2026年のNBAも、残すはファイナルのみとなりました。
「エイリアン」がわずか3年でNBAを支配してしまうのか。
それとも「プレデター」が迎え撃つのか?
ここまでワクワクするNBAファイナルは、ひさしぶりかもしれません。
今回はスパーズとニックスのチーム成績とスタッツを比較し、両チームの選手について語っていきたいと思います。
NBAファイナル観戦のおともにどうぞ!
スパーズvsニックス チーム成績比較
まずは今シーズン(レギュラーシーズン)の成績を比較していきましょう。
サンアントニオ・スパーズ
62勝20敗(リーグ2位 ウエスト2位)
オフェンシブレーティング 119.6(4位)
ディフェンシブレーティング111.3(3位)
ニューヨーク・ニックス
53勝29敗(リーグ6位 イースト3位)
オフェンシブレーティング 119.8(3位)
ディフェンシブレーティング113.3(7位)
スパーズがニックスより9試合多く勝利していますが、両チームとも攻守バランスがとれたチームであることがお分かりいただけるでしょう。
ちなみにオフェンシブレーティングとは、「100回のポゼッション(攻撃機会)で何点とれたか」の指標です。
ディフェンスも同様に「100ポゼッション当たり相手に何点与えたか」の指標となります。
ちなみに昨シーズン、ニックスはオフェンシブレーティングが118.5でリーグ5位、ディフェンシブレーティングが114.3でリーグ14位でした。
昨シーズンもまずまずでしたが、今シーズンは攻守ともに少しづつスタッツがよくなっています。
それに対してスパーズの昨シーズンをみてみると、オフェンシブレーティングが114.4でリーグ19位、ディフェンシブレーティングにいたっては117.2でリーグ25位と、まるで今年とは別チーム。
昨シーズン34勝48敗と大きく負け越していたスパーズが、今シーズンNBAファイナルまで進んできた理由は、攻守ともに異次元の成長をみせたからにほかならないでしょう。
もちろんチームの中心はビクター・ウェンバンヤマですが、昨シーズン新人王を受賞したステフォン・キャッスルや、今シーズンのドラフト2位ルーキー、ディラン・ハーパー、今シーズンの6thマン・オブ・ザ・イヤーに輝いたケルドン・ジョンソンや、経験豊富なディアーロン・フォックスなど、一人ひとりが成長をみせ、チームとしてまとまり、一気にチーム力がアップしています。
昨シーズン34勝でウエスタンカンファレンス14位だったチームが、一気に62勝をあげる強豪チームとなり、王者サンダーのシーズンを終わらせるとは、誰が想像したでしょうか?
両チームのオフェンシブレーティング、ディフェンシブレーティングを比較すると、あまり大きな差はありません。
オフェンスはどちらもかなり高水準。
スパーズにはウェンバンヤマ、ニックスにはブランソンという絶対的エースがおり、どちらもその周囲にスコアリング能力の高い選手がそろっています。
ディフェンスに関しては、タイプが違う両チーム。
スパーズはNBA史上でもトップクラスのリムプロテクターであるウェンバンヤマを中心とした強固なディフェンスシステムを構築しています。
ステフォン・キャッスルも今シーズン最強クラスの1on1ディフェンダーとして、大きく成長しましたね。
対するニックスは、リムプロテクターとしては評価が低いタウンズを、ミケル・ブリッジズ、ジョシュ・ハート、OG・アヌノビーら強力なペリメーターディフェンダーがカバーするスタイルで、敵を抑え込んできました。
はたして、ニックスのディフェンススタイルで、ウェンバンヤマを抑え込むことができるのか?
