【NBA連敗新記録】27連敗のデトロイト・ピストンズまとめ NBA最弱チームの理由

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2023-24シーズンのNBA、とんでもない記録が誕生してしまいました。

同一シーズン〝26連敗″という、NBAの歴史に残る大記録が、ついに破られてしまったのです。

新記録を達成したのは、デトロイト・ピストンズ。

往年のファンには、〝バッド・ボーイズ″時代の恐ろしい強さのイメージがあると思いますが、いまや・・・。

今回は、NBA史上最弱?デトロイト・ピストンズの〝弱さ″の秘密を語ります。

目次

2023-24シーズンのデトロイト・ピストンズ 

まずは2023-24シーズンのデトロイト・ピストンズの成績をまとめます。

2023-24 デトロイト・ピストンズ成績 
(2023年12月28日現在)

2勝28敗(勝率 6分9厘)
平均得点  109.3(NBA28位)
平均失点  120.8(NBA26位)
平均リバウンド 43.0(NBA21位)
平均アシスト  25.6(NBA21位)
平均スティール  6.2(NBA29位)
平均ブロック   5.3(NBA16位)
フィールドゴール成功率  46.5%(NBA22位)
3ポイントシュート成功率 33.4%(NBA30位)
平均ターンオーバー 16.5(NBA2位)

2023-24シーズン、初戦でマイアミ・ヒートに102-103、1点差で惜敗すると、続くシャーロット・ホーネッツ戦、シカゴ・ブルズ戦に圧勝。

ついにピストンズのドアマット時代終焉かと思ったのもつかの間、そこから驚異の27連敗を記録しています。

今シーズンの勝率は驚異の6分9厘。

このままのペースだと、NBAの長い歴史の中で、最低勝率のチームとなってしまいます。

スタッツを見てみると、すべての項目で下位に沈んでいるのがわかります。

「NBA2位があるじゃないか!」

と思ったら、ターンオーバーでした・・・。

どこのチームでも、強みと弱みがみられるものですが、今シーズンのピストンズには、強みが見当たりません。

若くて能力の高い選手は揃っているように思えるのですが・・・。

現在27連敗中のピストンズですが、連敗を止める最大のチャンスが、12月21日(現地時間)に行われたユタ・ジャズ戦でした。

この試合、ユタ・ジャズはラウリ・マルカネン、ジョーダン・クラークソン、テイレン・ホートン・タッカー、キヨンテ・ジョージと、主力4人を休ませる大胆な采配。

ジャズのウィル・ハーディHCが、優しさをみせたのかと思いましたが、この試合いきなり鬼神と化したのが、まさかのケリー・オリニク。

2021-22シーズンにピストンズの一員だった32歳のオリニクが、急にエンビードのような支配的な力を発揮します。

結局オリニクに27得点を奪われ、111-119でピストンズは絶好のチャンスゲームに敗れてしまいました。

その後ブルックリン・ネッツに2連敗し、NBA記録の同一シーズン27連敗を記録しています。

次なる目標(?)は、フィラデルフィア・76ersが2014-15シーズンから2015-16シーズンに渡って記録した28連敗。

彼らならやってくれるのではないでしょうか・・・。

ピストンズの主力選手たち

ケイド・カニングハム

歴史的な弱さを見せつけているピストンズですが、NBAの歴史上弱小チームと言われてきたチームに比べると、タレントは揃っています。

その中でも、絶対的エースとして君臨しているのがケイド・カニングハム。

なぜこれだけのスター選手がいるのに勝てないのか・・・。

2023-24 30試合出場
23.0得点 4.1リバウンド 7.0アシスト FG44.5% 3P33.1% ターンオーバー3.9

現在のピストンズの顔、ケイド・カニングハムは2021年NBAドラフト1巡目全体1位でピストンズ入りした201㎝の大型ポイントガード。

その実力は申し分なく、この夏行われたバスケW杯のアメリカ代表合宿に、セレクトチームの一員として招集されると、チームUSAに勝利する立役者となり、「カニングハムをW杯に連れていくべきだ」との声も上がるほどでした。

