【2023-24】サンズの新BIG3が失敗する4つの理由 KD・ブック・ビール

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FIBAバスケワールドカップ2023も終わり、いよいよ2023-24シーズンのNBA開幕が迫ってきました。

毎年、シーズン前のお楽しみが順位予想。

NBAを約35年間観つづけてきたわたくしリトルも、いろいろと妄想しながら、毎年順位予想をすることを楽しみにしています。

2023-24シーズン、もっとも予想をしにくいチームが、今回取り上げるフェニックス・サンズではないでしょうか?

生え抜きのフランチャイズビルダー、デビン・ブッカーを軸に、長い低迷を抜け出したフェニックス・サンズ。

立て続けにスーパースターを獲得し、新シーズンはこれまでに見たことがないほど得点力に優れたBIG3で、チャンピオンリングを目指しますが、はたして機能するのでしょうか・・・?

今回は、デビン・ブッカー、ケビン・デュラント、そして新たに加入したブラッドリー・ビールのBIG3体制で優勝を目指すフェニックス・サンズについて語ります。

目次

フェニックス・サンズ 新BIG3は失敗する?

昨シーズン、あっと驚く大型トレードで、スーパースターのケビン・デュラントを獲得したフェニックス・サンズ。

残念ながら、司令塔クリス・ポールのケガもあり、プレーオフではカンファレンス準決勝で敗退。

「来年こそ、ポールにチャンピオンリングを!」と祈ったのもつかの間、シーズン終了後の2023年6月24日、ワシントン・ウィザーズとのトレードが成立します。

サンズ⇨ウィザーズ

・クリス・ポール
・ランドリー・シャメット
・ドラフト2巡目指名権×6 2024 25 26 27 28 30年
・ドラフト1巡目指名権の交換権×4 2024 26 28 30年


ウィザーズ⇨サンズ

・ブラッドリー・ビール
・ジョーダン・グッドウィン
・アイザイア・トッド

トレードの内容だけをみると、サンズが得をしたように思えます。

優秀なポイントガードではあるものの38歳と衰えがみえるクリス・ポールと、いまいち伸び悩んでいるシューターランドリー・シャメットの二人に1巡目指名権をつけず、30歳と全盛期で得点力の高いオールスター選手、ブラッドリー・ビールを獲得できたのですから。

でも正直、クリス・ポールになんとか優勝してほしいと思っていた、多くのNBAファンは、ガッカリしたと思います(その後ポールはゴールデンステイト・ウォリアーズにトレードされて、ホッとしました)。

もちろん、史上最高の得点力を持つかもしれない、新BIG3を楽しみに思う人も多いでしょうが・・・。

新BIG3とは、前述したデビン・ブッカー、ケビン・デュラント、そして新たに加入したブラッドリー・ビール。

ポジション的には、シューティングガードのブッカーとビール、スモールフォワードのデュラントと、バランスがよいとはいえない3人です(デュラントは、昨シーズンパワーフォワードで先発することも多かったものの、適正ポジションは、スモールフォワードだと思います)。

2022-23シーズンの成績を並べると・・・

2022-23 スタッツ
デビン・ブッカー   27.8P 4.5R 5.5A FG49.4% 3P35.1%

ケビン・デュラント  29.1P 6.7R 5.0A FG56.0% 3P40.4%

ブラッドリー・ビール 23.2P 3.9R 5.4A FG50.6% 3P36.5%

一試合平均3人だけで80.1得点をかせぐことになります(笑)。

上手くいけば、1989-90、90-91シーズンに活躍した、RUN-TMC(ティム・ハーダウェイ、ミッチ・リッチモンド、クリス・マリン)を上回る、爆発的な得点力をもつトリオとなるかも・・・。

