日本中で予想以上の盛り上がりをみせた、「FIBAバスケワールドカップ2023」が終わってしまいました。
なんといっても、日本代表の奇跡的な大逆転勝ちの連続で、日本中にバスケブームが巻き起こっています。
約40年間バスケに携わってきた、わたくしリトルも、漫画以外でこんなに男子バスケが注目されたことは記憶にありません。
パリオリンピックの出場権も獲得し、最高のバスケワールドカップになったと思います。
いや、最高ではないか・・・。
NBAを35年間観つづけてきた〝NBAオタク″わたくしリトルは、日本代表と同じくらい、アメリカ代表を応援していました。
大会前には、「NBA3軍チーム」などと揶揄されていた今回のアメリカ代表。
とても「ドリームチーム」と言えるチームではないものの、有望な若手がそろう、いいチームだと思っていました。
周囲の批判を静めるためにも、なんとかこのアメリカ代表に優勝してほしかったのです。
残念ながら、準決勝でドイツ代表に111対113で敗れ、金メダルには手が届かなかったアメリカ代表。
3位決定戦でも、オーバータイムにもつれる激戦の末、カナダ代表に敗れ、メダルを持ち帰ることはできませんでした。
今回は、バスケワールドカップ2023でのアメリカ代表選手の活躍を、振り返っていきます。
バスケW杯2023 アメリカ代表を振り返る
バスケW杯2023 アメリカ代表結果
1次リーグ
アメリカ 99ー72 ニュージーランド
アメリカ 109ー81 ギリシャ
アメリカ 110ー62 ヨルダン
2次リーグ
アメリカ 85ー73 モンテネグロ
アメリカ 104ー110 リトアニア
準々決勝
アメリカ 100ー63 イタリア
準決勝
アメリカ 111ー113 ドイツ
3位決定戦
アメリカ 118ー127 カナダ
順調に勝利を重ねていたアメリカ代表でしたが、2次リーグでリトアニアに敗れ、不穏な空気が流れます。
グループ2位で決勝トーナメントに進むと、準々決勝ではイタリア代表に37点差で圧勝。
このまま勢いに乗るかと思われた準決勝で、ドイツとの激闘に敗れてしまいます。
3位決定戦でも、NBAのスター選手がそろうカナダに、第4クオーターミケル・ブリッジスの奇跡の同点3ポイントシュートが飛び出し、オーバータイムまで持ち込むものの、最後はちから尽き、9点差で敗れメダルには届きませんでした。
前回大会7位と、過去最低成績に終わったアメリカ代表が、リベンジに挑んだ今年のワールドカップでしたが、2大会連続のメダルなしと、屈辱的な結果に終わりました。
アメリカ代表メンバー 採点
それではここで、アメリカ代表メンバーの、バスケワールドカップ2023における活躍を、10点満点で採点したいと思います。
採点基準は、純粋にチームに貢献できたか、また、実力どおりの力を発揮できたか、など考慮しています。
サッカーの採点を基準としています。平均的な活躍を6としています。
バスケワールドカップ2023 アメリカ代表採点
G
⑪ジェイレン・ブランソン 5.5
④タイリース・ハリバートン 6.0
⑩アンソニー・エドワーズ 8.0
⑮オースティン・リーブス 7.5
F&C
⑤ミケル・ブリッジス 7.5
⑦ブランドン・イングラム 2.0
⑫ジョシュ・ハート 6.5
⑥キャメロン・ジョンソン 4.0
⑧パオロ・バンケロ 6.0
⑨ボビー・ポーティス 6.5
⑬ジャレン・ジャクソン・ジュニア 3.0
⑭ウォーカー・ケスラー 5.0
採点は、あくまでNBAを35年間観つづけてきた、わたくしリトルの主観です。
ただ単に、チームへの貢献度だけでなく、「選手が自分の能力を発揮できたか」という視点で、採点を行っています。
例えば、ブランドン・イングラムを最低点の2.0としたのは、本来アメリカ代表でエースとなる力がありながら、1試合平均5.7得点に終わり、しかも体調不良で準決勝のドイツ戦、3位決定戦のカナダ戦、重要な2試合に出場できなかったからです。
本来の能力への期待値と、実際の結果が、大きくかけ離れていたため、チーム最低点としています。
