いよいよ「NBAオールスター2025」の先発選手が発表されました。
1年に1度のお祭りをいろどるのにふさわしい、強力なスターがそっていますね。
ただ今年はオールスターのフォーマットが大きく変わったため、今回選出された10人がそろってフロアに立つわけではありませんが・・・。
今回は、ファン投票で選出されたウエスタンカンファレンスの5人を紹介します。
ちなみにスタッツはオールスターのスターターが発表された、1月24日時点のものです。
レッツラゴー!
二コラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)
二コラ・ヨキッチ
センター
背番号 15
生年月日 1995年2月19日生まれ(29歳)
出身地 セルビア ソンボル
身長体重 211cm 129㎏
今季年俸 5142万ドル
ドラフト 2014年2巡目41位
2024-25シーズンスタッツ
38試合出場 30.2得点 13.4リバウンド 10.1アシスト
FG56.4% 3P47.9%
昨シーズン(2023-24)自身3度目のシーズンMVPを獲得し、現役№1プレイヤーの座を確実にした二コラ・ヨキッチ。
ポイントセンターとして、得点、リバウンド、アシストに非凡な才能をみせ、センタープレイヤーの概念を変えてしまいました。
シャックやユーイング、オラジュワン、ロビンソンなど、インサイドで強力なセンタープレイヤーはたくさんいましたが、完璧にゲームメイクをになうセンタープレイヤーは、長いNBAの歴史の中でも、ヨキッチが初めてですね。
今シーズンデンバー・ナゲッツは序盤に苦しんだものの、ヨキッチの常軌を逸する活躍で、1月24日現在ウエスタンカンファレンス4位と、きっちり修正しています。
12月7日のワシントン・ウィザーズ戦では、自己最多となる56得点に加え、16リバウンド 8アシストを記録。
ヨキッチの恐ろしさをみせつけましたが、試合には敗れてしまいました。
前半戦のナゲッツのちぐはぐ具合が現れています。
ただし今シーズン加入した、ベテラン司令塔のラッセル・ウエストブルックがチームに馴染んできてからは、ナゲッツは勢いに乗っています。
原動力はもちろんヨキッチの人間離れした活躍。
1月14日(日本時間1月15日)に行われたダラス・マーベリックス戦では、10得点 14リバウンド 10アシストを記録。
ジャマール・マレーが45得点をあげるなど絶好調だったため、ヨキッチはサポート役にまわり、今シーズン16回目のトリプルダブルを達成しました。
この試合でヨキッチは通算15000得点 &7500リバウンド&5000アシストを記録。
NBA709試合目での達成は、これまでラリー・バードが記録していた799試合目での達成を大きく上回る最速記録となっています。
伝説のオールラウンダー、ラリー・バードよりも1シーズン(82試合)以上早く達成してしまったんですから、ヨキッチの凄さがおわかりいただけるでしょう。
このマーベリックス戦から、ヒート戦、マジック戦、76ers戦、キングス戦と、現在5試合連続トリプルダブルを記録しているヨキッチ。
もう言葉がありません。
1月24日現在、シーズントリプルダブルを記録しているヨキッチは、この先どこまで記録をのばして行くのでしょうか?
