【バスケW杯2023】祝日本代表 一次リーグの戦いを振り返る スタッツリーダー

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夢のような9日間が終わってしまいました。

当初から掲げていた、「アジア1位となって、パリオリンピックの出場権を獲得する」という目標を達成した、最高のエンディングです。

これまで男子のバスケットボールに興味もなかった人々が、バスケ日本代表の勝利を心から願い、応援し、一つひとつのプレーに歓声を上げ拍手を送る、そんな光景が日本中でみられたことが、本当に夢のようです。

ニュースやワイドショーのトップで、男子バスケットボール日本代表がとり上げられるなんて、これまで1度もありませんでしたから。

民放のテレビ局が、夜のプライムタイムにバスケの試合を放送するのも、初めてだと思います。

中学校で部活に入り、高校でNBAに夢中になり、約40年間バスケットボールにたずさわって来ましたが、私自身、ここまで日本代表の勝利を真剣に願い、喜び、涙を流したことは初めてでした。

当ブログ「ハッピーなるブログ NBA」は、NBAに特化したブログです。

正直、日本代表の記事を書くのはどうなのか、悩みもしました。

しかし、バスケワールドカップ2023での感動を、未来の自分のためにも残しておきたいと思い、記事にすることにします。

まあ、なんといっても、渡邊雄太選手(フェニックス・サンズ)という、バリバリのNBA選手がいますからね。

それではレッツラゴー。

目次

バスケW杯2023 日本代表結果

グループリーグで、ドイツとオーストラリアには、力の差を見せつけられた日本代表でしたが、2戦目のフィンランド戦で、奇跡のような逆点勝利をあげ、初めて国際試合でヨーロッパのチームから勝利をあげます。

歴史的な1勝をあげた日本代表は、順位決定リーグで歴史的な2勝をあげ、最終順位は19位

見事にアジア最上位となり、パリオリンピックの出場権を獲得しました。

世界19位と聞いて、バスケを知らない人は、「なんだ19位か。」と思うかもしれません。

しかし、世界大会でことごとく完敗する日本代表をみて、悔しい思いをしてきたバスケファンからすると、ワールドカップで3勝2敗と勝ち越すなんて、夢のまた夢でしたから。

これまで、日本国民全体で盛り上がったスポーツの大会はたくさんあります。

最近では、史上最高の盛り上がりをみせたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)がありましたし、昨年はサッカーのワールドカップで、ドイツとスペインに勝利し、日本中が熱狂しました。

東京オリンピックでは、トム・ホーバス監督率いる女子バスケットボール日本代表が、世界の強豪を次々と破り、銀メダルを獲得。

その後、キャプテンの髙田真希選手や、今回も解説で活躍した馬瓜エブリン選手など、テレビに引っ張りだこになっています。

私自身、スポーツが人々を熱狂させるパワーを、もっとも感じたのは、2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップです。

正直、ラグビーのルールもよくわかっていない私が、日本代表の奮闘する姿に感動し、パブリックビューイングで多くのファンと、声をあげ応援しました。

今回、男子バスケットボールが、同じように日本を熱狂の渦に巻き込んだことが、たまらなく嬉しいのです。

これまで40年間バスケとかかわってきた、わたくしリトルですら、男子バスケ日本代表にここまで夢中になったことは、ありませんでしたから。

バスケW杯2023 日本代表 1次リーグ スタッツリーダー

今年の6月27日、日本バスケットボール協会が、八村塁選手(ロサンゼルス・レイカーズ)の欠場を発表した際、バスケワールドカップがここまで盛り上がるとは思いもしませんでした。

今回選出された12人が、全力を尽くした結果、日本中から応援されるチームになった〝アカツキジャパン″。

ここでは、1次リーグの3試合、それぞれのスタッツリーダーをまとめ、試合を振り返りたいと思います。

第1戦 対ドイツ スタッツリーダー

日本代表 ドイツ戦スタッツリーダー
得点
1位 渡邊雄太    20得点
2位 馬場雄大    15得点
3位 J・ホーキンソン 9得点

リバウンド
1位 J・ホーキンソン 10リバウンド
2位 渡邊雄太     6リバウンド
3位 馬場雄大     4リバウンド

アシスト
1位 富樫勇樹     3アシスト
   河村勇輝     3アシスト
   吉井裕鷹     3アシスト

強豪ドイツ代表を迎えた第1戦。

結果は63対81の18点差で敗れました。

デニス・シュル―ダ―(トロント・ラプターズ)、モリッツとフランツのバグナー兄弟(どちらもオーランド・マジック)、ダニエル・タイス(インディアナ・ペイサーズ)、4人のNBA選手を中心に、優勝候補にもあげられるドイツ代表は、やはり強かったですね。

