【三角トレード③】エイトン獲得のブレイザーズを語る スクート・ヘンダーソンは本物?

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ついに、チームの王様、デイミアン・リラードをトレードで放出したポートランド・トレイルブレイザーズ。

この夏、最も注目されていたリラードのトレード先は、あっと驚くミルウォーキー・バックスでした。

今回の三角トレードを、ミルウォーキー・バックス側、フェニックスサンズ側から語ってきましたが、今回はいよいよポートランド・トレイルブレイザーズ側からみた、トレード評価を行いたい思います。

三角トレード全体の内容は、「【三角トレード①】リラードが加入したバックスを語る」をぜひご覧ください。

それでは、レッツラゴー!

目次

ポートランド・トレイルブレイザーズのトレード評価

今回の三角トレードは、3チームすべてにとってメリットの大きいものだったと思いますが、その中でも特にブレイザーズの評価は、特Aですね。

高額契約が残っている、移籍希望したリラードを、結果的に十分なアセットに変えてしまったのですから。

まずは、9月27日に成立した、ブレイザーズのトレード結果をまとめましょう。

ポートランド・トレイルブレイザーズ トレード結果
獲得
・ドリュー・ホリデー(⇦バックス)
・ディアンドレ・エイトン(⇦サンズ)
・トゥマニ・カマラ(⇦サンズ)
・2029年ドラフト1巡目指名権(⇦バックス)
・2028年、30年バックスとのドラフト指名権交換権

放出
・デイミアン・リラード(⇒バックス)
・ユスフ・ヌルキッチ(⇒サンズ)
・ナシール・リトル(⇨サンズ)
・キーオン・ジョンソン(⇨サンズ)

ポートランドのGM、ジョー・クローニンは、これだけでは終わりませんでした。

衝撃のトレードから4日後、獲得したばかりのオールスターポイントガード、ドリュー・ホリデーを駒に、再度トレードをまとめたのです。

ポートランド・トレイルブレイザーズ トレード結果②
獲得(⇦セルティックス)
・マルコム・ブログドン
・ロバート・ウイリアムズ三世 
・2024年ドラフト1巡目指名権
・2029年ドラフト1巡目指名権

放出(⇨セルティックス)
・ドリュー・ホリデー

最初のトレードで、高額契約が残るもののチームにトレードを要求したリラードと、ケガが多く伸びしろの少ないヌルキッチ、2人の主力選手を放出。

代わりに優勝を狙うすべてのチームが欲しがるであろう、最高のディフェンス力を持つポイントガード、ドリュー・ホリデーと、ポテンシャルはすごいが、能力を十分に発揮できていないセンター、ディアンドレ・エイトンを獲得します。

さらにここから、ホリデー獲得を熱望しているチームの中から、最も魅力的なアセットを提示したボストン・セルティックスとのトレードをまとめたのです。

結果、2023年のNBA6thマン賞を受賞したポイントガード、マルコム・ブログドンと、セルティックスの躍進を支えたリムプロテクター、ロバート・ウイリアムズ三世を獲得しました。

そして、2つのトレードの結果、ドラフト1巡目指名権を3つと、バックスとのドラフト指名権交換権を2つ獲得。

いや、ブレイザーズのフロント、優秀すぎでしょう。

ブレイザーズのトレード goodポイント

ではここで、今回ブレイザーズが成立させた、2つのトレードのgoodポイントをまとめましょう。

1.移籍希望を表明したリラードの放出
2.ドラフト指名権の獲得
3. スクート・ヘンダーソン中心のチーム作り

1.移籍を希望したリラードの放出

1.移籍希望を表明したリラードの放出は、ブレイザーズにとって、ミッションインポッシブル(遂行不可能な任務)でした。

11年間、数々のブザービーターを沈め、毎年前評判の低いブレイザーズを、プレーオフに導き続けてきたリラード。

リラード率いるブレイザーズは、2013-14シーズン以来、8年連続プレーオフに出場したものの、優勝には届かない状態が続いていました。

ここ2シーズン連続でプレーオフを逃したチームに、リラードは優勝するための戦力補強を訴えます。

昨シーズン、リラードは1試合平均32.2得点を記録する大活躍をみせたものの、チームは33勝49敗と大きく負け越し、ウエスタンカンファレンス13位と低迷。

その結果、2023年のドラフト1巡目全体3位指名権を獲得し、今年のナンバー1ポイントガードとして注目を集める、スクート・ヘンダーソンを獲得しました。

当初、大エースデイミアン・リラードを中心に、優勝を目指すため、スクート・ヘンダーソンをトレードし、今優勝するための選手を獲得するとの噂もありましたが、ブレイザーズのフロントは、スクートを手放すことはしませんでした。

