【2025NBAプレーオフ】ファーストラウンド感想 イースト編

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とんでもない熱戦がつづいている今年のプレーオフ。

バスケットボールの面白さと恐ろしさを、日々堪能しています。

前回プレーオフ1stラウンドのウエスタンカンファレンスの激闘を語りましたが、今回はイースト編です。

アップセットも起きたウエスタンカンファレンスに比べ、強豪チームが強さをみせつけたイースタンカンファレンス。

ただ物議をかもした誤審や、スター選手のケガによる離脱など、多くの事件も起こっています。

NBAを36年間観つづけてきた、わたくしリトルが1stラウンドの感想と、今後の展望を語っていきますので、ぜひご一読ください。

レッツラゴー!

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目次

2025プレーオフ キャブスvsヒート

イースタンカンファレンス第1シードのクリーブランド・キャバリアーズと、第8シードのマイアミ・ヒートの戦いは、4勝0敗でキャブスが勝利しました。

今年のプレーオフでもっとも一方的だったシリーズですね。

初戦キャブスが21点差で勝利すると、第2戦はヒートが意地をみせたものの9点差でキャブスが2勝目をあげます。

戦いの場をマイアミに移した第3戦、キャブスは37点差で勝利。

第1シードの強さをみせつけました。

せめて1勝をと挑んだ第4戦、ヒートはホームのファンの前でキャブスの猛攻にさらされます。

第1クオーターで43-29と14点差をつけられると、すべてのクオーターで点差を広げられ、終わってみれば138-83。

55点差という記録的な大差で敗れたヒートの選手たちには、試合終盤絶望感が漂っていました。

ヒートのエースと期待されたタイラー・ヒーローは、第4戦で3ポイントシュート9本を放ち、成功は1本のみ。

ヒーローはわずか4得点に終わり、大活躍だったシーズンを屈辱の中終えています。

もう一人の大黒柱バム・アデバヨも13得点 12リバウンドと、違いをみせつけることはできず。

シーズン途中で放出したジミー・バトラーが、移籍先のゴールデンステイト・ウォリアーズで大活躍を続ける姿をみて、球団社長のパット・ライリーは何を思うのでしょうか?

ヒートカルチャーは本当に〝ジミーカルチャー″だったのかもしれませんね。

来シーズン以降、ヒートがどんなチームづくりを進めるのか、注目です。

1stラウンドを余裕で突破したキャブスでは、7選手が平均2ケタ得点を記録しています。

バランスのいいオフェンスと激しいディフェンスで、レギュラーシーズン64勝18敗の強さをみせつけました。

エースのドノバン・ミッチェル、スピードスターの司令塔ダリアス・ガーランド、最優秀守備選手賞を受賞したエバン・モーブリー、機動力の高いセンタージャレット・アレン。

そのほかにも個性豊かな選手たちがそろうキャブスは、今シーズンから指揮をとるケニー・アトキンソンHCのもとで最高のレギュラーシーズンを過ごしました。

アトキンソンHCはコーチ・オブ・ザ・イヤーも受賞しています。

これ以上ないほど順調にみえるキャブスですが、大きな懸念点も。

プレーオフ1stラウンド第1戦で27得点、第2戦で21得点を記録したポイントガードのダリアス・ガーランドが、左足つまさきのケガで離脱してしまったのです。

マイアミ・ヒートとは大きな力の差があったため、問題は表面化しませんでしたが、インディアナ・ペイサーズとのカンファレンスセミファイナルでは、ガーランド不在の影響は大きくなってくるでしょう。

球団史上2度目の優勝を果たすことができるのか?

ドノバン・ミッチェルは真のエースとして、輝けるのか?

要注目です。

キャブスの強みと問題点

キャブスの強みはタレントの豊富さと攻撃力。

レギュラーシーズンの平均得点はリーグ1位。

ドノバン・ミッチェル(24.0得点)ダリアス・ガーランド(20.6得点)エバン・モーブリー(18.5得点)ディアンドレ・ハンター(14.3得点)ジャレット・アレン(13.5得点)タイ・ジェローム(12.5得点)の6選手が平均2ケタ得点を記録し、その他にもマックス・ストゥルース、ディーン・ウェイド・サム・メリルなど、得点できる選手がそろっています。

