ついにヤニス・アデトクンボのトレードが成立しました。
新しいチームは、最有力と言われていたマイアミ・ヒート!
バム・アデバヨとの強力コンビは楽しみですね。
一気に層がうすくなったベンチが心配ですが・・・。
今回は貧困の中にあった幼少期から、NBAで初優勝をはたしファイナルMVPを受賞するまでを中心に、ヤニス・アデトクンボの半生を語っていきたいと思います。
レッツラゴー!
ヤニス・アデトクンボ基本情報・受賞歴
ヤニス・アデトクンボ基本情報
サイズ 211㎝ 110㎏
ポジション パワーフォワード
誕生日 1994年12月6日(31歳)
出身地 ギリシャ アテネ
ドラフト 2013年1巡目15位
ヤニス・アデトクンボ受賞歴
NBAチャンピオン(2021)
NBAファイナルMVP(2021)
NBAカップチャンピオン(2024)
NBAカップMVP(2024)
NBAシーズンMVP×2(2019 20 )
オールNBA1stチーム×7(2019-25)
オールNBA2ndチーム×2(2017 18)
NBA最優秀守備選手賞(2020)
オールディフェンシブ1stチーム×4(2019-22)
オールディフェンシブ2ndチーム(2017)
MIP賞(2017)
NBAオールスター×10(2017-26)
NBAオールスターMVP(2021)
NBA75周年記念チーム
2013年のNBAドラフト1巡目全体15位でミルウォーキー・バックスに指名されてから13シーズンをプレーしてきたヤニス・アデトクンボ。
ナイジェリアからギリシャにわたった移民の子は、NBAの世界でスーパースターの座をつかみとりました。
211㎝ 110㎏の強靭な肉体を武器に、パワー、スピード、跳躍力、スキルすべてを兼ね備えた歴代最強クラスのパワーフォワードといえるでしょう。
2021年のNBAファイナルでミルウォーキー・バックスを優勝に導き、ファイナルMVPを受賞したヤニスは、数々の栄光を勝ちとってきました。
2018-19シーズン、翌2019-20シーズン、2年連続でシーズンMVPを受賞。
10度のオールスター出場、9度のオールNBAチーム入り、そして5度のオールディフェンシブチーム入り。
2020年には最優秀守備選手賞も受賞している、世界屈指の2wayプレイヤーです。
これらの功績を認められ、2021年に発表されたNBA75周年チームには当時最年少の26歳で選出され、NBAの歴史に名を刻むレジェンドたちと肩を並べています。
ヤニス・アデトクンボ 通算スタッツ
ここではヤニスがNBAでの13シーズンで残したスタッツをみてみましょう。
ヤニス レギュラーシーズン通算スタッツ
895試合 32.7分出場
24.1P 9.9R 5.0A 1.1S 1.2B
FG55.4% 3P28.5% FT69.1%
ヤニス ベストシーズン(2022-23)
63試合 32.1分出場
31.1P 11.8R 5.7A 0.8S 0.8B
FG55.3% 3P27.5% FT64.5%
ヤニス プレーオフ通算スタッツ
84試合 36.2分出場
27.0P 12.2R 5.3A 1.0S 1.3B
FG53.2% 3P25.9% FT62.5%
13シーズンにわたりミルウォーキー・バックス一筋でプレーをしてきたヤニス。
通算スタッツをみても、その怪物ぶりがわかるかと思います。
得点、リバウンドはもちろん、パワーフォワードとしてはかなり多いアシストも、ヤニスのオールラウンドなプレースタイルをあらわしていますね。
ヤニスの通算平均アシスト数(5.3)は、ケビン・デュラント(4.8)やジェイソン・テイタム(3.9)よりも高いスタッツです。
弱点は3ポイントシュートとフリースローくらいでしょうか。
ベストシーズンは迷ったうえで一番平均得点が高かった2022-23シーズンとしましたが、ここ最近ほとんどのシーズンで同じようなスタッツを残しています。
昨シーズンはケガのため36試合しか出場できず、スタッツもヤニスにとってはかなり低いものになりましたが、それでも平均27.6得点 9.8リバウンド 5.4アシストですからねえ・・・。
ミルウォーキー・バックス史上最高の選手と言われるのも納得です。
ヤニス・アデトクンボ 誕生~NBA入りまで
ここからはヤニスの足跡をふり返っていきたいと思います。
ヤニスを語るうえで欠かせないのが、幼い頃の壮絶な体験です。
1994年12月6日にアテネで生を受けたヤニス。
両親はヤニスが生まれる3年前に、まともな仕事がなかったナイジェリアに長男を残し、ギリシャに渡った移民でした。
