いよいよNBAファイナル2024が始まりました。
ボストン・セルティックスvsダラス・マーベリックス。
ジェイソン・テイタムとルカ・ドンチッチ、2人の若きスーパースターのうち、どちらか一人がチャンピオンリングを手にする、歴史的な戦い。
ワクワクが止まりません。
今回は両チームの戦力を比較し、NBAを35年間観つづけてきたわたくしリトルの優勝予想を行っていきたいと思います。
レッツラゴー。
セルティックスvsマーベリックス スタッツ比較
まずはレギュラーシーズンのチームスタッツを比較してみましょう。
2023-24 ボストン・セルティックス チームスタッツ
レギュラーシーズン
64勝18敗 勝率.780
イースタンカンファレンス1位
平均得点 120.6(全体2位)
平均失点 109.2(全体5位)
リバウンド 46.3(全体2位)
アシスト 26.9(全体14位)
ターンオーバー 11.9(全体30位)
FG% 48.7(全体7位)
3P% 38.8(全体2位)
2023-24シーズン、圧倒的な強さをみせつけ、リーグ首位を独走したボストン・セルティックス。
スタッツをみても、攻守両面でリーグトップクラスであることが証明されています。
平均得点はリーグ2位、平均失点はリーグ5位。
ちなみに平均得点リーグ首位のインディアナ・ペイサーズは平均失点ではリーグ27位。
平均失点リーグ首位のミネソタ・ティンバーウルブズは、平均得点ではリーグ18位。
攻守両面でリーグトップクラスのチームをつくることは、とても難しいのです。
特筆すべきは、ターンオーバーの少なさ。
リーグで最もターンオーバーが少ないチームが、ボストン・セルティックスです。
ヘッドコーチ歴2年目のジョー・マズーラは、素晴らしいチームをつくりあげましたね。
2023-24 ダラス・マーベリックス チームスタッツ
レギュラーシーズン
50勝32敗 勝率.610
ウエスタンカンファレンス5位
平均得点 117.9(全体7位)
平均失点 115.6(全体11位)
リバウンド 42.9(全体21位)
アシスト 25.7(全体19位)
ターンオーバー 12.5(全体27位)
FG% 48.1(全体11位)
3P% 36.9(全体13位)
昨シーズン、ウエスタンカンファレンス11位でプレーオフを逃したダラス・マーベリックス。
今シーズンは強豪ひしめくウエスタンカンファレンスの中で5位を確保しました。
スタッツはセルティックスに比べると見劣りしますが、平均得点・平均失点ともにリーグ上位に位置しています。
意外なのが、こちらもターンオーバーの少なさ。
ドンチッチのトリッキープレーが目立つため、ミスも多いイメージがありますが、チームとしては堅実なプレーをしています。
正直単純にレギュラーシーズンの勝率やスタッツを比較すると、セルティックス有利と言わざるをえません。
ただ、ダラス・マーベリックスにはスタッツだけでは測れない強さがあるんですよね。
セルテックスvsマーベリックス ガード対決
両チームの主力選手を、ポジション別にみていきましょう。
各選手レギュラーシーズンのスタッツとプレーオフでのスタッツ、相性などを語っていきたいと思います。
まずは今年のNBAファイナルの肝となる、ガード対決です。
ボストン・セルティックスの主力ガード陣は・・・
4 ドリュー・ホリデー
レギュラーシーズン 69試合出場
12.5得点 5.4リバウンド 4.8アシスト FG48.0% 3P42.9%
プレーオフ 15試合出場
12.7得点 5.8リバウンド 4.6アシスト FG48.6% 3P39.7%
9 デリック・ホワイト
レギュラーシーズン 73試合出場
15.2得点 4.2リバウンド 5.2アシスト FG46.1% 3P39.6%
プレーオフ 15試合出場
17.6得点 3.9リバウンド 4.6アシスト FG47.0% 3P40.5%
続いてダラス・マーベリックスの主力ガード陣は・・・
77 ルカ・ドンチッチ
レギュラーシーズン 70試合出場
33.9得点 9.2リバウンド 9.8アシスト FG48.7% 3P38.2%
プレーオフ 18試合出場
28.8得点 9.7リバウンド 8.4アシスト FG44.0% 3P34.3%
11 カイリー・アービング
レギュラーシーズン 58試合出場
25.6得点 5.0リバウンド 5.2アシスト FG49.7% 3P41.1%
プレーオフ 17試合出場
22.8得点 3.9リバウンド 5.2アシスト FG48.5% 3P42.1%
比較すると、当然スタッツはマーベリックスのWエース、ドンチッチとカイリーがセルティックスの2人を圧倒しています。
特にドンチッチのレギュラーシーズンのスタッツは尋常ではありません。
ほぼ年間トリプルダブル、なんでもできるオールマイティーなプレイヤーながら、リーグ得点王!
