【三角トレード②】エイトンを放出したサンズを語る ヌルキッチ&アレンのフィットは

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ポートランド・トレイルブレイザーズの象徴、デイミアン・リラードが目玉となった三角トレードが決まり、世界中のNBAファンを驚かせました。

前回の記事で、リラードが加入したミルウォーキー・バックスについて語りましたが、今回はフェニックス・サンズについて語っていきたいと思います。

トレード全体の概要は、ぜひ前回の記事「【三角トレード①】リラードが加入したバックスを語る ヤニスとの相性は?」をご覧ください。

それでは、レッツラゴー!

目次

バックス、サンズとブレイザーズの思惑

今回のトレードでの各チームの思惑をまとめましょう。

ミルウォーキー・バックス:ヤニスのために優勝のラストピース、デイミアン・リラードがなんとしても欲しい。

フェニックス・サンズ:エイトンを放出し、サラリーが安い選手で、選手層を厚くしたい。

ポートランド・トレイルブレイザーズ:ルーキーのスクート・ヘンダーソンを中心としたチームで再建を果たしたいため、ベテランのリラードやヌルキッチを放出したい。できればドラフト指名権がほしい。

大方3チームとも、思惑通りの結果を得ることに成功した、良いトレードになったのではないでしょうか?

バックスについては、前回記事にまとめたので、今回はフェニックス・サンズのトレードの評価をまとめていきたいと思います。

フェニックス・サンズのトレード評価

獲得
・ユスフ・ヌルキッチ(⇦ブレイザーズ)
・グレイソン・アレン(⇦バックス)
・ナシール・リトル(⇦ブレイザーズ)
・キーオン・ジョンソン(⇦ブレイザーズ)


放出
・ディアンドレ・エイトン(⇒サンズ)
・トゥマニ・カマラ(⇨ブレイザーズ)

昨年のビッグ3体制(デビン・ブッカー、ケビン・デュラント・クリス・ポール)からクリス・ポールが抜け、ワシントン・ウィザーズからブラッドリー・ビールを獲得、新ビッグ3体制となったサンズ。

昨年のケビン・デュラント(KD)獲得の際、優秀なロールプレイヤーたちを放出し、選手層が薄々な状態です。

しかし、ビッグ3+エイトンの4人に、1億6000万ドル(約236億8000万円)と巨額のサラリーを支払っているサンズは、身動きできない状況でした。

詳しくは、以前の記事をごらんください。

そこで、今回サンズフロントが計画したのが、センターのディアンドレ・エイトンとルーキーのトゥマニ・カマラを放出し、複数のチームプレイヤーを獲得するトレードでした。

今回のトレード goodポイント

ではここで、今回のトレードのgoodなポイントをまとめましょう。

1.安定感に欠けるエイトンに代わるセンターの獲得
2.サラリーの削減
3.選手層の薄さの解消

今回のトレードのgoodポイントは、すべてディアンドレ・エイトンに関わるものです。

2018年のNBAドラフト1巡目全体1位と期待されたわりに、同年ドラフト3位のルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)や4位ジャレン・ジャクソン・ジュニア(メンフィス・グリズリーズ)、5位トレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)の活躍に比べると、見劣りする成績のエイトン。

スター気質のため、ビッグ3のもとでモチベーションを維持できるかという点も心配されていました。

もともと、能力的にはトップセンターになれるだけのポテンシャルを持っているものの、やる気がないようなプレーもみられ、批判されることも多かったエイトン。

2021-22のプレーオフカンファレンスセミファイナルの最終戦では、17分しかプレータイムを与えられず、当時のヘッドコーチ、モンティ・ウイリアムズからも低い評価を受けていたのは明らかでした。

その上、エイトンの年俸は約3250万ドル(約48億1000万円)と超高額。

ビッグ3にすべてを賭けたサンズのフロントが、エイトンのトレードで、複数の優秀なロールプレイヤーを獲得しようと考えたのは理にかなっていますね。

サンズがエイトンの代わりに目をつけたのが、ポートランド・トレイルブレイザーズのセンター、ユスフ・ヌルキッチ。

ゴール下の支配力は、エイトンにはかなわないものの、優秀なポストスコアラーであり、リムプロテクトもできるセンタープレイヤーです。

優秀なスクリーナーでもあるため、シュート力が高い新ビッグ3との相性もいいのではないでしょうか?