オールスターになると、ややおふざけが過ぎるヨキッチですが、今年は楽しみながらも勝利を目指してほしいと思います。
シェイ・ギルジャス・アレキサンダー
シェイ・ギルジャス・アレキサンダー
ポイントガード
背番号 2
生年月日 1998年7月12日生まれ(26歳)
出身地 カナダ トロント
出身校 ケンタッキー大学
身長体重 198cm 88㎏
今季年俸 3586万ドル
ドラフト 2018年1巡目11位
2024-25シーズンスタッツ
43試合出場 32.0得点 5.3リバウンド 6.1アシスト
FG52.9% 3P34.8%
今季のシーズンMVPにもっとも近い男、シェイ・ギルジャス・アレキサンダー(SGA)。
現在ウエスタンカンファレンス首位を走るオクラホマシティ・サンダーを、圧倒的な得点力と勝負強さで牽引しています。
現地時間1月22日(日本時間23日)に行われたユタ・ジャズ戦では、自身初となる50点オーバーの54得点を記録しました。
SGAは今もっとも1on1が強いNBA選手ではないでしょうか。
決して派手な選手ではありませんが、1on1のかけひきのうまさ、スキルの高さにはホレボレとしてしまいます。
198㎝ 88㎏と細身ながら、あらゆるテクニックを駆使し、次々と得点を重ねるすがたをみていると「バスケってこんなに簡単だっけ?」と錯覚をおこしてしまいますね。
特に勝負のかかったクラッチタイムでの強さは、群をぬいています。
弱冠26歳ながら、ボールを持ったときの落ち着き具合は、しびれるほどです。
確実に2点をとる能力は、歴代でも上位にランキングされるでしょう。
SGAの武器は、オフェンスだけではありません。
ペリメーターディフェンスでも、リーグ屈指の実力を誇っています。
昨シーズンの1試合平均スティールは2.03でリーグ2位。
攻守にすきのないSGAの存在感は、オクラホマシティ・サンダーをウエスタンカンファレンス首位に押し上げています。
思いかえすと、SGAがここまでの選手になるとは夢にも思っていませんでした。
2018年のNBAドラフト1巡目全体11位でシャーロット・ホーネッツに指名され、直後にマイルズ・ブリッジズとのトレードでロサンゼルス・クリッパーズ入り。
1年目から全試合に出場し10.8得点 2.8リバウンド 3.3アシストを記録したものの、オールルーキー1stチーム入りも逃しています。
ルーキーシーズン終了後には、クリッパーズがオールスターのポール・ジョージを獲得するため、トレードの駒とされました。
このトレードの内容をまとめると・・・
クリッパーズ獲得
ポール・ジョージ
サンダー獲得
シェイ・ギルジャス・アレキサンダー
ダニーロ・ガリナーリ
1巡目指名権×5
スワップ権×2
もちろんポール・ジョージもすばらしい選手ですが、シーズンMVP最有力と呼ばれるまでに成長したSGAの姿をみると・・・
「サンダーうまくやったな」という言葉しか出てきません。
スーパースターに育ったSGAに加え、ケガはあったものの得点力の高いガリナリ、くわえて1巡目指名権5つですから、サンダーにとっては大勝ちトレードです。
ただ、当時このトレード内容を知ったときは「サンダーはSGAでいいのか?」が正直な感想でした。
「平均10得点のやせたロールプレイヤー」という印象でしたから。
本当にSGAの資質を見抜いていたのだとしたら、サンダーのスカウティング能力は、異次元ですね。
自身が得点をとるだけでなく、チームを勝利に導く活躍をつづけるSGA。
シーズン後半も若いサンダーを牽引し、シーズンMVP、そしてチャンピオンリングを勝ちとることができるのか。
今シーズンもっともホットなスーパースターです。
レブロン・ジェームズ
レブロン・ジェームズ
スモールフォワード
背番号 23
生年月日 1984年12月30日生まれ(40歳)
出身地 オハイオ州 アクロン
出身校 セントビンセント・セントメリー高校
身長体重 206cm 113㎏
今季年俸 4873万ドル
ドラフト 2003年1巡目1位
2024-25シーズンスタッツ
39試合出場 23.6得点 7.7リバウンド 8.9アシスト
FG51.1% 3P39.4%
NBA21年目を戦う、ついに40歳となったレブロン・ジェームズ。
人類の常識をことごとくブチやぶる男は、今シーズンも名門ロサンゼルス・レイカーズのエースとして、大暴れしています。
現地時間1月21日(日本時間22日)のワシントン・ウィザーズ戦では、40歳になってから初めてのトリプルダブルを達成しました。