理不尽なステップバックスリーや、無謀ともいえるディープスリーを多発しながらも、シュート成功率は高い水準を維持しています。
以前「【ルカ・ドンチッチvsラリー・バード】バスケの天才2人 どちらが優れているのか」という記事を書きましたが、能力的にはすでに25歳のドンチッチがバードを超えているかもしれません。
ドンチッチは今回優勝すれば、文句なしに歴史に名を残すスーパースターの仲間入りを果たすと言っていいでしょう。
まだ25歳でこの完成度、恐ろしいですね。
ただドンチッチにも心配な点があります。
プレーオフに入ってややスタッツを落としていますが、これは相手の執拗なマークによるものだけではありません。
ロサンゼルス・クリッパーズと戦ったプレーオフ1stラウンドの第4戦前に、ドンチッチは右膝の痛みで試合出場がクエスチョナブル(不確実)と発表されました。
結局試合には出場しましたが、明らかに膝の痛みのため動きが悪かったドンチッチ。
その後の試合でもたびたび膝を気にするそぶりをみせながらも、勝負どころでは決定的な働きをみせています。
やっとたどりついたNBAファイナル。
ドンチッチは無理をしてでも全力で戦うでしょう。
ダラスファンのわたくしリトルとしては、なんとかドンチッチの膝が悪化しないよう、祈りつづけたいと思います。
ダラス・マーベリックスのもう一人のスターが、カイリー・アービングです。
数々のトラブルを巻き起こしてきたカイリーですが、昨シーズン途中にマーベリックスに加入してからは、ウソのようにちゃんとプレーしています(笑)。
ブルックリン・ネッツ時代に「地球は平らだ」と言い出し、ワクチンを拒否して試合に出場せず、ナイキから出た自身のシグネチャーシューズ「カイリー8」をボロクソに言い出した時には「カイリーも終わったな」と思っていましたが、マーベリックスで見事に復活しました。
ブルックリン・ネッツのフロントは、いったいどんな気持ちでカイリーの活躍をみているのでしょうか・・・。
カイリーの1on1テクニックはNBAの歴史上でもトップクラス。
さらに試合終盤のクラッチシュートを何度も沈めてきた実績もあります。
クリーブランド・キャバリアーズ時代の2016年には、NBAファイナルでシリーズを決定づける3ポイントシュートを沈め、レブロン・ジェームズとともにクリーブランドに初めての優勝をもたらしました。
波に乗ったら止まらないカイリーですが、今回のファイナルでは大いなる敵と戦う必要があります。
セルティックスのホームコート、TDガーデンを満員にするであろう、ボストンファンたちです。
2017-18、2018-19の2シーズンをボストン・セルティックスのエースとして過ごしたカイリー。
個人としては活躍をみせたもののチームを優勝に導くことはできず、厳しいボストンファンからは批判の声があがっていました。
するとカイリーはシーズン中に「ボストン残留を第一に考えている」と語っていたにもかかわらず、シーズン終了後にFAとなり、すぐにブルックリン・ネッツと契約。
裏切られたと感じたボストンファンたちはカイリーにブーイングを送るようになり、カイリーも中指を立てたり、セルティックスのチームロゴであるおじさん(ラッキー)を踏みつけたり、大人げない行動で応戦。
おかげでボストンファンにとって、カイリーはもっとも憎たらしい選手になりました。
満員のTDガーデンにブーイングが響きわたる中、カイリーはいつもどおりの活躍をみせることができるのか。
優勝の行方をうらなう、大きなポイントになると思います。
対するボストン・セルティックスのガード陣には、スタッツに現れない強力な武器があります。
圧倒的なディフェンス力です。
ドリュー・ホリデーは4年連続NBAオールディフェンシブチームに選出されている、守備のスペシャリスト。
多くのNBA選手たちが、リーグ最高のペリメーターディフェンダーとして、ホリデーの名前をあげています。