ただし、うまくいかない場合は、シーズン途中で空中分解、KD(ケビン・デュラント)が移籍希望・・・なんてこともありうるかもしれません。

NBAを約35年間観つづけてきたわたくしリトルは、正直今回のBIG3体制は、失敗の可能性の方が高いのでは・・・と考えています。

では、わたくしリトルが、なぜKD、ブッカー、ビールの新BIG3が上手くいかないと考えているのか、理由を挙げていきましょう。

サンズ新BIG3が失敗すると思う4つの理由

圧倒的な得点力と、リーダーシップをもつ新BIG3。

サンズ一筋、エースとして、チームをリーグ最低勝率から最高勝率まで引き上げた立役者、デビン・ブッカー。

現在のNBAで、最高のオフェンス力をもったスーパースター、ケビン・デュラント。

これまでワシントン・ウィザーズの象徴だったスコアリングマシーン、ブラッドリー・ビール。

3人のスーパースターが揃うのに、なぜわたくしリトルは2023-24シーズンのサンズが、うまくいかないと考えているのか、理由を挙げていきたいと思います。

①BIG3のバランスの悪さ

サンズの新BIG3は、前述したように、ブッカーとビールがシューティングガード、KDがスモールフォワードと、ポジションがかぶっています。

1on1から独力でディフェンスを翻弄し、インサイド、アウトサイド、自由自在に得点するプレースタイルも似ていますね。

いわゆるチームのスーパーエースが、3人揃っています。

以前、「【NBA歴代最高のビッグ3】ブルズ?スパーズ?セルツ?ヒート?ウォリアーズ?」という記事を書いたのですが、その時にあげたBIG3をまとめると・・・

歴代最高のビッグ3候補
ブルズ    :ジョーダン(SG)・ピッペン(SF)・ロッドマン(PF)
スパーズ   :パーカー(PG)・ジノビリ(SG)・ダンカン(PF)
セルティックス:アレン(SG)・ピアース(SF)・ガーネット(PF)
ヒート    :ウェイド(SG)・レブロン(SF)・ボッシュ(PF)
ウォリアーズ :カリー(PG)・クレイ(SG)・ドレイモンド(PF)

5つのビッグ3、すべてポジションのかぶりはありません。

それぞれの役割をしっかり果たし、弱点をカバーしあいながら、抜群のチームワークで一時代を築いたチームばかりです。

それぞれ、仲間の長所を生かし、足りないところを補うのが、真のチームワーク。

そう考えると、お互いの長所やプレースタイルがかぶっている、サンズの新BIG3が成功するイメージがわかないのです。

2021-22シーズン、サンズがリーグ最高勝率を残したのは、クリス・ポールが司令塔としてチームをまとめていたことが、一番大きな理由だと思いますから。

フランク・ボーゲル新ヘッドコーチは、ブラッドリー・ビールをポイントガードとして起用する方針だそうですが、はたしてうまくいくのでしょうか?

②選手層の薄さ

ブッカー、KD、ビールとオールスター3人を揃えたサンズですが、引き換えに失ったものも、小さくはありませんでした。

2019-20シーズン、サンズは11シーズンぶりにプレーオフに進むと、NBAファイナルまで勝ち進む大躍進。

翌2020-21シーズンにはレギュラーシーズンでリーグ最高勝率を記録(64勝18敗)するも、カンファレンスセミファイナルで、マブスに敗れます。

優勝まであと一歩何かが足りないと考えたサンズのフロントは、2023年2月9日、ブルックリン・ネッツの〝スーパースター″ケビン・デュラント獲得という劇薬に手をだしたのです。

サンズ⇨ネッツ

ミケル・ブリッジス
キャメロン・ジョンソン
ジェイ・クラウダ―
ドラフト1巡目指名権×4 2023 25 27 29年
ドラフト2巡目指名権の交換権 2028年


ネッツ⇨サンズ

ケビン・デュラント
TJ.ウォーレン

サンズがKD獲得のために放出したのは、2023年のバスケワールドカップにアメリカ代表として出場したミケル・ブリッジスとキャメロン・ジョンソン。

ともに、優秀なディフェンダーであり、3ポイントシューターでもあるブリッジスとキャムは、サンズ一筋の生え抜き選手でもあり、ファンからの人気も高いプレーヤーでした。

特にネッツ移籍後にスコアラーとしても花開いたブリッジスの活躍をみていると、サンズファンは複雑でしょう。

泥臭いプレーでチームを支えていたブリッジスとキャムがいなくなったことで、一気にサンズは層が薄くなったように感じました。

試合出場を拒んでいたクラウダ―の放出はよかったのですが、問題は4つのドラフト1巡目指名権も失ったこと。

KD体制でのサンズは、今優勝するしか打つ手はなくなってしまったのです。

BIG3+ディアンドレ・エイトンの4人が莫大なサラリーを持っていくサンズでは、財政的な制約で、ミニマムの選手しか契約できない状態。

そのおかげで、渡邊雄太選手のような、サラリーが低くチームを支えることができるロールプレイヤーが注目されているのです。

昨シーズンは、選手層の薄さをクリス・ポールのゲームメイクで補っていましたが、今年はいったいどうなってしまうのでしょうか?

