日本時間2月17日(月)に開催されるNBAオールスター2025がいよいよ近づいてまいりました。
4回にわけてオールスターに出場する選手たちについて語ってきましたが、最終回はイースタンカンファレンスから選ばれた7人のリザーブ選手です。
ウエスタンカンファレンスに比べるとやや地味なメンバーですが、実力の高い選手がそろっています。
NBA初のミニトーナメント形式のオールスターをおおいに盛りあげてほしいですね。
選手のスタッツは、2月3日現在のものです。
それでは、レッツラゴー!
ケイド・カニングハム
ケイド・カニングハム
デトロイト・ピストンズ
ポイントガード
背番号 2
生年月日 2001年9月25日生まれ(23歳)
出身地 テキサス州 アーリントン
出身校 オクラホマ州立大学
身長体重 198cm 100㎏
今季年俸 1394万ドル
ドラフト 2021年1巡目1位
2024-25シーズンスタッツ
45試合出場 25.2得点 6.3リバウンド 9.4アシスト
FG45.8% 3P36.0%
再建に向けて進んでいるデトロイト・ピストンズのエース、ケイド・カニングハム。
豊作といわれている2021年のNBAドラフトで、全体1位指名された大型ポイントガードは、今シーズンようやく初めてのオールスターに選出されました。
得点、リバウンド、アシスト、フィールドゴール成功率、3ポイントシュート成功率など、主要項目すべてで自己最高のスタッツを残している今シーズンのケイドは、デトロイト・ピストンズの希望となっています。
ケイドが入団して3シーズン、ピストンズは常にリーグ最下位争いをしてきました。
昨シーズンはNBA記録となる同一シーズン28連敗を記録するなど、驚くべき弱さを発揮したピストンズ。
リーグ最下位の14勝68敗におわる最悪のシーズンを過ごしたピストンズは、シーズン終了後にモンティ・ウイリアムズHCを解雇。
新ヘッドコーチにJB・ビッカースタッフをむかえ、再建に本気で取り組んだピストンズは、今シーズン2月1日現在24勝24敗と大躍進をとげています。
好調の最大の要因は、司令塔のケイド・カニングハムの圧倒的なパフォーマンスでしょう。
自身の攻撃力を昨年からアップ(平均22.7得点⇨25.3得点)させたケイドですが、注目すべきはアシストの数。
昨シーズン1試合平均7.5本だったアシストが、今シーズンは9.2と大きくのびています。
トレイ・ヤング(11.4)、二コラ・ヨキッチ(10.1)に次ぐリーグ3位のアシストを記録しているケイド。
チームメイトの良さを引き出し、世代最高のポイントガードと呼ばれてきた実力をいかんなく発揮しています。
上手さと強さをかねそなえたケイドは、初めてのオールスターの舞台で、チームを勝利に導く活躍をみせることができるのでしょうか?
個人的に今もっとも注目している選手です。
デイミアン・リラード
デイミアン・リラード
ミルウォーキー・バックス
シューティングガード
背番号 0
生年月日 1990年7月15日生まれ(34歳)
出身地 カリフォルニア州オークランド
出身校 ウィーバー州立大学
身長体重 188cm 88㎏
今季年俸 4878万ドル
ドラフト 2012年1巡目6位
2024-25シーズンスタッツ
40試合出場 25.0得点 4.6リバウンド 7.3アシスト
FG44.6% 3P38.0%
自身9度目のオールスター出場を決めたデイミアン・リラード。
説明不要のスーパースターは現在34歳となりました。
11シーズンをエースとして過ごしたポートランド・トレイルブレイザーズを去り、昨シーズンからはミルウォーキー・バックスでヤニス・アデトクンボとのコンビで優勝を目指しています。
今シーズンは開幕から絶不調のバックスの中で、安定したスコアリングをみせてきました。
徐々にバックスが順位を上げてきたのは、アデトクンボとリラード、2人のスーパースターの力によるところが大きいと思います。
得意の3ポイントシュートも昨シーズン(35.4%)より成功率があがっており(38.0%)、まだまだ衰えを感じさせないプレーを続けるリラード。
昨年のNBAオールスター2024でリラードは、39得点をあげMVPに輝いています。
印象的なディープ3も沈め、211-186の超大味な試合を制しました。
今シーズンのオールスターは40点先取のミニトーナメント。
リラードははたして、勝利のために戦うのか、エンターテイメントに走ってディープ3を連発するのか・・・。
願わくば前者であってほしいと思います。
ダリアス・ガーランド
ダリアス・ガーランド
クリーブランド・キャバリアーズ
ポイントガード
背番号 10
生年月日 2000年1月26日生まれ(25歳)
出身地 インディアナ州 ゲイリー
出身校 ヴァンダービルト大学
身長体重 185cm 87㎏
今季年俸 3673万ドル
ドラフト 2019年1巡目5位
2024-25シーズンスタッツ
47試合出場 21.7得点 2.5リバウンド 6.9アシスト
FG50.3% 3P42.8%