スーパースターがそろう、パリオリンピックアメリカ代表にも選出されている、リーグを代表するディフェンシブガードです。
高確率な3ポイントシュート、体の強さを生かしたインサイドプレーなど、多彩なオフェンススキルも持ちあわせているホリデー。
2020-21シーズン、ミルウォーキー・バックスで優勝を経験しているホリデーは、大舞台での経験も豊富です。
優勝を目指すセルティックスにとって、ホリデーの獲得は最高の補強でしたね。
今シーズンセルティックスのキーマンとなったデリック・ホワイト。
ホワイトも昨シーズンに続いて2年連続NBAオールディフェンシブ2ndチーム入りを果たす、ディフェンスのスペシャリストです。
身長193㎝と小柄ながら平均1.2ブロックと、驚異的な守備力を誇っています。
ちなみに今年のパリオリンピックアメリカ代表に選出されたディフェンス力の高い206㎝のセンター、バム・アデバヨ(マイアミ・ヒート)が平均0.9ブロックということからも、ホワイトの凄さがおわかりいただけるかと思います。
ほとんどのスタッツが自己ベスト級だった今シーズン。
特にシュートが好調で、3ポイント成功率は39.6%、フリースローの成功率は90.1%を記録。
インディアナ・ペイサーズとの最終第4戦で試合を決めたのも、ホワイトのコーナー3でしたね。
ここぞという場面で決めるホワイトの3ポイントは、何度もチームを救ってきました。
攻守に安定感のあるホワイトは、セルティックスにとって欠かせないプレイヤーに成長しています。
ガード対決の予想
今回のNBAファイナルで最も注目されるのが、このガード対決。
ドンチッチ&カイリーは、最強の鉾(ほこ)。
ホリデー&ホワイトは、最強の盾(たて)。
ドンチッチ&カイリーが、カンファレンスセミファイナルまでのように、相手のディフェンスを無効化するほどのオフェンス力をみせつければ、マーベリックスが有利となりますが、ホリデー&ホワイトのディフェンスに苦しむようだとセルティックスが一気に有利になると思います。
NBA最強といえる、ドンチッチ&カイリーにとって最悪の組み合わせが、ボストン最強のディフェンダー、ホリデー&ホワイトでしょう。
高さ(201㎝)もパワーもシュート力も、そして圧倒的なパスセンスも兼ね備えるルカ・ドンチッチを抑え込むことは、不可能だと思います。
しかし、カイリーをはじめドンチッチ以外の選手をおさえることは、ホリデー&ホワイトならやってしまいそうなんですよね。
ピック&ロールでスイッチをしても、ビッグマン相手でもパワー負けしない2人のおかげで、セルティックスのディフェンスには穴ができないのが強みです。
スターパワーでドンチッチ&カイリーが異次元の攻撃力をみせつけるのか、ホリデー&ホワイトのディフェンス力の前に苦しむことになるのか・・・。
ガード対決がファイナルのカギになると考えます。
セルティックスvsマーベリックス フォワード対決
次にフォワード対決です。
セルティックスのフォワード陣からみていきましょう。
7 ジェイレン・ブラウン
レギュラーシーズン 70試合出場
23.0得点 5.5リバウンド 3.6アシスト FG49.9% 3P35.4%
プレーオフ 15試合出場
24.8得点 6.1リバウンド 2.6アシスト FG54.3% 3P36.6%
0 ジェイソン・テイタム
レギュラーシーズン 74試合出場
26.9得点 8.1リバウンド 4.9アシスト FG47.1% 3P37.6%
プレーオフ 15試合出場
25.3得点 10.4リバウンド 5.9アシスト FG43.8% 3P29.9%
次にダラス・マーベリックスの主力フォワード陣は・・・
25 PJ・ワシントン
レギュラーシーズン 73試合出場
12.9得点 5.6リバウンド 1.9アシスト FG43.6% 3P32.0%
プレーオフ 18試合出場
13.7得点 6.8リバウンド 1.4アシスト FG43.3% 3P35.3%
55 デリック・ジョーンズJr.
