今年もやってくれました。
昨シーズンメンフィス・グリズリーズで2way契約を勝ちとり、NBAデビューをはたした河村勇輝選手。
シカゴ・ブルズの一員として出場したサマーリーグで、インパクト抜群の活躍をみせ、ついに今年も2way契約を勝ちとりました。
今回はかなり厳しい戦いになると思っていたので、涙がでるほどうれしいですね!
今回は河村選手のこれまでの活躍をふり返り、2025-26シーズンの活躍についても予想していきます。
それではレッツラゴー!
河村勇輝 基本情報
河村勇輝 基本情報
ポジション PG
生年月日 2001年5月2日(24歳)
出身地 山口県柳井市
サイズ 172㎝ 72㎏
出身校 福岡第一高等学校
大学 東海大学中退
所属 2020 三遠ネオフェニックス※
2020-22 横浜ビー・コルセアーズ※
2022-24 横浜ビー・コルセアーズ
2024-25 メンフィス・グリズリーズ
メンフィス・ハッスル
2025- シカゴ・ブルズ
ウェンディシティ・ブルズ
※は特別指定選手契約
172㎝とバスケの世界では超小柄ながら、圧倒的なスピードと、魔法のようなパス、魂のこもったディフェンスで高校生の時から注目されてきた河村選手。
バスケの才能は、早くから誰もが認めるところでしたが、正直NBAで活躍する未来は想像していませんでした。
NBAでプレーした先駆者の田臥勇太選手、泥臭くドラフト外から這いあがった渡邊雄太選手、そして日本人で初めてドラフト指名(全体9位)され、名門ロサンゼルス・レイカーズのスターターとなった八村塁選手。
3人の先輩たちのNBA挑戦にも興奮しましたが、河村選手の奮闘にはもっとも興奮させられています。
以前と違い、NBA RakutenでサマーリーグやGリーグの試合まで全部リアルタイムで観れることも大きいですね。
楽天には本当に感謝です。
今までありがとうございました(涙)。
NBAを目指している河村選手とともに戦い、応援している気持ちになれるんですよね。
河村勇輝 2024-25スタッツ
河村勇輝 2024-25NBAスタッツ
22試合(先発0試合) 4.2分出場
1.6得点 0.5リバウンド 0.9アシスト 0.1スティール
FG36.7% 3P30.4% FT77.8%
河村勇輝 2024-25Gリーグスタッツ
24試合 31.0分出場
12.4得点 2.7リバウンド 7.8アシスト 1.0スティール
FG40.0% 3P41.0% FT74.2%
NBA挑戦1年目、河村選手は憧れのNBAの舞台で、数字以上に大きなインパクトを残しました。
シーズン前に「最大の目標はNBAのコートに立つこと」と語っていた河村選手は、その言葉どおりメンフィス・グリズリーズの一員として22試合に出場。
1試合平均4.2分の出場で1.6得点 0.9アシストと、数字だけをみると物足りないと感じるかもしれませんが、限られた出場時間の中で、数々のハイライトシーンを演出しています。
2way契約を勝ちとり、Gリーグのメンフィス・ハッスルでも24試合をプレーし、こちらは1試合平均31.0分出場。
平均12.4得点 7.8アシスト 1.0スティールと、司令塔として合格点のスタッツを残しています。
7.8アシストはGリーグ全体で6位。
ただしGリーグのアシストベスト10に入っている選手の中で、平均12.4得点はもっとも低い数字です。
身長が低く、ディフェンスで不利となる河村選手の課題は、得点力の向上でしょう。
みずから積極的にシュートを放ち、得点力が上がることで、ディフェンスをひきつけ、空いた味方にさらにパスを通すことができますからね。
そうなるとディフェンス面でのマイナスよりも、オフェンス面でのプラスの方が上回り、NBAで試合に出る機会も増えるはずです。
Gリーグでの活躍を「合格点」と表しましたが、「圧倒的」でないとNBAに引き上げられない厳しい世界。
現に河村選手は2年目の2025-26シーズン、グリズリーズから契約をオファーされることはありませんでした。
河村勇輝 ブルズでのサマーリーグ
メンフィス・グリズリーズとの契約が6月末で切れた河村選手は、サマーリーグ参加へ声をかけてくれたチームの中から、特に熱心だったシカゴ・ブルズを選びます。
昨年グリズリーズと最初に結んだ「エグジビット10契約」ではなく、サマーリーグだけの契約でした。
エグジビット10契約をむすぶと、ほかのチームと契約が難しくなってしまうため、河村選手はサマーリーグの契約を選んだのです。