それでは、一人ひとり振り返っていきましょう。
アメリカ代表⑪ ジェイレン・ブランソン 5.5
8試合出場 11.0得点 2.5リバウンド 4.0アシスト
全8試合、すべてスターティングポイントガードとして出場した、ブランソン。
正直、個人的には、1on1のスキルがあり得点力の高いブランソンより、アシストと3ポイントが持ち味で、高さもあるハリバートン(ブランソン185㎝、ハリバートン196㎝)を、スタートで使ってほしかったんですが・・・。
確かに、ブランソンのドライブは相手の脅威となっていましたし、大事な場面では頼りになっていました。
しかし、ドライブを仕掛けて、敵に止められ、振り向いてパスを戻すプレーが多く、パスが回らずにチームを停滞させていた気がします。
NBAには、よりオフェンスが有利となり、エキサイティングなプレーが増えるように、「ディフェンス3秒ルール」があります。
ビッグマンが、ドライブを警戒してゴール下で待ち受けるプレーができないのです。
NBAで、優秀なアメリカ人センターが少なくなった理由の一つが、このディフェンス3秒ルールかもしれませんね。
ディフェンス3秒ルールの恩恵を最も受けている選手の一人が、ブランソンのような、スラッシャータイプの選手です。
ディフェンス3秒ルールがなく、ビッグマンがゴール下で待ち受けている国際試合では、ブランソンの能力が十分発揮されたとは言えませんでした。
ただ、フリースローを高確率で決め続けたことは、(8試合で22本打って21本成功 95.5%)チームに安定をもたらせました。
アメリカ代表④ タイリース・ハリバートン 6.0
8試合出場 8.6得点 3.0リバウンド 5.6アシスト
正直個人的には、スターティングポイントガードでつかってもらいたかったハリバートン。
スティーブ・カーは、ブランソンをスタートに固定し、ハリバートンには、セカンドユニットとして、流れを変える役割をまかせます。
猪突猛進なブランソンに対して、チームのバランスを考え、パスを供給し、3ポイントシュートを高確率で決めていました。
ハリバートンにポイントガードが交代したところで、ボールの流れがスムーズになり、オフェンスに躍動感が出ることが多かったように感じます。
身長も、ブランソンの185㎝に対して、196㎝と高いため、ディフェンスでも安心感がありました。
ブランソンが出場している時間の得失点差が+4.1であるのに対して、ハリバートンが出場している時間は+13.1!
明らかにハリバートンが入った時間帯の方が、チームが躍動していました。
ただ、ハリバートンも大事なところでのチョンボが目だつ、残念なプレーがありましたね。
準決勝ドイツ戦、残り1分17秒、107-108とドイツ1点リード。
緊迫した場面で、エンドラインからドイツのスローイン。
スクリーンを使って右コーナーに走りこんできたドイツのシューター、オブストが、ディフェンスを振り切ろうと、シュートフェイクを入れると、必死でマークしていたハリバートンは、見事にひっかかります。
滑ってうつぶせにコートに倒れたまま、ハリバートンは、ドイツの勝利を決定づける3ポイントが、ゆっくりリングを通過するのを、見上げることしかできませんでした。
このプレーのおかげで、〝なんだかアメリカのやらかした選手″というレッテルがはられたのが、残念でした。
個人的に、ハリバートンはもっともっとできる子だと思います。今回のW杯でみえた課題は、個人技での打開力。
チームが困ったときに、積極的にドライブを仕掛け、強引に決めきる力がつけば、さらにアシストも生きてくると思うので、2023-24シーズンは、さらなる成長を見届けたいと思います。
アメリカ代表⑩ アンソニー・エドワーズ 8.0
8試合出場 18.9得点 4.6リバウンド 2.8アシスト
今回のアメリカ代表チームで、間違いなくチームのエースだったアンソニー・エドワーズ(アント)。
文句なしのアメリカ代表MVPです!
