【ヒューストン・ロケッツまとめ】強豪復活? シェングン バンブリート ブルックス 

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先日オクラホマシティ・サンダー好調の理由を記事にまとめました。

記事の中で、今年のサプライズチームとしてオーランド・マジック、ミネソタ・ティンバーウルブズ、オクラホマシティ・サンダーを挙げましたが、もう一つインパクトの大きいチームを忘れていました。

ヒューストン・ロケッツです。

サプライズチームとしてあげた3チームに比べ、順位は下ですが、サプライズという意味では上かもしれません。

なんといっても2022-23シーズンは22勝60敗で30チーム中28位タイ、その前の2シーズンはリーグ最下位だったチームですから。

今回の記事では今シーズン最もインパクトの大きな変革を起こしている、ヒューストン・ロケッツについてまとめます。

目次

2023-24 ヒューストン・ロケッツのチーム状況

まずは今シーズンのロケッツの成績をまとめましょう。

比較するため、昨シーズンの成績ものせています。

ヒューストン・ロケッツ成績 2023₋24は12月22日現在

2022-23 22勝60敗(ウエスト14位タイ) 勝率.268 110.7得点(リーグ28位) 118.6失点(リーグ28位)
        ⇩
2023-24 13勝12敗(ウエスト8位)    勝率.520 112.7得点(リーグ22位) 109.2失点(リーグ 2位)

違いは一目瞭然です。

得点に関しては昨シーズンと変わらないものの、失点がリーグ28位 ⇨ 2位と大きく改善し、勝ち越しています。

開幕から、マジック、スパーズ、ウォリアーズと3連敗した時には、「ああ、今年もか・・・」と思いましたが、そこから破竹の6連勝!

その後は連勝と連敗を繰り返し、やや不安定な状況ですが、強豪ぞろいのウエスタンカンファレンスの中で十分に戦えています。

昨シーズンまでのロケッツを考えると、すごい進歩ですね。

ロケッツ好調の理由

昨シーズンまでリーグの底辺をさまよっていたロケッツが、勝率5割を超えてきた理由を、3つあげていきたいと思います。

好調の理由① アルペレン・シェングンの成長

今シーズンのロケッツが好調な理由を語るとき、まずはシェングンの成長をあげないわけにはいかないでしょう。

211㎝ 110㎏のセンタープレイヤー、アルペレン・シェングンは、自らアタックするだけでなく、得意のパスでロケッツのオフェンスを活性化しています。

ディフェンス力もまずまずで、リムプロテクターとしては弱いものの、及第点の守備をみせていますね。

2021年のNBAドラフト1巡目全体16位で指名されたシェングンは、今シーズン3年目の21歳です。

ちなみにルーキーデビューの2021-22シーズン開幕前に発売された、雑誌ダンクシュート責任編集「NBAコンプリートガイド」のシェングンの紹介記事を見てみると・・・

「運動能力に秀でているわけではないが、足運びがスムースでハンドリングも良い。ローポストから多彩なムーブで得点をあげるだけでなく、フリーの見方を見つけ出し、PGを思わせる巧みなボール捌きで他者のシュート機会も作り出す。拙いアウトサイドシュートなどウィークポイントを克服してプレーの幅が広がれば、二コラ・ヨキッチ(ナゲッツ)のような万能型ビッグマンとして大成するかもしれない。」

いや、NBAで1試合もプレーしていない状態で、この記事を書いてしまうダンクシュートの記者、恐るべしですね。

まるで今シーズンのプレーを観て、記事にしているようです。

昨シーズンと今シーズンのスタッツを比べてみると・・・

アルペレン・シェングン スタッツ

2022-23 14.8得点 9.0リバウンド 3.9アシスト 0.9ブロック 3P33.3% FG55.3%
        ⇩
2023-24 19.7得点 8.9リバウンド 5.2アシスト 0.9ブロック 3P29.3% FG52.9% 

平均得点が5点アップし、アシスト数も大きく伸びています。

ベイビーヨキッチと言われるのもわかりますね。

3ポイントの確率が落ちていますが、これは積極的に3ポイントシュートを狙っていることも関係しています。

昨シーズンは1試合平均0.8本しか3ポイント打っていませんでしたが、今シーズンは1試合平均2.3本打っています。

弱点と言われているアウトサイドシュートを積極的に狙い、克服する意思が感じられますね。

今の状況でも、NBAのセンターでトップクラスだと思いますが、シェングンはまだ21歳。

今後ヨキッチのように、圧倒的な支配力をもつセンターに成長する可能性も大いにあります。

トルコの至宝は、NBAの世界でも光り輝くスーパースターへと昇りつめていくのでしょうか?