ファイナルの行方を占う大きな要素になると思います。
スパーズvsニックス スタッツ比較
次に両チームのスタッツを比較してみましょう。
サンアントニオ・スパーズ
47.0リバウンド(リーグ2位)
28.1アシスト(リーグ9位)
8.1スティール(リーグ19位)
5.5ブロック(リーグ8位)
13.5ターンオーバー(リーグ4位)
ニューヨーク・ニックス
45.0リバウンド(リーグ8位)
27.4アシスト(リーグ13位)
7.5スティール(リーグ24位)
3.9ブロック(リーグ29位)
13.6ターンオーバー(リーグ5位)
主要スタッツをみると、すべての項目でスパーズがリードしています。
一番差が大きいのがブロックですが、これはもうウェンバンヤマと、ニックスビッグマンとの差でしょう。
また、両チームともターンオーバーが少ないチームであることも共通しています。
いかにミスを少なくできるかが、ファイナルでの一つのキーポイントになるでしょう。
選手比較 PG フォックスvsブランソン
ここからは、各ポジションの選手比較をしていきましょう。
まずはポイントガード。
ディアーロン・フォックス
2025-26RS 72試合出場
18.6P 3.8R 6.2A 1.2S
FG48.6% 3P33.2% FT76.0%
2025-26PO 16試合出場
16.4P 4.0R 5.9A 1.3S
FG43.5% 3P31.1% FT73.1%
ジェイレン・ブランソン
2025-26RS 74試合出場
26.0P 3.3R 6.8A 0.8S
FG46.7% 3P36.9% FT84.1%
2025-26PO 14試合出場
26.9P 2.8R 6.6A 0.9S
FG48.6% 3P35.2% FT83.9%
フォックスは2023年に、ブランソンは2025年に、クラッチプレイヤー・オブ・ザ・イヤー(CPOY)を受賞したという共通点をもつ2人ですが、現在チームにおける役割は大きく違います。
ブランソンはニックスの不動のエースとして、得点を量産。
勝負強さも圧倒的で、今年のプレーオフでも数々の印象深いショットを決め続けています。
反対にフォックスは、ベテランポイントガードとして(といってもまだ28歳ですが)、若い選手の良さを引き出すプレーに努めていますね。
CPOYを受賞した2022-23シーズンは、サクラメント・キングスのエースとして1試合平均25.0得点を記録していたフォックスですが、ウェンバンヤマやキャッスルとプレーする現在は、自らの得点はやや控えめです。
右足首の捻挫の状態もあり、無理なドライブは控えているようですね。
自身がエースの時とは違い、クラッチタイムの信頼感もやや薄らいでいる様子。
やはり「俺が決めるしかない」というエースメンタリティーがないと、決定率も落ちますよねえ。
なんといっても、ウェンバンヤマという史上屈指の才能をもつエースがいますから仕方がありません。
ただ、チームがバタバタしだした時に、チームを落ち着かせることができる安心感がフォックスにはあります。
キャッスルとハーパーが想像以上に若くして高い能力を発揮する中、一部ではフォックス不要論まで出ていましたが、OKCとの第7戦を観て「フォックスはやっぱり必要だなあ」と思いました。
ブランソンに関してはもう説明不要でしょう。
ビラノバ三銃士の一人であり、チーム不動のエースブランソンは、188㎝と小柄ながら、ビッグショットを決め続け、ニューヨークの新しい象徴となっています。
これまでニューヨーク・ニックスの象徴といえばパトリック・ユーイングでしたが、当時のユーイングは賞賛されるのと同じくらい批判もされていました。
大都会ニューヨークのファンは、本当に厳しいですから。
ニックスの歴史で、ここまで批判の声が少ないエースは、ブランソンが初めてじゃないでしょうか?
マブスから大型契約でニックスに加入したときに、思いっきり批判が集まっていましたが、実力で批判の声を賞賛に変えてきたブランソンには、主人公感を感じます。
ブランソンは自らの活躍でファイナルを制し、本当に2025-26シーズンのNBAの主人公となることができるのか?