圧倒的な1on1の強さで、得点を量産し、大会ベスト5にも選出されました。
大会前は、エース候補にもあげられていたブランドン・イングラムが不調におちいり、アントにかかる重圧は大きかったと思います。
準々決勝のイタリア戦で、シュートスランプになり、3得点で終わったものの、チームが圧勝したため問題とはならず。
その他の7試合では安定して2ケタ得点を稼ぎ、準決勝ドイツ戦では23得点、3位決定戦のカナダ戦では24得点と、大事なところで次元の違うプレーをみせたアント。
ディフェンスでも手を抜かないアントは、22歳と若い選手ながら、頼りになるアメリカ代表のエースでした。
ただ、準決勝のドイツ戦や3位決定戦のカナダ戦の終盤、1点を争う場面で、積極的にシュートを打たずにパスミスを犯すなど、大事な場面で消極的になってしまったことは、課題として残りました。
そうは言っても、アンソニー・エドワーズはまだ22歳!
未来は明るいとしか言いようがありません。
このバスケワールドカップを経て、さらにスケールの大きなスーパースターに成長してくれることを祈ります。
アメリカ代表⑮ オースティン・リーブス 7.5
8試合出場 13.8得点 2.8リバウンド 2.4アシスト
今回のアメリカ代表で、一番わたくしリトルを驚かせてくれたのが、リーブス君です。
大事な場面で何度もチームを救う、ビッグショットを放り込みました。
大会前、アメリカ代表メンバーが決定した際に書いた本ブログの記事で、「正直、〝アメリカ代表″という肩書がふさわしいかというと・・・。」と失礼な記事を書いた、わたくしリトルの疑念をみごとに吹きとばす活躍でした。
かわいらしい見た目と、華のあるプレーのギャップに、フィリピンでも大人気でしたね。
フィジカルの弱さから、ディフェンスでは相手チームから標的にされ、ポストでの1on1を執拗に仕掛けられていましたが、いいんです!
最初からわかっていたことですから。
レイカーズでは、レブロン、AD、八村選手らがすかさずカバーしてくれますが、急造チームのアメリカ代表では、孤立してやられることが多かったリーブス君。
それでも、ディフェンスでのマイナスを補ってあまりある、オフェンスでの活躍をみせてくれました。
新シーズンのレイカーズが楽しみですね!
アメリカ代表⑤ ミケル・ブリッジス 7.5
8試合出場 13.6得点 3.8リバウンド 1.8アシスト
期待どおりのプレーをみせてくれたブリッジス。
日本代表の比江島選手が3ポイントシュートを決めた際に、ブリッジスのセレブレーションをみせたことで、日本でも一気に知名度がアップしましたね。
なんといっても印象に残ったのは、前述したカナダ代表との3位決定戦でみせた、劇的な同点スリーポイント。
試合時間残り4.2秒、108-111、カナダ3点リードという絶体絶命のピンチで、ブリッジスはフリースローをわざと外し、自らリバウンドを取ると、3ポイントラインまで下がって、劇的な3ポイントを決め、大歓声を浴びました。
ちょっと、フリースローラインから出るのが早くて、バイオレーションっぽくはありましたが・・・。
NBAのスター選手の恐ろしさを、見せつけてくれました。
ただ、オーバータイムに入って、ミスを連発したのが残念でしたねえ。
でもまあ、得意のディフェンスだけでなく、フィールドゴール成功率63.3%、3ポイント成功率55.6%と、オフェンスでも違いをみせてくれました。
順当にいけば、来年のパリオリンピックにも、アンソニー・エドワーズと共に、選出されるのではないでしょうか。
アメリカ代表⑦ ブランドン・イングラム 2.0
6試合出場 5.7得点 3.0リバウンド 2.7アシスト
今大会、最も能力と結果の差が大きかったのが、イングラムです。
大会前のブログで、「今回の大会においても、アンソニー・エドワーズと並ぶ、エース候補と言っていいでしょう。」とわたくしリトルも書いているように、その類まれなる得点力に、誰もが期待していたと思います。
当然のように、初戦のニュージーランド戦、2戦目のギリシャ戦で、スターティングラインナップに名をつらねますが、初戦が2得点(1/4)、2戦目が5得点(2/4)と自慢の得点力は発揮できず。
2試合とも、ターンオーバーを2つづつ記録するなど、アメリカ代表チームの中で、明らかに浮いている存在となりました。
3試合目からは控えに回りますが、調子は一向に上がらず。
2次リーグ最終戦、敗れたリトアニア戦で、ようやく2ケタ10得点を記録しますが、準決勝ドイツ戦、3位決定戦のカナダ戦は、体調不良との理由で出場せず、イングラムにとって屈辱のバスケワールドカップは終わってしまいました。
正直、イングラムのメンタルが心配です。
2023-24のNBAシーズンに、バスケワールドカップの結果を引きずらなければいのですが。
でもまあ、実力は間違いなくある選手ですから、ペリカンズではやってくれると思います。
実力があるからこその、厳しい採点「2.0」をつけていますが、その分わたくしリトルは、イングラムに期待しているんです!