これだけ戦えるタレントがそろうチームはなかなかありません。

タレントが豊富だと、どうしても持て余してしまうのですが、今シーズンコーチ・オブ・ザ・イヤーに輝いたケニー・アトキンソンHCは選手たちの個性を十分に発揮させています。

バックコートのミッチェル&ガーランドは圧倒的なスピードで得点を量産し、モーブリー&アレンのビッグマンコンビは、高さと機動力で脅威を与えてきました。

ここにシューターのマックス・ストゥルースが加わるスターティング5は実に強力です。

ベンチに控えるタイ・ジェロームは、今シーズン飛躍をとげています。

昨シーズンの平均2.0得点から、今シーズンは12.5得点と大躍進し、キャブスの起爆剤となっていますね。

シーズン途中のトレードで、得点力が高く守備もいいディアンドレ・ハンターが加わり、優勝に向けて戦える布陣が整いました。

問題点はスターパワー不足と選手の健康状態。

オールスター選手が4人(ミッチェル、ガーランド、モーブリー、アレン)もいるのにスターパワー不足なのかと思われるかもしれませんが、プレーオフの舞台では、最後のプレーで得点を決めきる真のスターパワーが必要になります。

いくら平均30得点しても、大事な場面で活躍できなければ、選手として認められないのです。

キャブスのエース、ドノバン・ミッチェルはまだ28歳ながら、ユタ・ジャズでの5シーズン、キャブスでの2シーズンすべてでエースとしてチームをプレーオフに導いて来ました。

しかしプレーオフではカンファレンスセミファイナルを突破したことは一度もありません。

特に優勝候補と期待され、ウエストの第1シードで挑んだ2021年のプレーオフで、ジャズは2連勝スタートしたものの、第4シードのクリッパーズに第3戦から4連敗。

エースのドノバン・ミッチェルと、センターのルディ・ゴベアでは勝てないとの声が大きくなり、ジャズ解体につながっていきました。

クリッパーズとの6試合で、ミッチェルは1試合平均34.8得点を記録していたんですけどねえ・・・。

ストックトン&マローンの時代からユタ・ジャズを応援しているわたくしリトルとしては「今年こそいける」と思っていたため、失望も大きかったのを覚えています。

決してミッチェルのせいだなんて思わなかったんですが。

確かにニックスのジェイレン・ブランソンやサンダーのシェイ・ギルジャス・アレキサンダー、ナゲッツの二コラ・ヨキッチらに比べると、クラッチタイムの強さという点では見劣りがしてしまうのはいなめません。

しかし実力は申し分ないエースを、周りのスターたちが盛り立てるいまのキャブスであれば、十分戦えると思うのですが、いかがでしょうか?

もう一つの問題点「選手の健康状態」はより深刻ですね。

ガーランドのつま先は、当初の予想よりもかなり悪いようです。

現在インディアナ・ペイサーズとのカンファレンスセミファイナルがすでに始まっていますが、ガーランドはまだ私服でベンチから見守っている状況。

ガーランドに加えて第2戦では、守備の要エバン・モーブリーと、ベンチからの起爆剤ディアンドレ・ハンターまでもが欠場しています。

たらればになるのですが、もしモーブリーだけでも第2戦プレーしていれば、あの奇跡のような逆転負けはなかったでしょう。

いくらスタープレイヤーでも、試合に出れなければただの人ですからねえ。

レギュラーシーズンで選手たちのプレータイムをしっかり管理して無理をさせなかった、ケニー・アトキンソンHCも頭を抱えていることでしょう。

トム・シボドーHC率いるニューヨーク・ニックスの選手たちが元気にプレーしているのがうらやましくてたまらないんじゃないでしょうか(笑)。

とにかく欠場している選手の早期復帰を祈りましょう。

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2025プレーオフ ペイサーズvsバックス

イースタンカンファレンス第4シードのインディアナ・ペイサーズと、第5シードのミルウォーキー・バックスの戦いは、4勝1敗でペイサーズが勝利。

正直一番もつれると思っていたシリーズだったのですが、想像以上にペイサーズの強さが際立ちました。

そしてバックスがもろかった・・・。

第1戦、第2戦とペイサーズがホームで快勝し、ミルウォーキーに舞台をうつした第3戦でバックスが勝利。

第4戦では敵地ながらすべてのクオーターでリードを奪ったペイサーズが129-103で圧勝し、バックスを土俵際に追いつめます。

3勝1敗とリードしホームにもどったペイサーズは、ホームの大歓声を受けながら第1クオーターで13-30といきなり17点のビハインドを背負ったものの、徐々に点差を縮め、第3クオーターを終えて75-75の同点。