レギュラーシーズン 76試合出場
8.6得点 3.3リバウンド 1.0アシスト FG48.3% 3P34.3%
プレーオフ 18試合出場
9.6得点 3.8リバウンド 1.3アシスト FG47.5% 3P40.0%
ガード対決とは逆に、フォワードはボストン・セルティックスのブラウン&テイタムがスタッツで圧倒していますね。
これまでブラウンがシューティングガード、テイタムがスモールフォワードとしてプレーしてきましたが、今シーズンはデリック・ホワイトの成長もあり、ブラウンがスモールフォワード、テイタムがパワーフォワードと慣れないポジションでプレーしました。
高さやパワーで苦戦するかと思いましたが、まったく問題なし。
2人のコンビはさらに威力を増し、セルティックスをリーグ最高勝率に導きました。
得点力だけでなく、ディフェンス力も高いブラウン&テイタムのコンビは、マーベリックスにとって脅威でしょう。
スモールフォワードとして先発したジェイレン・ブラウンは、今シーズンも攻守に躍動。
残念ながらオールNBAチームには選出されませんでした(なぜだ?)が、セルティックスのWエースの1人として、チームの危機を何度も救いました。
ジュルー・ホリデー、クリスタプス・ポルジンギスと、2人のスコアリング能力の高いプレイヤーが加入したため、平均得点は昨シーズンの26.6得点から23.0得点に落ちましたが、試合を決める場面での信頼度はより上がっていますね。
記憶にあたらしいのは、インディアナ・ペイサーズとのプレーオフカンファレンスファイナル第1戦での奇跡の同点3ポイント。
ブラウンのこの3ポイントがなければ、シリーズの行方がどうなっていたのかはわかりません。
クラッチスティールやクラッチブロックも連発したブラウンは、イースタンカンファレンスファイナルMVPに選出され、ラリー・バードトロフィーを授与されました。
ブラウンの勢いは、NBAファイナルでも続くのでしょうか?
テイタムは今シーズンも攻守に安定した活躍をみせ、3年連続オールNBA1stチームに選出されています。
セルティックスのエースとして誰もが認めるテイタムですが、大事な場面で弱気になる「タツム化」を指摘されることもあり、マーベリックスのエース、ドンチッチに比べるとやや頼りない印象もあります。
ただシュートが入りだすと止まらなくなる爆発力がありながら、ディフェンス力も高く、リバウンドにも積極的に飛びこむテイタムは、理想的なオールラウンダーだといえるでしょう。
エゴも少なく、チームの勝利のために全力をふり絞るテイタムは、究極のチームプレイヤーなのかもしれません。
若干26歳ながら豊富なプレーオフ経験があるテイタム。
目指すは優勝のみですね。
セルティックスの2大エースに比べると、マーベリックスのフォワード陣は地味なイメージがあります。
今年の2月にシャーロット・ホーネッツからトレードで加入したPJ・ワシントン。
マーベリックスのシーズン終盤の快進撃に大きく貢献しました。
NBA5年目のPJは、弱小ホーネッツの主力として活躍を続けてきた3&D。
リーグ有数のタレントがそろうマーベリックスに加入したことで、初めてのプレーオフに挑み、見事NBAファイナル進出を果たしています。
クラッチシュートを決めたあとにみせる、腕組みポーズも話題になりましたね。
レギュラーシーズンでは好不調の波が激しかったものの、ミネソタ・ティンバーウルブズと戦ったカンファレンスファイナルの4試合では、すべて2桁得点を記録するなど、プレーオフでは安定感を増しています。