がんばれ、イングラム!!
アメリカ代表⑫ ジョシュ・ハート 7.0
8試合出場 5.1得点 5.3リバウンド 1.9アシスト
イングラムと逆に、以前このブログで、「正直、代表に選ばれるプレーヤーかと言われれば・・・。」と、失礼な書き方をしてしまった、ジョシュ・ハート。
失礼ながら、個人的には最も出場時間が少ない選手になるかも、と思っていました。
しかし、イングラムの不調が続くと、3試合目からはスターティングメンバ―になを連ね、スター揃いのチームの潤滑油として、ハッスルプレーをみせました。
シュートを打つ本数は少なかったものの、高確率で決め続け、大会を通じてフィールドゴール成功率は68.2%(15/22)、3ポイント成功率は50.0%(4/8)と無理のない確実なプレーで、チームを落ち着かせていましたね。
特に準決勝のドイツ戦、3位決定戦のカナダ戦では、2試合ともシュートを100%(2試合とも4/4)決め、頼りになるところをみせました。
スターティングラインナップに、ジェイレン・ブランソン、ミケル・ブリッジス、そしてジョシュ・ハートと、ビラノバ大学3人衆がそろったのも熱かったです。
数字以上に、活躍を印象づけた、今回のワールドカップでのジョシュ・ハート。
ハートのように、全力でプレーするロールプレイヤーが、やっぱり代表チームには必要ですね。
アメリカ代表⑥ キャメロン・ジョンソン 4.0
7試合出場 3.0得点 0.9リバウンド 1.1アシスト
今回のアメリカ代表チームで、ルーキーのウォーカー・ケスラーに次いで出場時間が少なかったキャメロン・ジョンソン(キャム)。
優秀な3&Dですが、能力を発揮する機会があまりにも少なすぎました。
プレーでも波に乗れず、フィールドゴール成功率は23.8%。
得意の3ポイントシュートも、31.3%(5/16)に終わります。
ちなみに、2ポイントシュートは大会を通じて、なんと0%(0/5)です。
「なんでブランドン・イングラムよりも、評価が高いのか。」と言われそうですね。
イングラムは当初「アメリカ代表のエース」としての期待が高かったため、現実との落差で、2.0という最低点をつけています。
大事な最後の2試合も、イングラムは体調不良で出ていませんし。
そういうと、キャムが逆にかわいそうになりますが、これはチーム戦術によるもので、所属するブルックリン・ネッツでは、2023-24シーズン、大いに活躍してくれると思います。
本来、数字に残らない部分でも、ハッスルし、チームを助けるプレーヤー。
ぜひ、ブリッジスと共に、ブルックリン・ネッツを復活させてほしいと思います。
アメリカ代表⑧ パオロ・バンケロ 6.0
7試合出場 9.3得点 3.4リバウンド 1.6アシスト
出場時間は少なかったものの、能力の高さは垣間見せたバンケロ。
本来パワーフォワードの選手ですが、アメリカ代表では、ヘッドコーチのスティーブ・カーのスモールボール戦術で、センタープレイヤーとして使われることが多かったですね。
正直、バンケロも戸惑っていたと思いますが、バスケセンスは、随所にみられました。
特に、チーム全体が浮ついていた初戦のニュージーランド戦、バンケロは21得点を記録し、アメリカの面目をなんとか保つことに成功しました。
その後は、少ない出場時間、慣れないセンターポジションで、なんとか自分の役割をこなしていた印象です。
ちょっとターンオーバーが多かったですが。
3位決定戦のカナダ戦を、体調不良で欠場したのも残念でした。
正直、フラストレーションがたまる環境だったと思いますが、オーランド・マジックではエースとして、ドイツ代表のバグナー兄弟、新加入したオーストラリア代表のジョー・イングルスらと共に、ドアマット脱出にむけて頑張ってほしいと思います。