前半を終わって、31対53、22点のビハインド。

これまでの日本代表なら、ズルズルと引き離されていたと思います。

しかし、今回のアカツキジャパンは違いました。

第3クオーターを16対16と踏ん張ると、第4クオーターは16対12でリードし、18点差で終えたのです。

ドイツ戦の後半の粘りが、その後の試合に生きてきたと思います。

ドイツ戦は、キャプテンの渡邊雄太選手が、NBA選手としてのプライドをみせた試合でした。

オフェンスもディフェンスも、圧倒的な存在感でチームを鼓舞していましたね。

もう一人、キーマンとなったのが、馬場雄大選手です。

ワールドカップ前の強化試合で、消極的なプレーが目立ち、心配されていた馬場選手でしたが、本番では思い切りのいいプレーを連発し、不安を払拭しました。

経験値も高く、実力は誰もが認める馬場選手が、初戦で自信を取り戻したことも、日本代表にとって大きかったと思います。

初戦は負けてしまいましたが、ポジティブな要素も多い試合でした。

第2戦 対フィンランド スタッツリーダー

日本代表 フィンランド戦スタッツリーダー
得点
1位 J・ホーキンソン 28得点
2位 河村勇輝    25得点
3位 比江島慎    17得点
   富永啓生    17得点

リバウンド
1位 J・ホーキンソン 19リバウンド
2位 馬場雄大     5リバウンド
3位 吉井裕鷹     2リバウンド

アシスト
1位 河村勇輝     9アシスト
   富樫勇樹     4アシスト
   比江島慎     3アシスト

NBAを35年間観つづけている、わたくしリトルでも、記憶にないほど興奮したフィンランド戦。

結果は98対88、最大18点ビハインドからの、大逆転劇でした。

フィンランドのエースは、ユタ・ジャズで昨年大ブレークし、MIP(最優秀躍進選手賞)に選出されたオールスター選手、ラウリ・マルカネン。

この試合でもマルカネンは27得点12リバウンドと活躍しました。

ただ、マルカネンは昨年の2022ユーロバスケット決勝ラウンド、クロアチア戦で、43得点をマークしているほどのスコアリングマシーン。

マッチアップした渡邊雄太選手が、よく抑えこんだと言っていいでしょう。

試合開始から激しいディフェンスでペースをつかんだ日本代表。

ベンチから出場した比江島選手が、第1クオーターに9得点をあげる活躍で、22対15と上々の滑り出しをみせます。

しかし、第2クオーターにフィンランドの高さと、正確なシュートに苦しみ、36対46と逆転されると、第3クオーターも一時18点差までリードを広げられました。

それでも、富永選手の苦しい体制からのディープスリーが決まり、10点差で運命の最終クオーターに突入。

第4クオーターは、日本代表の攻撃力が大爆発。

富永選手のディープスリーで点差を縮めると、残り4分35秒、河村選手のレイアップで同点に追いつきます。

日本の爆発的な追い上げに、会場同様テンション爆上がりだったわたくしリトルですが、妻の手前、感情をおさえめに応援していました。

しかし、元日本代表センターでNBA解説者である北原憲彦さんが、感情を爆発させて歓喜の声をあげている姿をテレビ画面で確認した瞬間、涙腺が崩壊し、感情があふれ出てしまいましたね。

これまでバスケットボールに携わってきた多くの日本人が、世界と闘える現在の日本代表に、思いのすべてをぶつけているのだと思い知ったからです。

世界の壁に簡単にはね返され、悔しい思いをしてきた多くの先輩プレイヤーたちが、テレビの前で涙を流して歓喜している姿が見えたからです。

そこから、試合終了までは河村のショータイム。

3ポイントを決め、ドライブからレイアップやアシストを決める、自由自在な活躍で、勝利を手にしました。

試合を振り返ると、前半の苦しい時間に得点を重ねた比江島選手、第3クオーター終盤からディープスリーを連発した富永選手、そして圧巻の活躍をみせた河村選手の活躍が光りました。