NBAの歴史の中で、40歳を超えてトリプルダブルを達成した選手は、レブロンとカール・マローンのたった二人だけです。
しかも、レブロンは今シーズンヨキッチ(19回)に次ぐリーグ2位の9回のトリプルダブルを達成しています。
まだまだ衰えはみえませんね。
NBAドラフト2024では、息子のブロニー・ジェームズもレイカーズに2巡目全体55位で指名され、史上初の親子同時出場も果たしました。
現状ブロニーは実力的にNBAでは厳しい状態にあるものの、レブロンの威光もあり、4年790万ドル(約12億2450万円)の本契約を結んでいます。
たびかさなるレブロンの〝息子すごい″発言により、アンチも発生している状況をみると「息子のことはほっといたれよ・・・」とも思うのですが・・・。
とにかくNBAの歴史の中で、40歳でチームのエースをはるような選手はこれまで1人もいませんでした。
やはり〝キング″レブロン・ジェームズは化け物ですね。
ただ、年齢による衰えはディフェンス面に出ています。
ときおり豪快なチェイスダウンブロックをかますこともありますが、集中力を欠いて自分のマークを見失い、簡単にノーマークをつくってしまったり、ヘルプをさぼったり、ディフェンス面での問題点はふえています。
まあ日本の社会人バスケでは、シニアの大会に出場できる年齢ですから、仕方ないんですけれど・・・。
レイカーズとしては、ディフェンス面ではアンソニー・デイビスや八村塁選手らでレブロンのカバーをしながら、オフェンスでキングの実力を存分に発揮してもらいたいところでしょう。
昨シーズンは自己最高の3ポイントシュート成功率41.0%を記録していたレブロン。
今シーズンも高確率で決め続けています。
身体能力の衰えをシュート力でおぎなうよう、努力を積み重ねているのでしょう。
なんともすごい男です。
パリオリンピックではスーパースターが集まったチームUSAの中でも、特別の存在感をはなち、金メダル獲得の原動力となっていますし、まだまだやれるはずです。
レブロンにはNBAの象徴として、これからも活躍をつづけてほしいですね。
オールスターの舞台でも、マジで勝負に徹するレブロンを観たいと思うのですが・・・。
ステフィン・カリー
ステフィン・カリー
ポイントガード
背番号 30
生年月日 1988年3月14日生まれ(36歳)
出身地 オハイオ州 アクロン
出身校 デビッドソン大学
身長体重 188cm 84㎏
今季年俸 5576万ドル
ドラフト 2009年1巡目7位
2024-25シーズンスタッツ
36試合出場 22.6得点 4.9リバウンド 6.3アシスト
FG44.8% 3P40.7%
NBA、いやバスケットボールの歴史の中で、最高のシューター、ステフィン・カリー。
おそらく誰も異論をはさむ人はいないでしょう。
類いまれなるシュート力と、クラッチ力を武器に、4度のNBAチャンピオンに輝くなど、カリーはNBAの歴史にその名を刻んできました。
パリオリンピック決勝での大爆発も記憶にあたらしいところですね。
そんなカリーも現在36歳。
3月14日に37歳をむかえるスーパースターは、衰えも懸念される年齢となってきました。
あいかわらず高い確率で3ポイントシュートを決めているカリーですが、12月19日のメンフィス・グリズリーズ戦で、7本のシュートをすべて失敗し(うち6本が3ポイントシュート)、フリースローでの2得点に終わるなど、好不調の波が大きくなっています。
平均得点が前年の26.4から大きく下がっている点も、心配されていますね。
それでもフリースロー成功率は、現時点でリーグトップを記録しており、NBA最強のシューターであることには変わりありません。
今シーズンはスプラッシュブラザーズの相棒、クレイ・トンプソンがダラス・マーベリックスに移籍するなど、大きな変化があったため、カリーにとって難しいシーズンになっているのでしょう。
開幕から12勝3敗とロケットスタートをきり、予想に反してリーグ首位となったウォリアーズでしたが、その後5連敗と急失速。
現在はプレーイントーナメントを争うところまで落ちてきています。
ウォリアーズファン歴30年以上のわたくしリトルとしては、もう一度ウォリアーズの奇跡の快進撃をみたいのですが・・・。
そのためには、カリーの鬼神のごとき活躍が必要です。
まだまだ衰えてもらっては困ります。
存在自体が奇跡といえる、歴代最高のシューター、ステフィン・カリー。
2022年のオールスターで、カリーは27本中16本の3ポイントシュートを成功、50得点を記録しMVPを獲得しています。
千両役者ステフィン・カリーの大爆発を、オールスターの舞台でもう一度観てみたい!