アメリカ代表⑨ ボビー・ポーティス 6.5
8試合出場 7.9得点 4.4リバウンド 0.4アシスト
ポーティスも、バンケロと同じく本来はパワーフォワードの選手ですが、今回センターとしてプレーする時間が長かったです。
28歳のベテランらしく、そつなくこなしていた印象です。
武器の一つ、3ポイントシュートは、不発でしたね(2/10 20%)。
明らかな活躍は見られませんでしたが、ハートを感じさせるプレーで、チームに活をいれてくれていました。
ファイトがあふれて、最後は退場になりましたが、求められた仕事は十分こなしたと思います。
アメリカ代表⑬ ジャレン・ジャクソンJr. 3.0
7試合出場 8.1得点 2.9リバウンド 0.9アシスト
ブランドン・イングラムに次いで低い評価になってしまったジャレン・ジャクソンJr.(JJJ)。
イングラムと同様に、戦前の期待値が高かっただけに、厳しい評価になってしまいました。
2022-23シーズン、NBAの最優秀守備選手賞を獲得し、意気揚々と臨んだ国際大会で、JJJは屈辱を味わったのです。
スティーブ・カーHCのスモールボール戦術の要として、スターティングセンターを託されたJJJ。
211㎝のサイズがあり、圧倒的なスピードと機動力をもち、3ポイントシュートも高確率で決める優秀なビッグマンですが、JJJも本来のポジションは、パワーフォワードです。
初代ドリームチームのセンター、パトリック・ユーイングや、デビッド・ロビンソンのように、ポストプレーからの1on1で得点を量産するタイプでもなく、圧倒的にリバウンドが強いわけでもない(2022-23シーズン 平均6.8リバウンド)JJJのセンター起用を、不安視する声もありました。
本番のワールドカップでは、不安が現実になってしまいましたね。
特にヨーロッパには、屈強なセンタープレイヤーが多く、準決勝で対戦したドイツは、211㎝のフォークトマンと、NBAでもセンターとして活躍してきたダニエル・タイスのツインタワーで、ゴール下を制圧。
NBAと違い、ディフェンス3秒ルールのない国際大会では、JJJの機動力は大きな武器とはなりませんでした。
3位決定戦のカナダ戦は、体調不良で出場することはなく、JJJにとってのワールドカップは、悔しい思いをのこしたまま終了。
正直、JJJの責任というよりも、コーチ陣の責任が大きいと思います。
JJJには、気持ちを切り替えて、グリズリーズで暴れてほしいですね。
エース、ジャ・モラントが銃のチラ見せで25試合の出場停止となる、新シーズン。
JJJの活躍に、グリズリーズの未来がかかっています。
アメリカ代表⑭ ウォーカー・ケスラー 5.0
8試合出場 4.0得点 2.3リバウンド 0.0アシスト
ルーキーシーズンを終えたばかりのウォーカー・ケスラー。
今回のアメリカ代表で、唯一のセンタープレイヤーでした。
予想どおり、出場時間は少なかったものの、今後に期待を抱かせるプレーをみせたと思います。
高確率でシュートを決め(FG68.4%)、1試合平均8.0分の出場ながら、1.3ブロックを記録。
問題は、「なぜ使わなかったんだ、(スティーブ・)カー!」ということになります。
いくらスモールボール戦術で、ゴールデンステイト・ウォリアーズの王朝を築いたとはいえ、国際大会を勝つためには、ビッグマンは必要不可欠だと思うのですが・・・。
とにかく、ジャズでもっと力をつけ、久しぶりに誰もが認める、〝アメリカ人オールスターセンター″に育ってほしい選手です。