得点能力とアシスト能力をあわせもつカニングハムですが、弱点は低確率なアウトサイドシュートと、ターンオーバーの多さ。

3ポイントシュートは33.1%と、ポイントガードとしては低い成功率。

フリースローは87.1%と悪くないので、改善の余地はあると思いますが・・・。

ターンオーバー数に関しては、12月28日現在、NBA2位の118個を記録しているカニングハム。

ちなみに、ターンオーバー数1位はアトランタ・ホークスのエース、トレイ・ヤングの119個です。

ミスを減らして、アウトサイドシュートを改善することで、超一流のポイントガードに成長するだけの資質は持っているんですがねえ。

これ以上を求めるのが申し訳ないくらいがんばっているカニングハム。

歴史上〝最弱″と言われるチームにおいて、これだけの才能を持った選手はこれまでいなかったと思います。

ジェイレン・デュ―レン

2023-24 15試合出場
2023-24 12.5得点 11.2リバウンド 2.6アシスト FG62.3% 3P0.0% ターンオーバー2.6

今シーズンプチブレイクを果たしている211㎝のセンター。

昨年オールルーキー2ndチームに選出された、20歳になったばかりの若い選手です。

デュ―レンの武器は、圧倒的なフィジカル。

リバウンドの強さは、リーグトップクラスに成長しています。

弱点は、アウトサイドシュートがないこと。

現代バスケでは、センターでも3ポイントシュートが打てる、ストレッチタイプのセンタープレイヤーが求められますが、デュ―レンが3ポイントを狙うことはありません。

だが、それでいい・・・。

デュ―レンには、圧倒的なゴール下の強さを生かして、インサイドの番人になってほしいと思います。

久しぶりに、圧倒的な存在感でゴール下で暴れまわるセンタープレイヤーを見たいです!

ジェイデン・アイビー

サマーリーグでは無双していたのですが・・・

2023-24 26試合出場
2023-24 12.4得点 3.2リバウンド 3.1アシスト FG45.2% 3P29.4% ターンオーバー2.0

昨年のドラフト1巡目全体5位で指名され、1試合平均16.3得点 5.2アシストと、期待通りの活躍をみせたジェイデン・アイビー。

カニングハムの相棒、シューティングガードとして高い能力をみせつけました。

しかし今シーズンは伸び悩んでる印象ですね。

平均得点は16.3から12.4に、平均アシストは5.2から3.1に、大きく下がっています。

これは今シーズンからヘッドコーチになったモンティ・ウイリアムズが大きな要因です。

今シーズン12月28日の段階で、ジェイデン・アイビーは26試合に出場していますが、先発は10試合のみ。

カニングハムの相棒には、ポイントガードタイプのキリアン・ヘイズが起用されることが多くなっています。

正直、現在のチーム状況では、大きく化ける可能性のある、アイビーを先発で使い育てた方がいいと思うのですが・・・。

ラッセル・ウエストブルックのような身体能力をもつアイビーには、人を引き付ける魅力があります。

確かにシュートは安定していませんが、ヘイズもひどいですから。

ピストンズにはその他にも、わたくしリトルが大好きなボーヤン・ボグダノビッチや、ストレッチ4のアイザイア・スチュワート、みんな大好きジェームズ・ワイズマンなど、面白い選手は揃っています。

今年NBAドラフト1巡目全体5位で指名したアサー・トンプソンは、シューティングガードなのに1試合平均9.5得点 7.6リバウンド 2.3アシスト3ポイント16.1%と、シュートが苦手なビッグマンのようなスタッツを残す、圧倒的な守備力を持つ選手です。

使い方次第では大化けする気がするんですがねえ。

ピストンズ連敗の理由① 3ポイントシュートがない

ここからは、ピストンズが27連敗した理由を考えていきたいと思います。

まず最初にあげられるのが、「3ポイントシュートがない」こと。

圧倒的な実力をもつ大型ポイントガード、ケイド・カニングハムを擁しながら、ピストンズにはシューターがあまりにも少ないのです。

ボーヤン・ボグダノビッチは3ポイントシュートを4割近く決める、優秀なシューターですが、ケガで10試合しか出場していません。

今シーズン、ブルックリン・ネッツから獲得した、もう一人の3ポイントのスペシャリスト、ジョー・ハリスは、なぜか干されている状態です。

ハリスは過去2度の「3ポイント成功率NBA1位」に輝いている名シューターなんですが、なぜ試合に出さない・・・。

ピストンズの今シーズンの3ポイントシュートは、試投数、成功数、成功率、すべてにおいてNBA30チームで最下位。

現代NBAのトレンドである3ポイントシュート至上主義に、逆行するチーム造りを行っています。

せっかくドライブからのパスアウトもできる司令塔、カニングハムがいるのに、これだけアウトサイドシュートがないと、スペースが生まれないため、相手ディフェンスは収縮してドライブを防げば高確率で失点を防ぐことができます。

事実カニングハムやアイビーのドライブが、ダブルチーム、トリプルチームで防がれている光景をよくみます。

正直、「3ポイントシュートがない」ことについては、選手の問題というよりも、チーム編成を行っているピストンズのフロントの責任だと思います。

カニングハムのプレーメイク力を生かすためにも、ぜひシューターが欲しいところです。

まずは、だめもとでジョー・ハリス使ってみましょうよ!

ピストンズ連敗の理由② ミスの多さ

次にあげられるのが「ミスの多さ」。

ケイド・カニングハムが、ターンオーバー数が個人でNBA2位と紹介しましたが、チームとしてみても、ピストンズのターンオーバー数は、ユタ・ジャズに次いでNBAで2位です。

とにかくミスが多い!