リラードが、優勝するためにブレイザーズを去る決断を下したのも、仕方がなかったのかもしれません。

※「デイミアン・リラード トレード要求の理由」は、以前のブログ記事をごらんください。

リラードは、マイアミ・ヒートへの移籍を強く希望します。

しかし、マイアミ・ヒートが提示した、タイラー・ヒーロー中心のアセットでは、ブレイザーズは納得せず。

ブレイザーズがヒートに希望した交換相手は、なんと「バム・アデバヨかジミー・バトラー」だったと言われています。

マイアミ・ヒートのフロントは、優勝のラストピースとして、リラード獲得を考えていましたが、ブレイザーズのGMジョー・クローニンは、チームの2大エースのどちらかを差し出すよう要求したのです。

リラードは「マイアミにしか行かない」と強く決意をあらわし、マスコミやファンも、マイアミ行きを確信していましたが、ジョー・クローニンGMは、始めからマイアミとのトレードはまとめる気はなかったのでしょうね。

水面下でリラード放出のトレード交渉を続けたブレイザーズのクローニンGMが、最後にGoを出したのが、ミルウォーキー・バックスとのトレードでした。

その後のセルティックスとのトレードも行った結果、若く才能のあるセンター、ディアンドレ・エイトンと、得点力の高いポイントガード、マルコム・ブログドン、リムプロテクターのロバート・ウイリアムズ三世、そして大量の指名権を獲得する、ブレイザーズにとって大満足のアセットを獲得することができました。

このトレードは、マイアミ・ヒート行きを熱望していたリラードにとっても、満足のいくトレードでした。

ヒート以上に戦力が充実し、優勝に近いバックスへの移籍。

しかも、バックスのエース、ヤニス・アデトクンボは、リラードのことをオールスタードラフトで、自身のチームにトップピックするほどリスペクトしているのは、有名な話です。

あれだけ、ヒートへの移籍にこだわっていたリラードが、噓のように笑顔をみせていたのも、当然でしょう。

NBAトップクラスの年俸を2026-27シーズンまで約束されている、33歳のベテラン選手を、ブレイザーズ、リラード、両方が満足できる結果にまとめたのは、すごいことだと思います。

2.ドラフト指名権の獲得

将来のエース、スクート・ヘンダーソンを今年のドラフトで手に入れたブレイザーズ。

チームには、24歳のアンファニー・サイモンズや、昨シーズンルーキーとして能力の高さを垣間見せた20歳のシェイドン・シャープなど、若手の有望株もいます。

フロントは、現在の若手が育つ数年後にブレイザーズが強豪となり、優勝を目指すため、将来のドラフト指名権獲得を望みました。

2つのトレードの結果、先述したとおり、ドラフト1巡目指名権を3つ、バックスとのドラフト指名権交換権を2つ獲得したのです。

2024年と2029年、2つのドラフト1巡目指名権を獲得したことは、もちろん大きいのですが、より大きな資産になるかもしれないのが、2028年と2030年のバックスとの「ドラフト指名権交換権」です。

ドラフト指名権交換権とは、その年のドラフトの指名順位がもし、バックスが上位の場合、ブレイザーズが指名順位を交換できる権利です。

NBAドラフトは基本的に、シーズン成績の悪いチームがドラフト上位選手を指名する権利を得ます。

「いや、どうみてもバックスの方が強いから、ドラフト順位はバックスが下でしょ!」と思う人もいるかもしれませんが、注目は2028年と30年だということ。

例えば今年ホリデーを獲得したバックスが優勝した場合、チーム力を維持するため、サラリー総額も大きくなるでしょう。

数年は、ヤニス&リラード体制で強豪チームとなっても、ケガや年齢から来る衰えがみえ、チームが勝てなくなる時が必ず来ます。

特にリラードは現在33歳。

数年で衰えをみせる可能性は高い状況です。

バックスは、「今」優勝することに全力でコミットしたのです。

サラリーキャップの厳しいNBAの歴史で、ずっと強いままのチームは存在しません。

ここ1~2年でバックスが優勝した場合、5年後にはチームを解体し、ドアマットとなっている可能性も高いのです。

逆に、ブレイザーズが優勝を目指しているのは、数年後。

スクート・ヘンダーソンが、本当の実力者でオールスター選手に成長し、チーム力を高めていければ、2028年は優勝争いをしているかもしれません。

ブレイザーズは優勝争いをしながら、指名権交換権を使い、ドラフトトップ指名選手を獲得することも夢ではないのです。

しかも、2028年、2030年と2回も!

もちろん、バックスが強豪のままで、交換権がまったく意味をなさない可能性もありますが、楽しみは大きいですね。

3.スクート・ヘンダーソン中心のチーム作り

2023年のNBAドラフトは、224㎝の身長がありながら圧倒的なスキルとスピードを誇る〝フランスの怪物″ビクター・ウェンバンヤマ一色でした。

そして、ウェンバンヤマに続くスター候補として名前があがっていたのが、今回ポートランド・トレイルブレイザーズが1巡目全体3位で指名した、スクート・ヘンダーソンです。