生活は苦しく「貧困」そのもの。
男5人兄弟の3男だったヤニスは苦しい家計を助けるため、幼い時から兄弟とともに街に出てCDやDVDなどの行商をしていたそうです。
「物心ついたときから、たぶん6歳か7歳くらいから物を売っていたよ。時計、メガネ、CD、DVDとか。手に入るものはなんでもね。17歳くらいまでやっていた。やらないといけないからやっていただけ。他に選択肢がなかった。その夜に売れなかったら、食べるものもない。あるいは売れたとしても、家賃を払うのか、食べ物を買うのかを考えなければならなかった」
と2018年にESPNのインタビューで、ヤニスは語っています。
いやあ、壮絶ですね。
苦しい幼少期を過ごしたヤニスは、幼い頃にはサッカーをするのが一番の楽しみでした。
父親が元プロサッカー選手だったことが、大きな理由でした。
背の高いヤニスに地元のバスケットボールチームのコーチが声をかけ、練習に参加するようになっても、最初はサッカーほど楽しめなかったそうです。
ヤニスのバスケットボールに対する情熱が芽生えたのが、13歳のころ。
183㎝のスーパースター、アレン・アイバーソンのプレーに夢中になったのが始まりでした。
当時同じくらいの身長だったヤニスは、アイバーソンのハイライトを何度も観て、必死にまねていたそうです。
この体験が、211㎝となった今でもスピードあふれるドライブができる礎(いしずえ)となっているのでしょう。
17歳の時にギリシャの国内2部リーグでプロデビューしたヤニスは、2012-13シーズン26試合に出場し、平均12.2得点 4.9リバウンド 1.0ブロックのスタッツを記録し注目を集めます。
翌シーズンはギリシャ1部入りが内定していたヤニスですが、彼の能力は海の向こうでも注目されていました。
2013年のNBAドラフトで、ヤニスはミルウォーキー・バックスから1巡目全体15位で指名されたのです。
当時のコミッショナー、デビッド・スターンがヤニスの名前を読み上げた時、会場が一瞬静まりかえったのが印象的でした。
多くのファンが困惑していましたね。
貧困の中育ったヤニスが、経済的成功を約束された瞬間でした。
ヤニス NBAデビュー~初のオールスター
ヤニスが入団したミルウォーキー・バックスは前年38勝44敗、ギリギリ第8シードでプレーオフに進んだものの、マイアミ・ヒートに0勝4敗のスウィープ負けを喫していました。
バックスのフロントは思い切った再建を行うため、エースだったモンタ・エリスとブランドン・ジェニングスのスコアリングガードコンビを放出。
ジェニングスとのトレードで、前年ドラフト2巡目39位で指名されながら27試合しか出場機会が与えられなかったクリス・ミドルトンをピストンズから獲得しています。
1年目(2013-14)のヤニスは、弱小チームとなったバックスで平均24.6分のプレータイムを与えられ、経験をつんでいきました。
77試合に出場し(うち先発23試合)1試合平均6.8得点 4.4リバウンド 1.9アシストを記録し、才能の片りんをみせ、オールルーキーセカンドチームに選出されたヤニス。
しかしバックスは15勝67敗。
リーグ最下位となってしまいました。
シーズン終了と同時にバックスは長らくオーナーであったハーブ・コールがチームを資産家のウェズリー・エデンスとマーク・ラスリーに5億5千万ドルで売却することに合意したと発表。
新オーナー陣はチームを立て直すため、前年ブルックリン・ネッツを指揮したジェイソン・キッドをヘッドコーチに招聘します。
ブルックリン・ネッツに2015年と2019年のNBAドラフト2巡目指名権を送り、キッドをゲットする、なかなか珍しいヘッドコーチのトレードでした。
ヤニスは2014-15シーズン81試合に出場(うち71試合先発)し、1試合平均12.7得点 6.7リバウンド 2.6アシスト 1.0ブロックを記録するなど、大きな成長をみせます。
チームも41勝41敗とジャンプアップし、イースタンカンファレンス第6シードでプレーオフに進出しますが、ジミー・バトラー&デリック・ローズ擁するシカゴ・ブルズに2勝4敗で敗れてしまいました。
2015-16シーズンはヤニスにとって特別なシーズンとなります。
シーズン終盤に入った2月20日のアトランタ・ホークス戦から、ジェイソン・キッドHCはヤニスをポイントガードとして起用。
211㎝の超大型ポイントガード誕生は、大きな話題になりましたが、懐疑的な意見が飛び交っていました。
それでも2月20日以降の27試合でヤニスは1試合平均18.0得点 8.5リバウンド 7.3アシスト 1.4スティール 1.9ブロックと攻守にオールラウンドな活躍をみせ、周囲を驚かせます。
