブルを記録した二コラ・ヨキッチをおさえて今シーズンのMVPに選出されたSGA。
今シーズン出場した76試合のうち20得点以下だったのは、たったの1試合だけです。
安定感と爆発力を兼ねそなえた最強スコアラー、SGAの存在は、サンダーの最大の強みかもしれません。
ペイサーズの強み
ペイサーズの強みは、チームの一体感と勢いですね。
エースのハリバートンを中心に、チーム一丸となって戦うペイサーズ。
個の力ではなく、全員の総合力で勝負するペイサーズのスタイルは、相手チームにとっては非常にやっかいですね。
プレーオフで格上とみられたバックス、キャブス、ニックスを次々と倒したペイサーズは、今ノリに乗っています。
歴史的な逆転劇の連続で、世界中のバスケットボールファンを魅了しているペイサーズ。
このまま一気にNBAチャンピオンまで駆け上っても、不思議ではありません。
ただし、レギュラーシーズンで68勝を記録し、歴史的なネットレーティングを記録した最強サンダーを倒すためには、これまで以上に神がかり的な爆発が必要となるでしょう。
そうです、ペイサーズが4勝をあげるには、チーム一丸となって奇跡を起こすしかないのです。
湘北高校が山王工業に勝利したように・・・。
優勝予想 4勝2敗 サンダーの勝利
結論、NBAを36年間観つづけてきたわたくしリトルの予想は、4勝2敗でサンダーの勝利とします。
なんだか当たり前の予想になってしまいましたが、サンダーの強さ、そしてペイサーズとの相性の良さを考えると、当然の結果ですね。
ただ、わたくしリトル、全力でペイサーズを応援します。
今年のペイサーズのプレーオフでの戦いをみていると、誰もが応援したくなるんじゃないでしょうか?
フレッシュなサンダーと奇跡をくりかえすペイサーズ。
とにかくおもしろい、最高のNBAファイナルになることを祈念して、今回のブログを終えたいと思います。
2024-25シーズンの集大成、NBAファイナルを思う存分楽しみましょう!