爆発的な身体能力と得点力を誇るスクートは、ブレイザーズの、そしてNBAの未来を担う選手として期待されています。

もし、スクートが今年以外のドラフトに参加していれば、全体1位指名を受けていたとまで言われるほどです。

ブレイザーズのフロントは、リラードを放出してでも、スクート中心のチーム作りを進めることを決めました。

188㎝のポイントガードを生かすためには、やはり強力なインサイドプレイヤーが必要です。

ブレイザーズのセンターには、優秀なポストスコアラーのユスフ・ヌルキッチがいましたが、近年ケガ続きの28歳に大きな伸びしろは期待できません。

そこでブレイザーズは、まだ25歳と若く(見た目ベテランですが)、能力の高いディアンドレ・エイトンの獲得へと動いたのです。

能力は高いが、ムラのあるエイトンですが、ブレイザーズ移籍で心機一転、トップセンターに躍り出る活躍をみせる可能性もあります。

スクートとエイトンのコンビは、かつてのステフォン・マーブリーとケビン・ガーネットのような、インパクトのあるコンビになってほしいですね。

また、ドリュー・ホリデーとのトレードで、セルティックスから獲得したロバート・ウイリアムズ三世も、インサイドのディフェンスで大きなインパクトをもたらすでしょう。

得点力の高いポイントガードのマルコム・ブログドンは、もしかしたら再度トレードの駒とされるかもしれませんが、いまのところGMのクローニンは、「マルコムにはここにいてもらいたい。」「チームには、ベテランのリーダーシップが必要なんだ。」と語っています。

ブレイザーズには、2022-23シーズン、1試合平均21.1得点を記録したシューティングガード、24歳のアンファニー・サイモンズがいます。

昨季最優秀シックスマン賞を受賞したブログドンが、二人を支える活躍をみせれば、スクート体制1年目からプレーオフ争いに加わってくるかもしれませんね。

2つのトレードで、一気にスクート・ヘンダーソン中心のチームづくりを進めたブレイザーズのフロントは、本当に有能だと思います。

世界最高峰のリーグ、NBAには、化け物のような選手が揃っていますが、トレードなどで戦力強化を図るフロントの人たちも、化け物みたいに優秀な人の集団なのでしょうね。

ブレイザーズのトレード 不安な点

goodポイントはたくさんありましたが、ここでは不安な点もあげてみましょう。

1.エイトンの不良債権化

1.エイトンの不良債権化

今回のブレイザーズのトレードで不安な点は、エイトンが不良債権化すること1点だと思います。

言い換えれば、それほど文句のつけようのないトレードだったということです。

ディアンドレ・エイトンは2018年のNBAドラフトで、ルカ・ドンチッチ(3位)や、トレイ・ヤング(5位)を抑えて、1巡目全体1位指名されるほど期待されたセンターでした。

同期のドンチッチ、ヤングに加え、シェイ・ギルジャス・アレキサンダー(11位)、マイケル・ポーターJr.(14位)が次々とMAX契約を結ぶ中、エイトンにサンズからMAX契約が提示されることはありませんでした。

この時、エイトンが語った「僕も同じようにリスペクトされたい。」という言葉は、フェニックス・サンズのファンから反感を買うことになります。

結果制限付きFAで、インディアナ・ペイサーズと4年1億3300万ドル(約196億8400万円 1㌦=148円)の大型契約を結んだところで、サンズがマッチし、残留となりましたが、エイトンのチームへの不信感は高まりました。

「最もファンから愛されないドラフト1位選手」と呼ばれるほど、チームとエイトン、そしてファンの関係は悪化していましたね。

ケガも多く、プレーオフで集中力を欠いたプレーをみせるなど、ネガティブな話題が多くなり、ゴール下での献身的なディフェンスやリバウンドが評価される機会は少なかったように思います。

エイトンがチームに対し、不満をためたのも、仕方がないのかもしれません。

今回、ブレイザーズに移籍したことで、心機一転よりアグレッシブなプレーで、トップセンターとしての活躍をみせる可能性は高いでしょう。

ただ、スクート・ヘンダーソンやアンファニー・サイモンズを中心としたチームの中で、自身のあつかいに再度不満を訴え、チームの和を乱す可能性もあります。

ケガのリスクも大きい選手ですので、不良債権化する危険性も高いのです。

エイトンの今年の年俸は約3250万ドル(約48億1000万円 1㌦=148円)と高額です。

高額のサラリーに見合う活躍をみせるのか、不良債権化するのか、ポートランド・トレイルブレイザーズの未来は、エイトンの活躍に大きく左右されるでしょう。

まとめ

今回は、チームの大エース、デイミアン・リラードと、リラードの相棒ユスフ・ヌルキッチ放出に踏み切ったポートランド・トレイルブレイザーズについて語りました。

今回の三角トレードは、参加した3チームともが納得のいく対価を得られた、よいトレードだったと思います。

その中でも、ブレイザーズの動きは素晴らしかったですね。

正直、ブレイザーズがイースタンカンファレンスであれば、今年プレーオフに進出してもおかしくない戦力だと思います。

ウエスタンカンファレンスの他チームが強すぎるんですよね・・・。

ブレイザーズは数年後、王朝を築く可能性すらあると思います。

楽しみに見守っていきましょう!

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