シカゴ・ブルズはすでに今シーズン2way契約3選手の枠が埋まっており、河村選手にとっては厳しい状況でした。
正直「なんでブルズ選んだんやろ。2wayの枠ねえじゃん・・・」とわたくしリトルも思っていましたから。
トロント・ラプターズとのサマーリーグ初戦は、第1クオーター残り5分32秒にベンチから出場すると、すぐに3ポイントシュートをヒット。
スティールを決めるなど必死に戦う姿をみせたものの、第1クオーターだけで3つのターンオーバーを犯し、苦しいスタートとなりました。
第4クオーターには自らがフリーとなった場面で、シュートを躊躇してパスする場面もあった河村選手。
この試合3得点 2アシスト 4リバウンド 1スティール 4ターンオーバーに終わり、アピールすることはできませんでした。
ブルズはチーム全体で33ターンオーバーを犯し、72-116と大差でラプターズに敗れています。
第2戦のサクラメント・キングス戦では4得点 5アシスト 3スティール 4ターンオーバーと、この試合も物足りないスタッツだったものの、衝撃的なパスで注目を浴びます。
メンフィス・ハッスルでチームメイトだったマオジーニャ・ペレイラへのアリウープパス、速攻からのビハインド・ザ・バックパス、極めつけはディフェンスの股を抜くバウンズパス。
ハイライトプレーを連発し、スタッツ以上のインパクトを残しましたが、チームはまたしても敗れてしまいました。
第3戦のインディアナ・ペイサーズ戦、河村選手は15得点 10アシスト 3スティールと本領を発揮。
第1クオーターから積極的にシュートを放ち、目の覚めるようなアシストも連発。
前半だけで9得点 7アシストを記録します。
攻撃的なディフェンスでも相手のミスを誘い、チームに勢いを与えると、後半も勝負所で3ポイントシュートを決めるなど、ブルズのサマーリーグ初勝利に貢献しました。
河村選手はこの試合チーム5位の27分46秒出場し、+/-はチームトップタイの+14と、サマーリーグ3戦目にして数字で結果を残すことに成功します。
15得点 10アシストのダブルダブルを記録し、3スティールと、攻守に活躍。
ブルズのチームメイトで、昨シーズンオールルーキー2ndチーム入りしたマタス・ブゼリスが河村選手を賞賛するコメントを出すなど、大きなインパクトを残しました。
ミルウォーキー・バックスと戦った第4戦では、第3クオーターまではややおとなしかった河村選手でしたが、第4クオーターだけで6アシストを記録し、ブルズの2連勝に貢献。
9得点 3リバウンド 6アシスト 2スティールを記録したものの、すでに2way契約をむすんでいるライバルでポイントガードのジャミア・ヤングが37得点をあげたため、河村選手は厳しい立場に追い込まれたと思われました。
むかえたユタ・ジャズとの最終第5戦。
河村選手はこの試合もベンチから出場すると、圧巻のプレーをみせます。
速攻から名コンビ、ペレイラへのアリウープパス、リバウンド争いからのノールックパスなど、ハイライトプレーを連発。
この日は3ポイントシュートを9本放ち、6本を沈めるなど得点力の高さもアピールしました。
26分37秒の出場で、20得点 4リバウンド 10アシスト 2スティールを記録した河村選手のプレーは、ブルズを3連勝に導く完璧なものでした。
サマーリーグの最終戦で、河村選手はすばらしいスタッツと、数字以上にインパクトのあるスーパープレーの連続で、最後のアピールに成功します。
サマーリーグとは思えない観客の大歓声が、河村選手のプレーの魅力をあらわしていましたね。
観客の心をガッチリつかみ、スタッツでもしっかりと結果をのこした河村選手に、吉報が届いたのは、サマーリーグを終えた翌日でした。
河村勇輝 ブルズとの2way契約締結
シカゴ・ブルズはすでに2way契約をむすんでいたポイントガードのジャミア・ヤングとの契約を解除。
2way契約の枠を一つ空け、河村勇輝選手との契約を結びました。
河村選手は契約にふさわしいプレーを続けていましたが、正直2way契約3人の枠がすでに埋まっているブルズでは厳しいと思っていましたから、本当に驚きましたね。
昨年グリズリーズとの2way契約が決まった時は「よっしゃあー!」とガッツポーズしたわたくしリトルでしたが、今回は朝起きてニュースをみた瞬間、思わず涙ぐんでしまいました。
グリズリーズでの活躍と苦悩を1シーズン観つづけてきて、河村選手のプレーだけでなく人間性にも惚れこんでしまいましたから・・・本当によかったなって・・・。
