あまりの日差しの強さに、思い切って日傘男子デビューしたリトルと申します。
今年もNBAドラフトで世界中から58人の(バックスとヒートがタンパリングで2巡目指名権はく奪)スター候補生が指名されました。
その中でも特別異彩を放つ存在が、オクラホマシティ・サンダーから全体2位指名を受けたチェット・ホルムグレンです。
今日はチェット・ホルムグレンと、彼を見ているとつい思い出してしまうショーン・ブラッドリーについてまとめました。
ドラフト全体2位 チェット・ホルムグレンとは
213㎝ 88㎏のヒョロヒョロ体形。
ジャンプ力もあり、相手のシュートを叩き落すショットブロッカーとして一級品。
オフェンスでもガードのようなドリブルと、3ポイントラインの外から楽々と射ぬく卓越したシュート力を持っています。
高校2年生の時にはステフィン・カリーが主催したバスケットボールキャンプで、カリーと1on1で互角に戦い、注目をあびました。
当時すでに210㎝を超えていたホルムグレンは、カリーが得意とするビハインド・ザ・バックのクロスオーバーでカリーを抜き去り、カリーのショットをブロックし、カリーの上から3ポイントを決め、全米から注目される存在となったのです。
多くの名門大学から勧誘されたホルムグレンは、八村塁の母校ゴンザガ大学に進みます。
1試合平均 14.1得点 9.9リバウンド 1.9アシスト 3.7ブロック FG%.607 3P%.390
素晴らしい個人成績を残しましたが、チームは期待されながらもNCAAトーナメント3回戦で姿を消しました。
ホルムグレンは1年で大学を去り、NBAの世界に飛び込む決意をしたのです。
同じサンダー所属のアレクセイ・ポクチェフスキー(213㎝ 86㎏)と並ぶと、それはもうスケールのでかいアンガールズ!
現在行われているサマーリーグでも、ひときわ異彩を放っています。
76ersの未来と言われた ショーン・ブラッドリーとは
長身ヒョロヒョロ白人で全体2位指名といえば、古くからのNBAファンなら思い出す選手がいるでしょう。
そう。76ersの未来と言われたショーン・ブラッドリーです。
1993年のNBAドラフト 1巡目全体2位でフィラデルフィア76ersに入団したブラッドリーは、ブリガムヤング大学の不動のエースとして、全米にその名を轟かせていました。
ブラッドリーの特徴はなんといっても229㎝というNBA歴代3位の高さ。
身長を生かしたブロックはもちろん、シュート力も兼ね備えた万能ビッグマンと高い評価を得ていました。
だだし・・・
背が高く、線が細い(デビュー時約100kg)選手は、期待外れが多く、ブラッドリーの場合も評価は大きく二つに分かれていました。
76ersの未来をになうスーパースターになるか?
ロールプレイヤーで終わっていくのか?