今シーズンイースタンリーグ首位を走るクリーブランド・キャバリアーズで、ドノバン・ミッチェルとガードコンビを組むダリアス・ガーランド。
2022年に続き、2回目のオールスターに選出されました。
昨シーズンはあごの骨折のため12月中旬から1月終わりまで離脱。
復帰後も後遺症のためか精彩をかき、プレーオフでは12試合で平均15.7得点と自慢の得点力を発揮することができず、苦しいシーズンとなりました。
カンファレンスセミファイナルでボストン・セルティックスに敗れたあと、キャブスはエースのドノバン・ミッチェルと3年の延長契約に成功します。
すると「ガーランドがチームにトレードを要求する」という噂が飛びかい、どこに移籍するのか連日真偽不明のニュースが飛びかっていました。
「得点力の高い攻撃的なガードは二人いらない」という記者の妄想か、本当にトレード要求していたのかはわかりませんが、結局はガーランドはキャブス残留となり、2024-25シーズンをむかえます。
開幕戦は7得点に終わったものの、徐々に調子をあげ、4戦目のニューヨーク・ニックス戦では34得点を記録。
前年の不調がウソのように、スピードあふれるドライブからの多彩なフィニッシュが戻ってきました。
キャブスは開幕からなんと15連勝。
ガーランドは勝利を重ねた15試合で、1試合平均21.4得点 2.4リバウンド 7.0アシスト FG52.5% 3P45.5%を記録し、大きく勝利に貢献しました。
その後もミッチェルとのコンビは猛威をふるい、キャブスは2月2日現在リーグ1位の勝率を維持しています。
やはり昨シーズンはあごの骨折の後遺症で力を発揮できなかったのでしょう。
かみ合わせが悪いと力強いドライブも難しいでしょうからね。
レブロン・ジェームズ、カイリー・アービング、ケビン・ラブのビッグ3を中心に戦い、王者ゴールデンステイト・ウォリアーズに勝利し優勝した2015-16シーズン以来、2回目のチャンピオンを目指して戦うキャバリアーズ。
守備の要、エバン・モーブリーも今回オールスターに初選出され、ノリにのっているキャブスは、このまま突っ走ることができるのか?
後半戦ガーランドがキーマンとなるかもしれません。
まずはオールスターの舞台でも、そのスピードでかき回してほしいですね。
今回のミニトーナメントとなったオールスターでは、ガーランドのスピードとフィニッシュ力は、大きな武器になるでしょう。
ベテランのスーパースターたちにとっては、スピードで勝負されるのが一番つらいでしょうからね。
タイラー・ヒーロー
タイラー・ヒーロー
マイアミ・ヒート
シューティングガード
背番号 14
生年月日 2000年1月20日生まれ(25歳)
出身地 ウイスコンシン州 ミルウォーキー
出身校 ケンタッキー大学
身長体重 196cm 88㎏
今季年俸 2900万ドル
ドラフト 2019年1巡目13位
2024-25シーズンスタッツ
46試合出場 23.8得点 5.5リバウンド 5.4アシスト
FG47.0% 3P39.4%
うれしいオールスター初出場となったタイラー・ヒーロー。
今シーズンはマイアミ・ヒートの新しいエースとして、自己最高のシーズンを過ごしています。
ヒートのエースと言えばジミー・バトラーでしたが、今シーズンは球団運営責任者のパット・ライリーと衝突をつづけ、チームにトレードを要求。
現在も無期限出場停止となっており、ひさしぶりに問題児の一面をみせています。
チームがバラバラになってもおかしくない中、なんとか戦うことができているのは、新エースと期待されているタイラー・ヒーローの力が大きいと思います。
1試合平均の得点、リバウンド、アシストはすべて自己最高ペース。
決して身体能力が優れているわけではありませんが〝類いまれなる″シュート力を武器にオフェンス面でヒートを強力に牽引しています。
思い返せば、2023年の夏、ヒーローは連日スポーツニュースをにぎわせていました。
ポートランド・トレイルブレイザーズの王様だったデイミアン・リラードが、チームにトレードを要求した際、真っ先にあがった希望先がマイアミ・ヒートだったのです。
交換相手として名前があがっていたのはタイラー・ヒーロー。
高い得点力を誇るヒーローでしたが、プレーオフでは精彩をかくことが多いため、ヒートとしてはリラードが獲得できるならよろこんで放出すると噂されていました。
しかし結局はブレイザーズ側がヒーローの獲得を望まず、リラードはミルウォーキー・バックスへ移籍。
「ヒーローのメンタル崩壊しているんじゃ?」「もうマイアミにヒーローの居場所はないのでは」とファンからは心配する声があがっていました。
むかえた2023-24シーズンはケガにより40試合を欠場したものの、平均20得点をクリア(20.8得点)。
そして今シーズンは2月2日現在46試合に出場し、チームトップの平均23.8得点を記録。
誰もが認めるマイアミ・ヒートの新エースとして、活躍を続けています。
ヒーローはトレード騒動をふり返り「ポートランドが僕をのぞまなくて良かったよ」と語っていますが、私たちファンも同じ気持ちです。
オールスターに選ばれることを大きな目標としていたヒーロー。