わずかな希望を全力でつかみにいく姿に、観ている私たちも心が震えますね。
173㎝というサイズのハンデがありながらも、自らのガッツあふれるプレーと華麗なアシストでハイライトプレーを量産し、チームメイトたちからも愛される河村選手は、シカゴ・ブルズによい影響を与えるでしょう。
河村勇輝が結んだ2way契約とは
ここで2way契約についておさらいしましょう。
2way契約とは2017年から導入された、主にドラフト外の若手選手やNBA経験の浅い選手(NBA経験4年未満)にチャンスを与え、育成するための契約です。
簡単にいうとNBAの下部リーグであるGリーグに所属しながら、NBAのチームの試合にも最大50試合まで登録できる育成契約ですね。
ちなみに51試合以上出場するためには、NBAの本契約を結ぶ必要があります。
2way契約ではプレーオフに出場することもできないため、戦力となり、チームが「プレーオフにも出場させたい」と思った場合も、本契約を結ばなければなりません。
昨シーズン2way契約選手の年俸は約57万8576ドル(約8700万円 1㌦=150円)でした。
これはNBA最低年俸の50%と決められています。
これにNBAの試合に出場した分が日割りでプラスされます。
今シーズンはもう少し年俸は上がるでしょう。
河村選手には、ぜひ本契約を結び、シカゴ・ブルズ4シーズンぶりのプレーオフ出場に貢献してもらいたいですね。
河村勇輝 シカゴ・ブルズで活躍できるのか?
シカゴ・ブルズでNBA2年目を迎えることがきまった河村選手ですが、ファンの声は2つに大きく分かれています。
「きっとブルズで活躍できる」派と、「ブルズはポイントガードの層が厚いから無理でしょ」派です。
もちろん、誰もが河村選手に活躍してほしいとは思っていますが、シカゴ・ブルズのガードの層が厚いのも事実です。
シカゴ・ブルズのポイントガードは、スターターのジョシュ・ギディー、昨シーズンスパーズから移籍してきたトレ・ジョーンズ、29歳と経験豊富なジェボン・カーターの3人がいます。
この3人と、河村選手の昨シーズンのスタッツをみてみましょう。
シカゴ・ブルズ PG 2024-25スタッツ
ジョシュ・ギディー(203cm 95㎏)
14.6得点 8.1リバウンド 7.2アシスト
FG46.5% 3P37.8% FT78.1%
トレ・ジョーンズ(185㎝ 83㎏)
7.2得点 2.5リバウンド 4.2アシスト
FG53.8% 3P39.6% FT82.1%
ジェボン・カーター(185㎝ 90㎏)
4.3得点 1.1リバウンド 1.1アシスト
FG37.7% 3P33.3% FT80.0%
河村勇輝(173㎝ 72㎏)
1.6得点 0.5リバウンド 0.9アシスト 0.1スティール
FG36.7% 3P30.4% FT77.8%
ジョシュ・ギディーはオクラホマシティ・サンダーからブルズに移籍した昨シーズン、大きく飛躍。
203cmとポイントガードとしては規格外のサイズをもつギディーは、卓越したパスセンスに加え、苦手としていた3ポイントシュートも高確率で決めつづけ、ブルズの新しい顔となれることを証明しました。
まだ22歳(10月で23歳)と若いギディーには、大きな期待が寄せられています。
まだ契約にはいたっていませんが、ブルズと再契約するのは間違いないでしょう。
25歳のトレ・ジョーンズは昨シーズン途中にスパーズからブルズへ移籍。
スパーズでは28試合に出場し、平均4.4得点 3.7アシストだったジョーンズですが、ブルズに移籍してからの18試合では11.5得点 4.9リバウンドと数字を伸ばしました。
2022-23シーズンには平均12.9得点 6.6リバウンドを記録するなど、高いポテンシャルをもつトレ・ジョーンズには、大きな期待が集まっています。
ジェボン・カーターは29歳と、ポイントガード陣の中では最も経験豊富な選手です。
ブルズが5チーム目のジャーニーマンは、2022-23シーズンにミルウォーキー・バックスで81試合に出場。
39試合でスターターをつとめ、平均8.0得点 2.5リバウンド 2.4アシストを記録し、評価を高めました。
2023-24シーズンから所属しているブルズでは、出場時間が限られているカーターですが、堅実なバックアップガードとしてチームに安定感を与えるプレイヤーです。
3人のポイントガードに加え、コービー・ホワイトとアヨ・ドスンムの二人もポイントガードでプレーできることを考えると、確かにブルズで河村選手がプレータイムを獲得するのは、難しいかと思われます。