アメリカ代表 トラッシュトーク問題
惜しくも準決勝でドイツに敗れたアメリカ代表に、気になるニュースが飛び込んできました。
今回のアメリカ代表の印象がよくないというのです。
コートサイドのカメラマンから、「アメリカの選手たちが試合中に発するトラッシュトークがあまりにもひどい」と、声があがったのだそうです。
「まだ経験も浅い若手なのに、あの驕りっぷりは異常。」とウンザリするカメラマンも多いとのこと。
NBAの世界で、トラッシュトークは日常茶飯事ですが、やはり国際大会では、相手に対するリスペクトも必要です。
特に名前を挙げられていたのが、アンソニー・エドワーズ、キャメロン・ジョンソン、ジャレン・ジャクソンJr.の3人。
トラッシュトークも文化の一つとなっているNBAの中ではかまいませんが、国際大会に挑むときは、アメリカ代表の品位を落とさないように、余裕のある対応をしてほしいですね。
1992年バルセロナオリンピックに挑んだ初代ドリームチームや、2008年に北京オリンピックに挑んだリディ―ムチーム(コービー・ブライアント、レブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイド、カーメロ・アンソニー他)の時は、マナーの悪さがここまで取り上げられることはなかったように思います。
まあ、初代ドリームチームでは、バークレーの肘打ちなどもありましたが、相手チームへのリスペクトが感じられ(相手チームからのリスペクトはすさまじかったですが)、メダル授与式では、バークレーにも一際大きな声援が降り注いでいました。
当時のドリームチーム、リディ―ムチームのような実績もまだない、今回の若いアメリカ代表には、相手国へのリスペクトを持ち、堂々と戦ってほしかったです。
そのためにも、次回パリオリンピックでは、若い選手たちを指導できるベテラン選手も欲しいところですね。
まとめ
今回は、バスケワールドカップ2023に挑んだ、アメリカ代表選手の採点&寸評をまとめました。
平均年齢24.6歳と若いチームながら、健闘したアメリカ代表。
しかし、バスケの世界では、アメリカ代表は金メダル以外は失敗と記憶されます。
正直、選手たちよりも、コーチ陣の戦術に問題が大きかったと思います。
スティーブ・カーHCは、ゴールデンステイト・ウォリアーズを指揮し、スモールボールで実績を積んできました。
しかし、NBAと違いディフェンス3秒がない国際試合では、やはりセンタープレイヤーの重要性が高くなります。
スモールボール一辺倒では、サイズがありフィジカルの強い、ヨーロッパチームには太刀打ちできなくなるのではないでしょうか?
来年のパリオリンピックには、選手選考だけではなく、戦術面での対応が最も重要になってくると思います。
今回のワールドカップで、ヨーロッパをはじめとした強豪国の、長期に渡るチームづくりの大切さを感じました。
アメリカ代表も、大会直前にメンバーを選考し、その都度急増チームを造るのではなく、長期的な代表チーム活動を行い、戦術を浸透させなければ、世界の強豪国にはかなわない時代に突入したのだと思います。
NBAファンとしては、やはりアメリカには最強であってほしい!
そして、最強チーム争いに、日本代表も参戦してほしい!!
日本代表にとっては、確実に光がみえたワールドカップでしたが、アメリカの人たちは、どのような思いを抱いたのでしょうか?
そして、来年のパリオリンピックでは、どんな選手が代表として出場するのでしょうか?
楽しみはつきません。
まずは、2023-24シーズン、今回のワールドカップ戦士たちの、それぞれのチームでの活躍を祈ります!