意外な視野の広さと、プレイメイカーとしての適性をみせたヤニスは、キッドの采配によってプレーの幅を大きく広げたのです。
残念ながらチームは33勝49敗に終わり、プレーオフを逃してしまいましたが、のちのバックスとヤニスの躍進につながる貴重なシーズンでした。
2016-17シーズン、ヤニスは大きな成長をみせます。
このシーズンヤニスは、1試合平均22.9得点 8.8リバウンド 5.4アシスト 1.6スティール 1.9ブロックとすべての項目で自己最高のスタッツを記録し、初めてオールスターに選出。
MIP(最成長選手賞)を受賞し、オールNBA2ndチーム、NBAオールディフェンシブ2ndチームに選出されるなど、大きく評価され、スーパースターへの階段を上ったシーズンとなりました。
ヤニス 2度のMVPとNBA制覇
前年の活躍により注目を集め迎えた2017-18シーズン、ヤニスは2年連続オールNBA2ndチーム入りする活躍をみせます。
シーズン開幕前のトレーニングキャンプ中に、父親が心臓発作のため他界する悲劇がありましたが、悲しみの中むかえた開幕戦でヤニスは37得点 13リバウンドのモンスターパフォーマンスでチームを勝利に導くと、開幕から4試合連続で30得点以上を記録する絶好のスタートを切りました。
2年連続でオールスターに先発出場し、レギュラーシーズンでは75試合に出場。
1試合平均26.9得点 10.0リバウンド 4.8アシスト 1.5スティール 1.4ブロックと初のシーズンダブルダブルを記録。
チームは44勝38敗、第7シードでプレーオフに進出し、ボストンセルティックスと第7戦まで進む激闘を繰り広げましたが、惜しくもも3勝4敗で敗れ去りシーズンを終えました。
2018-19シーズンは開幕戦から4試合連続で平均25得点&15リバウンド以上を記録し、バックスを4連勝に導きます。
開幕から4試合連続は、1964-65シーズンにウィルト・チェンバレン(当時フィラデルフィア・76ers)が記録して以来、NBA歴代2人目の快挙でした。
このシーズンヤニスは72試合に出場し27.7得点 12.5リバウンド 5.9アシスト 1.3スティール 1.5ブロックと攻守に圧倒的な存在感を放ち、バックスをリーグ首位(60勝22敗)に導きます。
プレーオフではピストンズをスウィープし、ヤニス自身初めて1stラウンドを突破すると、カンファレンスセミファイナルでもセルティックスに4勝1敗で勝利。
ラプターズとのカンファレンスファイナルは2勝4敗で敗れてしまいましたが、バックスにとっては大きな可能性を感じさせるシーズンとなりました。
ヤニスは自身初のシーズンMVPを受賞。
オールスターではファン投票でイースタンリーグトップの362万6909票を獲得。
オールNBAチーム、NBAオールディフェンシブチームどちらも1stチーム入りし、リーグを代表する選手と誰もが認識したシーズンとなりました。
優勝候補のエースとしてむかえた2019-20シーズン。
ヤニスはケガもあり63試合の出場にとどまりましたが、1試合平均29.5得点 11.4リバウンド 5.6アシスト 1.0スティール 1.0ブロックを記録し、バックスを2年連続リーグトップとなる56勝17敗(コロナによる短縮シーズン)に導き、2年連続のシーズンMVPを受賞します。
ただしプレーオフではカンファレンスセミファイナルで第5シードのマイアミ・ヒートに、というかジミー・バトラーの前に敗れ去ってしまいました。
ヤニスはシーズンMVPに加え、最優秀守備選手賞も受賞。
オールNBA1stチーム、NBAオールディフェンシブ1stチーム入りするなど、個人としては(ケガはあったものの)最高のシーズンでしたが、チームを優勝に導くことは叶いませんでした。
そして迎えた運命の2020-21シーズン。
コロナの影響で開幕が遅れたシーズン、開幕直前にバックスと5年2億2800万ドルのマックス契約を結んだヤニスは、1試合平均28.1得点 11.0リバウンド 5.9アシスト 1.2スティール 1.2ブロックと例年通りの活躍をみせます。
ただ過去2シーズンイースト首位だったバックスは、46勝26敗(コロナによる短縮シーズン)、イースト3位でシーズンを終えました。
シーズン終盤に左ひざを痛め、6試合にわたり欠場したヤニスでしたが、プレーオフには間に合い1stラウンドでヒートをスウィープ。
カンファレンスセミファイナルでは、第2シードのブルックリン・ネッツと最終第7戦まで戦い、ヤニスの40得点 13リバウンドでなんとか勝利をつかみました。