今もっとも頼りになる選手です。
選手比較 SG キャッスルvsブリッジズ
次にシューティングガードをみてみましょう。
ステフォン・キャッスル
2025-26RS 68試合出場
16.7P 5.3R 7.4A 1.1S
FG47.1% 3P33.2% FT73.4%
2025-26PO 18試合出場
19.2P 4.9R 6.7A 1.0S
FG48.1% 3P36.3% FT81.8%
ミケル・ブリッジズ
2025-26RS 82試合出場
14.4P 3.8R 3.7A 1.3S
FG49.0% 3P37.1% FT82.7%
2025-26PO 14試合出場
14.6P 3.1R 2.5A 1.1S
FG58.6% 3P34.1% FT100%
攻守ともに優れた能力をもつ二人。
スパーズのシューティングガードは、昨シーズンの新人王ステフォン・キャッスル。
NBA2年目の21歳とは思えないほど、堂々としたプレーでスパーズにエナジーを注入し続けています。
プレーオフに入ってからはさらにギアをあげ、平均20得点にせまる勢いです。
衝撃的なダンクが印象的なキャッスルですが、注目すべきは対人ディフェンスの強さ。
残念ながらNBAオールディフェンシブチーム入りはなりませんでしたが、NBAトップクラスのペリメーターディフェンダーとしても評価を高めているキャッスル。
強度の高いNBAファイナルでは、キャッスルのディフェンス力は大きな武器となるでしょう。
対するブリッジズも対人ディフェンスの強さには定評があります。
昨シーズンのカンファレンスセミファイナルでは、ボストン・セルティックス相手に2試合連続でクラッチスティールを決め、ニックスに勝利を呼びこみました。
身長198㎝に対し、ウイングスパンは215㎝と、長い腕をもち、機動力もあわせもつブリッジズは、高いディフェンス力とシュート力をあわせもつ万能プレイヤーですね。
ちなみに今シーズンNBAでもっともコーナー3を沈めた選手でもあります。
1stラウンドのホークス戦では、オフェンス面で消極的な姿勢(10.0得点)が批判され「スターターから外すべき」という声も上がっていましたが、カンファレンスセミファイナルの76ers戦(17.5得点)、カンファレンスファイナルのキャブス戦(18.5得点)と調子を上げ、自らの価値を証明しています。
スパーズの強力なガード陣に対して、ブリッジズのディフェンスはどこまで刺さるのか。
そして大事な場面でシュートを決め切ることができるのか。
ニックスのキーマンの一人だと思います。
ネッツからブリッジズを獲得する際、ニックスはドラフト1巡目指名権5枚を出していますから、ファンの目が厳しいのは当然ですが、NBAファイナルで期待通りの活躍をみせることができれば、もう誰も「1巡目5枚も出して・・・」という話はしなくなるかもしれません。
ビラノバ三銃士の一人、ミケル・ブリッジズに注目です。
選手比較 SF バッセルvsハート
次はスモールフォワードです。
デビン・バッセル
2025-26RS 67試合出場
13.9P 4.0R 2.5A 0.9S
FG43.7% 3P38.4% FT81.5%
2025-26PO 18試合出場
13.0P 4.9R 2.7A 1.4S
FG41.1% 3P35.6% FT81.3%
ジョシュ・ハート
2025-26RS 66試合出場
12.0P 7.4R 4.8A 1.1S
FG50.8% 3P41.3% FT72.0%
2025-26PO 14試合出場
11.4P 8.6R 4.6A 1.8S
FG44.3% 3P30.3% FT61.5%
スモールフォワードは両チームとも、本来はシューティングガードである選手をスターターにすえています。
両者ともにディフェンス力に定評があり、ハードワークをいとわない理想的なロールプレイヤーとして高い評価を得ています。
バッセルは今シーズン3ポイントシュートと、高いディフェン力を武器とする3&Dとして、チームを支えてきました。
2020年のNBAドラフト1巡目全体11位で指名されたバッセルは、4年目の2023-24シーズン、ルーキーのウェンバンヤマに次ぐチーム2位の1試合平均19.5得点を記録し、スコアラーとしておおいに期待される存在となりました。
ただしその後キャッスル、フォックス、ハーパーと強力なガード陣がくわわると、バッセルは自らの役割を受け入れ、3&Dとしてチームの勝利に貢献しています。
自らの役割を奪われても、全力で勝利のためのプレーを続けるバッセルは、スパーズのハート&ソウルになれる存在ですね。
対するジョシュ・ハートもいまやニックスにとって欠かせない選手となりました。
