35年間NBAを観つづけてきたわたくしリトルが、ブログを開設してちょうど1年となりました。
パソコンを買うところから始まり、四苦八苦してなんとか大好きなNBAの魅力を伝えようと、選んだ最初の記事が、この「カリーを翻弄した男!ホルムグレンはNBAの未来か?第2のショーン・ブラッドリーか?」でした。
ホルムグレンのプレーに衝撃を受け、この記事を作成しましたが、2022年8月20日にシアトルで開催された、プロアマリーグ「Craws Over」に出場し、レブロン・ジェームズの速攻をとめようとして右足を痛めます。
診断の結果、リスフラン関節の損傷で、2022-23シーズンを全休することになりました。
ホルムグレンは、現在行われている2023年のサマーリーグで、ようやく元気な姿をみせています。
2023年のドラフト1巡目全体1位のスーパールーキー、ビクター・ウェンバンヤマとの「ヒョロヒョロ テクニカル ビッグマン対決」が今から楽しみです。
ウェンバンヤマに注目が集まっている中、ホルムグレンにも光を!
ということで、今回は、記念すべき第1回目の記事をリライトして、ホルムグレンにエールを送りたいと思います。
レッツラゴー。
2022年ドラフト全体2位 チェット・ホルムグレンとは
213㎝ 88㎏のヒョロヒョロ体形。
ジャンプ力もあり、相手のシュートを叩き落すショットブロッカーとして一級品。
オフェンスでもガードのようなドリブルと、3ポイントラインの外から楽々と射ぬく卓越したシュート力を持っています。
高校2年生の時にはステフィン・カリーが主催したバスケットボールキャンプで、カリーと1on1で互角に戦い、注目をあびました。
当時すでに210㎝を超えていたホルムグレンは、カリーが得意とするビハインド・ザ・バックのクロスオーバーでカリーを抜き去り、カリーのショットをブロックし、カリーの上から3ポイントを決め、全米から注目される存在となったのです。
多くの名門大学から勧誘されたホルムグレンは、八村塁の母校ゴンザガ大学に進みます。
ホルムグレン ゴンザガ大学1年目スタッツ
14.1得点 9.9リバウンド 1.9アシスト 3.7ブロック FG60.7% 3P39.0%
素晴らしい個人成績を残しましたが、チームは期待されながらもNCAAトーナメント3回戦で姿を消しました。
ホルムグレンは1年で大学を去り、NBAの世界に飛び込む決意をしたのです。
2022年のNBAドラフトで、パオロ・バンケロ(オーランド・マジック)に次ぐ1巡目全体2位でオクラホマシティ・サンダーに指名されました。
同じサンダー所属のアレクセイ・ポクチェフスキー(213㎝ 86㎏)と並ぶと、それはもうスケールのでかいアンガールズ!
サマーリーグでも、ひときわ異彩を放ちます。
しかし、開幕前のケガで、1シーズン全休することになってしまったのです。
2023-24シーズン、ホルムグレンはNBAに旋風を巻き起こすことができるのか?
それとも・・・。
76ersの未来と言われた ショーン・ブラッドリーとは
長身ヒョロヒョロ白人で全体2位指名といえば、古くからのNBAファンなら思い出す選手がいるでしょう。
そう。76ersの未来と言われたショーン・ブラッドリーです。
1993年のNBAドラフト 1巡目全体2位でフィラデルフィア76ersに入団したブラッドリーは、ブリガムヤング大学の不動のエースとして、全米にその名を轟かせていました。
ブラッドリーの特徴はなんといっても229㎝というNBA歴代3位の高さ。
身長を生かしたブロックはもちろん、シュート力も兼ね備えた万能ビッグマンと高い評価を得ていました。
だだし・・・
背が高く、線が細い(デビュー時約100kg)選手は、期待外れが多く、ブラッドリーの場合も評価は大きく二つに分かれていました。
76ersの未来をになうスーパースターになるか?
ロールプレイヤーで終わっていくのか?