好調の理由② 移籍組のベテランの活躍

昨シーズンまでの3シーズン、ロケッツは弱いだけでなく、観ていて面白くないチームでした。

能力の高い若手プレーヤーはいるものの、選手が好き勝手に攻撃する、秩序のないチームだったロケッツ。

ロケッツのフロントは、昨シーズン終了後に大きく動きます。

チームに秩序を持ちこむため、3人の選手を獲得したのです。

トロント・ラプターズから司令塔のフレッド・バンブリート。

メンフィス・グリズリーズからディフェンス力の高いスウィングマン、ディロン・ブルックス。

そしてデンバーナゲッツからは、NBAキャリア16シーズン目の超ベテラン、昨年ついにチャンピオンリングを勝ちとったジェフ・グリーン。

3人の経験豊富なプレーヤーが、負け癖のついていたロケッツを、戦う集団に変えています。

フレッド・バンブリート

22得点11リバウンドを記録したホーネッツ戦

バンブリートの契約は、3年1億3000万ドル(約187億2000万円 1㌦=144円)。

身長183㎝のポイントガードにこのMAX契約は、「正気の沙汰ではない」「ロケッツが血迷った」とSNSでは散々な言われようでした。

確かに、スーパースターとは言えないバンブリートには、あまりにも不釣り合いな契約であることは否めません。

ロケッツでのバンブリートのスタッツをまとめると・・・

17.7得点 4.4リバウンド 9.0アシスト FG39.7% 3P38.8%

今シーズンのサラリーが4081万ドル(約58億7664万円)であることを考えると、もちろん物足りないとは思いますが、サラリーを抜きにして考えると、ポイントガードとして十分なスタッツを残しています。

3ポイントシュートは、1試合平均7.8本打って、3本決めているので、そこそこ優秀。

アルペレン・シェングンとのピック&ロールも、大きな武器になっています。

何より、バンブリートはこれまで若手が好き放題に攻めていたチームに、秩序をもたらしました。

今シーズンのロケッツは、昨シーズンまでに比べると、試合のテンポがかなり遅くなっているように感じます。

これは後述するヘッドコーチの交代によるところが大きいかと思いますが、安心してゲームコントロールを任せられる司令塔、バンブリートの存在が大きいのでしょう。

ディロン・ブルックス

古巣メンフィス・グリズリーズ戦 トリビュート映像に感動している感じが好き

ブルックスの契約は、4年8000万ドル(約115億2000万円)とこちらも予想以上の大型契約となり、批判が渦巻きました。

なにしろブルックスは、メンフィス・グリズリーズをお払い箱になった選手でしたから。

これまでも数々のトラブルを巻き起こしてきたブルックスは、昨シーズンのプレーオフ1回戦でロサンゼルス・レイカーズと戦った際、レブロン・ジェームズを「老害」と挑発。

38歳のレジェンド、レブロンに対する敬意を欠いた暴言には、世界中から批判が集まりました。

さらに暴言後の第3戦で、ブルックスはドライブをしかけてきたレブロンの股間を殴り退場。

ブルックスとグリズリーズへのクレームは、日に日に大きくなり、完全にNBAの悪役チームとなります。

最終的に、レギュラーシーズン2位でプレーオフに挑んだグリズリーズは、7位のレイカーズに2勝4敗で敗れ、ブルックスは戦犯と言われました。

激しい闘志で、敵をシャットアウトするディフェンス力をもつブルックスですが、オフェンス面では確率のよくないシュートを乱発する悪い癖もあります。

レイカーズとの6試合では、チームで2番目に多い42本もの3ポイントを打ち、10本しかきめることはできませんでした(23.8%)。

ちなみにレイカーズとのシリーズで1番3ポイントシュートを放ったデズモンド・ベインは、50本の3ポイントのうち16本(32%)、3番目のジャ・モラントは31本中13本(41.9%)決めています。

効率の悪いシュートを乱発し、トラブルを繰り返すブルックスに、グリズリーズフロントは、「いかなる状況においても再契約はしない」と、異例ともいえる強い言葉で決別を宣言しました。

こうした経緯の中、ヒューストン・ロケッツが4年8000万ドルという破格の契約を結んだため、批判が渦巻いたのです。

ロケッツでのブルックスのスタッツをまとめると・・・

14.5得点 3.6リバウンド 1.6アシスト FG48.3% 3P41.7%

及第点の成績を残しています。

特に3ポイントは高い確率で沈めていますね。

特筆すべきは、シュートを乱発しなくなったこと。

昨シーズンは1試合平均6.0本3ポイントシュートを打ち、成功率は32.6%でしたが、今シーズンは平均4.8本しか打たず、41.7%と高い確率を残しています。

ブルックスの真骨頂は激しいディフェンス。

今シーズンロケッツのディフェンスが大きく改善し、最大の武器となっていることは、ブルックス加入の影響が大きいですね。

これまでの活躍をみていると、今シーズンのブルックスのサラリー2263万ドル(32億5872万円)も妥当に思えてしまいます。

ジェフ・グリーン

優勝したナゲッツの一員だったグリーン

バンブリート、ブルックスに比べると地味な補強ですが、若手にとって大きな存在となっているのが、昨年NBA15年目にして、念願のチャンピオンリングを獲得したジェフ・グリーン。

デンバー・ナゲッツでは、要所でチームを救う活躍をみせ、見事に優勝に貢献しました。

FAとなり、ナゲッツをはじめ多くのチームから関心を寄せられたグリーンが選んだのは、若い選手が集まるヒューストン・ロケッツ。

ロケッツから期待される役割は、コート上だけでなく、ロッカールームでもリーダーシップを発揮することでした。

2011年には胸部大動脈瘤が発見され、開胸手術を行い、シーズンを全休したジェフ・グリーンが37歳の今でも、元気にコートを走り回っている姿は、奇跡としか言いようがありません。