「ブルズ入りは最悪の選択」と語る方が多いのも、納得できますね。
ただ、そんな心配をふきとばす説が現れたのです。
ニコラス武氏の説
NBAを36年間観つづけてきたわたくしリトルが、毎日楽しみにしているYouTubeが、「ニコラス武ラジオ」です。
毎日の通勤途中で、そして夜の散歩で「ニコラス武ラジオ」を楽しんでいます。
最新の投稿はもちろん、昔の投稿も聞きなおすほど、はまっていますね。
そんなニコラスさんが投稿した「河村勇輝がブルズと2way契約!!!来たぁぁああ!!実はフィットは最高です!!」という投稿をみて、目からうろこが落ちる感覚を味わいました。
ニコラス氏が語った「ブルズと河村選手のフィットが最高」といえる理由をまとめてみましょう。
①2way契約の選手2人がビッグマン
1チーム3枠ある2way契約のうち、河村選手以外の二人は、208㎝のラクラン・オルブリッヒと201㎝のエマニュエル・ミラー、2人のパワーフォワードです。
2人とも河村選手とはタイプが違うため、2wayを一人切るとなった場合でも、ガードのライバルがいるよりは、生き残りやすいと考えられます。
②河村のプレースタイルと合うチーム=ブルズ
ニコラス氏の説でもっとも納得させられたのが、シカゴ・ブルズが河村選手のスタイルに合うチームだということ。
2024-25シーズン、1試合平均のパスの本数、リーグ1位がウォリアーズ、2位がペイサーズ、3位がブルズです。
また、試合のペースの速さでは、1位が昨シーズン河村選手がプレーしたグリズリーズで、2位がブルズなんです。
河村選手のよさが生きるのは、セットプレーではなく、ガンガン速攻をくりだすペースの早いゲーム。
チーム全体を巻きこみ、パスワークで早い展開に持ち込むことで光る河村選手にとって、ブルズのスタイルはバッチリあうと考えられます。
③スターターとプレースタイルが似ている
スターターのジョシュ・ギディーは、203㎝とサイズがありながら、パスを中心に組み立てるタイプのポイントガードです。
早い展開も得意で、身長以外は河村選手とスタイルが似ていますね。
ギディーのプレースタイルに合わせる形で、ブルズのビリー・ドノバンHCは戦略を練っているため、同じようなプレースタイルの河村選手は、使いやすい選手であると思われます。
これらのことを考えると、ニコラス氏のおっしゃるように、河村選手にとってブルズとの契約は、理想的なのかもと思えてきました。
動画でも語られていますが、2way契約の選手がNBAの試合に登場するのは、まずは基本点差がついたガベージタイムになります。
ジョシュ・ギディーやトレ・ジョーンズがベンチに下がってから出場することが多くなるため、2人と出場時間がかぶることは少ないでしょう。
ライバルは3番手のジェボン・カーターとなりますが、ガベージタイムで河村選手よりも、ベテランのカーターを優先して使うことは考えにくいので、ある程度の出場時間は与えられるはずです。
まずはガベージタイムでインパクトのある活躍をみせ、徐々に信頼を勝ちとっていき、本契約を目指していくことが、河村選手の今期の目標となるでしょう。
NBAの中で、河村選手が楽に契約を勝ちとれるチームは1つもありません。
自分のプレースタイルに合うシカゴ・ブルズで、全力で戦ってほしいと思います。
ニコラス武さんの動画の中で「ブルズと河村選手のフィットが完璧ということを拡散してください」「動画のリンクをはりつけてもいい」という発言があったため、勝手に引用させていただきました。
大好きな「ニコラス武ラジオ」ですが、正直メンバーシップ登録していなかったので、今回登録させていただきました。
NBA好きなかたは是非ニコラス武氏のYouTube動画をチェックしてみてください!
まとめ
今回は、NBA2年目を無事にブルズで迎えることが決まった河村勇輝選手について語ってきました。
NBAを36年間観つづけてきたわたくしリトルにとって、今年はもっとも興奮したサマーリーグでしたね。
河村選手には、ぜひ2025-26シーズンでも大暴れしてもらい、ブルズで本契約を勝ちとってほしいと思います。
172㎝と日本人の中でも小さな身体で、世界最高峰のNBAに挑む河村選手。
全バスケットボール部員、元バスケットボール部員の夢を、思いを、その小さな身体に託しましょう。
全身全霊で応援します!
今の時代を生きられる幸せをかみしめて、みんなで声援を送りましょう!!