ただ、最も感動したのは、ジョシュ・ホーキンソン選手の攻守における献身的な働き。

試合時間40分のうち、ホーキンソン選手の出場時間は37分32秒。

ほぼフル出場で、どちらもチームトップの28得点、19リバウンドを記録し、大逆転劇を演出しました。

ホーキンソン選手のリバウンドがあったからこそ、富永選手や河村選手が思い切ってシュートを打ち切ることができたのだと確信しています。

もちろん、渡邊選手のディフェンスや、吉井選手のハッスルプレー、ベンチを盛り上げる川真田選手など、全員で勝ち取った歴史的勝利でした。

国際大会で日本代表が、ヨーロッパのチームから初めてつかんだ1勝。

この勝利が、多くの日本人の心をつかみ、より大きな応援となり、順位決定戦での2勝につながっていったのです。

おそらく、1次リーグ全敗だった場合、「やっぱり日本は弱いなあ。」と、いつもの調子で終わっていたと思います。

せっかくプライムタイムで民放が生中継するという、バスケ人気を高める大チャンスを無駄にするところでした。

そして、開幕時は私自身、無駄にするんだろうと、心のどこかで思っていました。

それほどに、1次リーグの3チーム、ドイツ、フィンランド、オーストラリアが強かったからです。

ただ、トム・ホーバス監督と、選手たちは、自分たちの力を微塵も疑っていなかったですね。

全力で倒しに行っていました。

その姿に、心が震えました。

フィンランド戦は、日本のバスケに携わってきた私たちだけではなく、バスケに触れてこなかった一般の日本人の心も震わせるエネルギーをもった試合でしたね。

第3戦 対オーストラリア スタッツリーダー

日本代表 オーストラリア戦スタッツリーダー
得点
1位 J・ホーキンソン 33得点
2位 渡邊雄太    24得点
3位 富樫勇樹    14得点
  
リバウンド
1位 J・ホーキンソン 7 リバウンド
   渡邊雄太     7リバウンド
3位 馬場雄大     3リバウンド

アシスト
1位 河村勇輝     7アシスト
   富樫勇樹     7アシスト
   馬場雄大
    3アシスト

フィンランド戦での勝利により、日本中でバスケ熱が高まった中、行われたオーストラリア戦。

試合開始がこれまでより1時間早い、20時10分ということもあり、テレビの視聴率は平均13.4%と高いものでした。

バスケの試合が、ここまで盛り上がるなんて、試合前から感慨深いものがありましたね。

ただ、相手は優勝候補のオーストラリア。

結果は、89対109、20点差で敗れています。

2021年の東京オリンピックで銅メダルに輝いたオーストラリアには、これまでエースとしてチームを引っ張ってきたパティ・ミルズ(アトランタ・ホークス)を筆頭に、全部で9人のNBA選手が参加。

今回特に注目されたのは、若干20歳ながらオーストラリアで司令塔をつとめる、オクラホマシティ・サンダーのジョシュ・ギディ―です。

203㎝と高身長ながら、広い視野を持ち、自らシュートも決めれば、目の覚めるようなノールックパスも決める司令塔。

日本戦でも、26得点 5リバウンド 11アシストと、モンスタースタッツをたたき出しています。

そしてもう一人、この試合で躍動したのが、昨季オーストラリアリーグでMVPを獲得した、203㎝のパワーフォワード、ニック・ケイでした。

今年の3月にNBAワシントン・ウイザーズと契約を交わした28歳は、ゴール下で躍動し、24得点 16リバウンドの大活躍をみせます。

日本は最後までギディ―とケイを止めることができませんでした。

それでも、日本にとって、この敗戦もポジティブにとらえることができるものだったと思います。

まずは富樫勇樹選手の復調。

これまでの2試合、シュートタッチが悪く、無得点だった富樫選手が、7本中5本のシュートを決め(うち3ポイントシュートは、6本中4本成功)、14得点を記録しています。