カリーの大爆発によって、ミニトーナメントを勝ち抜き、優勝を手にしてほしいと強く願っています。
ケビン・デュラント
ケビン・デュラント
パワーフォワード
背番号 35
生年月日 1988年9月29日生まれ(36歳)
出身地 ワシントンDC
出身校 テキサス大学
身長体重 211cm 109㎏
今季年俸 5118万ドル
ドラフト 2007年1巡目2位
2024-25シーズンスタッツ
33試合出場 27.2得点 6.5リバウンド 4.1アシスト
FG52.3% 3P38.4%
NBAを代表するオフェンスマシーン、ケビン・デュラント(KD)。
レブロン、カリーに続く高齢選手(36歳)となった今も、その得点力に衰えはみえません。
あらゆるテクニックを駆使し、211㎝の身長から放たれるシュートは、正直止めようがないですね。
シーズン序盤にふくらはぎのケガと捻挫で10試合欠場したものの、出場した試合では相変わらずの化け物ぶりをみせつけています。
個人では圧倒的な活躍をみせているKDですが、所属するフェニックス・サンズの状況は最悪といってもいいでしょう。
KDと生え抜きエースのデビン・ブッカー、昨シーズンから加入したブラッドリー・ビール、3人のオールスター選手でビッグ3を形成したサンズは、優勝候補にあげられていました。
開幕から8勝1敗とロケットスタートをきり、期待どおりの強さをみせつけたサンズでしたが、その後KDがふくらはぎを痛め欠場した7試合で1勝6敗と大失速。
KDの影響力の大きさが浮き彫りとなります。
現在ウォリアーズらとプレーイントーナメント入りを争っているサンズですが、選手の総サラリーはリーグトップ。
ドラフト指名権はKDやビール獲得のために、おもいっきりだしてしまったため、2032年まではほとんどない(2026年の2巡目指名権1枚)状況。
正直サンズは詰んでいます。
ビールを獲得した時点で、NBAファンでもこうなることが予想できたんですけどねえ・・・。
なかなか戦力補強に動きたくても駒がすくない状況のサンズ。
現状はKD(とブッカー)の超人的な活躍に頼るしかない状況です。
今シーズンのKDは、得点力はいつもどおり圧倒的なうえに、サンズのトップディフェンダーとしても存在感をみせています。
KDにこれ以上の活躍を期待するのは、酷だといえるでしょう。
KDがNBAの歴史に残るスーパースターであることは間違いないのですが「バスライダー」と呼ばれるほど、強豪チームへの移籍をくりかえしてきたことで、あまりよいイメージがついていないのも事実です。
できればオクラホマシティ・サンダーでラッセル・ウエストブルックとともに、王者ウォリアーズに戦いを挑みつづける世界線を観たかったなあ・・・。
今回のオールスターが、4チームでのミニトーナメントになると発表された際、KDは不満の声をあげました。
「本当に最悪だよ。ひどいね。オールスターゲームのフォーマット変更は本当にひどいと思う。以前のようにイーストとウエストに分けて試合をするべきだ」
とかなり強い口調で批判していました。
ただ最後には「この新しいフォーマットがどうなるか観てみよう。自分が間違っているかもしれないしね」とも語っていたKD。
ミニトーナメントの中で、どんなプレーをみせてくれるのか、楽しみです。
まとめ
今回はNBAオールスター2025のスターターに選出された、チームウエストの選手についてまとめました。
ウエストのスターターは豪華ですね。
異次元の活躍を続け、昨シーズン自身3回目のシーズンMVPに輝いた、現役最強プレイヤーヨキッチ。
今シーズンのMVPにもっとも近いと言われている、若手ガード、シェイ・ギルジャス・アレキサンダー。
そして説明不要の大ベテラン、レブロン・ジェームズ、ステフィン・カリー、ケビン・デュラント。
まさにオールスターな5人がそろいました。
このほかにもルカ・ドンチッチやビクター・ウェンバンヤマ、アンソニー・デイビスにカイリー・アービングと、スター選手がそろっているウエスタンカンファレンスは、華やかさではイースタンカンファレンスを圧倒しています。
ただ、今年のオールスターは、東西のオールスターに選ばれた24人を、ドラフトで3チームに分け、ライジングスターを勝ち抜いたチームを加えた4チームでのミニトーナメントになるため、イーストvsウエストではないんですよね。
マイケル・ジョーダンやコービー・ブライアントの時代は、お祭り雰囲気の中でも、第4クオーターはプライドで真剣勝負になっていましたが、レブロン時代になってからは、最後までゆるーい雰囲気がただよう試合が多くなり、オールスター本戦が盛りあがらなくなっていました。
そこでNBAが真剣勝負の要素をくわえるために、今シーズン採用したのが、ミニトーナメント。
1試合40点をとったチームの勝利とする特別ルールのミニトーナメントが、ここ最近のお遊びオールスターを変えることができるのか、要注目です。
本当は伝統のイーストvsウエストでの真剣勝負をみたいんですけどねえ・・・。
とりあえず初めての試みに、期待をしましょう。
日本時間の2月17日(月)9時30分からNBA Rakuten、またはWOWWOWで視聴可能です。