今回初選出されたことについてコメントを求められ「毎年、毎夏に費やした時間がようやく報われたと思う」「僕はただ成長しようと毎日努力し続けてきたんだ」と語っています。
NBAトップクラスの練習の鬼、ジミー・バトラーの姿を間近でみてきたヒーローは、新しいヒートのエースとして成長を続けていくことでしょう。
初めてのオールスターをおおいに楽しんでもらいたいと思います。
ジェイレン・ブラウン
ジェイレン・ブラウン
ボストン・セルティックス
スモールフォワード
背番号 7
生年月日 1996年10月24日生まれ(28歳)
出身地 ジョージア州 マリエッタ
出身校 カリフォルニア大学
身長体重 198cm 101㎏
今季年俸 4921万ドル
ドラフト 2016年1巡目3位
2024-25シーズンスタッツ
43試合出場 23.3得点 6.1リバウンド 4.8アシスト
FG45.9% 3P32.1%
4度目のNBAオールスター出場を決めたジェイレン・ブラウン。
ファイナルMVPに輝くなど実力は申し分ないものの、なぜか地味な印象がついているような・・・。
セルティックスには、1年後輩のエース、ジェイソン・テイタムがいるため、2番手あつかいされるのは仕方ないですが、昨シーズンのオールNBAにも選出されず、正当に評価されていない気がします。
ブラウン自身もいっつも文句言ってる気がしますね(笑)。
パリオリンピックアメリカ代表にも選出されず、チームメイトのデリック・ホワイトが追加招集(カワイ・レナードの離脱)された時はXで「ナイキ、これが自分たちのやり方か?」とナイキと契約している選手を意図的に選考したのでは、と疑問を投げかけました。
もちろんUSAバスケットボールのエグゼクティブディレクター、グラント・ヒルは「よくある噂の域を出ない話で、私は自分の責任をまっとうした」とブラウンが語った陰謀説を全否定。
めんどくさい選手のイメージがついてしまいました。
NBAで最も頭のいい選手と言われるブラウンですが、ちょいちょい余計なこと言っちゃうんですよね。
ただ実力は本物です。
今シーズンは1試合平均23.4得点をあげているものの、フィールドゴール成功率はルーキー時代に次ぐ低さの45.7%。
3ポイントシュート成功率は自己最低の32.2%とやや精彩を欠いています。
それでも自己ベストの4.8アシストを記録し、得意のディフェンスでもセルティックスの勝利に大きく貢献。
イースタンカンファレンス2位につけるセルティックスの主力として、相手の脅威となっています。
昨年のオールスターではスラムダンクコンテストに出場したものの、正直すべっちゃっいましたよね(笑)。
今年のオールスターでは本戦に集中して、日ごろの不満を爆発させる活躍をみせてほしいと思います。
エバン・モーブリー
エバン・モーブリー
クリーブランド・キャバリアーズ
パワーフォワード
背番号 4
生年月日 2001年6月18日生まれ(23歳)
出身地 カリフォルニア州 サンディエゴ
出身校 サザンカリフォルニア大学
身長体重 211cm 98㎏
今季年俸 1127万ドル
ドラフト 2021年1巡目3位
2024-25シーズンスタッツ
43試合出場 18.3得点 9.1リバウンド 2.9アシスト
FG57.3% 3P39.8%
現在リーグ首位を走るクリーブランド・キャバリアーズの守護神、エバン・モーブリー。
リーグ首位を走るキャブスから3人目のオールスター選出となりました。
211cm 98㎏のモーブリーは高さと身体能力をかねそなえ、NBAトップクラスの守備力をほこるパワーフォワードです。
今シーズンはオフェンスでも自己最高の1試合平均18.3得点を記録。
攻守両面でキャブスのキーマンとなっています。
特に好調なのが3ポイントシュート。
1年目25.0%、2年目21.6%だった3ポイントシュート成功率が、3年目の昨シーズン突如37.3%に急上昇していました。
今シーズンはさらに成功率がアップし、成功率はなんと39.8%(2月3日現在)に。
昨シーズン1試合平均1.2本だった試投数は、今シーズン2.7本と倍増しています。
3ポイントシュートが大きな武器になっているモーブリーは、よりクリス・ボッシュに似てきた気がします。
マイアミ・ヒートでレブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイドとビッグ3を形成し、リーグを席巻したパワーフォワード、クリス・ボッシュ。
211㎝のスマートな身体から放たれるジャンプシュートはかっこよかったなあ。
正直当時のヒートは嫌いでしたが、ボッシュのプレーはなぜか好きでした。
ちょっと控えめなところがよかったのかもしれません。
今のモーブリーも、ミッチェルやガーランドがガンガン攻める中、落ち着いてプレーしている感じがボッシュみを感じさせてくれます。
立ち姿も似ているんですよね、同じ211㎝ですし。
オールスターでは、特に自慢のディフェンスで、試合を引き締めてほしいと思います。
まちがっても、ディープ3合戦に「じゃあ俺も・・・」と加わらないように!