また、渡邊雄太選手も、昨シーズンチームメイトとして共に戦った、パティ・ミルズに負けじと奮闘。

24得点7リバウンドを記録し、意地をみせました。

最後は、盟友パティ・ミルズにファールをしたところで、5ファール退場となりましたが、攻守にわたって、日本代表を鼓舞し続けましたね。

足を痛めているはずですが、出場時間は36分53秒。

ほぼフル出場し、チームが崩壊しそうになる流れを、何度も止めました。

パリ五輪出場権をとるには、得失点差が重要になるため、強豪オーストラリアに20点差で終われたのは、上出来だったと思います。

そして、フィンランド戦に引き続き、圧倒的な活躍をみせたのが、ジョシュ・ホーキンソン選手。

オーストラリア戦でも36分28秒と、2試合連続ほぼフル出場。

フィジカル勝負となる国際試合で、2試合連続の出場時間36分以上は、正直無謀ともいえる起用です。

トム・ホーバス監督の信頼に、ゲームハイの33得点で応えるホーキンソン選手。

信頼関係が半端ではないのでしょうね。

ただ、ホーキンソン選手のプレータイムの長さを、この時は本当に心配していました。

まさか、最終戦(カーボベルデ戦)で、渡邊雄太選手と共に、40分フル出場で大活躍するなんて(笑)。

日本がオーストラリアに敗れたため、日本代表が所属するグループEからは、1位ドイツ(3勝)、2位オーストラリア(2勝1敗)が2次ラウンドに進出。

3位日本(1勝2敗)、4位フィンランド(3敗)が、17位~32位までを決める順位決定ラウンドに進むことになりました。

日本代表は、「アジア最上位となり、パリオリンピックの出場権を獲得する」という目標を掲げていましたが、1次リーグを終えて、アジアで1勝をあげたのは、日本のみ(それも寂しいですが)。

ただ、順位決定リーグの2試合を含む、全5試合での成績となるため、まったく気は抜けませんでした。

緊張感の張りつめた試合は、順位決定リーグへと続きます。

まとめ

今回は、バスケワールドカップ2023、日本代表の1次リーグの戦いを振り返りました。

正直、パリオリンピックの出場権を獲得することは難しいと思っていましたし、こんなに話題となり、日本中がバスケの話題でもちきりになるなんて、信じられません。

今年の7月、ジョシュ・ホーキンソン選手が右股関節を負傷し、ワールドカップへの出場が危ぶまれる事態となり、なんとか復帰できた強化試合のアンゴラ戦で、今度はチームの要となる渡邊雄太選手が右足首を捻挫。

八村塁選手がいない中、チームの核となる二人が万全でない状態。

正直、「民放で生中継されるけど、これ大丈夫か?」と思ったものです。

映画スラムダンクで盛り上がったバスケ熱が、一気に冷え切ってしまうことを、心配したほどでした。

何しろ、1次リーグの相手がドイツ・フィンランド・オーストラリアと、NBA選手を中心とした強豪ばかりでしたから。

日本にとって死の組もいいとこです。

しかし、トム・ホーバス監督が率いるアカツキジャパンの覚悟は、本物でしたね。

素晴らしい3試合をみせてくれました。

テレビの視聴率も、ドイツ戦8.2%、フィンランド戦9.6%、オーストラリア戦13.4%と、右肩上がりとなり、多くの人がバスケの熱さ、楽しさに気づいていったことを証明しています。

残念ながら2次リーグには進めなかった日本ですが、ここからの2試合、さらに日本代表アカツキジャパンは、多くの日本国民を魅了する活躍をみせたのです。

今回は、パリオリンピック出場権を見事獲得した、日本代表アカツキジャパンの1次リーグ3試合を振り返りました。

本当に心の底から楽しんで、興奮して、涙したフィンランド戦。

今のところ、私の人生で、最も感動したバスケの試合でした。

1998年NBAファイナル、シカゴ・ブルズvsユタ・ジャズ第6戦戦、2011年NBAファイナル、ダラス・マーベリックスvsマイアミ・ヒート第6戦を超えましたね。

とにかく、「これは行けるぞ。」と強く感じた1次リーグ。

次回は、大興奮が続き、素晴らしいフィナーレを迎えた、順位決定リーグについて語ります。



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