③ケガの心配

新BIG3の3人は、それぞれにケガの問題を抱えています。

デビン・ブッカーは、昨シーズン、左鼠径部の負傷などあり、レギュラーシーズンの82試合中、53試合の出場に終わっています。

ケビン・デュラントは、昨シーズンブッカーよりも少ない47試合の出場。

右膝内側側副靭帯の捻挫で、欠場が続きました。

2019年のNBAファイナル(ウォリアーズ所属)で、右足アキレス腱断裂し、翌シーズンを全休してからは、2020-21シーズンも72試合中35試合の出場と、フルでは働けない状態になっています。

新加入のブラッドリー・ビールも、昨シーズンは左膝やハムストリングのケガで、50試合の出場にとどまっています。

正直、3人のスーパースターが、ケガなく1シーズンを過ごす姿が想像できないのです。

いくら得点力が高くても、試合に出られないのであれば、意味がありません。

新BIG3が成功する条件は、まず〝ケガをしないこと″〝試合に出場すること″が最低条件になりますが、この時点で難しいと言わざるをえない状況なのです。

もし、ブッカー、KD、ビールの誰かが、または複数がケガで長期離脱した場合、残るのはミニマム契約の選手だけとなります。

果たして、3人は健康を保てるのか・・・。

正直、難しいと言わざるをえません。

④チームへの忠誠心

チームワークを高め、選手たちが一致団結し、持っている力以上のものを発揮するためには、なんとしてもこのチームを優勝させようという、チームへの忠誠心が必要となってきます。

選手たちだけでなく、コーチ陣、スタッフ、フロント、オーナー、ファンなど、チームに関わるすべての人々によって、それぞれのチームの歴史がつくられていき、チームに関わるプライドが芽生え、忠誠心が高くなっていきます。

この〝忠誠心″が高くないと、上手くいかないとき、チームが崩壊する危険性が高まるのです。

現代で、忠誠心が高く、チーム力を向上させたチームの代表格がゴールデンステイト・ウォリアーズですね。生え抜きのステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンを中心に、ウォリアーズの選手であることに誇りを持ち、スティーブ・カーHCのもと、あらゆる困難を乗り越えてきました。

ファンも、それまでの弱小球団から、常勝軍団となったウォリアーズを応援してきたことに誇りを持ち、全力で応援しています。

こうして、ウォリアーズへの忠誠心は高まり、より強力なチームワークをつくりあげ、加入してくる選手も「このチームのために・・・」という思いを自然と抱くのです。

忠誠心という面では、デビン・ブッカーは問題ないでしょう。

サンズ一筋8シーズン。

常に全力でサンズのために尽くしてきました。

先日バスケワールドカップでアメリカ代表が敗れた際、カイル・クーズマがX(Twitter)で「アメリカ代表にはサポートの役割を十分にこなせるプレーヤー(ロールプレイヤー)が必要。」と投稿した時に、「俺がやってやるよ。」と返信したのが、デビン・ブッカー。

チームが勝利するために、なんだってやるというマインドと、チームへの忠誠心は、本物だと思います。

次にケビン・デュラント。

KDは、忠誠心という面では、大きなトラブルの種になる可能性が高いです。

オクラホマシティ・サンダーで、ラッセル・ウエストブルックとの強力コンビで優勝まであと一歩までたどり着きながら、FAになると、前年カンファレンスファイナルで直接敗れた、最も優勝の可能性の高いチーム、ウォリアーズと契約し、サンダーのファンからおおいにバッシングを受けたKD。

ウォリアーズに所属した3年間で2度の優勝をかざり、ファイナルMVPも獲得する大活躍をみせたKDでしたが、3年目のシーズン、ドレイモンド・グリーンとの確執などもあり、NBAファイナルでアキレス腱断裂の大ケガを負うと、FAでブルックリン・ネッツへの移籍を発表します。

ネッツは、1年間はアキレス腱の治療のためプレーできないことを理解した上で、4年1億6400万ドルという破格の契約を結び、デュラントへの誠意をみせました。

ネッツはスーパースター、カイリー・アービングも獲得し、シーズン中には、ヒューストン・ロケッツの絶対的エースながら球団に不満を漏らし、問題児と化していたジェームズ・ハーデンも獲得します。

優勝候補ナンバー1と言われた当時のネッツ。

今年のサンズと重なると思うのは、私だけでしょうか?