マーベリックスのXファクターとして、重要な役割を担うPJ・ワシントンは、ファイナルの大舞台でどんな活躍をみせるのか。
要チェックです。
デリック・ジョーンズJr.(DJJ)は今シーズンからマーベリックスに加入した元ダンクチャンピオン。
正直あまり期待されていなかったDJJ。
シーズン前に必ず購入している月刊ダンクシュートの増刊号「2023-24シーズンNBAコンプリートガイド」でも、DJJの紹介はメインプレイヤーの欄にはなく、小さい枠で紹介されていました。
しかしシーズンが始まると、抜群の身体能力を駆使したディフェンスで存在感をみせ、スターターに定着。
ジェイソン・キッドHCの信頼を勝ちとり、出場した76試合のうち66試合に先発しました。
決して成功率は高くないものの、大事な場面で3ポイントシュートを決めきる勝負強さも発揮しています。
「2020年オールスター ダンクコンテスト優勝」という過去の栄光を超える、NBAファイナル制覇を成しとげることができるのか。
苦労人DJJが、セルティックスのオールスターコンビに挑みます。
フォワード対決の予想
正直フォワードのマッチアップを考えると、セルティックスのオールスターコンビの圧勝です。
身体能力、シュート力、バスケIQ、すべてにおいてブラウン&テイタムが圧倒しています。
ブラウン&テイタムはオフェンスだけでなく、ディフェンス力も超一流。
ボストン・セルティックスの心臓である2人のフォワードを波にのせてしまったら、マーベリックスは一気に飲みこまれてしまうでしょう。
PJ・ワシントン&デリック・ジョーンズJr.の雑草コンビが、どれだけオールスターコンビを苦しめることができるのか。
決めるべきシュートを決めることができるのか。
雑草コンビが120%の力を発揮できなければ、マーベリックスの優勝は厳しいと言わざるをえません。
セルティックスvsマーベリックス センター対決
最後にセンター対決。
スターターは1人ですが、両チームともキープレイヤーとなる選手2人づついるため語っていきます。
まずはセルティックスのセンタープレイヤー2人から。
42 アル・ホーフォード
レギュラーシーズン 65試合出場
8.6得点 6.4リバウンド 2.6アシスト FG51.1% 3P41.9%
プレーオフ 15試合出場
9.9得点 7.3リバウンド 2.0アシスト FG47.1% 3P34.9%
8 クリスタプス・ポルジンギス
レギュラーシーズン 57試合出場
20.1得点 7.2リバウンド 2.0アシスト FG51.6% 3P37.5%
プレーオフ 5試合出場
13.8得点 5.2リバウンド 1.4アシスト FG44.9% 3P41.7%
続いてダラス・マーベリックスのセンター陣は・・・
21 ダニエル・ギャフォード
レギュラーシーズン 74試合出場
11.0得点 7.6リバウンド 1.6アシスト FG72.5% 3P-
プレーオフ 18試合出場
9.2得点 5.7リバウンド 0.8アシスト FG62.5% 3P-
2 デレック・ライブリー2世
レギュラーシーズン 55試合出場
8.8得点 6.9リバウンド 1.1アシスト FG74.7% 3P-
プレーオフ 17試合出場
8.2得点 7.1リバウンド 1.5アシスト FG67.1% 3P-
両チームのセンターは、同じポジションながらまったくプレースタイルが違います。
セルティックスのホーフォードとポルジンギスは、3ポイントシュートを武器とするストレッチ5。
マーベリックスのギャフォードとライブリーは、ゴール下を主戦場とするクラシカルなセンター。