勝負の第4クオーター、バックスはヤニスの11得点に加え、伏兵ゲイリー・トレントJr.がこのクオーターだけで3ポイント4本を沈め12得点を記録する大活躍をみせました。

残り時間53.1秒でヤニスがファールを受けながらシュートを決め、4点リードを奪ったバックスですが、ヤニスはこのフリースローを決めきれず。

このあとハリバートンがフリースロー2本と、残り10.3秒でドライブからのボースハンドダンクを決め、勝負はオーバータイムへ。

オーバータイムでは再びバックスのゲイリー・トレントJr.が3ポイント4本を沈め12得点の大活躍をみせ、残り時間47.5秒の時点でバックスが6点のリード。

たまらずペイサーズの名将リック・カーライルHCがタイムアウトをとります。

正直ここからペイサーズが逆転することは不可能だと思っていました。

タイムアウト明けにハリバートンが3ポイントシュートを放ちますが、リムにはじかれたボールはバックスがキープ。

その後ファウルを受けたバックスのシューター、AJ・グリーンがフリースローを1本外すと、ペイサーズは時間をかけずにアンドリュー・ネムハードがリング正面からディープ3をヒット!

ネムハードは強心臓ぶりを発揮しましたね。

この時点で試合残り32.4秒。

114-118でバックスの4点リード。

まだまだバックスの勝利はかたいと思っていました。

しかしタイムアウト明けのインバウンドパスを受けたゲイリー・トレントJr.がダブルチームを受け、苦しまぎれに出したパスをネムハードにスティールされます。

ボールを奪ったペイサーズは、エースのハリバートンがファウルを受けながらレイアップを決めきり、フリースローも成功。

残り17.1秒で117-118と1点差にせまり、ホームに集まったファンの熱狂的な歓声が響きます。

平常心をたもてなくなったバックスの選手たち。

ペイサーズのプレッシャーに押されるように、慌ててボール回しをすると、この試合ゲームハイの33得点と大活躍していたゲイリー・トレントJr.が、なんでもないパスをキャッチできずトンネルしてしまう考えられないミスを犯してしまいます。

インバウンドパスを受けたハリバートンがフロントコートにボールを運ぶと、マッチアップしたヤニスをドライブで抜き去り、レイアップシュートを決め、ついに1点のリードを奪いました。

試合残り時間は1.2秒。

バックスにタイムアウトは残っておらずゲームセット。

劇的な展開がつづく今年のプレーオフの中でも、最も劇的なゲームだったかもしれません。

ちまたではプレーオフ1stラウンド第5戦が、ヤニスがバックスでプレーする最後の試合になったのではないかと言われています。

バックスにとって一番の誤算は、デイミアン・リラードですね。

現地時間3月25日に、右ふくらはぎの深部静脈血栓症の診断で無期限の離脱となることが発表されたリラード。

シーズン終盤の14試合を欠場し、プレーオフ1stラウンドへの出場も難しいと思われていましたが、第2戦で先発出場をはたします。

しかしリラードは第2戦14得点、第3戦7得点と本来の得点力を発揮できず。

そして第4戦の第1クオーター残り6分、リラードはルーズボールに反応した際、誰とも接触していなかったにもかかわらず突然左足首のあたりをおさえ、座り込みました。

スタッフの肩を借りコートを去るリラードに、ホームのバックスファンから温かい拍手が降り注ぎますが、誰の目にも重症であることは明らかでした。

診断は予想どおり左アキレス腱断裂。

来シーズのプレーはほぼ絶望、戻って来れてもシーズン終盤です。

現在34歳、7月15日には35歳をむかえるリラードにとっては非常に苦しい状況ですが、同じく苦しい状況にあるのが、ミルウォーキー・バックス。

来季ほぼ出場できないであろうリラードに、バックスは約5400万ドル(81億円 1㌦⁼150円)のサラリーを支払う必要があるため、大きな補強にも動けません。

戦力ダウンは明らかで、NBAトップクラスの破壊力をもつヤニスがいても、優勝争いは難しいでしょう。

現在30歳、12月6日に31歳をむかえるヤニスにとって、もう一度優勝したい思いは強いはずです。

ヤニスが愛するバックスにトレードを要求しても、不思議ではありません。

それでもわたくしリトルは、ヤニスはバックスでプレーをつづけるのではないかと信じていますが。

とにかく、バックスは大きな試練をむかえています。

「カモン、ガイズ!」の声でチームはまとまるのでしょうか?