ヌルキッチの問題は、ケガの多さ。

2019年3月25日のネッツ戦で、左脛骨と腓骨の複雑骨折の重傷を負い、長期離脱してからは、ケガによる離脱が増えています。

ケガがなければ、常に全力をつくす熱い男ヌルキッチは、ムラの多いエイトンよりも、新ビッグ3体制のサンズにフィットするかもしれません。

また、今回エイトン一人を放出することで、ヌルキッチを含む、4人の選手を獲得できました。

特に、昨年リーグ最高勝率を記録したミルウォーキー・バックスの先発シューティングガード、グレイソン・アレンの獲得は、サンズにとって大きいと思います。

グレイソン・アレン スタッツ
2022-23 10.4得点 3.3リバウンド 2.3アシスト FG44.0% 3P39.9%
通算   9.7得点 2.8リバウンド 1.7アシスト FG43.5% 3P39.5%

193㎝のシューティングガードは、安定したシューターとして、そして優秀なペリメーターディフェンダーとして、ディフェンスに不安があるフェニックス・サンズの貴重なバックアップになるでしょう。

時にプレーがダーティーだと批判されることも多いグレイソン・アレンですが、サンズにとっては頼もしい選手ですね。

ポートランド・トレイルブレイザーズから獲得したスモールフォワード、ナシール・リトルも、アレン同様ディフェンスの評価が高い選手です。

ナシール・リトル スタッツ
2022-23 6.6得点 2.6リバウンド 0.9アシスト FG44.2% 3P36.7%
通算  6.0得点 3.2リバウンド 0.8アシスト FG45.1% 3P33.5%

2019年NBAドラフト1巡目全体25位でポートランド・トレイルブレイザーズに指名された、身長196㎝のスモールフォワード。

リトルの武器は、身体能力の高さを生かしたディフェンス。

身長196㎝に対し、ウイングスパンはなんと218㎝!

アレンと同様、サンズのディフェンスに大きく貢献する可能性を秘めています。

2021-22シーズン、ブレイザーズでスターターに定着しかけたところで肩を負傷し、後半戦出場できず、昨シーズンは平均出場時間を大きく減らしてしまいましたが、サンズ移籍により、もしかしたら覚醒するかもしれません!

NBAを35年間観つづけてきたわたくしリトルと同じ名前なもんで、応援していきたいと思います。

もう一人、193㎝のシューティング・ガード、キーオン・ジョンソンも加入しました。

2021年のNBAドラフト1巡目全体21位でニューヨーク・ニックスに指名され、シーズン中にクリッパーズ、ブレイザーズへと、トレードされています。

ルーキーながらジャーニーマン化した、珍しい選手ですが、ブレイザーズでは、1試合平均25.5分出場し、9.7得点を記録するプチブレイクを果たしました。

しかし、2022-23シーズンは、40試合の出場にとどまり、1試合平均10.4分の出場、4.7得点と、戦力外に近い状況でした。

並外れた身体能力を持ったキーオン・ジョンソンは、特にペリメーターディフェンダーとして期待されています。

サンズで大きく化けるのか、戦力外となってしまうのか、21歳の若者の今後に注目しましょう。

※当初、クリス・マレーが加入と間違った情報を記載していました。訂正しています。申し訳ございませんでした。

今回のトレードで、特にディフェンス力の高いロールプレイヤーを複数獲得することができました。

ただ、サンズの層が厚くなったことで、渡邊雄太選手の出場時間が不安になってきますね・・・。

ポジションは違うものの、3&Dの役割をこなせる選手が増えてしまいましたから・・・。

いや、ワタナビーなら、きっとやってくれると信じましょう!