試合をみると、簡単なパスミス、キャッチミスが目立つ気がします。

基本中の基本ですけどねえ・・・。

正しい位置に選手がいないため、味方選手を探す姿も、よく見る光景です。

これまで連敗記録をつくってきたのは、圧倒的に個の能力の低い、タンク(わざと負けて、翌年のドラフト上位指名権を狙うこと)するチームでした。

しかし、今シーズンのピストンズは、能力の高い選手がそこそこ揃い、タンク狙いとも言えない、マジで弱いチームになっています。

まず1勝をつかむために選手たちができることは、「ミスを減らす」ことだと思うのですが・・・。

ピストンズ連敗の理由③ モンティ・ウイリアムズHCの謎采配

歴史的な連敗を記録したピストンズを指揮するのは、昨シーズンまでフェニックス・サンズを指揮していたモンティ・ウイリアムズ。

2022年には最優秀ヘッドコーチ賞を受賞した名監督です。

ピストンズのフロントは、6年総額7850万ドル(約109億9000万円 1㌦=140円)を基本とし、インセンティブも含めると最大8年総額1億ドルにも及ぶ、NBAヘッドコーチ歴代最高額の契約を、優勝経験もないモンティ・ウイリアムズに与えたのです。

正直、ニュースを見たわたくしリトルの感想は、「えっ?モンティにその金額?血迷ったか!」と思ってしまいましたが、今のところは心配どおりになっていますね。

モンティ・ウイリアムズがフェニックス・サンズを率いた4年間で、それまで弱小チームだったサンズは大きく飛躍しました。

就任2年目にはサンズのファイナル進出に大きく貢献し、最優秀ヘッドコーチ賞も受賞。

選手の長所を生かし、役割を与えてチーム力を最大化させる戦略は、チームの再建を図るピストンズの指揮官に適任だと思われたのです。

しかしここまでの戦いをみていると、モンティ・ウイリアムズHCの謎采配が目立っています。

「3ポイントシュートが壊滅的状況の中で、ジョー・ハリスを干している。」

「明らかに能力の高いシューティングガード、ジェイデン・アイビーではなく、キリアン・ヘイズを先発で起用。」

など、納得ができない采配も目立つモンティ・ウイリアムズHC。

ただ、最優秀ヘッドコーチ賞の受賞歴もあるモンティが、このまま手をこまねいているとも思えません。

モンティ・ウイリアムズの契約は6年。

今シーズンはタンクを行い、数年後に優勝を目指せるチームづくりを計画しているのかもしれません。

ただちょっと負けすぎでしょう・・・。

今後のデトロイト・ピストンズについて

NBAの歴史上最弱チームとも言われているピストンズですが、それでも光は見えています。

27連敗目を喫したブルックリン・ネッツ戦での、選手の闘志。

「絶対に勝つ!」という熱い気持ちが、画面を通して伝わってくる戦いぶりでした。

残念ながら最後に力尽き、112-118で敗れてしまいましたが、勝利への情熱がほとばしる、熱い試合でしたね。

チーム一丸となって、全力で闘う姿勢は、つい応援したくなってしまいます。

しかし試合の途中で、ウエスタンカンファレンス頂上決戦のミネソタ・ティンバーウルブズ対オクラホマシティ・サンダーに切り替えてみると、試合の強度がまったく違うことに驚かされました。

簡単にいうと、バスケのレベルの違いを見せつけられた感じがしたのです。

強いチームは、簡単にパスミスやキャッチミスをしませんし、ノーマークの3ポイントは確実に沈めてきます。

リーグトップを争っているチームと、NBAの連敗記録を塗り替えたチームのバスケの質がこんなにも違うのかと驚きました。

しかし、ウルブズやサンダーも、数年前までは弱小チーム。

ピストンズのモンティ・ウイリアムズHCも、数年後を見すえ、チームの礎を築いている途中なのかもしれません。

なんたって、NBAのコーチで最も高いお金をもらっているんですからね。

今も計画的なタンクが進んでいるだけなのかも・・・。

まあ、それにしても負けすぎですが。

現在27連敗のピストンズですが、あと2つ敗けると、フィラデルフィア・76ersが、2014-15、15-16シーズンをまたいで負け続けた28連敗のNBA記録を更新してしまいます。

2023-24シーズンの連敗記録をあとで笑い話にできるように、数年後強豪となったピストンズを見てみたいですね。

NBAを35年間観つづけてきたわたくしリトルにとってのピストンズは、ジョーダン擁するシカゴ・ブルズに立ちはだかる、憎き大きな壁でした。

全員がチームの勝利のために全力で闘うピストンズの姿を、また観てみたいと思います。

カニングハムの能力はアイザイア・トーマスにもひけをとらないと思うんですけどね。

まとめ

今回はNBA記録の27連敗を記録したデトロイト・ピストンズについて語りました。

選手もファンもつらいでしょうが、勝利は自分たちで勝ちとるしかありません。

選手は全力で闘い、ピストンズのフロントは余剰気味のインサイドプレイヤーを整理し、シューターを獲得する必要があると思うのですが・・・。

もう今シーズンは動かず、ドラフトに賭けるのでしょうか・・・。

とにかく、モンティ・ウイリアムズHCがこのまま無策で終わるとは思えません。

なんといっても、ヘッドコーチで最もサラリーもらっているのですから。

数年後の栄光に向けて、しっかり戦ってほしいと思います。

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