ペイサーズの強みと問題点

ペイサーズの強みは、レギュラーシーズンでリーグ7位の1試合平均117.4得点を記録したオフェンス力と、リーグ3位の13.2個のターンオーバーでもわかるとおりミスの少なさ。

そしてチームの勢いと気合です。

ペイサーズのエースは、ポイントガードのタイリース・ハリバートン。

独力で得点するタイプのエースではなく、的確なアシストでチームオフェンスを活性化する、昔ながらのポイントガードタイプのエースです。

ハリバートンがデザインするオフェンスはスムーズで、ペイサーズの武器となっていますが、カンファレンスセミファイナルで対戦するキャブスは、さらに破壊的な攻撃力を持っています。

ペイサーズがリーグ7位の平均得点は、キャブスがリーグ1位。

ターンオーバーはペイサーズもキャブスも平均13.2個で、両チームに差はありません。

正直ペイサーズのパワーアップ版がキャブスのようなイメージです。

ただチームの勢いは、ややペイサーズ有利といえます。

レギュラーシーズン最後の20試合で15勝5敗(キャブスは13勝7敗)したペイサーズはプレーオフ1stラウンドで、強豪バックスを4勝1敗で圧倒し、さらに勢いをつけています。

キャブスも1stラウンドで4勝0敗とヒートを圧倒していますが、あまりにも余裕で勝利したため、やや気が抜けている状態にもみえますね。

プレーオフになると気合が入るアンドリュー・ネムハードの存在も、ペイサーズの大きな武器です。

NBAには「プレーオフジミー」「プレーオフマレー」のように、プレーオフになると実力以上の力を発揮するプレーオフ男がいます。

昨年のプレーオフで大活躍し、新たなプレーオフ男となったネムハードはレギュラーシーズンチーム7位の10.0得点を記録していましたが、プレーオフ1stラウンドの5試合では平均15.1得点。

大逆転した第5戦でも、反撃ののろしをあげるディープ3を沈めました。

ハリバートンとネムハードのバックコートコンビは、ペイサーズの大きな武器になるでしょう。

ペイサーズの問題点は、単純な戦力不足。

良い選手はそろっていますが、カンファレンスセミファイナルに進んでいるほかのチームに比べると、総合力の低さはいなめません。

良い選手は揃っているのですが・・・。

ただバックスを圧倒したように、勢いに乗った時のペイサーズは、どのチームでも倒す爆発力を持っています。

問題は最大7試合を行うプレーオフにおいて、勢いを持続できるのか?

2011年にマブスを優勝に導いた名将リック・カーライルが、強豪クリーブランド・キャバリアーズ相手にどんな戦いを挑むのか、注目のシリーズです。

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2025プレーオフ ニックスvsピストンズ

イースタンカンファレンス第3シードのニューヨーク・ニックスと、第6シードのデトロイト・ピストンズの戦いは、4勝2敗でニックスが勝利。

なんとも後味のわるいシリーズでした・・・。

問題となったのはニックスが2勝1敗とリードしてむかえた第4戦のラストプレー。

ゴール下の混戦からこぼれたルーズボールを拾ったティム・ハーダウェイJr.が、コーナーから3ポイントシュートを放ちますが、ブロックに飛んできたジョシュ・ハートと空中で接触し、ボールはリングまで届かず。

しかしレフェリーは反応しませんでした。

試合終了のブザーが鳴りひびくと同時に、レフェリーに激しく抗議するピストンズのJB・ビッカースタッフHC。

ピストンズのホームコートに集まったファンは騒然となり、アリーナはカオスに包まれますが、94-93、ニックスの勝利で決着しました。

試合終了後に審判団は誤審があったことを認めたものの、もちろん試合結果はくつがえることはありません。

ニューヨークに舞台を移した第5戦、ピストンズは意地をみせ敵地で勝利をあげたものの、この時点でピストンズは2勝3敗。

第4戦のラストプレーでのファウルが認められ、ハーダウェイJr.が3本のフリースローのうち2本を決めていたら、ピストンズが3勝2敗でリードしていたはずですから、選手やファンたちの不満は相当なものだったでしょう。