しかしアトランタ・ホークスとのカンファレンスファイナルで大きなピンチがおとずれます。
2勝1敗でむかえた第4戦の第3クオーター、ヤニスはホークスのセンター、クリント・カペラにアリウープダンクを決められた際の着地で左ひざの過伸展を起こし、チームメイトに両脇を抱えられながらロッカールームに下がっていきました。
元々痛めていた左膝だったこともあり、正直プレーオフ中に復帰することは難しいと思うほどの衝撃的な映像でした。
チームにとって絶体絶命の状態となりますが、ヤニスが不在の第5戦、第6戦で連勝し、バックスはNBAファイナル進出を決めます。
ウエスタンカンファレンスを制したフェニックス・サンズとのNBAファイナル、周囲の予想を裏切り第1戦からヤニスは復活。
第1戦、第2戦とホームのサンズに連敗を喫したものの、その後バックスが4連勝し、見事に優勝をはたします。
特筆すべきは優勝を決めた第6戦でみせた、鬼神のようなヤニスの活躍。
最も大事な1戦で、ヤニスは50得点 14リバウンド 5ブロックを記録し、文句なしのファイナルMVPを受賞しています。
ヤニスはプレーオフ全体でも30.2得点 12.8リバウンド 5.1アシスト 1.0スティール 1.2ブロックを記録。
ギリシャで貧困の中育った移民の子は、誰もが認める世界最高のバスケットボールプレイヤーとなりました。
ヤニス バックスからヒートへ
バックスにチャンピオンフラッグをもたらしたヤニスは、ミルウォーキーの王として誰もが認める存在となりました。
バックスはその後もイーストの強豪として誰もが認める存在でしたが、2022年のプレーオフ1stラウンドでブルズを下してからは1stラウンドを突破することはできず、徐々に停滞感が色濃くなっていきます。
2023-24シーズン開幕前には、大型トレードでブレイザーズからデイミアン・リラードを獲得するなど、試行錯誤をくり返したものの、チーム力は徐々に低下。
ヤニスは2022-23シーズンから3年連続で平均30得点以上を記録するなど、変わらず最強プレイヤーであり続けていますが、優勝への期待値は徐々に下がっているように感じていました。
バックス愛を繰り返し訴えていたヤニスの気持ちが変化したのが、2025-26シーズン。
リラードの契約をバイアウトする衝撃の荒療治を行ったバックスでしたが、ヤニスが11月に左鼠径部の捻挫で離脱すると、一気に負けがこんでいきます。
その後もヤニスは左ふくらはぎや左ひざを痛め、46試合を欠場。
バックスは32勝50敗に終わり、10年ぶりにプレーオフ出場を逃してしまいました。
当然シーズン中からヤニスのトレードは話題となっていたのですが、シーズン中バックスのフロントは動かず。
それでもシーズン終了後に噂はますます大きくなり、現地時間2026年6月22日、ヤニスのトレードが決定したのです。
トレードの内容をまとめると・・・
ヒート獲得
ヤニス・アデトクンボ
ボビー・ポーティス
バックス獲得
タイラー・ヒーロー
ケレル・ウェア
ハイメ・ハケスJr.
カスパラス・ヤクチョニス
2026年ドラフト全体13位指名権
2031年ドラフト1巡目指名権
2033年ドラフト1巡目指名権
2030年ドラフトスワップ権
2033年ドラフト2巡目指名権
ヒート思い切りましたね。
エースのヒーローに加え、若手ビッグマンのウェア、今期6thマン・オブ・ザ・イヤー投票2位だったハケスJr.などに加え、多くのドラフト指名権と交換に、リーグ最高峰のビッグマン、ヤニス・アデトクンボといぶし銀のボビー・ポーティスを獲得しました。
超強力なエースプレイヤーヤニスを獲得したものの、ヒートのベンチは一気に薄くなっています。
まあヒートカルチャーを確立させた優秀なフロント陣は、凡人には思いつかない強化策を考えているんでしょうね。
今後の動きも楽しみです。
まとめ
今回は、ビッグトレードでミルウォーキー・バックスからマイアミ・ヒートに移籍したヤニス・アデトクンボについて語ってきました。
新天地で2度目の優勝を達成できるのか?
それともケガで不良債権となってしまうのか?
おおいに注目をしていきましょう。
現在31歳のヤニスは、プレイヤーとしてはピークの状態だといえるでしょう。
ヤニスの全力で勝利に挑むプレースタイルは、ヒートカルチャーにもバッチリはまると思います。
リーグのパワーバランスを一気にひっくり返す可能性のあるヤニスのトレード。
新しいシーズンが今から楽しみでしかたありません!
さいごまでご覧いただきありがとうございました。