現役生活16シーズン目のグリーンは、ロケッツが延べ13チーム目となるジャーニーマン。

グリーンの経験の数々は、説得力のある言葉となって、若い選手たちを支えています。

ロケッツでのジェフ・グリーンのスタッツをまとめると・・・

7.2得点 2.2リバウンド 0.7アシスト FG57.0% 3P33.3%

スタッツをみると、特筆すべきものはないようにも感じますが、1試合平均15.7分の出場で7.2得点を記録、フィールドゴール成功率が57%と考えると、すごく効率のいい選手です。

試合終盤でも活躍できるメンタリティーも持っています。

何より若手、特に今年2年目のスター候補、ジャバリ・スミスJr.の指南役としては、もってこいの人物だと思います。

グリーンの獲得は、ロケッツ躍進の大きな理由の一つになっていますね。

好調の理由③ イメイ・ウドカHC

2021年1月にジェームズ・ハーデンがチームを去ってからのロケッツは、リーグの最下位が定位置のチームでした。

能力の高い若手が、好き勝手にプレーするイメージは、強豪校出身の選手が集まった大学のバスケサークルのようなノリだったように思います。

ハイライトシーンをみると、凄いプレーをしているのですが、いざ試合を観ると全然面白くない・・・そんなチームでした。

現状を打破するべく、ロケッツのフロントが動いた今年のオフ、選手獲得と同時に、改革の目玉となったのがヘッドコーチの交代でした。

チームを託されたのは、イメイ・ウドカ。

ボストン・セルティックスでは就任1年目からチームをNBAファイナルに導いた、能力の高いヘッドコーチです。

ただ、ロケッツがウドカをヘッドコーチに招聘するというニュースが流れた時も、これまた批判が渦巻きましたねえ。

なんといっても、セルティックスの球団女性職員との不適切な関係のため、1年間の活動停止処分をくらっていましたから。

一時はブルックリン・ネッツが、「スティーブ・ナッシュHCの後任に、ウドカを招聘」という噂が流れましたが、あまりに大きな批判が巻き起こったこともあり、話は立ち消えました。

正直わたくしリトルもウドカの手腕には疑問符をつけていましたが、シーズンが始まってみると、ディフェンスを武器としたチームの構築に成功していますね。

誰に対しても、厳しく物事をはっきり伝えるタイプといわれるウドカは、負け癖のついていたロケッツの選手たちの意識を変えました。

楽しく勝手にプレーしていた大学サークルが、熱血指導者が来て部活になったかのようです。

正直、ウドカがここまでチームを掌握し、戦う意識を植え付けることができる指導者だとは思っていなかったので、びっくりしています。

あとは、エッチな失敗を再び起こすことがないよう、気をつけてもらいたいと思います。

ロケッツの不安要素

現在、ウエスタンカンファレンス8位と、なんとかプレーイン圏内(10位以内)にいるロケッツ。

不安要素としては、今後負けがこんできた時に、昨年までの負け癖が顔をだすことが挙げられます。

主力選手のケガによる離脱などで一時的に戦力が落ちても、強豪チームの場合チーム力でなんとか乗り越えることができますが、3シーズンにわたって最下位争いを続けてきたロケッツは、そのチーム力が脆弱です。

勝者のメンタリティが、浸透していないのです。

バンブリートやブルックス、ジェフ・グリーンが、身をもって若い選手たちに伝えているところですが、〝勝者のメンタリティ″は、結果を残してこそ伝わるものだと思います。

もし、今シーズンこのまま勝ち越してレギュラーシーズンを駆け抜け、プレーイントーナメントを勝利し、プレーオフに進むことになれば、ロケッツの選手たちは大きな自信を手にするでしょう。

しかし、シーズン途中でチームが失速してしまうと、昨シーズンまでの負け犬根性が顔を出し、チームが崩壊してしまう危険性もあると思います。

まあ、ベテラン選手とウドカHCがつくりあげたディフェンス主体の現在のチームをみていると、心配ないのかもしれませんが。

とにかく、アルペレン・シェングン、ジェイレン・グリーン、ジャバリ・スミスJr.などの若手が、勝利するメンタリティを学び、強いロケッツの時代が再来することを期待しています。

まとめ

今回は今シーズン、復活の兆しをみせているヒューストン・ロケッツについて語りました。

オフシーズンの補強、ヘッドコーチの交代については、大きな批判が飛び交い、「ロケッツは迷走している」と言われていましたが、いまのところは確実に正しい方向に向かって進んでいるように思います。

昨シーズンのロケッツと比べて、今シーズン一番大きく変わったのが、試合が面白いこと。

「いくら派手なプレーが多くても、秩序がないチームの試合は、面白くないんだなあ」と、再認識させられました。

戦力的にみると、現実的な目標はプレーイントーナメント進出かと思いますが、まだまだ私たちを驚かせてくれるかもしれませんね。

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