今回のトレード 不安なポイント

それでは、今回のトレードで生じた不安点をまとめます。

1.センターの弱体化
2.ポイント・ガードの不足

1.センターの弱体化は、いたしかたないでしょう。

やる気に問題があると言われていたディアンドレ・エイトンは、センタープレイヤーとしての素材はピカイチでした。

なんといっても、ルカ・ドンチッチやトレイ・ヤングをおさえて、ドラフト全体1位の評価を受けるくらいですから、ポテンシャルが高いのは当たり前です(2013年の全体1位、アンソニー・ベネットの例もありますが・・・)。

問題は、優勝よりも、自分の活躍を優先する傾向がみられること。

昨年のプレーオフカンファレンスセミファイナルのデンバー・ナゲッツ戦、第3戦でサンズは勝利。

チームが喜びにわく中、エイトンは周囲に不満を訴えていました。

一番大事な第4クオーター最後の5分間、モンティ・ウイリアムスHCがコートに送り込んだセンタープレイヤーは、エイトンではなく、エネルギーを前面に押し出したジョック・ランデールだったからです。

ケガのためベンチから試合を見守っていたクリス・ポールが、エイトンをなだめようと手を差し出しますが、エイトンは2回もポールのハイタッチを無視。

いくら能力が高くても、「優勝するために犠牲を払えない選手は必要ない」と判断したサンズフロントの判断は正しかったと思います。

ただ、正直センタープレイヤーとしてみた場合、現状エイトンの方がヌルキッチより優れた選手であることは間違いないと思います。

2022-23 レギュラーシーズンスタッツ
エイトン  18.0得点 10.0リバウンド 1.7アシスト 0.8ブロック FG58.5% 3P29.2%

ヌルキッチ 13.3得点 9.1リバウンド 2.9アシスト 0.8ブロック FG51.9% 3P36.1%

得点力は、エイトンの方が高いものの、アシストはヌルキッチの方が多く、シュート確率はエイトンに分があります。

ただし、ヌルキッチには3ポイントシュートを打てる強みがありますからね。

自分が中心のチームを望み、不満の多いエイトンよりも、チームの勝利のために全力をつくすヌルキッチの方が、スター軍団となったサンズではマッチするかもしれません。

なんといっても、エイトンの2023-24シーズンの年俸は、約32,500,000ドル(約48億1000万円)、ヌルキッチは約16,875000ドル(約24億9750万円)と、大きな差があります。

ブッカー、KD、ビールと、年俸5000万ドル以上の選手を3人抱えるサンズのフロントが、エイトンよりもヌルキッチを選んだのは当然かもしれません。

ヌルキッチの問題は、ケガだけですね。

2.ポイントガードの不足も、今回のトレードでは仕方なかったんでしょうね。

現在サンズのロスターで、正式なポイントガードは、ビールと共にウィザーズからやってきたジョーダン・グッドウィンくらいでしょうか。

サンズは、ビールをスターティングポイントガードで起用すると言われていますが、マッチしなければブッカーにその座を託すかもしれません。

今回のトレードで、ポイントガードを獲得するチャンスでしたが、結局獲得したのは、センターのヌルキッチとウイングの選手ばかりでした。

まあ、今後開幕までに、動くとは思いますが・・・ビッグ3を最大限生かせる、司令塔タイプのポイントガードが欲しいところです。


まとめ

今回は、リラードを絡めた3角トレードで、「ディアンドレ・エイトン放出 ユスフ・ヌルキッチ+α獲得」と、大きく動いたフェニックス・サンズについて語りました。

正直、サンズにとっては大勝利のトレードだったと思います。

エイトンが、ブッカー、KD、ビールの新BIG3とマッチするとは思えなかったですから。

エイトンが、自分が中心となれないチームで不満をあらわにする姿が、容易に想像できてましたからね。

「【2023-24】サンズの新BIG3が失敗する4つの理由」という記事を書きましたが、正直今回のトレードで、サンズのチーム力は大きく上がったと思います。

王者デンバー・ナゲッツと戦ううえでも、元チームメイトで、ヨキッチとのスタメン争いで敗れたヌルキッチには、思うところがあるでしょうから。

ただ、渡邊雄太選手の出番が減る恐れが・・・。

それだけが心配です。

とにかく敵はケガですね。

がんばれ、フェニックス・サンズ!

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