魂のこもったプレーでニューヨーカーを熱狂させているハートは、NBAを37年間観つづけているわたくしリトルにとって、ジョン・スタークス的な熱さを感じるプレイヤーです。
本来シューティングガードのプレイヤーながら、リバウンドに強く、アシストもできるオールラウンドなプレイヤーですが、唯一苦手なのが3ポイントシュートと言われていました。
しかし今シーズンはレギュラーシーズンで3ポイントシュート成功率41.3%を記録するなど、絶好調。
プレーオフではシュートスランプに陥っていましたが、キャブスとのカンファレンスファイナル第2戦では、3ポイントシュートを11本中5本沈め、26得点を記録し、チームを勝利に導きました。
キャブスはそれまでシュートタッチが悪かったハートにシュートを打たせる作戦をとったものの、見事に失敗しましたね。
ハートが活躍すると、チームは一気に盛り上がりをみせます。
ビラノバ三銃士の一人として、熱い思いは誰よりも強い選手ですからね。
27年ぶりのNBAファイナルに燃えるマジソンスクエアガーデンに、ハートが火をつけてしまえば、盛り上がりはさらに異次元なものになるかもしれません。
選手比較 PF シャンパニーvsアヌノビー
パワーフォワードをみてみましょう。
ジュリアン・シャンパニー
2025-26RS 82試合出場
11.1P 5.8R 1.5A 0.8S
FG43.7% 3P38.1% FT84.4%
2025-26PO 18試合出場
11.3P 5.8R 1.5A 1.3S
FG45.4% 3P39.3% FT79.2%
OG・アヌノビー
2025-26RS 67試合出場
16.7P 5.2R 2.2A 1.6S
FG48.4% 3P38.6% FT82.8%
2025-26PO 12試合出場
19.7P 6.9R 1.9A 1.6S 1.0B
FG57.7% 3P48.3% FT84.7%
パワーフォワードは、やや力の差が大きいですね。
シャンパニーも十分頑張っていますが、今のアヌノビーは攻守ともに覚醒している感があります。
今シーズンスパーズの先発パワーフォワードに定着したシャンパニーは、2022年のNBAドラフトで指名されず、フィラデルフィア76ersと2way契約を結びNBAデビューした苦労人です。
76ersでは2試合に出場しただけで2月に解雇されてしまいますが、2日後にスパーズと契約。
スパーズでは15試合に出場し、平均11.0得点をあげ、延長契約を勝ちとりました。
今シーズンは82試合全試合に出場。
68試合に先発出場し、自己最高の平均11.1得点 5.8リバウンドをあげ、スパーズの大躍進に貢献しています。
プレーオフでは18試合すべてに出場し、平均11.3得点 5.8リバウンドと活躍をつづけているシャンパニー。
特にカンファレンスファイナルの第7戦では、3ポイントシュートを10本中6本沈め20得点を記録し、王者サンダーを倒す原動力となり、評価が上がっています。
OG・アヌノビーは強力なディフェンス力と、攻撃力をあわせもつフォワードです。
今シーズンはNBAオールディフェンシブ2ndチームに選出されるなど、その守備力はニックスの大きな武器となっています。
201㎝ 108㎏の屈強な身体をもち、決して相手に押し負けないアヌノビーは、キャッスルやウェンバンヤマなど、スパーズの主力にとって、厄介な存在となるでしょう。
アヌノビーは3ポイントシュートも得意としており、今年のプレーオフでは1試合平均5.3本の3Pを放ち、48.4%と高確率で決め続けています。
現在のニックス躍進のキーマンと言ってもいいかもしれませんね。
ただ心配なのは、アヌノビーの健康状態です。
カンファレンスセミファイナル、76ersとの第2戦で右ハムストリングを負傷し、2試合を欠場しています。
その後カンファレンスファイナルでは4試合すべてに出場しているので大丈夫だとは思いますが、筋肉のケガは再発することも多いので、心配ですね。
とにかく健康でプレーすることができれば、アヌノビーはスパーズにとっての悪夢となるでしょう。
選手比較 C ウェンバンヤマvsタウンズ
大注目のセンターをみてみましょう。
ビクター・ウェンバンヤマ
2025-26RS 64試合出場
25.0P 11.5R 3.1A 1.0S 3.1B
FG51.2% 3P34.9% FT82.7%
2025-26PO 18試合出場
23.3P 10.8R 2.7A 0.9S 3.5B
FG51.2% 3P34.9% FT82.7%
カール・アンソニー・タウンズ
2025-26RS 75試合出場
20.1P 11.9R 3.0A 0.9S 0.5B
FG50.1% 3P36.8% FT85.8%