私も、大学時代バスケ部の仲間で議論したことを覚えています。
ヒョロヒョロの229㎝のブラッドリーのデビューに期待が集まる中、衝撃のニュースが飛び込んできました。
背番号がなんと「76」になったのです。
フィラデルフィア76ersで背番号76・・・。
当時、NBA解説の迷言連発マシーンこと結城昭二さんが、「76ersの未来背負わされてますね。ハハハ。」と言ったときに、これはフラグ立ったなと感じました。
実際は自分の身長229㎝=7フィート6インチ からとった76だったそうですが、あまりにもねえ、と思ったものです。
ルーキーシーズンは平均10.3得点 6.2リバウンド 3.0ブロックと、ショットブロッカーとしてまずまずの成績を残します。
しかし2年目に平均9.5得点 8.0リバウンド 3.3ブロックと伸び悩むと、76ersは早々に見切りをつけ、3年目のシーズン途中、ニュージャージーネッツ(現ブルックリンネッツ)に放出してしまいました。
76ersの未来を託されたブラッドリーは、「期待外れの代名詞」としてファンの記憶に残っているのです。
しかし、彼の挑戦は簡単には終わりませんでした。
76ers、ネッツ、ダラス・マーベリックスと渡り歩きながら、ロールプレイヤーとして12年間をNBAで過ごし、1996-97シーズンにはブロック王も獲得しています。
偉大なロールプレイヤーとして、NBAの長い歴史にその名を刻んでいるのです。
ブラッドリーの特徴として、非常に多くポスタライズされていることがあげられます。
ポスタライズとは、派手なダンクでディフェンスをなぎ倒している写真のことです。
もちろん、ブラッドリーはなぎ倒されているディフェンス役で、多くの有名選手の餌食になっています。
目の前で幾度も派手なダンクを決められ、スポーツ誌の1面を飾ってきたブラッドリーは、「NBA史上最も恥ずかしい思いをさせられた選手」と言われてきました。
しかし、ブラッドリー本人はポスタライズされる自身を、意外にもポジティブにとらえていました。
「ダンクに向かってくる選手を避けてはいけない。別にダンクされたっていいじゃないか。また次へ進めばいい。」
なんてかっこいい・・・
渡邊雄太選手も、アンソニー・エドワーズにポスタライズされた時に、同じように語っていましたね。
当時のトップセンター オラジュワン、ユーイング、ロビンソン、シャックなどそうそうたる名選手たちに真正面から立ち向かってきたからこそ、ブラッドリーは世界最高峰のNBAの舞台で、12年間もの長きにわたって活躍できたのです。
生涯成績は 832試合に出場し、8.1得点 6.3リバウンド 0.7アシスト 2.5ブロック。
ロールプレイヤーとしては十分な活躍でしたが、「ドラフト全体2位指名」「背番号76番でデビュー」という当初の期待値から、期待外れの選手として名前があがるようになってしまいました。
ちょっと気の毒ですね。
ショーン・ブラッドリーの現在
そんなブラッドリーの衝撃のニュースが一昨年飛び込んできました。
ユタ州セントジョージの自宅近くで自転車走行中に、後方から車に追突され、脊髄を損傷して下半身不随になったというのです。
NBA引退後、テキサス州アーリントンにあるルーカス高校バスケットボール部のコーチとして働いていたブラッドリー。
NBAの舞台で走り回っていたブラッドリーは下半身不随となり、懸命にリハビリに励んでいるそうです。
自暴自棄になってもおかしくない状況ですが、ブラッドリーは「今回の事故で、自転車の安全の重要性に対する世間の関心を高めていきたい。」と話しているそうです。
どこまでもポジティブ。
どんな試練があっても、そこに意味を見出し前向きに生きていく。
熱心なモルモン教徒であり、高校生を指導する立場でもあるからこそのポジティブ思考なんでしょうか。
私もブラッドリーを見習って、細かいことにクヨクヨせず、前向きに生きていかねば!
ホルムグレンの未来予想図 怪我さえなければ
チェット・ホルムグレンの能力は、世界中の一握りのトップ選手が集うNBAの中でも突出しています。
KD(ケビン・デュラント)のようなスーパースターになる可能性もあるのではないでしょうか。
ホルムグレンの一番の心配は213㎝ 88㎏という細さから来る怪我のリスクでしょう。
現に、1年目はケガでシーズン全休となってしまいました。
これまで、チャールズ・バークレー、シャック、オリバー・ミラーやザイオンなど、体重超過で怪我を心配された選手はいましたが、ここまでガリガリで心配されるトップ選手も珍しいですね。
231㎝ 91㎏のマヌート・ボル(ボル・ボルの父 ウォリアーズや76ersなどで活躍)にはかないませんが・・・。
体質的に難しいかもしれませんが、長くNBAの世界で闘っていくために、筋肉をつけて、ある程度あたり負けしない身体をつくってほしいです。
今回のタイトルは、「ホルムグレンはNBAの未来か?第2のショーン・ブラッドリーか?」としました。
結論は、ショーン・ブラッドリーに簡単になれると思うなよ!としておきます。
ホルムグレンの未来が、今後大きなケガ無く、素晴らしいものになるように。
応援していきましょう!