ピストンズのホームで行われた第6戦も接戦となり、残り20.6秒113-113と同点の場面でニックスがタイムアウト。

タイムアウト明けのニックスの攻撃で、エースのジェイレン・ブランソンが1on1からマークにつくアサー・トンプソンを振り切り、ゴール正面から3ポイントをヒットし、3点のリードを奪います。

残り時間は4.3秒。

ラストプレーでボールを手にしたエースのケイド・カニングハムは、自らのシュートではなく、この試合で3ポイントシュート6本を決めているマリーク・ビーズリーにパス。

フリーになっていたビーズリーですが、ボールをキャッチすることができず、ニックスの1stラウンド勝ち抜けが決まりました。

すばらしいシリーズでしたが、やはり誤審のためにスッキリしない結末になってしまいました。

勝敗に直結するプレーでは、チャレンジでなく、審判が映像によるリプレー映像でチェックを行うようNBAがルールを変更するべきですね。

柔軟な改善が必要だと思います。

ピストンズにとっては、なんとも悔しいシーズンエンドとなってしまいましたが、振りかえってみるとすばらしいシーズンでしたね。

2021年のドラフト1巡目全体1位で司令塔のケイド・カニングハムを獲得したものの、弱小チームとしてリーグの底辺をさまよっていたピストンズ。

昨年はNBA歴代ワーストの28連敗を記録するなど、14勝68敗と最悪のシーズンを過ごしました。

シーズン終了後に新ヘッドコーチとしてキャブスを率いていたJB・ビッカースタッフをむかえると、今シーズンは44勝38敗とすばらしい結果を残しています。

6シーズンぶりにプレーオフに進んだピストンズには有望な若手選手も多く、今シーズンの悔しさをはらす機会は、今後いくらでもめぐってきそうです。

観ていて応援したくなる、すばらしいチームでした。

ニックスは、勝負所の強さが際立ったシリーズでした。

今シーズン、クラッチ・オブ・ザ・イヤーを受賞したジェイレン・ブランソンは期待どおりの勝負強さをみせ、1stラウンドの6試合で平均31.5得点と大活躍。

タレントぞろいのニックスの中でも、別格の存在感をみせつけています。

もう一人、勝負所で圧倒的な強さを発揮しているのが、今シーズントレードで加入したカール・アンソニー・タウンズ。

ミネソタ・ティンバーウルブズ時代は、どちらかというと勝負所で頼りにならないと言われていたタウンズですが、1stラウンドでは勝負を決める3ポイントやミドルを決めきり、ステップアップした姿をみせました。

昨年のチャンピオン、ボストン・セルティックスと戦うカンファレンスセミファイナルでは、1点を争う場面が増えてくるかと思われます。

ブランソン&タウンズの勝負強さは、大きなアドバンテージになるでしょう。

ニックスの強みと問題点

ニックスの強みは、前述した勝負強さと、タレントパワーですね。

ブランソンのクラッチ力は現在NBAトップといってもいいでしょう。

なんといってもクラッチ・オブ・ザ・イヤーですから。

タウンズの勝負強さが本物であれば、クラッチタイムで、セルティックスのジェイソン・テイタム&ジェイレン・ブラウンのコンビを圧倒する可能性すらあるかもしれません。

ニックスにはブランソン&タウンズ以外にも、攻守に活躍するジョシュ・ハート、OG・アヌノビー、そしてミケル・ブリッジズといった豊富なタレントがそろっています。

スターター5人のスターパワーは、リーグトップクラスだと思います。

1stラウンド6試合の平均得点は・・・

1stラウンド 6試合平均得点
ジェイレン・ブランソン    31.5得点
カール・アンソニー・タウンズ 19.7得点
OG・アヌノビー        17.3得点
ミケル・ブリッジズ      16.2得点
ジョシュ・ハート       11.8得点

どこからでも得点ができる、すばらしいスターティング5です。

アヌノビーが2.5スティール、ハートとブリッジズが1.5スティール、ブリッジズが1.2スティールを記録するなど、積極的なディフェンスでも力を発揮しています。

昨シーズンのオフに1巡目指名権×5などとのトレードで獲得したブリッジズは、まだまだオフェンスでは本領を発揮できていませんが、考えようによっては、伸びしろが十分にあるとも言えますね。