パスカル・シアカム
パスカル・シアカム
インディアナ・ペイサーズ
パワーフォワード
背番号 43
生年月日 1994年4月2日生まれ(30歳)
出身地 カメルーン ドゥアラ
出身校 ニューメキシコ州立大学
身長体重 203cm 111㎏
今季年俸 4218万ドル
ドラフト 2016年1巡目27位
2024-25シーズンスタッツ
47試合出場 20.5得点 7.4リバウンド 3.5アシスト
FG53.1% 3P41.5%
自身3度目のオールスターに選出されたパスカル・シアカム。
203㎝の多才なパワーフォワードは、7シーズン半をトロント・ラプターズで過ごしたのち、昨シーズン途中にインディアナ・ペイサーズに移籍しました。
ペイサーズではエースのハリバートンを支えるインサイドの得点源として大きく貢献。
名将リック・カーライルの元、超攻撃的なスタイルで戦うペイサーズに早々にフィットし、カンファレンスファイナル進出の大躍進に大きく貢献しました。
今シーズンはシーズン当初のハリバートンの不調もあり、スタートは最悪だったペイサーズでしたが、シアカムの安定した活躍もあり、徐々に順位を上げ、現在はイースタンカンファレンス4位の座をミルウォーキー・バックスと争っています。
シアカムの特徴は、運動能力と多才なフィニッシュ。
長い手足を武器に、多才なステップから放たれるシュートは相手の脅威となり、走力を生かした速攻やドライブでは相手を置き去りにしてしまいます。
ディフェンスでも手足の長さと運動能力は大きな武器となっており、相手のガードのスピードにもついていける機動力をもっています。
近年シアカムが3ポイントシュートを身につけたことが話題になっていますが、今シーズンは驚異の3ポイントシュート成功率41.5%を記録。
自己最高だった昨シーズンの38.6%を大きく超える成功率を記録しています。
なんでもこなすオールラウンドプレイヤーとして、攻守に存在感をみせているシアカムは、みんなからの愛されキャラでもあります。
今回オールスターに選ばれた瞬間、サプライズでチームメイトたちから祝福を受けるシアカムの満面の笑みを見て「ペイサーズに来てよかったなあ」と思いました。
アフリカのカメルーンで生まれた少年は、世界中でNBAとFIBAが共同で開催している「バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ」に参加し、NBAプレイヤーのルーク・バー・ア・ムーテと会えたことに感激しその後渡米、努力をかさね自らもNBAプレイヤーとなりました。
能力は高くても決して自分勝手なプレーに走らず、チームの勝利のために戦う男、パスカル・シアカムは、真のチームプレイヤーですね。
今回選ばれなかったチームメイトのタイリース・ハリバートンの分まで、オールスターの舞台で暴れてきてほしいと思います。
まとめ
4回にわたってオールスター出場選手について語ってきました。
NBA2年目のウェンバンヤマから、21年目のレブロンまで、多才なメンバーがそろっていますね。
今年のオールスターは、初めてのミニトーナメント。
昨年までのユルユルなオールスターはもう観たくありません。
優勝目指して、勝利のためにスター選手たちが力をあわせる展開になることを、期待しましょう。
レブロンやカリーやKDが、いつまでオールスターに出れるかわかりませんしねえ。
優勝目指して戦うスーパースターたちを、この目に焼きつけましょう!