4人ともリムプロテクト能力の高い、ディフェンスにも秀でた選手です。
まずはセルティックス最年長、37歳のアル・ホーフォード。
キャリア17年目、5度のオールスター出場を誇るベテランセンターは、セルティックスに落ち着きをもたらす存在です。
身体能力の衰えはあるものの、高確率な3ポイントシュートを武器に安定感のあるプレーをみせています。
ディフェンス力にも定評のあるホーフォード。
206㎝とセンターとしては高さが足りないものの、タイミングのよいブロックで最後の砦となっています。
レギュラーシーズンでは出場した65試合のうち33試合に先発。
基本的には6thマンとしての出場だったホーフォードでしたが、ポルジンギスや他の選手がケガで離脱した際には、スターターとしてプレーし、チームに落ち着きをもたらしてきました。
成功率40%を超える3ポイントシュートも大きな武器となっています。
プレーオフ1stラウンド、マイアミ・ヒートとの第4戦でポルジンギスがヒラメ筋を痛め離脱すると、ホーフォードが見事なカバーをみせ、クリーブランド・キャバリアーズとのカンファレンスセミファイナル、インディアナ・ペイサーズとのカンファレンスファイナル、全試合に先発出場。
スター選手がそろうセルティックスの中で、いぶし銀の活躍をみせています。
NBAファイナル2024の結果を左右する最大のポイントが、クリスタプス・ポルジンギスの状態だと言われています。
今シーズンセルティックスがチームのハート&ソウル、マーカス・スマートを放出してまで獲得したポルジンギス。
221cmの高さを武器にブロックショットを連発し、オフェンスでは無慈悲な3ポイントシュートを決めまくる、健康であればチート級のプレイヤーです。
オフェンス、ディフェンスどちらも優れたポルジンギスのあだ名はユニコーン。
二刀流でおなじみ、ドジャースの大谷翔平と同じニックネームをもつポルジンギスは、予想を超えるインパクトをセルティックスにもたらしました。
心配されたケガはあったものの、57試合に出場。
平均20得点を記録し、テイタム、ブラウンに次ぐサードオプションとして、セルティックスの攻撃力アップに貢献しまています。
ディフェンスでは高さを生かし平均1.9ブロックを記録。
優勝を目指すセルティックスのラストピースとして、期待通りのプレーをみせました。
プレーオフでは1stラウンド第4戦、ふくらはぎを痛め離脱したポルジンギス。
その後プレーオフカンファレンスセミファイナル、カンファレンスファイナルを10試合連続欠場。
NBAファイナルでプレーできるか心配されましたが、第1戦で復活します。
6thマンとして出場し、わずか20分34秒の出場で20得点 6リバウンド 3ブロックを記録する大活躍をみせ、セルティックス圧勝の立役者となりました。
セルティックスのセンター2人はシュート力が高く、チームに広大なスペースを与えています。
セルティックスのシステムに欠かせない2人のビッグマンは、リーグナンバー1の勝率をほこるチームに欠かせないピースですね。
マーベリックスのセンター2人には、3ポイントシュートはありません。
オフェンスではドンチッチやカイリーからのアリウープパスをリングに叩きこみ、ディフェンスではゴール下で相手のシュートをブロック。
昔ながらのセンタープレイヤーです。
現在スターターをつとめるダニエル・ギャフォードは、2月にワシントン・ウィザーズからマーベリックスにトレードで移籍。
208cmながら驚異的な身体能力を武器に、今シーズンはリーグ7位の平均2.1ブロックを記録しています。
フィールドゴール成功率は72.5%!