私も、大学時代バスケ部の仲間で議論したことを覚えています。
その際、スーパースターにはならんやろというフラグが立ってしまいました。
背番号がなんと76になったのです。
フィラデルフィア76ersで背番号76・・・。
当時、NBA解説の迷言連発マシーンこと結城昭二さんが、「76ersの未来背負わされてますね。ハハハ。」と言ったときに、これはフラグ立ったなと感じました。
実際は自分の身長229㎝=7フィート6インチ からとった76だったそうですが、あまりにもねえ、と思ったものです。
ルーキーシーズンは平均10.3点 6.2リバウンド 3.00ブロックと、ショットブロッカーとしてまずまずの成績を残します。
しかし2年目に平均9.5点 8.0リバウンド 3.3ブロックと伸び悩むと、76ersは早々に見切りをつけ、3年目のシーズン途中、ニュージャージーネッツ(現ブルックリンネッツ)に放出してしまいました。
76ersの未来を託されたブラッドリーは、「期待外れの代名詞」としてファンの記憶に残っているのです。
しかし、彼の挑戦は簡単には終わりませんでした。
76ers、ネッツ、ダラスマーベリックスと渡り歩きながら、ロールプレイヤーとして12年間をNBAで過ごし、1996-97シーズンにはブロック王も獲得しています。
偉大なロールプレイヤーとして、NBAの長い歴史にその名を刻んでいるのです。
ブラッドリーの特徴として、非常に多くポスタライズされていることがあげられます。
ポスタライズとは、派手なダンクでディフェンスをなぎ倒している写真のことです。
もちろん、ブラッドリーはなぎ倒されているディフェンス役で、多くの有名センターの餌食になっています。
目の前で幾度も派手なダンクを決められ、スポーツ誌の1面を飾ってきたブラッドリーは、「NBA史上最も恥ずかしい思いをさせられた選手」と言われてきました。
しかし、ブラッドリー本人はポスタライズされる自身を、意外にもポジティブにとらえていました。
「ダンクに向かってくる選手を避けてはいけない。別にダンクされたっていいじゃないか。また次へ進めばいい。」
なんてかっこいい・・・
当時のトップセンター オラジュワン、ユーイング、ロビンソン、シャックなどそうそうたる名選手たちに真正面から立ち向かってきたからこそ、ブラッドリーは世界最高峰のNBAの舞台で、12年間もの長きにわたって活躍できたのです。
生涯成績は 832試合に出場し、8.1得点 6.3リバウンド 0.7アシスト 2.5ブロック。
ロールプレイヤーとしては十分な活躍でしたが、「ドラフト全体2位指名」「背番号76番でデビュー」という当初の期待値から、期待外れの選手として名前があがるようになってしまいました。
ちょっと気の毒ですね。
ショーン・ブラッドリーの現在
そんなブラッドリーの衝撃のニュースが昨年飛び込んできました。
ユタ州セントジョージの自宅近くで自転車走行中に、後方から車に追突され、脊髄を損傷して下半身不随になったというのです。
NBA引退後、テキサス州アーリントンにあるルーカス高校バスケットボール部のコーチとして働いていたブラッドリー。
NBAの舞台で走り回っていたブラッドリーは下半身不随となり、懸命にリハビリに励んでいるそうです。
自暴自棄になってもおかしくない状況ですが、ブラッドリーは「今回の事故で、自転車の安全の重要性に対する世間の関心を高めていきたい。」と話しているそうです。
どこまでもポジティブ。
どんな試練があっても、そこに意味を見出し前向きに生きていく。
熱心なモルモン教徒であり、高校生を指導する立場でもあるからこそのポジティブ思考なんでしょうか。
私もブラッドリーを見習って、細かいことにクヨクヨせず、前向きに生きていかねば!
ホルムグレンの未来予想図 怪我さえなければ
チェット・ホルムグレンの能力は、世界中の一握りのトップ選手が集うNBAの中でも突出しています。
より高さのあるKD(ケビン・デュラント)のようなスーパースターになる可能性もあります。
まあKDは色々問題山積みですが・・・次回記事にしようと思います。
ホルムグレンの一番の心配は213㎝ 88㎏という細さから来る怪我のリスクでしょう。
これまで、チャールズ・バークレー、シャック、オリバー・ミラーやザイオンなど、体重超過で怪我を心配された選手はいましたが、ここまでガリガリで心配されるトップ選手も珍しいですね。
231㎝ 91㎏のマヌート・ボルにはかないませんが・・・
体質的に難しいかもしれませんが、長くNBAの世界で闘っていくために、筋肉をつけてあたり負けしない身体をつくってほしいです。
今回のタイトルは、ホルムグレンはNBAの未来か?第2のショーン・ブラッドリーか?としました。
結論は、ショーン・ブラッドリーに簡単になれると思うなよ!としておきます。
ホルムグレンの未来が、ケガ無く素晴らしいものになるように。
応援していきましょう!