2025-26PO 15試合出場
17.0P 10.7R 5.7A 1.1S 1.3B
FG56.2% 3P46.8% FT89.7%
今回のNBAファイナル、最も注目されるのが両チームともオールスター選手がそろうセンターのマッチアップでしょう。
デビューからわずか3年で、早くもNBAの侵略を完了してしまいそうな‶エイリアン″ビクター・ウェンバンヤマと、最強の‶シューティングビッグマン″カール・アンソニー・タウンズ。
勝利のカギを握る二人の対決は、本当に楽しみです。
ビクター・ウェンバンヤマについては、ブランソンと同じく説明不要ですね。
224㎝のオールラウンダーという、信じられない身体とスキルとスピードを持った究極のバスケットボール選手です。
デビューから3年連続でブロック王となり、今シーズンは最優秀守備選手賞に満場一致で選ばれたNBAナンバー1ディフェンダーでありながら、平均25.0得点をあげたスコアラーでもあるウェンバンヤマ。
弱冠22歳でありながら、すでにリーダーとして誰もが認めるスーパースターです。
昨シーズンプレーインにも出場できなかったチームを、今シーズンは獅子奮迅の活躍でNBAファイナルまで導いてきました。
カンファレンスファイナルでは、チェット・ホルムグレンを完膚なきまでに叩きのめし、王者サンダーを倒すなど、その存在感は圧倒的です。
現役のNBA選手どころか、NBAの歴史の中でも、ここまで攻守において秀でた選手は、マイケル・ジョーダンくらいかもしれないですね。
ただニックスには、ウェンバンヤマの高さに対抗できるディフェンダーがそろっています。
タウンズはややディフェンス力に難があるものの、その高さと強さには苦戦が予想されますし、OG・アヌノビーのしつこいディフェンスも驚異となるでしょう。
ベンチから出てくるミッチェル・ロビンソンも213㎝の高さと屈強な肉体をもつ、ウェンバンヤマが苦手とするタイプのディフェンダーですし、ブリッジズやハートらのプレッシャーも相当なものでしょう。
ニックスの強力なディフェンダーたちを相手に、宇宙人ぶりを見せつけることができるのか、本当に楽しみですね。
ウェンバンヤマについては、こちらの記事もご覧ください。
対するタウンズは、これまで評価が大きく分かれる選手でした。
213㎝ 112㎏のビッグマンながら、オールスターの3ポイントコンテストで優勝するなど、圧倒的なシュート力をもつ一方、ディフェンス力の低さが問題とされてきたタウンズ。
3ポイントシュートからドライブまで、幅広い得点パターンを持ちながら、大事な場面で弱気になることも多く、批判が集まることも多いプレイヤーでした。
2024年の夏にミネソタ・ティンバーウルブズからニックスにトレードで移籍してからはさらに注目度が集まり、今シーズンもチームが不調な時期には、タウンズのトレード話がネットニュースで何度も上がっていました。
カール・アンソニー・タウンズの頭文字をとって、「KAT」と表記されることが多いのですが、タウンズが弱気になると「CAT(猫)」と揶揄されるのも、SNSでのおきまりですね。
ただプレーオフに入ってから、タウンズは覚醒しています。
もともと攻撃力はトップクラスのセンターですが、マイク・ブラウンHCはパス能力とバスケIQに注目し、タウンズをポイントセンターとして起用。
二コラ・ヨキッチのような攻撃のハブとして、タウンズにボールを集める戦法で、ニックスのレベルを大きく上げることに成功しています。
NBAファイナルでも、タウンズのパス能力はニックスの大きな武器になりますし、そこからのドライブも効いてくるでしょう。
また、タウンズの広いシュートレンジは、ウェンバンヤマを外につり出す効果もあります。
対スパーズにおいて、タウンズの存在は超重要なものとなるでしょう。
選手比較 ベンチメンバー
最後に両チームのベンチメンバーを比較してみましょう。
ディラン・ハーパー
2025-26RS 69試合出場
11.8P 3.4R 3.9A
FG50.5% 3P34.3% FT75.6%
2025-26PO 19試合出場
13.2P 5.5R 2.5A
FG13.2% 3P35.4% FT85.2%
ケルドン・ジョンソン
2025-26RS 82試合出場
13.2P 5.4R 1.4A
FG51.9% 3P36.3% FT79.4%
2025-26PO 19試合出場
8.4P 3.2R 0.9A
FG41.3% 3P36.5% FT62.9%
ミッチェル・ロビンソン
2025-26RS 60試合出場
5.7P 8.8R 0.9A 1.2B
FG72.3% 3Pー FT40.8%
2025-26PO 14試合出場