堂々リーグナンバー1に輝きました。
ポルジンギス、ギャフォードと、優秀なビッグマン2人を抱えながらリーグ最下位争いをしていたワシントン・ウィザーズは、ちょっとやばいですね。
2人ともトレードで強豪チームに移籍できたことは本当にラッキーでした。
もう一人のセンター、デレック・ライブリー2世は216㎝のルーキープレイヤー。
ドラフト1巡目12位でオクラホマシティ・サンダーに指名され、トレードでダラス・マーベリックスに加入すると、開幕2戦目からスターターに抜擢されました。
ディフェンスに定評のあったライブリーでしたが、デューク大学でプレーした昨シーズン、平均5.2得点だったように、オフェンススキルが問題視されていました。
しかしドンチッチとカイリー、2人の優秀なガードに操られ、平均8.8得点を記録。
攻守に大きく貢献し、オールルーキー2ndチームに選出されています。
ギャフォードが加入してからはベンチ出場を続けていますが、ライブリーのエナジーはマーベリックスを勢いづけていますね。
ミネソタ・ティンバーウルブズとのカンファレンスファイナル第3戦でカール・アンソニー・タウンズの膝を後頭部に受け、首の捻挫で離脱し心配されましたが、1試合の欠場を経て元気に復活。
セルティックスのドライブを防ぐために、ライブリーの高さは欠かせません。
センター対決の予想
同じポジションながら役割が大きく違うセルティックスとマーベリックス。
能力をみると、やはりセルティックスのインパクトが強いですね。
特にポルジンギスが絶好調の時は、何をやっても止められない爆発力があります。
221cmでステップバックスリーを打たれたら、もうシュートがはずれるのを祈るしかありませんからね。
セルティックスはセンターの二人が3ポイントシュートを得意としているため、出場している5選手がすべて3ポイントラインの外で待機するファイブアウトの戦法がとれるのが強みです。
全員がドライブを得意としているセルティックスは、ファイブアウトを行うことで広大なスペースを自由に使うことができます。
マブスのセンターをつり出すことで、ゴール下の脅威も少なくなりますから。
セルティックスには隙がないんですよね。
マーベリックスの武器となっているアリウープも、ポルジンギスの高さの前では簡単には決められないでしょう。
ただ問題はポルジンギスの健康状態。
ケガの多いポルジンギスが、10試合欠場後のファイナルの大舞台でどれだけ戦えるのか・・・。
勝負の行方を左右するポルジンギスのプレーに注目です。
NBAファイナル2024 リトルの優勝予想は・・・
ポジションごとにセルティックスとマーベリックスのマッチアップをみてきました。
レギュラーシーズンの勝敗、スタッツもあわせて考えると、セルティックス有利はあきらかですね。
マーベリックス最大の強みであるドンチッチ&カイリーのガードコンビには、リーグ最強のバックコートコンビ、ホリデー&ホワイトがマッチアップ。
フォワードはブラウン&テイタムのオールスターコンビが圧倒するでしょう。
センターはポルジンギスが100%の状態で出場できれば、セルティックスが攻守で有利になります。
マーベリックスの武器アリウープも封じられるでしょう。
冷静に考えると、4勝2敗でセルティックスの優勝・・・というところでしょうか。
ただ、ダラス・マーベリックスにはルカ・ドンチッチがいます。
戦力的にはセルティックスがリード。
対するのはリーグ最強のディフェンス力を誇るガードコンビ。
マーベリックスのオフェンスにとって、セルティックスのスイッチディフェンスは最悪の相性。
膝に爆弾を抱えている。
データ的にもマーベリックスには厳しい状況ですが、すべての逆境をひっくり返すだけのスターパワーを、ドンチッチは持っていると思います。
歴史に残るスーパースター覚醒の瞬間を、体感したいのです。
わたくしリトルは、NBAファイナル2024、ダラス・マーベリックスが4勝3敗でボストン・セルティックスを下し、2回目の優勝を勝ちとると予想します。
まとめ
今回記事作成中に、NBAファイナル第1戦が行われました。
結果は107-89でボストン・セルティックスの圧勝。
ドンチッチは30得点をあげたものの、アシストはわずか1。
セルティックスはドンチッチに得点されることはある程度あきらめ、他の選手を抑えるディフェンスで、マーベリックスにリズムを与えませんでした。
カイリーの3ポイントシュートが5本すべて外れたのも響きましたね。
ただ、マーベリックスのジェイソン・キッドHCが黙っているわけがありません。
第2戦からはジェイソン・キッドHCとジョー・マズーラHCの戦術対決も見ものです。
みなさんの優勝予想はセルティックス、マーベリックス、どちらでしょうか?
2023-24シーズンの総決算、NBAファイナルを心から楽しみましょう。
がんばれ、マーベリックス!
ドンチッチ、奇跡をみせてくれ!