3回にわたってNBAオールスター2024に出場する24名の選手について語ってきましたが、残念ながら2名の選手がケガのため欠場となってしまいました。
今回は欠場する2人の選手の怪我の具合と、代替選手として選ばれた選手の紹介をしたいと思います。
ちなみに、スタッツは2月9日時点のものです。
それではさっそく、レッツラゴー。
欠場するエンビード&ランドル 怪我の具合
欠場する選手は、フィラデルフィア・76ersのジョエル・エンビードと、ニューヨーク・ニックスのジュリアス・ランドルです。
いやあ、残念ですね。
特にエンビードは、今シーズン圧倒的なモンスタースタッツを残しており、1月末時点では間違いなくシーズンMVP最有力候補でした。
1試合平均35.3得点 11.3リバウンド 5.7アシストと、シーズンMVPを初受賞した昨シーズンをも大きく上回る活躍をみせていたエンビード。
エンビードに引っぱられるように、現地時間1月25日に行われたインディアナ・ペイサーズ戦を終えた時点で、76ersは29勝14敗、イースタンカンファレンス3位と、健闘をみせていました。
しかしエンビードは続く2試合を、膝の痛みで欠場。
迎えた1月30日のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦、エンビードは出場しますが、膝の状態がよくないのは画面越しでも伝わってきました。
第4クオーター、ルーズボール争いの際に、ウォリアーズのジョナサン・クミンガがエンビードの左膝の上に倒れこむ形になり、プレー続行が不可能になります。
結果は左膝概則半月板損傷。
エンビードは手術を受け、4週間後に再評価を受けることとなりました。
1月25日の時点でイースタンカンファレンス3位の29勝14敗を記録していた76ersは、ウォリアーズ戦を含むその後の7試合を1勝6敗とし、2月9日時点で30勝20敗カンファレンス5位と後退しています。
エンビードは、初優勝に向けて3月末に復帰する可能性もあるとされていますが、エンビードが抜けた76ersが、プレーオフ進出を果たせるかは微妙なところかと思います。
個人的には、エンビードは今シーズンはしっかり休んで、来シーズンに勝負をかけた方がいいと思うのですが・・・。
今シーズン、最もシーズンMVPに近い選手だったエンビードでしたが、2年連続の獲得は不可能になってしまいました。
今シーズンから、アワード受賞のためには65試合出場という壁ができましたからね。
まあ、エンビードのことですから、優勝以外はどうでもいいのかもしれませんが・・・。
エンビードがいない間、今回オールスターに初出場するタイリース・マキシーを中心に、各選手がレベルアップすることが、来シーズンに繋がってくるでしょう。
もう一人の欠場者、ニューヨーク・ニックスのジュリアス・ランドルは、比較的早期の復帰が可能のようです。
現地時間1月27日に行われたマイアミ・ヒート戦の第4クオーター、リングへ向かってドライブし、ジャンプしたランドルは、テイクチャージを狙ったハイメ・ハケスJr.と接触。
ランドルは着地の際、体制を崩し右肩に自分の全体重が乗るかたちとなり、右肩をおさえ苦悶の表情を浮かべながらロッカールームへ去っていきました。
診断の結果は右肩の脱臼。
当初は外科手術のため、長期離脱になるのでは?との噂が出ましたが、今のところ保存療法で2~3週間後に再検査を受ける予定のようです。
ランドルの早い復帰を祈ります。
2月8日現在、ニューヨーク・ニックスは33勝18敗、イースタンカンファレンス4位と波に乗っていますからね。
直近11試合を10勝1敗としているニューヨーク・ニックスですが、さすがにインサイドの要、ランドルがいないときついと思います。
これでニックスの勢いが落ちないようなら、またランドル不要説が出ちゃいそうで・・・。
チームイースト 代替出場選手紹介
トレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)
トレイ・ヤング
ポイントガード
背番号 11
生年月日 1998年9月19日生まれ(25歳)
出身地 テキサス州ラボック
出身校 オクラホマ大学
身長体重 185㎝ 74㎏
今季年俸 4006万ドル
ドラフト 2018年1巡目5位
受賞歴
オールNBA3rdチーム(2022)
NBAオールスター×2(2020 22)
2023-24シーズンスタッツ
46試合出場 27.1得点 2.8リバウンド 10.9アシスト FG43.2% 3P38.0%
通算スタッツ
399試合出場 25.7得点 3.6リバウンド 9.5アシスト FG43.7% 3P35.5%
現役屈指の攻撃型ポイントガード、トレイ・ヤング。
シュートレンジの広さと、華麗なアシストは、ホークスの試合をよりエキサイティングなものにしています。
ファンからの人気も高く、今回のオールスターファン投票では、イースタンカンファレンスのガード部門で、タイリース・ハリバートンに次ぐ2位。
しかし、メディア投票と選手間投票では、ともに6位に終わりスターターの座を逃し、さらにはコーチ選出でも名前が挙がることはありませんでした。
イースタンカンファレンスのオールスター12人から漏れたのは、チーム成績とプレースタイルによるものだと思われます。
所属するアトランタ・ホークスは、2月8日現在22勝29敗でイースタンカンファレンス10位。
思うように勝ち星を伸ばすことができていません。
チームが勝てないと問題になるのが、トレイ・ヤングのボールを独占するプレースタイル。
1試合平均10.9アシストと司令塔として優秀なヤングですが、チームが勝てないと責任を負わされるのも、エースの宿命です。
3年目のフォワード、ジェイレン・ジョンソンが今シーズン大きく成長していることで、ホークスがのフロントが、チームの大改革を行う可能性も大いにあります。
今のところ、ジェイレン・ジョンソンとトレイ・ヤング以外は、トレード対象と噂されているホークスですが、今シーズンチーム状態が改善しない場合、ヤングを含めたビッグトレードに踏みきるかもしれません。
2020-21シーズン、プレーオフのカンファレンスセミファイナルで、1stシードのフィラデルフィア・76ersを4勝3敗で下した時のように、大暴れするトレイ・ヤングの姿を、もっと観たいですねえ。
正直、今シーズンもモンスタースタッツを残すヤングは、イーストのスターターとして選出されてもおかしくないほどの活躍をみせています。
本人も代替出場には複雑な思いもあるでしょうが、その怒りをプレーにぶつけてほしいですね。
2001年のNBAオールスターで、第4クオーターに21点差を逆転した時のアイバーソンやステフォン・マーブリーのような、マジなトレイ・ヤングを観てみたいんですけど・・・。
華のあるヤングのことですから、オールスターではアッと驚くプレーで楽しませてくれるでしょう!