スターター5人が健康で好調を維持できれば、ニックスは優勝してもまったくおかしくないチームだと思います。

プレーオフでの実績も十分な5人ですから。

反対にニックスの問題点はベンチ層のうすさと、スターターに固執するトム・シボドーHCですね。

スターターが強力な分、ニックスのベンチプレイヤーは正直層がうすくて弱いんです。

ベンチプレイヤーで戦力となるのは、ビッグマンのミッチェル・ロビンソンと、スコアリングポイントガードのマイルズ・マクブライド&キャメロン・ペインらになるのですが、スターター5人との出場時間の差はえげつないですねえ。

1stラウンド6試合の平均出場時間は、OG・アヌノビーとジェイレン・ブランソンが40分超え、ミケル・ブリッジズは38分超え、カール・アンソニー・タウンズとジョシュ・ハートも37分超えと、スターター偏重がハンパない状況です。

ベンチプレイヤーでもっとも平均出場時間が長かったのがミッチェル・ロビンソンの16.5分ですから・・・。

あまりにもスターターを酷使するため〝酷シボドー″の異名をもつトム・シボドーHCですが、昨シーズンのプレーオフをもう忘れてしまったのでしょうか?

2024年のNBAプレーオフカンファレンスセミファイナルで、ペイサーズ相手に先に王手をかけたニックスでしたが、最後は主力が次々とケガで離脱し、第7戦で敗れ去っています。

スターターの力はNBAでもトップクラスであることは間違いないニックスですが、今の状況をみると昨シーズンと同じ結末がまっている気がするのですが、果たして・・・。

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2025プレーオフ セルティックスvsマジック

イースタンカンファレンス第2シードのボストン・セルティックスと、第7シードのオーランド・マジックの戦いは、4勝1敗でセルティックスが勝利。

昨シーズンのチャンピオン、セルティックスの強さが際立ったシリーズでした。

NBAでもっとも3ポイントシュート成功数が多いセルティックスと、もっとも少ないマジックの戦いは、想像どおりの展開に。

1stラウンドの5試合で放った3ポイントシュートの試投数は、両チームともまったく同数の156本。

ただ成功数はセルティックスが59本(成功率37.8%)、マジックが41本(同26.3%)と、大きな差が開いています。

マジックではエースのパオロ・バンケロ(29.4得点)とフランツ・バグナー(25.8得点)がインサイドでアタックをくり返し得点を重ねましたが、ほかに2ケタ得点を記録したのはウェンデル・カーターJr.(10.2得点)のみ。

セルティックスの強力なペリメーターディフェンダーの前に、バックコート陣はなすすべがありませんでした。

マジックはジェイレン・サッグスの不在が大きかったですね。

今シーズン平均16.2得点をあげ、NBAトップクラスのペリメーターディフェンダーでもあるサッグスのケガがなければ、ここまで一方的なシリーズにはならなかったかもしれません。

まあそれでもマジックが4勝するイメージはわきませんが。

両チームの戦力、そして経験値には、とてつもない差があるように思えました。

オーランド・マジックは今シーズン主力選手のケガが続く不運がありながらも、プレーオフに進出。

ジェイレン・サッグスは47試合、モリッツ・バグナーにいたっては52試合を欠場した上、プレーオフに出場することもできませんでした。

プレーオフには出場できたものの、パオロ・バンケロは36試合、フランツ・バグナーも22試合を欠場しています。

これだけ主力が離脱していたにもかかわらず、マジックは41勝41敗と勝率5割をキープできたのは、上出来といえるでしょう。

3ポイントシュートが致命的だったのは問題点としてあげられますが、適切な補強を行うことができれば、来シーズンのマジックはさらなる飛躍をはたすかもしれません。

セルティックスは1敗を喫したものの、危なげない戦いで、当然のように1stラウンドを突破。

マジックとの5試合で、エースのジェイソン・テイタムは平均31.3得点に加え11.3リバウンドをあげ、格のちがいをみせつけました。

もう一人のエース、ジェイレン・ブラウンも平均23.0得点 7.6リバウンドを記録しています。

順調な1stラウンドをクリアしたセルティックスは、優勝にむかって順調に航海をつづけていくのでしょうか?