BIG3体制となったネッツは、周囲の期待をよそに、ケガで3人がそろうことは少なく、アービングのコロナワクチン接種拒否問題などもあり、チームは崩壊に向かいます。

まずハーデンが76ersに去り、2022-23シーズン開幕前には、デュラントがネッツのフロントに対して、移籍を志願。

ヘッドコーチ&GMの解任まで迫る騒動を巻き起こしました。

契約がきれるタイミングならわかるのですが・・・。

しかも、1年間プレーできないことを理解して巨額な契約を渡してくれたチームに対して・・・。

この時は、残留するかたちで落ち着きましたが、移籍志願した時点で、まだ4年約1億9800万ドル(約267億3000万円 1㌦⁼135円換算)というとんでもない契約が残っている異常事態でした。

シーズンが始まると、いつもの得点力を発揮し、活躍を続けたKDでしたが、チームはスタートダッシュに失敗し、11月2日、KDの望み通り、スティーブ・ナッシュHCが解任されます。

そして、シーズン半ばの2023年2月9日、再び移籍志願したKDは、フェニックス・サンズへの移籍が決定したのです。

KDには、「実力は間違いなくスーパースター級だが、勝てないとわかると、勝てそうなチームへの移籍を強引に希望する選手。」というイメージがついてしまいました。

サンズが、ケガや選手層の薄さで勝てなかった場合、KDはそれでもフェニックス・サンズのために全力を尽くすことができるのでしょうか?

最後に、ウィザーズ一筋で11シーズンを戦ってきたブラッドリー・ビール。

なかなか勝利に恵まれないシーズンもありましたが、強力なリーダーシップを発揮し、ワシントン・ウィザーズを支えて来ました。

ビールのチーム愛は本物だと思います。

ただし、ウィザーズに対しては。

今年、初めてのトレードを経験し、フェニックス・サンズへ移籍。

チームには、生え抜きのブッカーと、スーパースターKDがいます。

コーチからは慣れないポイントガードに指名され、ウィザーズ時代とは、まったく違う役割を担うことになります。

もし、チームが勝利を重ねることができたら、ビールは〝やりがい″を感じ、チームへの忠誠心が高まると思いますが、負けがつづき批判にさらされた場合・・・それでもフェニックス・サンズのために全力で戦い続けることができるでしょうか?

ひとつ言えるのは、「勝利だけが、3人の忠誠心を高める」ということです。

まとめ

フェニックス・サンズの新BIG3が失敗すると思う4つの理由をあげてきました。

NBAを35年間観つづけてきたわたくしリトルの独断と偏見でまとめた不安点です。

ただし、決してサンズが失敗することを望んでいるわけではありません。

むしろ、優勝をねがっています。

渡邊雄太選手が加入したんですから。

3人がけがなく過ごし、エイトンがゴール下で輝きをみせ、渡邊選手が3ポイントを射抜く、心躍るワクワクするサンズを観たいのです。

そのためには、勝利が絶対条件ですね。

もし負けがこむと、KDがまた移籍騒動を起こし、チームがバラバラになることも考えられます。

ドラフト指名権を大量に放出しているため、また長い長い低迷期に入る可能性も高く、危機的な状況に陥ると思います。

1980年代後半、ケビン・ジョンソンとトム・チェンバースのコンビが活躍する時代、チャールズ・バークレーを獲得し、ブルズとのファイナルで惜しくも敗れた時代、スティーブ・ナッシュが暴れまわった時代、そして長い低迷期を経て、ブッカーがエースとなったサンズ。

思い返すと、サンズはあと一歩までせまるものの、優勝できないチームというイメージがついています。

果たして、悲願の初優勝を手にすることができるのか。

はたまた、チームは崩壊へ向かうのか。

不謹慎ですが、今年一番いろんな意味でワクワクさせてくれるチームだと思います。

がんばれ、サンズ!

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