5.1P 5.5R 0.3A 0.6B
FG72.5% 3Pー FT29.5%
ランドリー・シャメット
2025-26RS 51試合出場
9.3P 1.8R 1.4A
FG43.7% 3P39.2% FT71.1%
2025-26PO 15試合出場
6.2P 0.8R 0.6A
FG55.4% 3P58.5% FT77.8%
両チームとも強力な選手がベンチから飛び出してきます。
スパーズは今シーズンのルーキー、ディラン・ハーパーと、6thマン・オブ・ザ・イヤーを受賞したケルドン・ジョンソン、2人の強力なスコアラーが控えています。
特にディラン・ハーパーは20歳とは思えない落ち着きと超絶スキルを武器に、プレーオフで大暴れを続けていますね。
力強いドライブから変幻自在のステップを繰り出し、シュートを決めきる能力は、すでにNBAトップクラスといえるでしょう。
シカゴ・ブルズとロサンゼルス・レイカーズで、あわせて5度のNBA優勝をはたした父ロン・ハーパーの遺伝子を受け継ぐディラン・ハーパーは、生まれながらにしての勝者なのかもしれません。
プレーオフで存在感を高めているハーパーとは逆に、ケルドン・ジョンソンは苦しんでいますね。
レギュラーシーズンでは82試合すべてでベンチから出場し、チームに勢いを与えつづけ、6thマン・オブ・ザ・イヤーを受賞したケルドンでしたが、プレーオフに入るとスタッツを大きく落としています。
出場時間はレギュラーシーズンの23.3分から18.1分に減り、フィールドゴール成功率も51.9%⇨41.3%と大きく下降。
スパーズの勢いを止めないように、ケルドンは干されてもおかしくない状況です。
ニックス相手に意地をみせることができるのか、ケルドン・ジョンソンにとっても大事なファイナルとなるでしょう。
スパーズにはそのほかにもルーク・コーネットやハリソン・バーンズなど、強力なベンチメンバーがそろっています。
層の厚さはスパーズに軍配があがるのではないでしょうか?
ニックスのベンチには、対ウェンバンヤマのキーマンとなるであろうビッグマン、ミッチェル・ロビンソンと、絶好調の3ポイントシューター、ランドリー・シャメットが控えています。
ミッチェル・ロビンソン、略してミチェロビは、213㎝のサイズと屈強な筋肉を武器に、強力なリムプロテクターとして活躍をつづけるビッグマンです。
ジェイレン・ブランソンとのピック&ロールは、芸術的でさえあります。
3ポイントシュートは1本も打ったことはなく、古典的なセンターとしてインサイドで圧倒的な存在感を発揮するミチェロビは、90年代ニックス的なオーラを感じます。
チャールズ・オークリー、アンソニー・メイソン、チャールズ・スミスらと同じオーラを、ミチェロビは持っているんですよね。
キャブスと戦ったカンファレンスファイナル第4戦で右手小指を骨折し、手術を行ったミチェロビは、装具を着用しNBAファイナル第1戦に出場をはたしました。
ニックスファンから絶大な信頼を得ている理由がわかりますよね。
もう一人のキーマン、ランドリー・シャメットは、今乗りにのっています。
キャブスとのカンファレンスファイナルの4試合で、シャメットは3ポイントシュートを12本放ち、そのうちなんと11本を成功!
成功率91.7%と、信じられないようなシュート精度をみせつけ、キャブスを葬りました。
優勝するには「Xファクター」と呼ばれる、意外な選手の活躍がマストです。
シャメットの爆発力は、ニックスの大きな武器となるでしょう。
ニックスにはそのほかにマイルズ・マクブライドやホセ・アルバラードら勢いをつけることができる選手が控えています。
層の厚さはスパーズには劣るものの、ニックスのベンチには意外な爆発力をもつ選手がそろっています。
まとめ
今回は「NBAファイナル2026」に挑むスパーズとニックスのチームと選手の特色を語ってきました。
3年連続でドラフト上位指名をゲットし、チーム力を強化したスパーズと、トレードやFAで選手を集め、チーム力を強化したニックス。
全く違うチームづくりで、NBAファイナルにたどりついた2チームですが、どちらも超魅力的なチームであることは共通しています。
ビクター・ウェンバンヤマとジェイレン・ブランソン、どちらがファイナルを支配してしまうのか、興味はつきませんね。
NBAを37年間観つづけてきたわたくしリトルにとっては、1999年のNBAファイナルと同じカードになったこともたまりませんね。
とにかく全力でNBAファイナルを楽しみましょう。
そして決して忘れることのできないドラマを期待しましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。