セルティックスの強みと問題点

セルティックスの強みは、優勝経験と選手層の厚さ、そして3ポイントシュートです。

昨シーズン優勝した時と主力はまったく変わっていないセルティックスの、チームワークは完璧です。

現在カンファレンスセミファイナルに突入してから、クリスタプス・ポルジンギスの体調不良が心配されていますが、選手たちが健康体を維持することができれば、優勝候補筆頭であることは間違いないでしょう。

選手間投票でも、優勝候補ナンバー1に選ばれています。

カンファレンスセミファイナルで戦うニューヨーク・ニックスは、経験値の高い強力なスターターを揃えているものの、タウンズとブリッジズは今シーズンから加わったプレイヤーですし、ベンチの層の厚さは比べるまでもありません。

エースのテイタムは27歳、ブラウンは28歳と油がのりきっている状態で、そこに大ベテランの38歳アル・ホーフォード、34歳のドリュー・ホリデー、30歳のホワイト、29歳のポルジンギスが加わる主力は、昨シーズンの優勝をへてさらに結束力を高めているはずです。

ここに今シーズン6thマン・オブ・ザ・イヤーを受賞したペイトン・プリチャ―ドや、堅実で献身的なプレーを続けるビッグマン、ルーク・コーネットらが加わるメンバーは強力です。

そんなセルティックスの最大の武器は3ポイントシュート。

2024-25シーズン、セルティックスはリーグトップとなる1試合平均48.2本の3ポイントシュートを放ち、リーグトップとなる平均17.8本を成功させています。

スプラッシュブラザーズが猛威をふるい、カリー&クレイが初優勝をはたした2014-15シーズン、ウォリアーズの3ポイントシュート試投数は、1試合平均27.0本。

現在のセルティックスが、どれほど3ポイントシュートを多用しているのかおわかりいただけるかと思います。

成功率は36.8%でリーグ9位に終わっていますが、当たりだしたら止まらないのがセルティックスの3ポイント。

正直3ポイントシュートが当たってしまえば、どこのチームでも蹴散らしてしまうでしょう。

強力なディフェンスも武器にしていますから、敵から見ると、本当に嫌なチームですよね。

連覇に向けて順調にみえるセルティックスですが、毎年指摘される大きな問題点があります。

「クラッチ弱い問題」です。

特にエースのジェイソン・テイタムのクラッチでの弱さは、毎年指摘されていますね。

テイタムの名前を英語で書くと「TATUM」。

すばらしいプレーをみせる時は「テイタム」ですが、クラッチタイムになるとミスが多くなり「タツム」になるという「タツム化問題」が日本のSNSでよく話題にあがります。

圧勝することが多いセルティックスですが、今後は接戦も増えてくるでしょう。

カンファレンスセミファイナルで対戦するニックスには、クラッチタイムで圧倒的な強さを発揮するジェイレン・ブランソンがいます。

接戦でニックスのブランソンが大活躍し、テイタムが「タツム」になってしまうようであれば、セルティックスにとっては苦しい展開になっていくでしょう。

テイタムはクラッチタイムで光輝けるのか、それともまたミスを繰り返してしまうのか。

優勝するだけの戦力はそろっているセルティックス。

エースの肩に、セルティックスの命運がかかっているといっても、過言ではありません。

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まとめ

2回にわたって、NBAプレーオフ2025 1stラウンドの感想を主に語ってきました。

ウエスト編の時に、歴代でも特別に面白い1stラウンドだったと語りましたが、カンファレンスセミファイナルが始まっている現在、わたくしリトルが観てきた36年間の中でもっとも面白いプレーオフかもしれません。

まだまだプレーオフの醍醐味はこれからです。

選手たちには怪我無く全力で戦ってほしいですね。

ちなみにイーストのカンファレンスセミファイナルの予想は・・・

カンファレンスセミファイナル予想
キャブスvsペイサーズ 4勝3敗 キャブス

セルティックスvsニックス 4勝3敗 ニックス

どちらも期待をこめて第7戦まですすむと予想します。

キャブスはケガ人が出て苦しいスタートとなっていますが、ケガ人が戻ってくればスキのないチームになりますし、セルティックスにはやはりクラッチタイムの問題があります。

正直ニックスに勝ってほしいという個人的な願望もはいった予想です。

みなさんも最高のプレーオフを思う存分楽しみましょう。

NBA最高ですね。

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