スコッティ・バーンズ(トロント・ラプターズ)
スコッティ・バーンズ
パワーフォワード
背番号 4
生年月日 2001年8月1日生まれ(22歳)
出身地 フロリダ州ウエストパームビーチ
出身校 フロリダ州立大学
身長体重 203㎝ 102㎏
今季年俸 801万ドル
ドラフト 2021年1巡目4位
受賞歴
NBA新人王(2022)
2023-24シーズンスタッツ
51試合出場 20.2得点 8.0リバウンド 5.7アシスト FG47.8% 3P36.2%
通算スタッツ
202試合出場 16.5得点 7.3リバウンド 4.6アシスト FG47.5% 3P31.8%
今回のオールスターで、最も驚きの選出となったスコッティ・バーンズ。
正直、エンビードの欠場が決まった時は、クリーブランド・キャバリアーズのインサイドを支えているジャレット・アレンが代替選手として選ばれるかと思っていました。
もしくは今回インディアナポリスで行われるため、ラプターズからペイサーズに移籍したばかりの、パスカル・シアカムでもいいかなと思っていたのですが・・・。
リーグが選んだのは、シアカムが去ってラプターズの新エースとなったバーンズでした。
2022年の新人王は、3シーズン目の2023-24シーズン、大きな成長をみせています。
平均得点は昨シーズンより5点近くアップし、20点の大台に乗っていますし、リバウンドとアシストも昨シーズンより大きく伸ばしています。
ラプターズではスモールフォワードとして活躍しているバーンズですが、大学時代はポイントガードとして出場していました。
プレーメイク能力は、折り紙つきです。
身長203㎝に対して、ウイングスパンは驚異の221㎝!
圧倒的な腕の長さと機動力を生かしたディフェンスでも、チームに貢献しています。
プレーメイクもでき、ガードもビックマンも守れるところは、ドレイモンド・グリーンとよく比較されていますね。
得点力においては、はるかにバーンズの方がリードしていますが・・・。
2024年1月17日(現地時間)、トロント・ラプターズが長年エースを務めてきたパスカル・シアカムを、インディアナ・ペイサーズに放出したのも、バーンズの成長に手ごたえをつかんだことが一因となっていると思います。
残念ながら、2月9日現在ラプターズは18勝33敗と大きく負け越し、イースタンカンファレンス12位に沈んでいますが、バーンズを中心に、今後チームを再構築していくでしょう。
今シーズンから、育成力に定評のあるダーコ・ラシャコビッチHCが指揮をとるラプターズにとって、バーンズにかける期待はとても大きなものです。
弱冠22歳で、オールラウンドな活躍をみせるバーンズ。
彼の成長に、ラプターズの未来がかかっていると言っても過言ではないかもしれません。
まずはオールスターでインパクトを残す活躍をみせてほしいんですが・・・どちらかというと、スーパースターたちに遠慮しちゃいそうですね。
まとめ
今回は、NBAオールスター2024に選出されながら、ケガのため辞退となったジョエル・エンビードとジュリアス・ランドルについて、その二人に代わって選出されたトレイ・ヤングとスコッティ・バーンズについて語りました。
正直ウエスタンカンファレンスでは、サクラメント・キングスのディアーロン・フォックス&ドマンタス・サボニス、ミネソタ・ティンバーウルブズのルディ・ゴベア、ユタ・ジャズのラウリ・マルカネンなど、大活躍しているプレーヤーが落選していることを考えると、バーンズの選出には疑問符もつきますが・・・。
やはり西にスタープレーヤーが偏っているので、仕方がないですね。
とにかくバーンズに言いたいことは「ディフェンスかましちゃえよ!」。
ここ数年のオールスターのざるディフェンスぶりには、正直辟易しています。
ケガをしては元も子もありませんが、世界中のファンが注目しているのですから、ある程度の真剣勝負をみせてほしいですね。
1990年代~2000年代も、ある程度の手抜きディフェンスはありましたが、最終クオーターには、プライドのぶつかり合いが見えたんですがねえ。
2001年のアイバーソン&マーブリー中心の大逆転劇は特別にしても、それなりにマジになる時間帯がありました。
昨年は最後までまったく緊張感のない、お遊びゲームでファンから不評を買ったNBAオールスターゲーム。
それでも、今年こそはと期待してしまうのも、オールスターなんです。
とにかく日本時間2月17日(金)からのオールスターウイークエンド、そして2月19日(月)のオールスター本戦を、心行くまで楽しみましょう!